転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0222話

 ドミニオンの攻撃をからくもジャマーで防ぐ事に成功し、さらなる追撃に備えているとアークエンジェルのマリューから通信が入って来る。

 

「ありがとう、でもアクセルは大丈夫?」

 

 危うく敵の仕掛けた罠に嵌る所だったマリューが通信で礼を言ってくるが、俺は小さく頷くだけですぐにまた戦場へと視線を向ける。

 そこには再びアークエンジェルへとゴットフリートを撃ち込もうとしているドミニオンの姿があった。

 さすがナタル、と言うべきか。純粋な戦術能力ではマリューよりも確実に上だ。

 

「だが、そうそうアークエンジェルをやらせる訳にもいかないだろう」

 

 ランツェ・カノーネの砲身を左右の両方とも展開し、ドミニオンへと狙いを定める。Nジャマーキャンセラーやナタルの事を考えるとここで撃破する訳にはいかないが、ゴットフリートなりバリアントなりは破壊させて……っちぃっ!

 念動力の結界により、俺へと激しく叩き付けられる敵意を感知してランツェ・カノーネを撃ち込む前に機体を移動させる。すると数秒後にはレイダーの放った鉄球がグロウセイヴァーのいた場所を通り過ぎていった。

 

「なるほど。自分1機では敵わないと知って、ドミニオンと連携して攻撃してくるか」

 

 確かに原作でもフリーダム相手に数機がかりで攻撃を仕掛けていたのだから、この世界でも同じような戦法をとったとしてもそれ程おかしくはない。しかし……

 

「俺とこのグロウセイヴァーを、1機と1艦で止められると思うなよ! アダマン・ハルパー、ナイン・テールモード!」

 

 鳥形のMAへと変形し、グロウセイヴァー相手に一撃離脱のヒット&アウェイを仕掛けようとしているレイダーへと、9条の鞭を叩き付ける。

 

「ふん。味方を盾にする、か」

 

 振り下ろされた9条の鞭は、レイダーが咄嗟に盾としたストライクダガーを粉砕していた。そしてレイダー自身はその爆発に紛れて後退していく。

 その爆発が収まると、既にドミニオンとレイダーはこちらからある程度距離を取っており、周囲の連合軍艦隊と同調するようにして多数のミサイルを……いや、違う!

 

「ちぃっ!」

 

 放たれたそれが何であるのかを理解し、咄嗟に腕で目を隠す。同時に、こちらの目を眩ませるような強烈な閃光がこの戦域を埋め尽くした。目眩ましの閃光弾だ。T-LINKシステムを使い敵の位置を探ると、敵は徐々にこちらから距離を取ろうとしている。このままでは不利になると判断して一端退いたのだろう。ドミニオンのいた周辺には信号弾の残滓のような物も見て取れた。

 

「状況判断能力が高いな」

「ええ、さすがナタルね」

 

 思わず呟いた俺の言葉に、マリューが通信を返してくる。

 

「では、私達も補給と整備をするとしましょう。幸い、先程の攻撃で破壊されたのはドックの入り口近辺ですので、中へ入ればまだ使えます」

 

 エターナルのラクスからされた提案に従い、3艦共メンデルのドックへと入っていく。

 

「アクセル、ザフトがいるかどうか港の反対口にメギロートを偵察に出したいが構わないか?」

「ああ、任せる」

 

 こちらが何も言わなくても、それなりの判断が出来るようになってきているのはカガリとしても成長している証か。この調子であの無鉄砲な所も矯正出来るといいんだが。

 

「アクセル達の機体も補給と整備が必要でしょう? アークエンジェルに帰還して頂戴。機体だけじゃなくて、パイロットも休憩する必要があるわ」

「……そうだな、了解した。ただし、ザフトと連合がいつ動き始めるか分からないから、第2戦闘配備くらいにしておいた方がいいだろう」

 

 マリューが俺の言葉に頷き、3艦とも第2戦闘配備。すなわち3分以内に自機へと乗り込む事が可能な場所での休憩が許される事になった。

 

 

 

 

 

「ムウ達はどうしたか分かるか?」

 

