転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2252話

 ルナ・ジオン軍がルナツーを攻略するという件はあっさりと決まるも、当然のように今日攻略する事を決めたので明日には出撃……などという真似は出来ない。

 いやまぁ、シャドウミラーが全面的に協力すればそれは不可能でもないんだが……今回はあくまでもルナ・ジオン単独での行動という事になっている以上、そのような真似は出来ない。

 軍艦もカトンボの類は使わずに、あくまでも現在ルナ・ジオン軍が所有している……ムサイ級、ザンジバル級、そしてグワジン級が主戦力となる。

 他にも補給艦としてパプア級とかが一緒に行動するが、基本的にパプア級は殆ど戦闘力はないので、前線に出る事は……皆無とは言わないが、かなり少ないだろう。

 また、ルナ・ジオン軍だけの行動という事で、バッタやメギロートといった戦力も使わないらしい。

 もっとも、人手不足を補う意味でコバッタはそれなりに連れて行くらしいが。

 正直なところ、何もそこまでルナ・ジオン軍としての行動に拘らなくてもいいと思うんだが……ルナ・ジオン軍にとって、これはどうしても必要な事だと言われれば、俺としても口出しするのは難しくなる。

 ラルやダグラス、アンリ、ガイア、シーマといったようにルナ・ジオン軍の中でも大きな影響力を持っている者達以外に、政治家の面々までそれに賛成するのだから尚更だ。

 そんな訳で、現在ルナ・ジオンはシャドウミラーの力を借りず、自分達だけでルナツーに攻撃を仕掛けるべく、準備をしていた。

 ちなみに、連邦軍との関係は悪くなった……かと言えば、そうではない。

 いや、以前と比べてると明らかに悪くなっているのは間違いないが、それでも断絶といった行動に出る事はない。

 ……まぁ、これもあの演説や会議が行われたすぐ後に通信を送ってきて、必死にジェーンとの間でやり取りをした結果なのだが。

 ちなみに俺はその光景を見てはいなかったのだが、偶然その交渉の通信を見た者の話によれば、ゴップはその通信だけでかなり痩せてしまったように見えたらしい。

 元々ゴップは太っている……いや、恰幅がいいと表現するべきか? ともあれ、そんな人物だったのを考えると、そのゴップがそこまで憔悴するというのは、かなり厳しい交渉だったのだろう。

 とはいえ、それは当然の話だった。

 元々月周辺での戦いは、ルナ・ジオンが圧倒的に優勢だった。

 それを、連邦軍からの要望でしょうがなく停戦してやったというのに、あの演説では連邦軍こそが勝者であり、ルナ・ジオン軍は連邦軍のお情けにより生き延びたと、堂々と言ったのだ。

 現状でルナ・ジオン軍……そして背後にいるシャドウミラーと絶対に敵対したくない連邦軍としては、それこそ文字通りの意味で身を削るような交渉をしたといったところか。

 まぁ、ルナ・ジオンにとって非常に有利なのは、この戦いにルナ・ジオン軍としての戦力の全てを出しても問題ないという事か。

 基本的に月にはバルジ、リーブラ、ニヴルヘイムといった機動要塞群が守っているし、月の内部には量産型Wとコバッタ、バッタが警備をしているので、内部で混乱を起こそうとしても大半がすぐに潰されてしまう。

 その上、月面都市の住人が予想以上にセイラを支持しており、あの演説で月の住民も多くが連邦軍に対して怒りを抱いている。

 セイラのカリスマ性が良い方向に、そして悪い方向に働いた形だ。

 今回ルナツーを攻める事になったのは、結局そのような真似をしなければ月面都市の住人が納得しないからというのが大きいのだから。

 

「セイラとしても、今回の一件は正直予想外だったんじゃないか?」

「そうね」

 

 クレイドルの中心にある政庁、その中でも俺がセイラとお茶を楽しむ場所としているつもの部屋の中で、紅茶を飲みながら言葉を交わす。

 俺の言葉に頷きながら、セイラは少しだけ憂鬱そうにしていたのは……やはり、出来れば大掛かりにしたくなかったからだろう。

 

