転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0226話

 ザフトは既に撤退し、連合軍も最後まで戦っていたドミニオンが生き残りの艦隊を連れて月基地へと撤退した事でコロニーメンデルを舞台にした戦いは終わりを告げた。それは同時にこの戦争で連合軍が真っ先に脱落した事実を示している。連合軍……と言うよりは、ブルーコスモスを引っ張ってきたアズラエルがこちらの手に落ちた事もあって大西洋連邦を始めとする連合軍はすぐに動けないだろう。また、失った戦力の補充という意味でも同様だ。

 そうなると後は、ザフトのジェネシスと強硬派のリーダーであるパトリック・ザラ。そしてこの戦争を影から煽っていたラウ・ル・クルーゼだろう。

 俺はメンデルにあるブリーフィングルームで、それ等の事を俺達に投降したイザークや形式上捕虜にしたナタルへと語っていた。もちろん以前ウズミ達に説明したように現在が正真正銘地球の危機である事も含めてだ。

 

「……馬鹿な。パトリック・ザラは何を考えているのだ? 地球上の生物の大半を殺すような攻撃を地球に向けて放つだと?」

 

 ナタルがパトリック・ザラの行動に理解出来ないとばかりに首を振る。

 

「それを言うのなら連合軍もだ! 再び核でプラントを狙うだと!? ユニウスセブンだけでは足りないというのか!」

 

 Nジャマーキャンセラーが連合軍に渡った後の歴史を知ったイザークが激昂する。

 そんな2人の様子を見ながら、アークエンジェル、クサナギ、エターナルの主要なメンバーは苦笑を浮かべていた。自分達が通ってきた道だけに2人の心情が理解出来るのだろう。

 ちなみに、その3艦に関しては現在メンデルのドッグで修理と補給を受けている。大きな損傷こそ無いが、ザフトのナスカ級や連合軍艦隊と正面からやりあった為にそれなりのダメージは受けているのだ。もっとも、それも数日と掛からずに完了するらしいが。

 

「そう言う理由で、俺達はこの戦争を連合・ザフトのどちらでもない第3勢力であるオーブを参戦させて核ミサイルやジェネシスを使わせないようにしようとしている。そっちのイザークは俺達に協力してくれるという事でいいんだな?」

「ああ。もしお前の話が本当なのだとしたら、それは止めなければならない。……ただしっ! お前の言ってる事が嘘だった場合にはどうなるか分かっているだろうな!」

「その時は好きにしろ。で、ナタルはどうする?」

 

 俺の言葉に、ナタルは自分の右脚を見る。そこにはドミニオンでアズラエルに撃たれた怪我があり、包帯が巻かれていた。アークエンジェルに帰還した後に医務室で受けた手当によるものだ。

 

「私は……軍人とは上の命令にただ従っていればいいものだとばかり思っていた。だが、アズラエルを見てしまった以上はそうも言ってられない。それに私はアズラエルをお前達に捕らえられてしまうのを防ぐ事も出来なかった。もう連合軍に私の居場所は無いだろう」

「なら?」

「ああ。このままでは本当に地球滅亡の危機だと言うのなら、私はお前達に協力しよう」

 

 ナタルのその言葉を聞いたムウが、その口元に笑みを浮かべる。

 

「ならドミニオンの艦長をしていたナタルだが、以前のようにアークエンジェルのC.I.C.を任せても構わないか? やはり実際の戦闘となるとマリューよりもナタルの方が得意だろうしな」

「ええ。……ナタル、お願いできる?」

「ラミアス艦長……はい、私でよければ是非」

 

 マリューの差し出した手をしっかりと握るナタル。こうしてアークエンジェルの戦闘態勢は以前と同じものになった。

 

「なぁ、それでイザークはどうするんだ?」

 

 マリューとナタルの様子を見ていた俺へとディアッカからそう声が掛けられる。

 その隣では何が面白くないのか、イザークが不機嫌そうな顔で俺達の方へと視線を向けていた。

 

「どうすると言われても……アークエンジェルにいるのが一番だろうな。クサナギは既にメギロートの専用運用艦状態になっているし、エターナルにしてもフリーダムとジャスティスの専用運用艦だしな。それにイザークとしてもどうせならディアッカと同じ艦の方がいいだろう? アスランと同じ艦がいいというのなら、ラクスやバルトフェルドに交渉しても構わないが」

