転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2370話

 シローとの話を終えてホワイトベースに戻った俺とブライトだったが、そこにはイーサンからの連絡が入っていた。

 正確には、連絡ではなく伝言という形だったが。

 レビル直轄の部隊の軍人に、自分の部下が絡んだ件の謝罪。

 オブラートに包まれた上に色々と小難しい話が混ざっていたが、結果としてはそんな感じだ。

 あの絡んで来た3人は、相応の処分を下したらしい。それがどんな処分なのかは分からないが。

 個人的には、謝罪の気持ちとして陸戦型ガンダムをプレゼントして欲しかったりもしたんだが……どうやら、そうはならなかったらしい。

 今の連邦軍にとってMS1機がどれだけ大事なのかというのは、考えるまでもなく明らかだしな。

 それを考えれば、部下が絡んだ程度で……それも実際に手を出した訳ではないともなれば、MSを譲渡するといった真似は出来なかったのだろう。

 ともあれ、イーサンからの伝言を聞いた後、今度はホワイトベースへの来客があった。

 

「俺が一緒に会う必要があるのか?」

「モルモット隊の面々なんだから、ここで会っておいた方がいい。だからリュウも呼んだんだしな」

「あー……まぁ、ホワイトベースの中にはMS隊を率いる人物がいないしな」

 

 若干誤魔化すように、リュウが呟く。

 その言葉は、決して間違っていない。

 本来なら下士官のリュウがMS部隊を率いてもおかしくはないのだが、元々リュウは戦闘機乗りであって、MSの操縦訓練は……やってない事もないが、それでも決してMSの運用について理解が深いわけでもないし、乗っているMSはガンタンクで指揮に向いている訳でもない。

 かと言って、MSの運用でリュウよりも上のアムロやカイは少し前までは一般人だった事もあり、軍人としての教育を受けていない。

 俺はそもそもホワイトベースの傭兵のような立場である以上、連邦軍としては指揮を任せる訳にもいかないだろう。後々のことを考えても。

 結果として、取りあえず臨時的に、俺とリュウがMS部隊の代表という形でブライトと一緒に艦長室でこうして待機している訳だ。

 

「アムロに指揮官をやれってのも無理だしな」

「アムロには指揮官じゃなくてエースとして、縦横無尽に敵を撃破する事に専念して欲しいくらいだ」

 

 しみじみと告げるリュウ。

 指揮官とエースのどちらがアムロに向いているかと言われれば、やはり後者だというのは、俺も同意出来る。

 ジオン軍ではMSのエースパイロットが指揮官を兼任している事も多いが、別に絶対に両方が一緒でなければならない訳ではない。

 効率を考えれば、別々の方がいいくらいだ。

 ジオン軍には、偶然その両方に適性を持った者達が多かったという事なのだろう。

 

「それは否定しない。俺もそんな感じだしな」

 

 シャドウミラーにおいて、ニーズヘッグという特化戦力を扱う俺は、エースであっても指揮官ではない。

 指揮に関しては、ぶっちゃけ実働班のコーネリアに丸投げしている形だ。

 俺も士官学校で勉強してきてはいるが、指揮という点では明らかにコーネリアの方が上だし。

 

「いや、一国の代表がエースでどうするんだよ。普通なら、一国の代表は指揮官だろ」

「リュウ、そもそも一国の代表が前線に出て来る時点でおかしいんだが」

 

 リュウの言葉にブライトが突っ込み……それに俺が何かを言おうとしたところで、艦長室の扉がノックされる。

 

「ブライト、モルモット隊の方々をお連れしたわ」

 

 ミライの声に、ブライトが入るようにと告げる。

 すると扉が開き、ミライを入れて5人が艦長室に入ってきた。

 まず真っ先に入ってきたのは、東洋風の顔立ちの男。

 見るからに冷静そうな、それでいて軍人として高い能力を持っている雰囲気を感じさせる。

 次に入ってきたのは、白人の男。

 どこか軽い雰囲気を持っている。

 そして次は、顔立ちに幼さを残している男。

 こうして見る限りでは、士官学校を卒業しているようには思えない。

 もしかして、軍属上がりか?

