転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2323話

 ホワイトベースの戦力を考えれば、敵の大型機……ガウの攻撃以外は、特に恐れるべきものはない。

 ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク隊……そして、最新鋭艦のホワイトベース。

 これらの戦力が揃っているのであれば、客観的に考えて敵を撃退するのはそう難しくはない筈だった。

 ……そう、あくまでも実力だけを見れば、の話だ。

 アムロも機体の性能に頼る事が多いとはいえ、シャアとある程度戦えるだけの実力があるし、カイもその実力を伸ばしている。

 ガンタンク隊は、ずっとホワイトベースの甲板上で援護として遠距離射撃を続けているので、その行動にも慣れてきていた筈だ。

 ……だが。そう、だが。

 それは、あくまでも宇宙での戦いでしかない。

 初めての地球でのMS戦闘ともなれば、殆どの者が戸惑うのは当然だった。

 まず、カイのガンキャノン。

 宇宙での戦闘しかしていなかった為に、重力に慣れず、非常に動きが鈍い。

 そしてガンタンク隊。

 こちらは、はっきりいってカイのガンキャノンよりも酷かった。

 何しろ、今まではずっとホワイトベースの甲板という、言ってみれば移動するのに全く苦労しない場所を足場にしていたのが、今度は地上に降りながら、それもキャタピラで移動しながら、低反動キャノンを撃つのだ。

 明らかに、今までのガンタンクとは運用法が違っている。

 だからこそ、高い威力を誇る低反動キャノンもまともな方向に飛ぶような事がない。

 いっそ、砲弾を拡散させるショットガンのような感じにすればいいと思うんだが……この辺は、連邦軍が自分で考える事か。

 そんな中で、1人頑張っているのはガンダムに乗っているアムロだ。

 ブライトはビームライフルを主に使って遠距離から攻撃しろと言っていたのだが……そんな言葉など知った事かと言わんばかりに敵に突っ込み、ビームライフルと頭部バルカンを使って次々にドップを撃墜していく。

 ガウも、まさかガンダムがいきなり自分達の真っ只中に向かってくるとは思わなかったのか、メガ粒子砲での攻撃を躊躇する。

 ……まぁ、ドップの真っ只中にいる状況でガンダムに攻撃をしようものなら、それこそ仲間のドップを誤射してしまうだろうし。

 とはいえ、ガンダムはその強い推進力でかなりの高度まで跳躍出来るが、それでも空を飛べる訳ではない。

 つまり、時間が経つと間違いなくガンダムは地上に向かって降下していく訳で……ガウにとっては、ドップと離れたところで、メガ粒子砲を撃つ。

 ルナ・チタニウムの装甲を持っていても、メガ粒子砲は防げない。

 アムロもそれを知っているからこそ、スラスターを使って空中で移動する。

 ガンダムの性能が半分程になっているのに、それでもこんな感じに動かせるのは、アムロがガンダムを使いこなし始めている証だろう。

 機体の性能が万全ではなく、そして俺への対抗心から、才能が目覚めた……といったところか?

 ともあれ、ガウのメガ粒子砲を回避して着地したガンダムは、そのまま再び跳躍をし……だが、ここで更に機体性能の低下により、その跳躍はドップのいる場所まで届かなかった。

 それでもビームライフルを撃って数機のドップを撃破するも、再びガウのメガ粒子砲がガンダムを狙い、その瞬間ガウの射撃を阻止せんと地上を走っていたガンタンク隊のうちの1機、あの動きから恐らく綾子の操縦している機体が、ガウに向かって低反動キャノンを撃つ。

 その一撃はガンナーの腕なのか、命中する事はなかった。

 だが、ガウの動きを一瞬止めるには十分な威力を持っていたのは間違いない。

 そしてガウが射撃を止めたその瞬間、アムロは強引にガンダムの姿勢を変え……ビームライフルを、ガウに向かって撃つ。

 そのビームはガウを撃墜は出来なかったものの、大きな被害を与える事には成功する。

 取りあえず、これでガウはここから一旦退避するしかない……そう思った瞬間、ブリッジクルーで、レーダーを確認していた男が叫ぶ

 

「艦長、新たな敵です! 敵はマゼラアタック! 数は30機以上!」

「何ぃっ!」

 