「ふんっ、俺は別にどこでも構わん。それよりも戦闘中にも言ったと思うが後で話をさせて貰うぞ!」

 

 イザークは俺を睨みつけながらそう言ってくる。

 ブリッツに関する件で余程恨みを買っていたらしい。……脳裏に今までイザークとデュエルにしてきた事を思い出す。

 ……まぁ、それも無理はないか。

 

「ああ、分かった。この話が終わったら時間を取る」

「ならいい」

 

 俺の返事に満足げに頷くイザーク。

 

「現在、アークエンジェル、クサナギ、エターナルの修理と補給が進められている。レモン、数日くらいで完了すると言っていたが具体的な日数は分かるか?」

 

 俺の質問に目を瞑るレモン。頭の中で整備作業の進行を確認しているのだろう。

 やがて数秒で考えが纏まったのか、目を開く。

 

「最低限という意味でなら2日程。万全を期すのなら4日といった所ね」

「2日と4日か」

 

 ジェネシスの開発状況が不明な以上、奇襲を掛けるのは早ければ早い程いい。だが、応急的な処置で奇襲を仕掛けると言うのも遠慮したい。なら2日は許容範囲内、か?

 

「なら4日後にヤキン・ドゥーエとジェネシスに奇襲を仕掛けようと思うが、構わないか?」

 

 俺の言葉に頷く一同。だが、イザークとナタルだけが眉を顰めている。

 

「アクセル・アルマーとか言ったな。このL4宙域からプラントのあるL5宙域までは俺達が使っていた高速艦のナスカ級でも5日程掛かるぞ? そうなると実際に戦闘が可能になるのは単純計算で9日程先になるが、そのジェネシスというのは大丈夫なのか?」

「……ん? あぁ、そうか。お前達には説明していなかったな。ヤキン・ドゥーエに対する奇襲はやろうと思えばすぐにでも可能だ。俺達シャドウミラーにはシステムXNという転移装置があるんでな」

「馬鹿なっ、転移装置だと!? お前達はそんな物を持っているのか」

 

 驚愕の表情で俺を見るイザークとナタル。

 

「俺達の世界とこの世界では技術的には数十年、下手したら百年単位の差があるからな」

「にしても、転移による奇襲と言うと思い出すわね」

 

 俺達のやり取りを聞いていたレモンが苦笑を浮かべながら呟く。

 

「何を思い出すのだ?」

 

 レモンのそんな様子が気になったのか、コーネリアが尋ねている。

 

「私達の世界に異星人が攻めてきた事があってね、そいつ等の使っていた戦術が今アクセルが言ってるような転移装置による奇襲攻撃だったの」

「異星人って、それは前に言っていた?」

 

 キラが思わず呟いている。他の面々にしても同じような顔で俺やレモンへと視線を向けていた。

 そう言えば、SEEDの世界ではファーストコーディネーターのジョージ・グレンが木星でエヴィデンス01とかいう化石を発見していたな。それもあって、この世界では地球外生命体に強い興味を持っているのだろう。それにこの場にいる面々の幾らかには以前俺達が異星人と戦った経験があると漏らした事もあったしな。

 

「ええ。インスペクターという異星人がね。それに元々私達の本拠地であるホワイトスターもまたエアロゲイターという他の異星人の移動要塞よ? それをアクセルが空間倉庫を使って奪った訳だけど」

「話がずれてるぞ。ともかく、4日後に準備万端の状態でヤキン・ドゥーエに奇襲攻撃を仕掛ける。これはいいな。それでキラ、フレイの様子は?」

 

 俺に話しかけられたキラが微かに顔を曇らせながら口を開く。

 

「現在は部屋で眠っています。救命ポッドに入れられて宇宙に投げ出されたのがかなり堪えたようで」

 

 考えてみればフレイが救命ポッドで宇宙に放り出されるのはヘリオポリスに続いて2度目なのか。しかもヘリオポリスの時は避難先がそのまま放り出された形なので周りに多くの人がいたが、今回はフレイ1人だけでだ。

 

