転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2280話

『どういう事ですか! 既に、ルナ・ジオン軍との交渉は終わっていた筈です! だというのに、何故このような場所でこちらの行動を妨害するのですか!』

 

 オープンチャンネルにて、ブライトの不機嫌な声が周囲に響く。

 いやまぁ、それも当然だろう。

 もし先程リリー・マルレーンが邪魔をしなければ、今頃シャアのムサイ級はホワイトベースの攻撃によって沈んでいたかもしれないのだ。

 ……まぁ、ホワイトベースには素人とか訓練不足の軍人もかなりの数乗っているのを考えると、ブライトの不満は当然の事だった。

 俺としては。セイラの兄たるシャアが死ぬようなことがなかったので、それで十分に満足しているのだが……まさか、それを口に出来る訳もない。

 というか、シーマにあんな口を利いたと知られると、ブライトは色々と危険な事になりかねないな。

 宇宙の蜉蝣という異名を持ち、悲劇のヒロインとしてその美貌と面倒見の良さから、ルナ・ジオンにおいて、シーマの人気は非常に高い。

 それこそ、シーマの部下になりたくて海兵隊の規模が当初予想していたよりも大きくなる程には。

 そのような状況だからこそ、今のブライトの言葉を聞けば、間違いなくシーマのファン達は不愉快に思うだろう。

 ホワイトベースにいる限りでは、そういうのはあまり気にしなくてもいいのだろうが、この戦いが終わった後で月に向かう事を考えると……頑張れ、としか言えないな。

 

『そう言われてもね。この辺での戦闘は許可したけど、ルナツーの上で戦闘をするのは許可していないよ。そんな事をしたら、折角占拠したルナツーに被害が出るかもしれないじゃないか。見たところ、その軍艦は新型艦だろう? だとすれば、当然武器の威力もサラミス級よりも……そして場合によってはマゼラン級よりも上の筈だ。違うかい?』

『それは……』

 

 シーマの言葉に、ブライトは言葉に詰まる。

 実際、ルナツーの中には捕虜になった連邦軍の軍人も多いのは確実で、それを考えるとシーマの言ってる事は決して間違いではないのだ。

 もっとも、シャアのムサイ級はルナツーから退避しようとしていたので、ホワイトべースがメガ粒子砲を撃ってもルナツーに被害が出たかどうかは微妙なところだが。

 

『そんな訳で、文句を言われる筋合いはないと思うんだけどね』

『……それでも、シャアを後少しで倒せるところだったんです。それを考えると、こちらの気持ちを察して貰えると思いますが』

『はっ! おふざけでないよ。あの赤い彗星が相手なんだろう? なら、多少有利なところがあったって、あっさりと引っ繰り返されるだろうさ』

 

 シーマのその言葉に、ブライトは口を噤む。

 実際にはシーマに対して色々と言いたい事はあるのだろうが、やはりブライトとシーマでは、どうしても格が違う。

 シーマはマハルというスラム街の住人をその実力で纏めてきた人物だ。

 士官候補生であるブライトと比べると、その差は圧倒的と言ってもいい。

 

『さて、それでどうするんだい? もしそっちが希望するのなら、今のあたし達の行動が許せなかったって事で、ルナ・ジオン軍に戦いを挑んでもいいんだよ? そっちにとっては運の良い事に、あたし達は少し前にルナツー攻略戦を終えたばかりだ。上手くいけば、勝てるかもしれないよ?』

『いえ、そのような事は。私達はこれから月に向かうので……そちらでは、各種補給を用意して貰えるという事でいいんですよね?』

『ああ、そう言えばそんな事をダグラスが言ってたね。ダグラスが言ったのなら、その約束はまず守られると思っていいと思うよ』

『分かりました。では、私はこれで』

 

 そう言い、オープンチャンネルで行われていた通信が切れる。

 そしてシーマの通信も切れて……不意に、ガンキャノンの映像モニタにシーマの顔が表示される。

 

『元気そうだね』

「まあな。イザークの名前を貶めないように、頑張ってるさ」

 

 少し無理のある会話だったか?

