転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2298話

 プロトタイプガンダムをディアナに預けた翌日、俺は綾子とミナトの2人を連れて、再びホワイトベースにやって来ていた。

 実際に出航する前に、ブライトに対して顔見せをしておく為だ。

 他にも色々と目的はあるが、一番大きいのはやはり顔見せだろう。

 

「よろしく」

「お願いするわね」

 

 綾子とミナトがそれぞれ、ブライトに……そしてリュウを始めとして軍人達に向かってそう声を掛ける。

 そんな面々が俺に向けてくる視線の中には、呆れも混ざっていた。

 まぁ、俺がホワイトベースに乗るにあたって一緒に連れてきたのが、2人の女……それも両方共にメリル以上の美人ともなれば、俺との関係を勘ぐっても仕方がない。……というか、その勘ぐりは全然外れていないしな。

 

「あ、ああ。よろしく頼みます。……それで、アクセル代表。この二人もシャドウミラーのメンバーという事でいいのですか?」

「ああ、そうなる。……以前言ったよな?」

「いえ、聞きましたが。その、ちょっとどころではなく予想外だったので」

 

 そう言いながら、綾子とミナトの2人に視線を向ける。

 ブライトの頬が薄らと赤くなっているのは、決して俺の気のせいではない筈だ。

 ブライトもまだ10代後半の青春真っ盛り。

 生真面目な士官候補生ではあっても、当然女には興味がある訳で……

 そういう意味では、綾子はともかくミナトを連れて来たのは失敗だったかもしれないな。

 綾子は、格好良い女。

 それこそ、年下――場合によっては年上からも――お姉様と呼ばれたりするような、そういうタイプであるのに対して、ミナトは典型的に色っぽい女、女らしい女といった感じだ。

 軍隊という事で女よりも男の方が多くなる場所では、人間関係に問題が出かねない。

 それでも、力づくで強引にミナトをどうこうといった事を心配しなくてもいいのは助かる。

 もしそんな馬鹿な事を考えるような奴がいた場合、その不運な相手はエヴァ仕込みの体術で自分の愚かさを存分に後悔する事になるだろう。

 綾子にいたっては、半サーヴァントである以上、生身の人間どころか重火器を使ってもどうこう出来るような相手ではない。

 

「予想外だったかもしれないが、この2人が地球まで一緒に行く事になる。綾子はMSの操縦で高い能力を持っているから、戦力としては十分だ。……まぁ、本来綾子が乗っているMSはこのUC世界のMSではないから、ホワイトベースの……」

「ちょっと待ってください!」

 

 俺の話を遮るように叫んだのは、ブライト……ではなく、メカニックの1人だった。

 驚愕の視線をこちらに向けているその様子は、それこそ尋常ではないという表現が相応しい。

 

「どうした?」

「その、今の言い方だと……まるで、他の世界にもMSがあるという風に聞こえるのですが……」

「ああ、その件か。……そう言えば、その件については言った事がなかったか?」

 

 セイラを含めてルナ・ジオンの上層部は知ってる事なので、てっきり連邦軍にもその辺の情報は流れているのかと思った。

 それに、実際にルナ・ジオン建国当初はリーオーやストライクダガー、ジンといったMSを使っていたし、ハワイでは今も現役でSEED世界とW世界の水中用MSが使われているのだから。

 いや、もしかしたら流れているのかもしれないが、ここにいる連中が知らないだけという可能性もあるか。……あるのか? まぁ、ここにいる面々はV作戦に参加していたとなると、情報漏洩を考えて外部と遮断されていた可能性があってもおかしくはない。

 もしくは、ガンダムを始めとするMSの開発に夢中になっていて、外部の情報は全く気にしていなかったのか。

 ただ、それでもルナツーにいたリードなら……ん? ああ、今日もまたリードはいないのか。

 

「MSの説明の前に、リードはどうした?」

「……その、呼んだのですが……」

 

 メカニックではなく、ブライトが俺の言葉に首を横に振る。

 それだけで、リードに知らせなかったのではなく、リードが自分の意思でここに来なかったのだろうというのは予想出来た。

 とはいえ、前回の時もそうだったが、リードの性格は典型的な小物だ。

 自分が威張れる場所では威張りたいという思いがあり、それこそこうして別の組織から人がやってくる時は、ホワイトベースの中でも最高階級にある者として自分が前に、前にと。そう思ってもおかしくはない。

 だというのに、何故ここで出てこない?