 ブライトの口から、驚愕の叫びが漏れる。

 いやまぁ、それも分からないではないけどな。

 マゼラアタック。それは、ジオン軍が開発した戦車だ。

 だが、やはり地球という戦場については連邦軍が一枚も二枚も上手なのか、その性能は正直なところ酷いと表現するのが相応しい。

 火力そのものはそう悪くはないのだが、その砲塔部分があるのが高い位置で、被弾面積が広くなっている。

 いやまぁ、ザクとかを使ってるんだから、被弾面積云々というのは今更の話かもしれないが。

 ともあれ、その砲塔部分は戦車の本体から分離して空を飛ぶ事が出来る。

 その発想は悪くはないと思うのだが、一旦分離した砲塔部分……マゼラトップは、飛行時間が5分程度しかなく、おまけに戦場での再合体は出来ない。

 客観的に見れば、明らかに欠陥兵器と呼ぶに相応しい。

 マゼラトップの砲塔部分はザクの武器として使えたりもするのだが。

 ともあれ、マゼラアタックというのはそういう戦車なのだが……それでも、この状況で30機以上も来たとなると、厄介なのは間違いない。

 ガンタンク隊とガンキャノンがマゼラアタックに向けて攻撃をするが、その数の差はどうしようもない。しかも……

 

「マゼラアタック、MS隊を無視してホワイトベースに攻撃を集中しています!」

 

 悲鳴のような……いや、まさに悲鳴と呼ぶ事しか出来ない声。

 同時に、マゼラアタックから放たれた砲撃が次々とホワイトベースに命中する。

 シャドウミラーで使っている軍艦と違い、このホワイトベースにはバリアの類は存在しない。

 つまり、敵の攻撃を防ぐという手段がない。……いや、一応対空火器とかがあるが、今の状況で、それだと足りない。

 マゼラトップはザクの武器になっているだけあって、その威力は強力だ。

 その砲撃を連射されているのだから、ホワイトベースが受ける被害が大きくなるのは当然だろう。

 

「あ、ガンタンクが敵に突っ込んでいきます!」

 

 再び先程のブリッジ要員が叫ぶ。

 その言葉に、ブリッジの映像スクリーンに視線を向けると、そこでは確かに1機のガンタンクがマゼラアタックの群れに向かって突っ込んでいく光景が映し出されていた。

 あの動き……綾子だな。

 リュウやジョブが操っているガンタンクとは、明らかに動きが違う。

 ……ガンタンクそのものに乗っている時間で考えれば、リュウやジョブの方が上だ。

 それでも綾子の方が二人よりも明らかに操縦が上手いのは、綾子が半サーヴァントで高い身体能力を持っているというのもあるが、それ以外にも綾子の持つ類い希なセンスが発揮されているという事なのだろう。

 本来なら、トールギスⅢが綾子の乗機ではあるのだが、ガンタンクでも十分にその才能を発揮している……といったところか。

 とはいえ、綾子が担当しているのはあくまでもガンタンクを動かすという事で、砲撃を行うガンナーは別にいる。

 そして、ガンナーの方は正真正銘の素人だ。

 低反動キャノンや両腕に装備されているポップミサイルを連射しているが、その命中率はそこまで高くはない。

 高くはないが……マゼラアタックの数が数だけに、当然のように狙いを逸れても命中するという事態が起きる。

 また、マゼラアタックにしてみれば自分達よりも明らかに大きなガンタンクが真っ直ぐ……それでいながらマゼラアタックの攻撃を回避しながら突っ込んでくるのだ。

 それで、恐慌状態に陥るなといった方が無理だった。

 そしてガンタンクが突入してマゼラアタック隊が混乱したのを見て、リュウとジョブが操る残り2機のガンタンクは、自分の上にいるガンナーに対して砲撃をするように指示する。

 勿論、そちらのガンナーもハヤトを含めて訓練をしてきた軍人という訳ではない。

 そうである以上、当然のように攻撃を狙って命中させるのは難しいのだが、それでもマゼラアタックの数が数である以上、命中弾は出る。

 そしてガンタンクの低反動キャノンは高い威力を誇り……命中すれば、容易くマゼラアタックを撃破する。

 マゼラアタックは、見るからに混乱して隊列を乱す。

 そうなれば、敵に突っ込んでいったガンタンクにとっては、格好の的でしかない。

 ポップミサイルが連射され、次々と撃破されていく。

 カイの操るガンキャノンも、空中の敵は取りあえずアムロに任せておけばいいと判断したのか、マゼラアタックの方に攻撃を仕掛けていた。

 ガンキャノンの低反動キャノンは、その威力こそガンタンクよりも弱い。

 だが、その低い威力でも十分にマゼラアタックを撃破する事は出来るのだから、その辺は特に気にする必要がないのだろう。

 ましてや、ガンキャノンの低反動キャノンはある程度の連射が可能だと考えると、ぶっちゃけガンタンクよりも使い勝手はいい。

 ……とはいえ、綾子のガンタンクがマゼラアタックの群れに突っ込んでしまっている以上、気軽に連射……という訳にはいかないのだろうが。

 