「そうか、後でゆっくりと話すといい。それで、例のディスクは?」

「これです」

 

 ポケットから取り出したディスクをこちらへと渡してくる。

 

「さて、本当に俺の知ってる通りだとしたら……」

 

 ブリーフィングルームにあるコンピュータへとディスクを挿入し、中のデータをスクリーンモニタへと表示させる。

 

「……やっぱりな」

 

 そこに表示されているのはフリーダムにジャスティスの設計データ。そしてNジャマーキャンセラーに関するデータや設計図等だった。

 

「クルーゼっ!」

 

 ムウの吐き出すような声が響く中、コンピュータからディスクを取り出す。

 その様子を見ながら他の面々へと視線を向ける。

 

「このディスクはここで破壊した方がいいと思うか? それともいざという時の為に持っていた方がいいと思うか?」

「そう、ね。私の意見を言わせて貰うのなら、持っていた方がいいと思うわ。そのディスクがある以上は、クルーゼの方にもコピーがあると見るべきよ。ならそのデータが悪用された時の為に、私達がそのデータを確保しておいた方がいいと思う」

 

 コピーがある、というのが決定的だったのだろう。誰もレモンのその意見に反対する事が出来なかった。

 

「分かった。なら取りあえずこのデータは俺が空間倉庫に保管しておく」

 

 ディスクに触れながら頭の中で『収納』と考えると、次の瞬間にはディスクは消え去っていた。

 

「クルーゼ隊長……」

 

 今の一連のやり取りを見て、無念そうに呟いたのはイザークだ。つい数時間前まで自分の尊敬できる上司であると思っていた人物のその本性を信じたくは無いのだろう。

 だが、既にクルーゼについてはその素性や目的も含めてイザークやナタルには話してある。それがこのデータで証明されたのは間違いない。

 その様子を見て、ふと思い出す。

 

「そう言えばアズラエルはどうした?」

 

 ドミニオンから連れてきたアズラエルはアークエンジェルに帰投後に保安要員へと引き渡したが、それ以降については把握していない。

 

「奴なら医務室で治療した後に拘束室に閉じ込めてあるが」

 

 俺の質問に答えたのはコーネリアだった。けど、閉じ込めてる?

 

「パッと見、結構重傷だと思ったんだが違うのか?」

 

 スライムの槍で貫かれたのだ。最低でも手術は必要だとばかり思っていた。

 

「重傷? 怪我はしていたが、脇腹の肉を多少抉られた程度だったぞ? 怪我した場所を洗い流して、消毒して包帯を巻いて治療完了だ」

「……ならドミニオンのブリッジで気絶してたのは?」

「恐らく恐怖や混乱が極まって……ではないか?」

 

 ……アズラエル……

 

「ま、まぁ、いい。とにかくアズラエルはヤキン・ドゥーエとジェネシスに対する奇襲作戦が成功してオーブに帰る時まではそのまま拘束室に入れておけ。食事は忘れないようにな。奴には連合側のスケープゴートになるという大事な役目があるんだし。……アスラン」

「何です?」

「連合側のスケープゴートがアズラエルなら、ザフト側の責任者はお前の父親になるだろう。最低でも終身刑は確実だと思うが、構わないな?」

「……はい。恐らく父はユニウスセブンで母を失った事により自分で止まりたくても止まれないんだと思います。なら息子として俺が父を止めて見せます」

「そうか。その覚悟があるなら問題無いだろう。さて、では会議はこれで終わりとする。各自今日は戦いの疲れを癒して、明日から艦の修理や補給作業を手伝ってくれ」

 

 その言葉で会議が終了し、皆それぞれ自分のやるべき事をやる為に散っていく。俺の周囲にもレモン、コーネリア、マリューの3人が集まっていた。

 

「さて、連合軍艦隊の撃退にも成功したし、ブルーコスモスの盟主であるアズラエルも捕らえる事が出来た。今日くらいはゆっくり休んでも構わないわよね?」

 

 マリューが俺の腕を抱きながらそう口に出す。レモンやコーネリアにしても特に異論はないようだ。そのまま4人でブリーフィングルームを出ようとし……

 

「ちょっと待て!」

 

 俺の前にイザークが立ちはだかる。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:540
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:361

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