転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2272話

「ルナツーがどうなっているのか、ジャブローに知らせる必要がある、か。……正直なところ、ホワイトベースがそれを知らせるよりも、ルナツーからの通信でジャブローがそれを察知する方が早いと思うけどな」

 

 呟きつつ、俺はベッドの上に寝転がる。

 現在俺がいるのは、士官用の個室。

 アムロの部屋の隣というのは、正直どうかと思うが……ともあれ、現在ホワイトベースは物資やら何やらを急いで運び込んでいるので、現在MSパイロットの俺は休んでもいいという事になっていた。

 そんな訳で、ブリッジから出た俺はこうしてベッドの上に寝転がって休んでいたのだが、ブライトが何を考えてルナツーに行くといった選択をしたのかが分からない。

 結局はルナツーの様子を確認し、その後で月に向かうという事にしたらしいのだが、それなら普通に最初から月に向かえばいいんじゃないのか?

 

「ま、結局のところはルナ・ジオンにとって最良の形で落ち着いたのは間違いないんだけどな」

 

 月に行ってジャブローと連絡を取り、各種補給物資やらMSの整備やらをするという事は、自然とMSのデータがルナ・ジオン側に渡る事を意味している。

 当然のように、ブライトもその辺は知っているだろうが……ルナツーがルナ・ジオン軍に占拠されている以上、しょうがないといったところか。

 何より、ルナツーに行けばジャブローと通信も可能になる。

 ブライト達も、具体的にどのように行動すればいいのかといった事の説明を受けられる。

 ……これ、原作だとどうだったんだろうな?

 当然ルナ・ジオンという存在はないんだから、ホワイトベースはルナツーに行っていたと思うんだが、そうすればタカ派によっていいように利用されてたんじゃないか?

 もしくは、タカ派が今も生き残っているのは、俺がこの世界に介入した結果だったりするのか?

 だとすれば、連邦軍にとっては余計な事をしてくれたといった風に思われそうだな。

 ジャブローで胃を痛めてるだろうゴップやレビルには、その辺については知られないようにした方がよさそうだ。

 取りあえず現在は休んでいるようにと言われたので、空間倉庫の中から適当に雑誌でも取り出して読む。

 ……あ、そう言えばこの雑誌はまだ読んでなかったな。

 クレイドルにある店を紹介したその雑誌は、移住してきた者達によって作られた雑誌だ。

 元々雑誌関係の仕事をしていた者が作った雑誌なので、初めて作られた雑誌としては結構完成度が高い。

 とはいえ、そこに書かれている内容はクレイドルにある店に関する情報が大半だったが。

 言わば、グルメ系統のガイドブックと言ってもいい。

 クレイドルにはマブラヴ世界の合成食を食べたおかげで、かなり食事関係の店が多い。

 それどころか、屋台とかそういう普通の店より安く作れる店も紹介されていた。

 もっとも、屋台というのは自由に移動出来るのが売りの店だ。

 そうなれば、当然の話だがこの雑誌に書いてある通りの場所に行っても、そこに屋台がない可能性はあるのだが。

 あ、でもこのケバブはちょっと美味そうだな。

 SEED世界の事を微妙に思い出すのは、きっと俺の気のせいだな、うん。そういう事にしておこう。

 そんな風に思って雑誌を読んでいると、幾つか俺の知らない店の情報もあった。

 勿論、クレイドルの全てを俺が知っている訳ではない以上、俺が知らない店があってもおかしくはないのだが……今回の一件が終わったら、ちょっとその店に行ってみるか。

 とはいえ、屋台か。……ゴーヤクレープの屋台は出来てないよな?

 何だか、ゴーヤクレープは妙に繁殖力が高いんだよな。

 その辺が厄介というか、何というか……面倒な事だ。

 そんな風に思っていると、不意に部屋の扉がノックされる。

 誰だ? メリルか? アムロなら、わざわざ自分から俺に部屋にやって来たりはしないと思うし。

 

「入ってもいいぞ」

 

 その声に扉が開き、顔を見せたのは……俺にとっては完全に予想外な事に、フラウだった。

 

「フラウ、だったよな。どうしたんだ?」

 

 俺のところに1人で来たと知られれば、アムロに怒られるだろうに。

 そう思っていると、フラウは俺の方に何かを渡してくる。

 ……食料?