 最後に入ってきたのは、ショートカットの女。

 顔立ちはそれなりに整っているが、美人というよりは可愛いという表現の方が相応しい。

 

「ユウ・カジマ少尉、フィリップ・ヒューズ少尉、サマナ・フュリス准尉、モーリン・キタムラ伍長です」

 

 ユウと名乗った男が、敬礼しながらそう告げ、敬礼する。

 ユウ以外の他の面々も、それに合わせるように敬礼した。

 

「よく来てくれた。私がこのホワイトベースの艦長をしているブライト・ノア中尉だ。そしてこっちの2人は、リュウ・ホセイ曹長。そして民間協力者のアクセル・アルマーだ」

「……アクセル・アルマーだって? いや。けど……他人のそら似か?」

「ちょっ、フィリップ少尉。静かにしてて下さい!」

 

 何だか俺の名前が紹介されるとフィリップとサマナの2人が軽く言い争いをしているが……俺の名前はUC世界では有名だし、そうおかしな話でもないか。

 

「まぁ、隠しておくのも何だし、そっちでも気になってるようだから言っておくが、そっちのフィリップだったか? そいつが言った通り、お前の思ったアクセル・アルマーで間違いない。外見が若返っているのは、魔法の効果だな」

 

 正確には違うのだが、混沌精霊云々というのを説明すると、色々と面倒な事になる。

 

「それ、本当ですか!?」

 

 不意に、そんな声が部屋の中に響く。

 その声を発したのは、モーリン。

 見た目からして可愛らしい……言い換えれば子供っぽいモーリンだが、そんなモーリンであっても若返りに関しては興味津々なのだろう。

 とはいえ、それは女であれば当然のことなのかもしれないが。

 

「そうだ。ただ、言っておくがこれは外見だけを変えてるだけで、本当に若返ってる訳じゃないぞ」

 

 不老というだけなら、それこそシャドウミラーに所属すれば貰える時の指輪の受信機で、あっさりと達成出来る。

 とはいえ、これもまた混沌精霊の件以上に教えない方がいいだろうと判断したが。

 モーリンは俺の言葉に何かを言おうとし……そこで、ここが艦長室だと気が付いたのだろう。

 ブライトやリュウから唖然とした視線を向けられ、顔を真っ赤に染めながら謝罪の言葉を口にして後ろに下がる。

 

「あー……うん。その、気にするな。普通ならアクセルがここにいるという時点で驚く」

 

 モーリンの一件はなかった事にしたのか、ブライトがそう告げる。

 その事に気が付き、モーリンは更に顔を赤くして俯くのだが、その辺はしょうがないだろう。

 

「北米からユーラシア大陸まで、ホワイトベースの護衛としてやってきたんだが、その流れでゴップからの依頼を受ける事になってな。その結果として、この後でホワイトベースが派遣されるだろう作戦に参加する事になった。……だよな?」

 

 俺が視線で尋ねると、ブライトが頷き、口を開く。

 

「アクセルの言う通りだ。そして、それでもまだ戦力が足りないと判断されたのか、モルモット隊がこちらに合流することになった」

「ちょっ、ちょっと待って下さい。アクセル・アルマーがいるのなら、それこそ俺達なんか必要ないでしょう。たった1人で、グラナダの全戦力を相手にしても、無傷で勝つような戦力ですよ? そんな状況で、これ以上の戦力は……」

 

 フィリップの言いたい事は分かる。

 実際、俺達が攻撃するのが地球上で最大級のジオン軍の拠点たるオデッサであっても、ニーズヘッグを使えば、俺1人だけでどうにでも出来るのだろうから。

 だが、それはあくまでもニーズヘッグを使った場合の話であり……

 

「それは機体の問題だな。現在俺が乗ってるのは、ニーズヘッグ……グラナダを攻略した機体ではなく、連邦軍が開発したガンダムピクシーだ。推進剤やらエネルギーやらの問題がある以上、俺だけだと戦力が足りないのは間違いない」

 

 また、ピクシーの機体特性というのも関係してくる。

 基本的にその高い機動力と運動性を活かした近接戦を想定されているピクシーは、当然のように敵を倒す時にはビームダガーを使う事になる。

 そうなれば敵に近づく必要があり、ビームライフルのような射撃兵器で敵を倒すよりも、時間が掛かる。

 その辺の事情を考えれば、ピクシーだけで敵を一掃するといったことには向かないだろう。

 寧ろ、ピクシーは敵のエースを倒す為のエースキラー的な存在として、使い道がある機体だと言ってもいい。

 そう説明すると、聞いていたモルモット隊の面々は納得したように頷く。

 

「そこまで近接戦闘に特化した機体というのは……正直、かなり使いにくそうに思えますが」

 

 サマナの言葉に、ユウやフィリップが同意するように頷く。

 

