転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2313話

 アムロと共にホワイトベースに戻ってきた俺は、補給作業をして貰う。

 とはいえ、襲ってきた相手は全て撃退するか撃破するかした以上、すぐにまたシャアが襲ってくるとは思えなかったが。

 

「アムロっ!」

 

 と、不意に格納庫の中にそんな悲痛な声が響く。

 声のした方に視線を向けると、そこには空中に漂っている……それこそ、少し前にカイがやっていたような感じで浮かんでいるアムロの姿があり、フラウがそんなアムロに付き添っていた。

 見たところ、怪我の類をしているように思えない。

 となると、やはり長時間に及ぶシャアとの戦いによって、精神的に大きく消耗したのだろう。

 言わば、カイの身に起きた事の重傷バージョンといったところか。

 

「そっとだ、そっと医務室に運べ!」

 

 リュウが焦った様子で叫びながら、何人かと一緒にアムロを引っ張り、フラウを引き連れながら格納庫から出て行く。

 こういう時、ここが宇宙空間……つまり無重力なのは、楽でいいよな。

 アムロも10代半ばの男である以上、当然それなりの体重はある。……まぁ、機械弄りが好きでインドア派だっただけに、筋肉とかはそこまでなく、かといって運動不足で太るといったこともなかったのだが、それでもやはり重力がある状況で運ぶのが色々と大変だったのは間違いない。

 

「お疲れ、アクセル」

 

 そう言い、綾子が俺の方に近づいてくる。

 俺も綾子も、当然の事ながらそこまで体力を消耗したりはしていない。

 アムロやカイの場合は、色々と大変だったからああいう事になってもしょうがないのだろうが。

 

「ああ。シャアは……逃がしたけどな」

「見逃された訳じゃないところは、救いだね」

 

 見逃された、か。どうだろうな。

 もしシャアが本気なら、俺はともかくアムロは倒されていてもおかしくはない。

 シャアの乗っていたR-1A型というのは、ザクの中でもトップクラスの性能を持つのだから。

 そのような事にならなかったのは、単純にシャアがここで無理をする必要がないと判断したから……といったところか。

 実際、あそこでシャアが踏ん張っていても、シャア以外の戦力……俺を囮で引き付けた部隊や、ホワイトベースを襲っていた部隊はほぼ壊滅状態なのだ。

 であれば、シャアが頑張っても殆ど意味はない。

 アムロが容易に倒せる相手であれば、また話も違ったんだろうけど。

 それに、面子とかそういう理由でなら意味はあったかもしれないな。

 

「まぁ、取りあえずこれでシャアが使える戦力もなくなった筈だ。後は、ホワイトベースが地球に降下するのを待つだけだな」

「うん? 以前地球に降下する時にシャアが襲ってくるかもしれないって、アクセルは言ってなかったっけ? その心配はないのか?」

 

 俺との会話を覚えていた綾子がそう言ってくるが、俺は多分大丈夫だと言葉を返す。

 

「地球に降下する時に襲ってこようにも、シャアには使える戦力がない筈だ。……まぁ、ここは月からそう離れていないから、戦力の補充が可能か不可能かで言えば可能だろうが……問題なのは、ここまで大敗したシャアに、再び指揮を執らせるかだろうな」

 

 今回の作戦でジオン軍が受けた被害は、かなり多い。

 独立戦争が始まった当初の1週間戦争やルウム戦役程ではないにしろ、MSが10機単位で失われ、ムサイ級も数隻といった単位で失われたのだ。

 ホワイトベース1隻を相手にした小規模な戦いで受けた被害と考えれば、ジオン軍としては到底受け入れられない被害だろう。

 ……ああ、でもそれだけの戦力を地球に降下させるのは不味いと判断して、より本気で襲ってくる可能性も、なくはないのか。

 

「アクセルがそう言うのなら、その可能性は高いんだろうな」

 

 綾子もホワイトベースに乗る事になってから、それなりにこの世界の情報を集めたり、格納庫のシミュレータを通して他のパイロットやメカニック達と話をして情報交換をしたりといった事を行っている。

 それでも、やはり今回の一件のような事であれば、自分で判断をするような事は出来ないのだろう。

 もっとも、綾子は別に指揮官としての教育を受けていたりといった事がないし、凛と一緒にFate世界で活動していた時も、結局のところは2人とか、もう少し少ない少人数での活動だったのだから。

 

「その件はそれでいいとして……このUC世界で初めてのMS戦はどうだった?」

 