「まぁ、取りあえずセイラもいる事だし、月で騒動が起きたりはしないと思うから、その辺は心配しなくてもいいだろ」

「そっちは心配していないわ。そもそも、今までの月で大きな騒動が起きていない事を考えれば、当然でしょう?」

「そう言って貰えると、こっちとしても助かるよ」

 

 実際にコバッタや量産型Wが成果を出しているからこその、そんな言葉なのだろう。

 セイラにとって……いや、ルナ・ジオンという国にとって、治安を守る量産型Wやコバッタは、大きな意味を持つ。

 ……もっとも、月の治安とかを完全にシャドウミラーに任せてルナツーを攻略するのが、本当にルナ・ジオンだけの力でと言えるのかどうかは、正直微妙なところだが。

 

「それで、アクセル。サイド7にはいつ向かうの?」

 

 不意に話題を変えてくるセイラ。

 そう言われると、正直どうするべきか迷うんだよな。

 セイラにとっても、サイド7というのは色々と思い出深い場所である以上、その辺りが気になってるのは分かるのだが。

 もしくは、自分の兄のシャアとライバルになるアムロの事が気になっているのか?

 この世界の原作は殆ど忘れてしまったが、セイラと一緒に入ったあの空間で見た微かな光景から考えるに、アムロがこの世界の主人公であるのはほぼ間違いない。

 ……実は、シャアがこの世界の主人公で、小惑星を地球に落下させるダークなストーリーであるという可能性も否定出来ないのだが、それでもやはり可能性としては、やはりアムロの方が高いだろう。

 

「いつ向かうか、か。……正直なところまだ決めてないんだよな。ルナツーの攻略を確認してからにするか、もしくはその前に行くか」

 

 サイド7で連邦軍が色々と怪しい動きをしているという話だったが、それでも別にそこまで重要な何かがあるとは思えない。

 そもそも、もし重要な何かをするのであれば、別にわざわざサイド7でやらなくても、軍事基地たるルナツーでやればいいのだから。

 だからこそ、サイド7でやってる何かというのは、そこまで急いで調べる必要がないというのが、俺の認識だった

 それこそ、ルナツー攻略作戦の方が重要だと思えるくらいには。

 だからこそ、サイド7に行くのはまだ決めていない。

 ……何気に、サイド7に行ったらそう簡単にホワイトスターに戻れないという理由もある。

 これがもしクレイドル内部、いやそこまでいかなくても月面都市であれば、地続きという事で影が繋がっているのですぐにクレイドルのゲートを使ってホワイトスターに戻ることが出来る。

 だがサイド7ともなれば、影で繋がっていない上に距離的にもサイド3と月面といった程度の代物ではない。

 つまり、普通に軍艦……いや、別に軍艦じゃなくても宇宙艦を使って行き来する必要があるという事だ。

 システムXNを使うという方法もあるし、サイド3に潜り込んでいた時は結構な頻度で使っていたのだから、そこまで心配する必要はないと思うが……それでも、出来ればシステムXNはあまり使いたくないというのが、正直なところだ。

 システムXNの存在を知っているのは、現在のところルナ・ジオンではセイラとラルやハモン達といった初期メンバーのみだ。

 いやまぁ、ゲートも一応システムXNである以上、それを入れればもっと知ってる奴は多いだろうが……異世界間を転移する技術と、同一世界間を転移する技術というのは、同一視するのは難しい。

 そんな訳で、システムXNの転移技術はいざという時……本当にどうしようもないいざという時の為に取っておきたいというのが、俺の……そしてシャドウミラーとしての総意だった。

 もっとも、システムXNの転移技術を公開すればしたで、大々的に木星に向かってミノフスキー物理学を使って設計された核融合炉には必須のヘリウム3を採取して輸出するといった事が出来るので、それはそれでありなのかもしれないが。

 

「サイド7、ね。出来れば私も行きたいんだけど」

 

