転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2374話

 模擬戦の舞台は、密林の中となった。

 東南アジア戦線の戦闘は密林だから、この模擬戦を見学している基地の連中にも分かりやすいようにとこのような舞台が用意されたのか、それとも今までのようにランダムで決まったのか。

 その辺りの理由は分からないが……ぶっちゃけ密林での戦闘となると、俺にとっては非常に有利になってしまう。

 向こうがどのような状況なのかは分からないが、こうも見通しの悪い場所での戦いとなると、当然のように同士討ちに注意する必要がある。

 そんな敵に比べると、こちらは俺以外は全員敵である以上、接触した相手は全て撃破してしまえばいい。

 それ以外にも、敵の援護射撃の要のガンタンク隊が、この密林の中では使い物にならない。

 どこのポイントを攻撃するかの座標を指示し、それでようやくガンタンク隊が攻撃するといった事になると思うのだが、そんな悠長な事をしている間に俺は既にその場から消えているだろうし。

 そうなると、ガンタンクで有効な攻撃方法というのは俺がその場所に近寄らせないようにして攻撃するか、もしくはまぐれ当たりを期待するか。

 よっぽど運が悪くなければ、その辺は気にしなくても……あ、運が悪いとって時点で俺は危険か?

 どこの世界に行ってもトラブルに巻き込まれてるしな。

 間違いなく何らかの原作がある世界なんだろうが……出来れば、日常系とか、そこまでいかなくてもスポーツ漫画とかの世界に行ってみたい。

 そんな風に考えながら、スラスターを7割程の出力にして木々の間を縫うように移動していき……

 

「早速1機」

 