 勿論俺が雑誌で見ていたような店で作られたような立派な料理という訳ではなく、あくまでもホワイトベースで用意された戦闘食という奴だ。

 その事に少しだけ驚きつつも、それを受け取る。

 

「悪いな」

「いえ」

 

 手料理ではなく、機械的に生産された……そう、ファーストフードに近い食事。

 それでも、渡された長方形のお盆くらいの上に掛かっていたアルミホイルに似たシートを剥がすと、そこには若干冷めかけているものの、ハンバーグとサンドイッチ、サラダ、シチューが1つの食器の中に入っていた。

 どこかお子様ランチを思い出すような作りだが、当然のように国旗が立っていたりはしない。……まぁ、基本的にこのUC世界においては国というのは連邦軍だけというのが建前だしな。

 ジオン公国やルナ・ジオンは、半ば黙認という形で実質的に国家的な扱いを受けているのだが。

 

「ねえ、フラウお姉ちゃん。まだ?」

 

 俺が食事に視線を向けていると、扉の向こうから黄色い髪の少女……幼女? が顔を出して尋ねてくる。

 恐らく、フラウが子守も兼ねてこの子供達の相手をしているのだろう。

 ……正直なところ、本当にそれでいいのか? と思わないでもないが。

 ともあれ、そんな訳でこのままここで時間を取らせると面倒な事になりそうだと判断し、俺はフラウに向かって口を開く。

 

「わざわざ持ってきてくれて悪いな。後はこっちで食べるから、もういいぞ。そっちの子供達も退屈しているみたいだし」

「あ、その……すいません。ただ、ちょっとお礼を言いたくて」

「……お礼?」

「はい。コロニーで私や両親を助けてくれたじゃないですか」

「……ああ、地割れの時」

 

 正確には地割れではないのだが、取りあえずそっちの方が分かりやすいのは間違いない。

 あの時、俺は空を飛びながら半ば強引な手段を使ってフラウ達を助けた。

 そのおかげで、恐らく俺の正体がブライト達に予想されたのだろうが……まぁ、フラウ達を助けなくても、恐らくアムロからその辺りの情報が伝わっていた可能性が高い。

 なら、フラウ達を助けても問題はなかった筈だ。

 

「別にそこまで気にする必要はないだろ。わざわざあそこで死ぬより、助かった方がよかっただろうし」

「はい。とにかく、ありがとうございました」

 

 再度頭を下げると、フラウはそのまま部屋から出て行く。

 そんなフラウの様子に、金髪の少女といつの間にか部屋を覗き込んでいた黒人と日系人らしい2人の少年も、不思議そうにこっちを見てくる。

 何故フラウが俺に向けて感謝の言葉を口にしたのか、その理由が分からなかったのだろう。

 まぁ、この子供達はあの現場にいなかったしな。

 ……というか、よくもまぁ、こんな子供達だけでホワイトベースに到着出来たなという思いの方が強い。

 ともあれ、そうやって部屋から出て行ったフラウ達を見送ると、俺は早速食事に手を伸ばす。

 正直なところ、俺は食事をしなくても全く問題はない。

 ないのだが……今の状況でそんな事を言える筈もなく、大人しく料理を口に運ぶ。

 どの料理も、決して美味いという訳でないが、それでも不味くもない。

 普通の味、というのが一番相応しいだろう。

 ……もっとも、マブラヴ世界の合成食に比べると比べものにならない程に美味いと言ってもいいのだが。

 そんな食事を済ませつつ、ホワイトベースの備蓄食料がなくなったら、俺の空間倉庫にある、サイド7で買い貯めした食料を提供しようと考える。

 もっとも、ルナツーを経由して月に向かう程度であれば、今も積み込んでいる食料とかで十分間に合うような気もするが。

 

「まぁ、避難民の数が増えれば、加速度的に必要となる食料とか増えていくけど」

 

 呟き、そういう意味では月よりも近いルナツーに向かうという選択肢はそこまでおかしくはないのかと、そう思い直す。

 もっとも、現在ルナツーで主導権を握っているのは、タカ派だ。

 別にルナツーにいる全員がタカ派という訳ではないのだろうが……それでも、勢力としては依然タカ派が強いのは間違いなかった。

 そんな場所に避難民を連れて行き、ましてや預けるなどといった事になれば、一体どうなるのか。

 それは、考えるまでもなく明らかだろう。

 最悪の結果を考えると、やはりクレイドルで暮らした方がいいと思う。

 勿論、どのような者であろうと、罪を犯せば罰は受けて貰う事になると思うが。

 そんな風に考えながら食事を食べ終わると、ちょうどそのタイミングで通信機が着信を知らせてくる。

 また、ブライトが何かの用事か?