「そうだよな。敵を倒す時は基本的に射撃武器が多いし」

「その辺は、ピクシーが実験機の類であるというのも、関係してるんだろうな」

 

 あそこまで近接戦闘に特化した機体であれば、それこそ使いこなせる者はそう多くはない。

 純粋に地球上での運動性や機動性という意味では、アムロの乗っているガンダムすら凌駕してるのだから。

 

「はぁ。……なるほど。大変だな」

「ちょっ、フィリップ少尉、言葉遣い! 相手はアクセル・アルマ-何ですよ!」

「ああ、その辺は気にしなくてもいい。公の場で話す時に相応に対応して貰えるのなら、普通の時はそっちのフィリップだったか? そいつと同じ感じで構わない」

「おおっ、話が分かるじゃん。さっすがシャドウミラーの代表」

 

 うん、予想はしていたけど、このフィリップってのは随分とお調子者だな。

 何だか……そう、ペルソナ世界の順平に似たような感じがする。

 まぁ、モルモット隊に選ばれている以上、腕は確かなんだろうけど。

 いわゆる、ムードメーカー的な奴だな、こいつは。

 

「えっと、その……いいんですか? 本当に?」

 

 今のやり取りを見ていたモーリンが、恐る恐るといった様子で尋ねてくる。

 

「ああ。もっとも、普通の口調で話すのに慣れて、公の場でも同じような口の利き方をした場合、色々と悲惨な事になるのは間違いないだろうが。……それでも構わなければ、だな」

 

 私的な場であるのならまだしも、公の場で少尉という階級にある者が一国の代表……それも連邦軍がどこまで理解しているのかは分からないが、実際にはこの連邦、ジオン関係なく、このUC世界そのものを敵に回しても勝利を確信出来る戦力を持っている国の代表だ。

 そんな相手に公の場で私的な時と同じ口調で話し始めたら、連邦軍の上の者としては許容出来ないだろう。

 

「わ、分かった。気をつける」

 

 俺の言葉に何を想像したのか、フィリップは恐る恐るといった様子で頷きを返す。

 

「アクセル、脅かすのもその辺にしておけ」

 

 呆れたようにブライトが告げ、それから小さく咳払いをして、改めて口を開く。

 

「さて、アクセルとリュウの紹介はこれでいいとして……本来なら、この基地にホワイトベースが到着するよりも前に、合流する予定だった筈だ。だが、ジオン軍との戦闘によって、モルモット隊の機体が損傷し、結果として私達と合流するよりも前にこの基地に到着し、修理しているとか」

「はい。私達の機体は陸戦型ジムで、この東南アジア戦線には補充用のパーツもありましたから」

「ん? ちょっと待った」

 

 ユウの言葉に、俺は反射的にそう告げる。

 全員の視線が集まっているが、俺はそれを気にせずに口を開く。

 

「俺が聞いた限りでは、この基地で運用されているのは陸戦型ガンダムだった筈だが……」

「ああ、それはですね」

 

 俺の質問に答えたのは、サマナ。

 どこか嬉しそうな様子を浮かべて、説明を続ける。

 

「陸戦型ガンダムというのは、ホワイトベースで使われているガンダムの余剰部品や規定の数値に届かなかった部品を使って作られた機体です。ですが、それだとどうしても数を揃える事が出来ない為、ガンダムの部品以外に通常のジム用に作られた部品も使って組み立てられたのが陸戦型ジムです」

 

 そう言い、サマナは陸戦型ジムについての説明をしていく。

 陸戦型ガンダムのラインを使って作れる事。

 そして、陸戦型ガンダムのパーツが7割から8割で、それ以外はジムのパーツ。

 装甲がルナ・チタニウムだと言う事。

 それらの説明で判明した事は、言ってみればこの陸戦型ジムという機体は、ガンダムとジムの中間にある機体といったところか。

 ちょっと違うかもしれないが、イフリートがグフとドムの中間にある感じか? ……いや、これだとちょっとどころじゃなくて、大分違うような気がしないでもないが。

 

「まぁ、MSの運用方法とかを確認する為には、そういう高性能なMSを使ってもおかしくはないのか」

 

 腕利きのMSパイロットを、少しでも死なせないようにする為……そして同時に、今の状況で少しでも多くのMSの運用データを得る為に使える機体ということで、陸戦型ジムが用意されたのだろう。

 その事に納得し、同時に俺はこの基地で入手するMSの数をまた1機増やすのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:425
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1469

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