 レモンやコーネリア、量産型Wと共にパイロット控え室で一息ついてからブリッジへと通信を送る。ムウとディアッカだけなら原作のようにストライクが中破してムウも負傷している可能性が高いが、それを防ぐ為にキラを最初から同行させたのだ。上手く行けばそろそろ戻ってきてもいい筈なんだが……

 

「いえ、まだ連絡は来てないわ。と言うか、Nジャマーの影響でコロニー内部まで通信が届かないのよ」

 

 心配そうな顔で呟くマリューを見ながら、どうするべきかを考える。ムウ達に関しては心配はいらないと思うが、それはあくまでも原作通りにメンデルへと侵入してきたのがクルーゼとイザークの2人のみであった場合だ。連合軍のようにザフトも大幅に数を増やしてこのメンデルへと来ている可能性を考えると……いや、それはないか。クルーゼ達はあくまでもエターナルの追撃でこのメンデルまで辿り着いたのだ。最初から俺達シャドウミラーの機体と戦う事を考えていた連合軍とは前提が違う。

 そんな事を考えていると、ようやく待望の通信が入って来る。

 

「すいません、遅くなりました!」

 

 そう言ってきたのはフリーダムに乗ったキラだ。その近くにはバスターとストライクの姿もある。3機共特に損傷している様子は見られない。

 

「3人共、無事で何よりね。それで敵は?」

「ああ、クルーゼだった。かなり性能の高い新型に乗っていたから危ない所だったが、キラのおかげでなんとかなったよ」

 

 性能の高い新型……ゲイツか。

 マリューとムウの会話を聞きながら、原作を思い出してクルーゼの機体の目星を付ける。

 今までのザフトの機体と違ってビームライフルやビームクロウを装備しており、その性能はストライクダガーよりも確実に上だろう。幸いなのは、まだそれ程量産されていないという事だな。

 

「結局研究所の中には入らなくて済んだ。クルーゼの野郎はキラのフリーダムにダメージを負わされてそのまま撤退していった。ディアッカの方はどうだった?」

「イザークと話は出来たが、説得する所まではいけなかったな」

 

 なるほど、クルーゼやムウ、キラ達が研究所での銃撃戦を行わなかった分だけディアッカとイザークの話をする時間も短くなってしまったという訳か。

 

「何はともあれ、次の戦闘は連合・ザフト・俺達の三つ巴になるだろうからより注意が必要だな。……連合軍の機体はどのくらい撃破したか分かるか?」

「それはこちらで把握しています。大雑把にですが、連合軍のMSを80機程度、戦艦に関しては10隻程度の撃破となっております」

 

 ラクスの言葉を聞き、思わず笑みを浮かべる。

 大雑把な計算である以上は多少の誤差はあるだろうが、大体4割程の被害を連合軍に与えた事になる。3割の被害を受ければ全滅と判定するのだが、連合軍が撤退する様子は微塵も無い。アズラエルの指示によるものだろう。

 

「メギロートがザフトを発見したぞ。ナスカ級3隻がこっちとは違う反対側の港口にあるデブリの影にいる」

 

 カガリがそう言いながら、メギロートからの映像をアークエンジェルとエターナルへと流す。そこにはカガリの言ったようにナスカ級3隻の姿が映っていた。

 

「ちぃっ、ナスカ級3隻とはまた豪勢な」

 

 通信モニタ越しに苦々しげなバルトフェルドの声が聞こえる。ナスカ級は戦闘力自体はアークエンジェルに及ばないものの、速度だけに関して言えばアークエンジェルと同等の性能を持っている。

 

「高速戦闘艦であるエターナルの追撃任務に回されるんだ、そのくらいは予想していたさ。それよりも連合軍の様子は?」

 

 俺の質問に、トールと思われる声が答える。

 

「依然動きは無いです。現在は戦力の建て直しをしていると思われます」

「連合軍だけならまだ暫くの猶予はあるだろうが、ザフトの事を考えると次の戦闘が開始されるまでそう時間はないな」

「ええ、そうね。メンデルから戻ってきた3機は急いで補給と整備を受けて下さい。それと、時間はそうありませんが今のうちに少しでも休んでおくように」

 