 そう思いつつ、通信に出ると……

 

『おう、イザーク。今ちょっと暇なら、格納庫に来ないか?』

 

 映像モニタに映し出されたのは、リュウだった。

 予想外の人物からの通信に少し驚きつつも、言葉を返す。

 

「格納庫? 格納庫で何をやるんだ?」

『うむ。何人か志願した者や推薦のあった者にMSの操縦を教えていてな。出来れば、イザークにもそれを手伝って欲しい』

「……本気か?」

 

 この場合の本気か? というには、2つの意味が込められている。

 まず1つは、今からMSの操縦を教えても、戦力として使えると思っているのか? という事。

 そしてもう1つは、連邦軍にとって最高機密と言ってもいいMSに、軍人でも何でもない難民をパイロットにしてもいいのかと、そういう話。

 後者に関しては、現在MSのパイロットとして使えるのは俺とアムロだけで、どっちも連邦軍の軍人ではない。

 それを考えれば、おかしな話ではないのかもしれないが……

 

『本気だ。これからどうするにせよ、MSという戦力がなければ、ジオン軍に勝つ事は出来ん。ましてや、相手はあの赤い彗星だからな。なら、少しでも万全の態勢を整えた方がいいとは思わないか?』

「それは否定しないが……まぁ、いい。分かった。それで格納庫に行けばいいんだな? なら、すぐに行く」

 

 結局色々と疑問はあれど、それを口にせず最終的に引き受けたのは、やはり俺もまた若干興味があったから、というのが大きい。

 恐らく……いや、間違いなくこの世界の原作が始まっている以上、今こうしてMSのパイロットを選ぶという事は、原作でもアムロと共に戦った戦友……という事になるだろう。

 であれば、可能ならルナ・ジオンにスカウトしたいと、そう思ってもおかしな話ではない。

 

『おう、分かった。待ってるから早く来てくれ』

 

 リュウがそう言い、通信が切れる。

 特に何か準備する必要もないので、俺はすぐに部屋から出て格納庫に向かう。

 ……さて、一体どういう奴がMSパイロットとしてそこにいるのやら。

 

 

 

 

 

「うん。いやまぁ、MSを操縦出来るんだし、お前がいるのは納得出来るけどな」

 

 格納庫にやって来た俺の目に最初に入ったのは、メリルの姿だった。

 そんなメリルの姿に、思わずといった様子で俺はそう呟く。

 実際、メリルはMSでの実戦を経験した事がないとはいえ、その為の訓練は十分に受けていた。

 そういう意味では、このホワイトベースでは俺やアムロに次いで高い技量を持っていると言っても間違いではない。

 もっとも、メリルが訓練したのはあくまでもザクであって、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクといった連邦軍のMSに乗った事はないのだが、それらのMSはザクを解析して開発されたものである以上、操縦方法そのものはザクと大差ない筈で、メリルにも十分操縦は可能な筈だ。

 

「まぁ、色々とありまして。それに、イザークさんも私がMSパイロットの方が安心出来るのでは?」

 

 メリルの言葉に、首を横に振る事が出来ないのは残念な事だった。

 

「まぁ、そうだな。とはいえ……」

 

 周囲にいる者達から色々と視線を向けられているのに気が付くと、話を聞かれないように、メリルを離れた場所まで連れて行く。

 

「で、メリルはどのMSに乗るつもりなんだ?」

「イザークさんがガンキャノンに乗ってますし、ガンダムは1機しかないので、私はガンタンクを希望する予定です」

 

 ガンタンク、か。

 いやまぁ、MSの数と種類はメリルの言う通りで、俺がガンキャノンに乗っている以上、それ以外のMSに乗って欲しいと思うのは間違いない。

 そうなると、残るのはガンタンクだけになる訳で……ルナ・ジオンの利益になる選択となると、メリルの考えは間違っていない。

 ちなみにホワイトベースに存在するMSは、ガンダム1機、ガンキャノン2機、ガンタンク3機。

 ただし、ガンタンクはパイロットが2人いるので、全てのMSで必要なパイロットは9人となる訳だ。

 ……9人、ね。

 ちょっと難しいように感じるけど、一体どうなるんだろうな。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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