 W世界の騒動においては、綾子もトールギスを含めてMSに乗ってエースパイロット級の活躍をした。

 だが、そんな綾子にとって、ガンタンクのようなMSは操縦するのに、ストレスが溜まってしまうのもしょうがないだろう。

 せめて、ガンタンクを1人で操縦出来れば、話は違うんだろうが。

 クレイドルにいる時、一応ディアナの技術者がブライトにその辺について聞いたらしいが、それについては却下されたらしい。

 ブライトにしてみれば、連邦軍の機密たるMSをそう簡単に他国の技術者に触れさせる訳にはいかなかったのだろう。

 もっとも、各種データを取られている以上、今更って気がしないでもないが。

 それでも、その辺はブライトにとって最後の一線といったところか。

 

「うーん……そうね。正直なところを言わせて貰えば、慣れないというのが一番相応しい言葉だと思う」

 

 綾子の口から出たのは、やはりと言うべきか、俺が予想した通りの言葉だった。

 

「そうか。……悪いな」

「いいさ。アクセルだってニーズヘッグじゃなくて、ガンキャノンに乗ってるんだろう? なら、似たようなもんだろうし」

「ガンキャノンとガンタンクだと、何気に結構違うような気がしないでもないんだが」

 

 二足歩行のMSと、足がキャタピラになっているMS。

 その2つの機動性や運動性は、大きく違うのは間違いない。

 それこそ、いっその事ガンタンクをホバー移動出来るようにすれば良かったと思うんだが。

 やっぱり高機動型のトールギスⅢを使っていた綾子にとって、ガンタンクは馴染まないのだろう。

 そう思い、先程のシャアが乗っていたR-1A型を思い出す。

 いっそ、綾子の為にR-2型を持ってくればよかったか?

 折角入手した機体なんだし、技術班の方でももうデータ収集はもう終わっている筈だ。

 であれば……いや、だがR-2型をホワイトベースに持ち込んでも、それこそ整備出来るメカニックがいないし、何よりジオン軍の最新型MSの情報を連邦軍に渡すのもどうかと思う。

 まぁ、連邦軍とジオン軍では、連邦軍の方と仲は良好なので、情報を漏らしても構わないと言えば構わない訳だが……ただ、R-2型の情報が連邦軍に渡ると、本来なら連邦軍で開発されるだろうMSに悪影響を与える可能性もある、のか?

 

「どうした?」

 

 R-2型について考えていると、綾子が俺の言葉に疑問を抱いたのか、そう尋ねてくる。

 

「いや、何でもない。ただ、ちょっと綾子にもっと相応しいMSを乗せられたらと、そう思ってな」

「アムロの動きを見る限り、ガンダムは結構運動性も高そうで乗りやすそうだけど……無理なんだろう?」

「ああ。アムロにはホワイトベースのエースになって貰う必要があるしな。俺と綾子、それにここにはいないけどミナトは、ホワイトベースが地球に降下したら、ホワイトベースから下りる事になる。そうなると、アムロがガンダムに乗って頑張って貰う必要があるんだよな」

 

 ただ、実際にエースというだけであれば、カイも才能の片鱗を見せている。

 今回の戦いでシャアをアムロが引き付けた結果、ガンタンク隊やホワイトベースの援護があったとはいえ、あの数のザクを相手にして、絶望したりせずに戦い抜いたのだ。

 斜に構えた性格をしているのかと思ったが、どうやらその本質は結構根性があるらしい。

 少なくても、俺が知っているカイの性格では、あの状況ならさっさと逃げ出してもおかしくはなかったのだから。

 これに関しては俺のカイを見る目が間違っていたと、そう思って間違いなかった。

 実際には殆ど成り行きでそういう事をした、と言われてもおかしくはないのだが。

 そんな風に話していると、MSの整備や補給、修理といった事で忙しくしている筈のメカニックの1人が、俺の方に近づいてくる。

 

「アクセル代表、ブライト艦長がブリッジまで来て欲しいとの事です」

「ブライトが?」

 

 そう尋ねるも、ブライトが俺を呼んでいる理由というのは大体理解出来た。

 つまり、一連の戦闘について話を聞きたいという事なのだろう。

 最初の囮を倒した後も、ブライトにはきちんとした説明はせず、大雑把な説明しかしていなかった。

 そして、アムロを助けに行った件でも、戻ってきたアムロは極度の肉体的、そして精神的な疲労から気絶してしまっており、話を聞くような事は出来ない。

 であれば、それ以外の誰かから話を聞く必要があり……それが、俺しかいないと、そういう事なのだろう。

 もっとも、俺が説明出来るのはあくまでもアムロと合流してからの話になる以上、それ以前の話はアムロが起きた時に改めて聞かれるのだろうが。

 