 ムウ、キラ、ディアッカの3人はマリューの言葉に頷き、エターナルとアークエンジェルへとそれぞれ帰投する。

 

「とにかくムウ達が無事に戻ってきた以上、準備は全て整った。後は以前話した予定通りにNジャマーキャンセラーの情報が連合軍に渡るのを阻止し、アズラエルをここで仕留めるだけだ」

「ナタルの救助も忘れずにな」

 

 俺の言葉にムウがそう追加してくる。マリューもそれに同意するように頷いている。恐らくブリッジではサイ達学生組も同じように頷いているだろう。

 

「前にも言ったが、その辺はムウ次第だ。極力俺もそうなるように努力はするが、アズラエルを仕留めるのとナタルを救助する2択になったとしたら俺は前者を選ばざるを得ないからな」

「ふん、分かってるよ。自分の女を助けるのに他人の力を借りられるかってね」

 

 ムウのその言葉に苦笑を浮かべ、通信を終える。

 

「この世界での戦いも、いよいよ終盤に近づいてきたようね」

 

 パイロット控え室のソファへと座りながら、レモンがそう声を掛けてくる。その手にはここに常備されている飲料水の入った容器を持っている。レモンの隣に座っているコーネリアも同じ物を持っていた。

 

「ほら、アクセルも水分を取っておけ」

 

 コーネリアに放り投げられた容器を受け取り、ストローを口へと運ぶ。口の中に広がったのは仄かに甘い味だった。先の戦闘でそれなりに汗を掻いただけに水分が身体に吸収されていくのが良く分かる。

 

「お、良い物飲んでるな。俺にもくれよ」

 

 ムウがそう言いながらパイロット控え室へと入って来た。その後ろには浮かない顔のディアッカもいる。

 

「ほら、すぐに戦闘になるのだから余り飲み過ぎないようにな」

 

 そう言ってコーネリアがムウとディアッカへも飲料水入りの容器を放り投げる。

 皇女であるコーネリアが人の為にある意味雑用のような事をしている。これをギルフォードが知ったらどう思うだろうか。怒るか、あるいは感激するか。……どのみち俺は『姫様にそんな事をさせるとは!』とか小言を言われそうな気がするな。

 

「アクセルも、無重力だからと言っていつまでも浮かんでないで座りなさいな」

「そうだな、私もそれに賛成だ」

 

 そう言いながら、コーネリアとレモンが半分ずつ腰をずらして2人の間にスペースを作る。

 その様子に苦笑を浮かべながらも、大人しく空いたスペースへと腰を下ろす。

 

「羨ましい事で」

 

 ムウもまた苦笑を浮かべながら俺の方へと視線を向けていた。

 

「何、ドミニオンからナタルを助けだせばお前もその羨ましい事が出来るだろう?」

「まあな。その辺は後のお楽しみって奴だ」

「……ふん」

 

 そんな俺達の様子を見て、どこか面白くなさそうに鼻を鳴らすディアッカ。……あぁ、そう言えばこいつは原作通りにミリアリアに惚れてはいるんだが、俺の原作介入の結果トールが生き残っているから失恋確定なのか。

 そんな状態で30分程過ごしていると、艦内にアラームが鳴り響く。

 

「アクセル、連合軍がMSを……あら?」

 

 通信回線が開いてそう言ってきたマリューだったが、パイロット控え室の中を見てその真面目な顔が一瞬にしてにこやかな笑みへと変わる。ただし、その笑みはどこか迫力を感じさせる笑みだ。

 

「あらあら、この緊迫した場面でイチャイチャと……まぁ、その辺の追求はこの戦闘が終わった後にさせて貰うとしましょうか。……レモン、コーネリア、貸し1よ」

「あら? これはパイロットの特権というものよ?」

「そんな訳無いでしょ! いいからさっさと出撃する!」

 

 マリューの怒声に俺達は追い立てられるようにMS格納庫へと向かう事になった。

 ……ムウとディアッカがとばっちりを受けた事については遺憾の意を表す事にする。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:325
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:318

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