 丁度木々の間から抜けたところで、陸戦型ジムを1機見つける。

 向こうもこの距離まで近づかれれば当然のように気が付いたのか、即座にこちらに振り返ろうとするが、それよりも前にビームダガーで背後からコックピットを貫く。

 もし実戦なら核融合炉が爆発してもおかしくはないのだが、これはシミュレータなのでそういう心配はいらない。

 ただ、反応が鈍かったことを考えると、今の陸戦型ジムは恐らくサマナだろう。

 ユウやフィリップなら、ピクシーを察知した瞬間にもっと素早く行動していた筈だ。

 背後で陸戦型ジムが崩れ落ちる音を聞きながら、俺は足を止めることもなく密林の中を進む。

 味方が撃破されれば、当然のように向こうもそれを察知して、次の手を打ってくる。

 であれば、1人という少数の俺としては、そんな相手の行動を待つのではなく、こちらから積極的に攻撃をしていく。

 木々の隙間を縫って移動していると、映像モニタにガンキャノンと陸戦型ジムの姿が映り、それを見た瞬間に俺は機体の動きを止める。

 かなり強引な動きだったので、もしこれがシミュレータではなく、本当のMSであれば、Gによって強い衝撃を受ける者もいるだろう。

 だが、混沌精霊の俺にとってはそんなことは関係ないので、そのまま木に隠れながら様子を見る。

 陸戦型ジムのパイロットがユウかフィリップかで、戦う時の難易度が大きく違ってくる。

 ユウとフィリップの間には、それだけの実力差があるのだ。

 とはいえ、あの機体の動かし方から考えると、恐らく……いや、ほぼ確実にフィリップだろう。

 ユウとフィリップがシミュレータで戦う光景は、今日だけでも何度も見たので大体理解出来る。

 となると、残る戦力はアムロ、ユウ、ガンタンク隊か。

 ガンタンク隊はともかく、アムロとユウが手を組んで襲ってくると、少し……いや、かなり厄介なのは間違いない。

 それぞれ別行動を取っていて欲しいんだが、どうなんだろうな。

 ともあれ、今はフィリップとカイを倒すのが最優先だ。

 最初に倒すのは……フィリップの陸戦型ジムか。

 ガンキャノンは、接近すれば攻撃手段が殆どない。

 殴るか、頭部バルカンか。

 であればビームサーベルを使える陸戦型ジムを先に倒し、その後は攻撃手段の少ないガンキャノンを攻撃した方がいい。

 そう判断し、木の陰から出てスラスターを全開にする。

 今までは7割程度だったが、今回は全開。

 これがシャドウミラーの機体であれば、テスラ・ドライブやブラックホールエンジンの影響で推進剤の類を心配しなくてもいい。

 だが、UC世界のピクシーは推進剤が必須となる。

 つまり短期決戦ならともかく、長期の戦闘となると下手をしたら動けなくなってこっちが負ける可能性もある。

 だからこそ、緩急を今まで以上に気をつけて行う必要があった。

 ピクシーが猛スピードで近づいてきたのを察したフィリップの陸戦型ジムが、ビームライフルをこちらに向ける。

 カイのガンキャノンもフィリップとほぼ同時にこちらに気が付いたが、この場合は機体が悪い。

 密林の中で両肩に低反動キャノンがあり、持っているビームライフルもガンダムより高性能ではあるが、その分だけ大きさも上だ。

 どうしても、取り回しが悪くなってしまう。

 そんな訳で、最初に攻撃をしてきたのはフィリップの陸戦型ジム。

 俺はその攻撃を木々の間を縫うように移動しつつ、接近していく。

 90mmサブマシンガンを使おうかとも思ったのだが、密林で木々が大量に生えている状況では、弾幕として使ってもあまり効果はない。

 ……それに、陸戦型ジムもガンキャノンも、ルナ・チタニウムの装甲だし。

 なら、そんな90mmサブマシンガンは、目眩まし程度にしかならない。

 そして、木々が林立しているここでは、木そのものが目眩ましとして有効に働く。

 

「っと!」

 

 ビームを回避しながら、陸戦型ジムとの間合いを詰める。

 90mmサブマシンガンを持たない代わりに、両手にそれぞれビームダガーを持って。

 そんなピクシーの姿に、動揺した様子を見せる陸戦型ジム。

 普通ならビームを回避するなんて不可能……とまでは言わないが、それでも難しいのは間違いない。

 もっとも、動揺したのは数秒にも満たない時間ではあったが……こっちが攻撃をするには、十分な時間でもあった。

 真っ直ぐ突き出されたビームダガーが、陸戦型ジムのコックピットを貫く。

 もう一方のビームダガーを振るい、ガンキャノンのコックピットも狙うが……横薙ぎに振るわれた一撃は、ガンキャノンのコックピットではなく装甲を斬り裂いただけに終わる。

 とはいえ、今の一撃にはカイも驚いたのだろう。半ば反射的にビームライフルを鈍器代わりに叩きつけてくる。

 地面を蹴り、同時にスラスターを使ってその動きを回避しながら、横を通り抜けざまにビームダガーを一閃。

 ガンキャノンのコックピットが斬り裂かれ、撃破扱いとなる。

 素早くその場を離れながら、装甲を斬り裂いた後でなら、90mmサブマシンガンを間近で撃っても撃破は出来たなと思い直す。

 とはいえ、ビームダガーの方が素早く確実なのだが。

 ビームライフルとは言わないけど、ビームピストルみたいな小型のビーム兵器は欲しい。

 中距離くらいでしか使えなくてもいいから。

 そんな風に思っていると……

 

「うおっ!」

 

 俺から少し離れた場所にある密林が、唐突に吹き飛び、その衝撃によって走っているピクシーがバランスを崩す。

 スラスターを使って何とか機体の体勢を立て直しながらも、何が起きたのかを理解する。

 これは、間違いなくガンタンクの低反動キャノンによる砲撃だろう。

 俺がいる場所をどうやって察したのかは分からないが、厄介な攻撃なのは事実だ。

 ただ、今のは純粋に俺を狙った一撃という訳でもなかったらしく、次に爆発したのは先程爆発した場所からかなり離れている。

 最初の一撃が惜しかったのは、フィリップとカイが負けたのを察して、その周辺に一撃を与えたのか?

 取りあえず今はその辺を心配しなくてもいいな。

 とはいえ、この状況で怖いのはガンタンク隊が適当に撃った弾がこっちに飛んでくる事だ。

 適当だからこそ、こちらのどこに命中するのかといったことが分からず、厄介な扱いとなってしまう。

 ……アムロとユウは後回しにして、まずは余計な茶々を入れられないようにガンタンク隊を倒すべきか。

 そうなると、問題なのはガンタンク隊が一体どこにいるかだろう。

 見つかれば間違いなく一方的に撃破される以上、向こうだって一塊にはなっていない……と、思う。

 そうなると、1機ずつ撃破していく必要がある訳で、何だかんだと面倒臭いな。

 ともあれ、まずはガンタンク隊を見つけるのが最優先だな。

 推進剤の方は、ある程度節約してきたという事もあり、まだ結構余裕がある。

 そうなると、勘頼りか。

 T-LINKシステムがあれば、どこに敵がいるのかといった情報を得る事が出来るんだが……ああ、でもアムロもシミュレーションではニュータイプ能力を使う事は出来ないのか。