「ふぅ」

 

 そんな安堵の声を聞き、そちらに視線を向ける。

 その声を漏らしたブライトは、俺の視線で自分の声が聞こえていたというのを理解したのか、しまったといった表情を浮かべる。

 まぁ、ブライトにしてみれば絶体絶命に近い状況だったのが、何とかなりそうなのだから、気を抜くのも当然だろう。

 ホワイトベース隊にとって運が良かったのは、大気圏突入の際にガンタンクは殆ど消耗していなかった事だろう。

 だからこそ、マゼラアタック隊に攻められても、こうしてどうにか対処出来たのだ。

 この点は、ホワイトベースの甲板上で戦いを行わせていた、ブライトの好判断といったところか。

 いやまぁ、正直な話、ガンタンクを上手く使うにはそれしかなかったというだけなんだろうが。

 まさか、大気圏に突入している中でガンタンクをホワイトベースから離す訳にはいかなかっただろうし。

 とはいえ……

 

「対空砲火薄いぞ! ガンダムの援護を徹底しろ!」

 

 先程の安堵した様子を誤魔化すかのように、ブライトが叫ぶ。

 その言葉に、ホワイトベースの対空砲火……連装機関砲から、次々に弾丸が空中に向かって放たれていく。

 ドップは、数が多くても所詮は戦闘機でしかない。

 おまけに、その独特の形は決して空を飛ぶのに適している訳でもなかった。

 いやまぁ、個人的にああいう特殊な形状の機体は嫌いな訳じゃないけどな。

 そうして、次々とドップが落とされていく中……

 

「敵ドップが1機、ガンダムに向かって真っ直ぐ突っ込んでいきます!」

 

 不意に、オペレーターがそう叫ぶ。

 その声を聞いた多くの者が、半ば反射的に映像モニタに視線を向ける。

 そこでは、今の報告通り1機のドップがガンダムに向かって突っ込んでいくところだった。

 しかもそのドップは、他のドップと色が違う。

 他のドップが緑系の色なのに対して、ガンダムに突っ込んでいったドップは茶色。

 つまり、パーソナルカラーか?

 茶色のパーソナルカラーって、俺の記憶が正しければ……いや、まさかな。

 俺のように突出した技量を持っているのならまだしも、まさかザビ家の御曹司が進んで前線に出て来るなんて事……いや、でも手柄を欲しているってのを考えると……正直、どうなんだ?

 そんな風に考えている間に、アムロがビームライフルの銃口をその茶色のドップに向け……あ、ガルマ死んだな。

 そう思った瞬間、空中を跳躍していたガンダムのランドセルの部分が不意に爆発する。

 攻撃を受けたのか?

 一瞬そう思ったが、追撃の類はなく……ランドセルが爆発した影響でビームライフルの射線が外れ、ガルマが乗っていると思われるドップの翼を掠めるだけでで済んだ。

 さて、これはどっちにとって運が良かったのか、もしくは悪かったのか。

 その理由はともあれ、ガルマが九死に一生を得たのは間違いなく、茶色のドップは戦場から離れていく。

 本来なら、そんなドップに向けて追撃を行うべきなのだろうが、ガンダムにそんな様子はない。

 いや、寧ろ戸惑った様子を見せていた。

 いやまぁ、今回の一件は明らかにアムロがガンダムに無理をさせたというのが大きい。

 元々性能の半分が出れば御の字と言われていたのに、そんな中であれだけ縦横無尽の活躍をしたのだ。

 機体の調子が万全ではない以上、ガンダムに不具合が出ても当然だろう。

 いや、寧ろあの程度で済んだのは運が良かったと言うべきか。

 

「なっ!?」

「落ち着け、ブライト。ガンダムがかなり無理をしているのは分かっていた筈だろ」

 

 先程の安堵から一転、動揺した様子のブライトにそう声を掛ける。

 ともあれ、ガンダムは損傷したが……それでも、ガルマが乗ったと思しきドップを退却に追い込んだのは大きかったらしく、まだ残っていたドップやマゼラアタックの群れも後退していくのだった。

 ……こうなると、もしかして本当にあのドップにはガルマが乗っていたのかもしれないな。

 そう思いながら、マゼラアタックによる攻撃でかなりの被害を受けたホワイトベースのこれからを心配するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:345
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1456

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