 そんな俺の言葉を証明するかのように、ブライトが口を開く。

 

「その、二日酔いのようでして……」

「……あー……うん。お前も大変だな」

 

 ブライトの口から出てきた、俺にとっても明らかに予想外の言葉に、思わず同情してしまう。

 まだ20歳にもなっておらず、士官学校も卒業していない身で連邦軍の重要機密たるホワイトベースの艦長を任され、おまけに赤い彗星には狙われ、そして上司はこの有様。

 普通に考えて、ブライトってこれ以上ないくらい不幸な存在なのではないだろうか。

 少なくても、俺は絶対にブライトの立場になりたいとは思わない。

 

「その、大変ね」

 

 ミナトもブライトの言葉を聞いて不憫に思ったのか、哀れみや同情に近い視線を向けていた。

 綾子も、言葉には出さないがミナトと同じような視線を向けているのは間違いない。

 俺達の前で、恥ずかしそうにするブライト。

 このままブライトを羞恥責めしてやってもよかったが、ここで精神的に消耗されても困るという事で、取りあえずはこの辺でやめておく。

 

「ともあれ、だ。MSの説明だったな。……もう予想していると思うが、シャドウミラーが接触して、今も貿易をやったりしている世界の中には、MSという兵器を使っている世界がある。少なくても、俺が知ってる限りはこのUC世界以外に2つだな」

「2つ!?」

 

 他にもMSを使っている世界があるというので驚きもしたのだろうが、しかもそれが2つもあるというのは、完全にこの話を聞いていた者達にとっては予想外だったのだろう。

 俺に話を聞いてきたメカニックが驚きに目を見張っていた。

 それ以外の面々の中には驚いていない者も多い。……こちらは、恐らくルナ・ジオンがSEED世界やW世界のMSを使っていたと知っている者達だろう。

 ……まぁ、実際にはアニメや漫画、ゲームのように原作のある世界だと考えれば、そこまでおかしな話ではないんだろうな。

 俺の原作知識は既に殆ど残ってはいないが、それでもガンダムがメジャーな作品だったという事は、何となく……本当に何となくではあるが、覚えている。

 だからこそ、他の世界にMSという存在があっても驚きはしないが……それは、あくまでも俺の事情だ。

 このUC世界において生きてきたブライトやそれ以外の面々にとっては、まさしく青天の霹靂とでも呼ぶべき事だろう。

 

「ああ、そうだ。……まぁ、今のところ言えるのはこのくらいだけどな」

 

 ガンダムというMSだけが共通するW世界はともかく、SEED世界はなぁ……ガンダム、ザク、グフ、ドム。

 うん。それを聞けば、色んな意味で驚愕するのは間違いないし、ルナ・ジオンの面々ならともかく、ホワイトベースの者達にこの情報を話す必要はない。

 ああ、でも連邦軍ではまだグフとかドム辺りはそこまで名前を知られていないのか?

 前線ならともかく、士官候補生のブライトは……いや、士官候補生だからこそ、その辺を知っている可能性もあるか。

 

「もっと詳しい情報を知りたいと思うかもしれないが、この件は連邦軍の上層部であっても、殆ど知らない者が多いような情報だ。ここで言ってはいけない……というのは、分かって貰えるか?」

 

 そう言われると、興味津々だった者達もそれ以上は話を聞く事が出来なくなる。

 

「で、えーっとだ。……何の話だったか……ああ。そうそう。MSをだな。そっちの綾子は、他の世界のMSなら操縦出来るが、このUC世界のMSというのは操縦した事がない」

 

 正確には技術班に持ち込んだザクとかそういうのを操縦した事はあるかもしれないが、その辺を話すと色々と面倒になりそうなので黙っておいた方がいいだろう。

 

「なので、シミュレータを使わせてやって欲しい。一応クレイドルにもシミュレータはあるが、それはあくまでもルナ・ジオン軍のMSのもので、連邦軍のMS用じゃないからな」

 

 操縦システムそのものは、ザクから派生したという事でそれなりに共通する部分はあるのだろうが、それでも細かい部分は色々と違う。

 そうである以上、操縦能力を存分に発揮させる為には、連邦軍のMSについてもしっかりとシミュレータで操縦方法を把握しておく必要があった。

 ……とは言っても、現状で使えるMSは恐らくガンタンクくらいしかないのだろうが。

 ガンダムはアムロが使っているし、ガンキャノンは俺とカイが使っている。

 純粋に操縦技量という点で考えれば、アムロやカイよりも綾子が上なのは間違いない。

 だが、俺と綾子とミナトの3人は地球に降下したら途中で下船する事になっており、その辺の事情を考えれば無理に綾子をガンダムやガンキャノンに乗せない方がいいのは間違いない。