「分かった。なら、すぐに行く。……悪いな、綾子」

「いいよ、気にしないで。ホワイトベースに乗っている間は、シャドウミラー代表じゃなくて、個人としてのアクセル・アルマーなんだろ」

 

 笑みを浮かべてそう言ってくる綾子に手を振り、格納庫から出て行く。

 一応大丈夫だとは思うが、実はまだここで追撃をしてくる……なんて可能性もある以上、一応パイロットスーツから着替えずにおく。

 実際には、混沌精霊の俺は宇宙空間でも普通に生存出来る以上、別にパイロットスーツを着ていない状態でMSに乗っても、何の問題もなかったりするのだが。

 それでも、ホワイトベースの面々に妙な風に思われない為には、必要なことだった。

 

 

 

 

 

「ブライト、俺に用事だって? 今回の戦闘の件か?」

 

 ブリッジに入った俺が見たのは、ブライトが他の面々に色々と指示を出し、他のクルーは素直にその言葉に従い、ブライトの近くではリードが不満そうな表情を浮かべたまま黙り込んでいる……という光景だった。

 操舵はミナトが行い、ミライはオペレーターの席についている。

 ……一応、ミナトは予備の操舵士という扱いだった筈なのだが、この様子だと本来の操舵士であるミライが休まる暇がないような気がする。

 もっとも、今は戦闘の直後だからこそ、忙しいのかもしれないが。

 

「アクセル、来て貰ってすまない。もう少し待っていて欲しい」

「俺は構わない。今はホワイトベースの運用の方が大事だろうしな」

「すまない」

 

 そう言うと、ブライトは再びブリッジのメンバーにそれぞれ指示を出していく。

 こうして見る限りでは、ブライトも結構ホワイトベースの運用に慣れてきたように見える。

 ……その隣で、リードが微妙そうな表情を浮かべているのは、ブライトという自分よりも年下なのに、それでいて自分よりも有能な相手に対して色々と思う所があるからだろう。

 もっとも、当初は無能なのだと思っていたリードだったが、月に向かう時や月から地球に向かう際の航路を決める時のやり取りで、軍人としてある程度の能力を持っている、というのを知る事が出来たのは、少し意外だったが。

 そのリードは、視線を感じたのか俺の方に視線を向けてくる。

 それでも、すぐにそっと視線を逸らした辺り、リードも俺とどう接したらいいのかが分からないのだろう。

 俺もリードから視線を逸らし、改めてブリッジの中を眺めていると……

 

「待たせたな、アクセル。色々と詳しい話を聞かせて貰えるか?」

 

 地球に向かって進み始めているホワイトベースのブリッジの中で、ブライトが艦長席から俺にそう尋ねてくる。

 俺はそれに頷き、まずは囮としてムサイ級2隻がいた暗礁宙域の戦闘からの事を話す。

 ムサイ級2隻、そしてMSも複数いるという状況を、ガンキャノン1機だけで全滅させた。

 そう話した時には、当然ながらブライトを含めて俺の話に耳を傾けていた面々が驚く。

 ……唯一表情を変えなかったのは、ブリッジの中で唯一俺の非常識なまでの強さを知っているミナトだけだ。

 ナデシコ世界での戦いを一緒にくぐり抜けてきたし、シャドウミラーに来てからは、俺の戦いの映像とか見ていたらしいしな。

 そんなミナトにしてみれば、今回の戦いの結果はそこまで驚くべき事ではなかった、といったところか。

 

「それで、次にアムロを助けに行った時だったが……これは、連邦軍にとって結構危ない情報になると思う」

「……勿体ぶりますね。一体どういう事です?」

「端的に言えば、シャアが機体を乗り換えていた」

「そんな! シャアがこっちに攻めて来た時は、ザクでしたよ!?」

 

 ブリッジメンバーの1人……マーカーとかいう名前だったと思うが、その男が信じられないといった様子で声を上げる。

 

「まぁ、ザクだってのは間違いないしな。……以前までシャアが乗っていたのは、S型という、F型……今の主力の機体だな。このF型の性能向上機だ。だが、今日シャアが乗っていたのは、ザクはザクでも宇宙用の高機動型……R-1A型だ」

 

 そう告げるが、R型についての情報はまだ知ってる者はいなかったのか、リード以外はどう反応すればいいのか迷っている。

 唯一、リードのみがR-1A型についての情報を持っていたのか、その顔を驚愕に変えていたのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:305
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1449

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