 そう思わないでもなかったが、アクセルと名前を呼ばれるよりも前に、その辺りはしっかりとしておく必要があった。

 シーマの方も、俺の考えを悟ったのだろう。

 一瞬だけ沈黙したが、次の瞬間にはなるほどといった具合で頷き、口を開く。

 

『そうだね、分かったよ。それで……連邦軍のMSはどんな具合だい?』

「ザクとは比べものにならないくらいの性能を持っているのは間違いないな。……ルナツーでMSの情報は何か入手出来なかったのか?」

『その辺はあまり気にしなくてもいいさ』

 

 微妙に誤魔化されたような気がしたが、シーマがこういう風に言ってくるって事は、恐らく本当に心配する必要はないのだろう。

 

『分かったかい? それで、どうする? ア……イザークがその気なら、このままルナツーに残ってもいいと思うんだけど』

 

 そんなシーマの意見に少しだけ考え、すぐに首を横に振る。

 

「ここで俺が残るという事になれば、ホワイトベースが色々と危険な事になりかねないからな。今のホワイトベースで、シャアと正面から戦うのは難しい筈だ」

 

 恐らく、原作ではルナツーが使えたからこそ、現在のような状況であってもどうにか乗り越えることが出来たのだろう。

 それこそ、最悪の場合はルナツーに逃げ込むといった感じで。

 だが、現在俺がいるこの世界においては、そのような真似は出来ない。

 何しろ、ルナツーはルナ・ジオン軍が占拠しているのだから。

 だからこそ、俺はホワイトベースと行動を共にし、月に向かう事に決めた。

 ……上手くいけば、その途中で襲ってきたシャアを捕らえて、セイラに引き渡す事が出来るかもしれないし。

 

『そうかい。分かったよ。……まぁ、どのみちこのルナツーはそう遠くないうちに連邦軍に引き渡すんだ。そうなれば、結局あたし達も月に帰る事になるだろうね』

「だろうな。まぁ、頑張ってくれ」

 

 この場合の頑張ってくれという言葉には、幾つもの意味が込められている。

 その中でも最も大きな意味は、やはりルナツーにあるだろう、連邦軍のMSのデータ収集だろう。

 実機があるのかどうかまでは分からないが、設計データくらいはあってもおかしくない。

 そして連邦軍のMSで良いところがあれば、ヅダに取り入れていく、と。

 取りあえず、まず目指すのはビームライフルとビームサーベルだな。

 ガンダムとガンキャノンでそれぞれビーム兵器の採用を確認されたので、もうルナ・ジオン軍でもビーム兵器を解禁しても問題ないだろう。

 もっとも、出来ればルナ・ジオンのMSが使うビーム兵器は、ガンダムやガンキャノンが使ってるような、この世界で開発された物を使って欲しいところだが。

 

『ああ。……それで、どうする? 何か補給の品は必要かい?』

「あー……そうだな。取りあえず食料とか水とか、そういうのに余裕があったら頼む」

 

 一応食料も水も俺の空間倉庫の中に存在しているが、それは出来れば奥の手、最後の最後、どうしようもなくなった時に使いたい。

 だからこそ、出来ればルナツーである程度の補給は済ませておきたいというのが、俺の正直な気持ちだった。

 ホワイトベースに避難してきた者の数は、当初の予想を超えたものとなっている。

 それこそ、このままでは間違いなく食料が足りなくなってもおかしくない程には。

 そうなれば、ホワイトベースの中で面倒が起きるのは確実で……それを起こさない方法があるのであれば、その手段をとった方がいいのは間違いない。

 

『あいよ。じゃあ、あたしの方からさっきの坊やに言っておくから』

「任せた」

 

 ブライトを坊や呼ばわりするのはどうかと思うが、実際にシーマからしてみれば、ブライトというのはそういう相手にしか思えないのだろう。

 士官学校の生徒であるということを考えれば、坊や呼ばわりされてもおかしくはないのだが……ブライトの立場を考えると、もう少し優しくしてやってもいいような気がしないでもない。

 まぁ、シーマにすれば甘いと思うのかもしれないが。

 ともあれ、それで通信が終わる。

 さて、そうなると……今は特にやるべき事もないので周囲を見回すと、そこではようやくと言うべきか、落ち着いた様子を見せているカイのガンキャノンがあった。

 そして、アムロのガンダムもこちらに向かって近づいてきている。

 ガンタンクの方は……残念ながら、まだこっちに到着していない。

 いや、寧ろ途中でホワイトベースの方に進路を変更したのか?