 ともあれ、現状で厄介なのはやはりガンタンク隊だ。

 適当に撃って、それが命中なんて事になったら最悪だし。

 そんな訳で、まずはアムロとユウは相手にせず、ガンタンク隊のいる場所に向かう。

 密林の中を、アムロやユウに見つからないように移動し……運がいいのか、密林の端まで行かずとも、2機のガンタンクを見つける事に成功する。

 てっきり、3機は別々に散っているとばかり思っていたんだが……正直なところ、これは予想外だ。

 いや、密林だと考えると、ガンタンクが移動するのは難しいから、こうやって1ヶ所に固まっているのが正解なのか?

 取りあえず1ヶ所に固まっていれば、1機が攻撃された時にもう1機が反撃する事が出来るし。

 残り1機がいないのは……恐らく綾子のガンタンクだろう。

 ホワイトベースの中でも突出した操縦技術を持っている綾子であれば、この密林でもガンタンクを操縦可能だろうし。

 

「ともあれ……いただきます」

 

 そう告げ、一気にガンタンクに向かって距離を詰める。

 ピクシーが手にしているのは、当然のようにビームダガー。それも両手に。

 素早く近づくピクシーに気が付いたのか、2機のガンタンクは低反動キャノンではなく両腕のボップミサイルをこちらに向けてくる。

 ミサイルのマシンガン……というのは少し大袈裟だが、この武器は大体そのような武器で間違いない。

 2機のガンタンクからボップミサイルが発射……される寸前、既に俺は近くにいるガンタンクの間近にまで迫っていた。

 実際にボップミサイルが発射されるまでに、突き出されたビームダガーがガンタンクのコックピットを貫く。

 ただし、ここで注意しないといけないのは、ガンタンクは頭部の部分と車両の部分の両方にコックピットがある2人乗りの機体だという事だ。

 よって、頭部……砲手のコックピットを破壊しても、ガンタンクそのものはまだ普通に動かせる。

 だからこそ、頭部を破壊した後で車両部分も貫く事で、ようやく撃破に成功した。

 この辺りが、普通のMSよりも倒しにくい。

 ぶっちゃけた話、俺としては1撃で倒せる分、ガンタンクよりも普通のMSの方が倒しやすい。

 ともあれ、そうやってガンタンクを1機撃破した後で、そのガンタンクの位置をもう1機のガンタンクがいる場所に合わせる。

 結果として、最初に撃破されたガンタンクは俺にとっても盾代わりになり、もう1機のガンタンクが放ったボップミサイルはガンタンクの身体に連続して命中し、爆発する。

 その爆発に紛れて一気に接近し、最初と同じ要領でガンタンクを撃破し……

 

「っと!」

 

 咄嗟にピクシーを動かして、その場から回避する。

 同時に、ビームライフルが2発とボップミサイルが大量に俺がいた場所に命中し、爆発する。

 ちっ、もしかして俺がここに来るのを読んでいたのか? それで、ガンタンクを倒すのを前提に、こっちの気が緩むのを待っていた?

 実戦ではなく、シミュレータだからこそ出来た作戦か。

 ガンダムと陸戦型ジム、アムロとユウは……待ち伏せをしていたんじゃなくて、俺がガンタンクと戦っているのに気が付いてやって来たといったところか。

 ともあれ、こちらとしては敵が纏まって姿を現してくれたのは助かったが、アムロ、ユウ、恐らく綾子という精鋭が揃っているのは面白くない。

 ピクシーの推進剤も相応に消耗している以上、ここは短期決戦を挑ませて貰う!

 スラスターを全開にしつつ、最初に向かったのは残りの中で最強たるアムロ。

 ビームライフルの一撃を回避し、陸戦型ジムとガンタンクの攻撃もスラスターを使って回避しながらアムロのガンダムに近づくと、それに対応したようにガンダムもビームサーベルを抜いてこちらに振るってくる。

 その一撃をビームダガーで受け止め、もう片方のビームダガーでコックピットを貫く。

 そのまま撃破したガンダムをユウの陸戦型ジムに投げつけると、それを回避した数秒にも満たない時間を利用し、接近。同様にビームダガーで倒す。

 そしてボップミサイルを回避しながら綾子の操るガンタンクに接近し、ビームダガーを上下両方のコックピットに叩き込んで撃破し……俺の勝利が決まった時、推進剤はもう限界近くまで減っていたのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:425
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1469

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