 もっと言うのであれば、俺も途中でいなくなる以上は、ガンキャノンには俺以外の者が乗った方がいいのは間違いない。

 しかし、月を脱出すればほぼ間違いなくシャアが万全の状況で待ち受けている以上、シャアと互角に戦える俺をガンキャノンに乗せないという選択肢はない……といったところか。

 

「……分かりました。いいな?」

 

 ブライトの言葉に、メカニックの1人が頷く。

 

「悪いな。それと、ミナトの方は……どうする? まさか、今の状況でホワイトベースを直接動かしてみる訳にもいかないだろ?」

「そうねぇ。実際に動かしてみるのが一番いいんだけど……そうすると、月に迷惑を掛けちゃいそうだしね」

 

 月そのものは、バルジ、リーブラ、ニヴルヘイムという機動要塞群によって守られているが、それでも月の状況を観察出来ない程ではない。

 寧ろ、ジオン公国や連邦軍にしてみれば、この戦争の第3勢力という点で決して月を蔑ろには出来ず、何らかの手段で情報を得ていてもおかしくはない。

 精密な光学機器で情報収集をしていたり、もしくはもっと単純にクレイドルの住人とのやり取りで情報収集をしたり。

 機密についてはかなり厳しく取り締まっているが、通信や手紙、メールといった手段で世間話をするくらいの事は、特に禁じていない。

 だからこそ、ジオン公国も連邦軍もクレイドルの住人と出来るだけ繋がりを作り、世間話で通信をするように情報員といった者達に勧めている。

 そういうので、ホワイトべースが月面を飛んでいたという情報が流れる可能性は、出来るだけ避けたかった。

 それにホワイトベースのチェックやデータ取り、修理作業等といった事をする必要もある以上、迂闊に動かせないというのもある。

 

「うーん、そうね。まずはこの艦の癖とかそういうのが知りたいから、操舵士の人と少し話をしたいんだけど、構わないかしら?」

 

 何故か流し目でブライトに尋ねるミナト。

 その流し目を向けられたブライトは、女慣れしていないことを示すかのように、頬を赤く染めながら口を開く。

 

「わ、分かった。この後でミライを呼ぶから、話してくれ」

「そう? ありがと。じゃ、私はそれでいいわよ」

 

 こうして話は決まり、その後も色々と細かい話をし、そして解散となるというところで……

 

「何故、私を呼ばないで勝手にこんな会議をしている!」

 

 丁度そのタイミングを……それこそ、まるで図っていたかのように扉が開き、そんな声が響き渡る。

 聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにいたのは予想通りリードだった。

 本来なら、ホワイトベースに乗り込む俺や綾子、ミナトといった面子と顔合わせをする時は、ホワイトベース側の責任者としてやって来なければならない筈の人物。

 だが、二日酔いによって部屋で寝ていると聞いたのだが……こうして見る限り、二日酔いじゃなくて、普通に酔っているようにしか見えないんだが。

 

「ブライト中尉! 何故私に知らせずにこのような会議を開いた! いいか、これはジャブローに到着したら、問題にするからな! 絶対に問題にしてやるぞ!」

 

 酔っていて気が大きくなっているのか、俺を前にしてもいつものように怯えている様子を見せず、問題にすると叫ぶリード。

 だが……ぶっちゃけ、今のリードの状況を思えば、この一件が問題になって立場が不味くなるのは、ブライトじゃなくてリードじゃないのか?

 その辺は、もしかしたらリードが階級で無理に押し通すのかもしれないが。

 ともあれ、折角上手くいっている状況で、下手にかき回されるのは困る。

 リードがブライトに向かって怒鳴りつけているのを見ながら、俺はパチンッと軽く指を鳴らす。

 瞬間俺の影が影槍となって一瞬にして伸びると、そのままリードに胴体に突き刺さる。

 ……影槍の先端が尖っていなかったのは、リードにとって幸運だったのだろう。

 もっとも、酔っ払っている状況で胴体を殴られたんだから、当然のようにただで済む筈もなく……と思ったが、胃の中には特に何も入っていなかったのか、そのまま意識を失って床に倒れる。

 うん、まぁ……ゲロ塗れにならなかったのは運が良かったな。

 影槍を見て驚愕の……そして感謝の視線を向けてくるブライト達を尻目に、俺はそんな事を考えるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1436

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