 

『イザーク、これからどうすればいいんだ?』

 

 と、そんなカイからの通信。

 

「どうすればいいと言われてもな。ホワイトベースに戻るのか、それともこっちにホワイトベースが来るまで待つか」

『はぁ? おい、何でここにホワイトベースが来るんだ?』

「何でって言われてもな。補給の為だよ。パプア級は撃破したが、別に木っ端微塵になってしまった訳じゃない。残骸とかを探せば、それなりに使える物は出てくる筈だ。特にザクの部品とかで使えそうな物は、探せば結構あると思うぞ」

『ザクの部品を見つけても、連邦軍のMSに使えるのかよ?』

「さて、残念ながら俺は連邦軍のMSにそこまで詳しい訳でもないから、その辺は分からないな。けど、使えるかもしれないんだから、ここで入手しておくのは悪くない案だろう。幸い、ルナツーから食料や水の類は補給してくれるらしいし」

『……なら、それこそここで残骸を漁ったりしないで、普通にルナツーからMS用の予備部品とかも譲って貰えばいいんじゃないか?』

「出来ればそれがいいと思うんだが、難しいだろうな」

『何でだよ?』

「考えてもみろ。ルナ・ジオン軍がこの基地を奪取したのはつい最近の筈だ。そうなると、当然ながらこの基地の中を色々と調べる必要が出てくる。そして調べれば、当然ながらガンキャノンを始めとして他のMSのデータとか、余剰パーツとかそういうのも出て来る筈だ。そうなれば、ルナ・ジオン軍としても連邦軍が開発したMSについて調査したいんだろうから、予備部品の類を見つけても、それをホワイトベースに寄越すとは考えられない。それなら、ここで確実に入手しておいた方がいいと思わないか?」

 

 まぁ、確実にと言ってはいるが、パプア級の爆発を考えると使える部品の類があるかどうかは、微妙なところなんだが。

 それで残骸を漁ろうと考えたのは、何かジオン軍のMSについての……それも俺達が知らない機種の情報とかが入手出来るかもしれないと思ったからだ。

 

「部品の類はともかく、推進剤とかは譲ってくれるかもしれない。ただ、その場合は連邦軍がルナ・ジオン軍に借りを作ったって事になる。その辺をどう判断するかってのもあると思う」

 

 実際、ルナツーを占拠した時点で借り云々といった話ではなくなっているのは間違いないし。

 そもそも、今回のルナツーの占拠というのが行われたのも、ルナツーで行われたタカ派の軍人の演説が原因だったのだから、連邦軍との関係が悪くなるのは避けられないだろう。

 とはいえ、ルナ・ジオンとしてはジオン軍よりも連邦軍の方と友好的に接したいと思っているのも事実であり……その辺、どうなるのかは、非常に難しいところだ。

 ジャブローにいるゴップとかとは、友好的な関係を築けているんだが。

 

『ふーん。連邦軍ってのも大変なんだな』

 

 カイは俺の言葉に少しだけ考える様子を見せたが、すぐに納得したように頷く。

 カイにしてみれば、結局のところ今の状況について色々と思うところもあるのだろうが……それ以外にも、何か考えている事はあるのだろう。

 それに、俺がルナ・ジオンの人間だと誤解している節もあるし。

 

『イザーク、聞こえているな?』

 

 と、カイと話していると、不意にそんな声の通信が割り込んでくる。

 それが誰の声なのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだろう。

 

「どうした、ブライト」

『これから、ルナツーに寄って食料や水を補給して貰う事になった』

「そうか、避難してきた人数も多いから、助かるんじゃないか?」

 

 俺の言葉に、映像モニタに映し出されたブライトの表情は不満そうなものに変わっていた。

 

『お前の仕業か?』

「それは否定しない。……けど、さっきも言ったが、ホワイトベースに避難してきた人数も多いんだから、食料や水はあった方がいいだろ?」

『それはそうだが』

 

 俺の言葉に、理解は出来るが納得はしたくないとった様子を見せるブライト。

 連邦軍の士官候補生としてのプライドもあるし、元々連邦軍の軍事基地だったルナツーを占拠して、その上で何を恩着せがましくといった事もあるのだろう。

 

「取りあえず、避難民達を飢えさせない為にも、ここは素直に向こうの言葉に甘えておいたらどうだ? それと、パプア級が沈んだ場所に、何かまだ使える物があるかもしれないから、色々と探したい」

『……分かった』

 

 不承不承ではあるが、ブライトは俺の言葉に頷くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1436

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