 そう言いながらも、セイラは自分でもそれが無理だという事を理解しているのだろう。残念そうな表情を浮かべる。

 実際問題、今のセイラはこのUC世界においてかなりの……それこそ10本どころか、5本、場合によっては3本の指にすら入る程に有名な人物であるのは間違いない。

 ジオン・ズム・ダイクンの娘にして、ルナ・ジオンの女王、そして本人が高いニュータイプ能力を持っており、シャドウミラーという異世界の存在と友好的な関係にある上に、本人はとてつもない美人ときている。

 そのような状況で、目立つなという方が無理だろう。

 そんなセイラがサイド7に行けば、目立つことは間違いない。

 もっとも、以前サイド6のリボーに行った時のように変装をすれば話は別だが……そうなればそうなったで、向こうにいるのはある程度長期間になる以上、ルナ・ジオンの方で政治が回らなくなってしまう。

 ……セイラがサイド7に行きたいという気持ちは分かるんだけどな。

 元々医者を目指していたセイラは、サイド7でもそういう活動をしていた。

 それを半ば自分勝手な理由で辞めてきたのだから、その辺の事が気になっていてもおかしくはない。

 世話になった相手に、挨拶をしたいという思いもあるのだろう。

 

「そうだな。今は色々と難しいから無理だろうが、ジオンの独立戦争が終わって、俺達と連邦軍との問題もどうにかなったら……そうなれば、改めてサイド7に行けるようになるかもしれないな」

 

 もっとも、その時にサイド7が残っているのかどうかは分からないが。

 何しろ、ジオン公国はこの独立戦争を始めてすぐにサイド3つを半ば壊滅状態にした。

 その時の被害を考えれば、サイド7に攻撃を仕掛けないとも限らない。

 ……というか、この世界の主人公がアムロである可能性がほぼ確定である以上、そのアムロがMSに乗るという状況を考えると、サイド7にジオン軍が攻撃を仕掛けるという可能性は十分にある。

 で、恐らくルナツーかどこかに避難して、そこでも何かあった事により、今は民間人のアムロがMSに乗る……という事になるのか?

 もしくは、アムロがルナツーで軍人に志願して、それでMSパイロットになるのか。

 意外と、アムロが何らかの理由でルナツーに旅行か何かで向かい、そこでジオン軍が戦争に巻き込まれる……いや、おい、待て。

 そうなると、もしかして今回のルナ・ジオン軍がルナツーを攻略するのが影響してアムロがMSパイロットになるという可能性もあるのか?

 サイド7に行ったら、まだアムロがコロニーにいるのかどうか、しっかりと確認した方がいいな。

 

「そうね。出来るだけ早くそうなるといいんだけど。……キャスバル兄さんと、どうにか接触する必要もあるでしょうし」

 

 そう告げるセイラだったが、キャスバル……シャアとの接触がここまで出来ていないとなると、ほぼ確実に向こうからこちらとの接触を避けていると考えた方がいいだろう。

 だが、独立戦争が終われば、シャアと接触する機会も増える……が、同時に向こうが雲隠れする可能性も高い。

 

「いっそ、キシリア……いや、シャアはドズルの部下か。ドズルにシャアをこっちにやるように注文してみたらどうだ? もしくは、まだ先になるだろうけどドロス級をこっちに運んでくる時に指名するとか」

「そうね。でも、向こうが素直にこちらの要望を聞いてくれるかしら」

「……どうだろうな。その時の状況によって変わってくると思うけど」

 

 赤い彗星というのは、間違いなくジオン軍においてトップエースだ。

 つまり、それだけ重要な戦力であるという事になり……ましてや、今は連邦軍も活発に動き始めている関係上、そう簡単に手が空くという筈もない。

 もっとも、何故かルナツーにいる連邦軍の目は、ジオン軍ではなく月に向けられているので、もしかしたらある程度の余裕はあるのかもしれないが。

 

「でしょう? ……まぁ、取りあえず実際に行動を起こしてみないと、その辺はどうなるか分からないけど」

「あー……うん。だといいな」

 

 セイラと会話を交わしつつ、セイラと初めて触れた時に移動した精神世界? っぽい場所での事を思い出す。

 あの時、シャアが小惑星を地球に落とそうとし、アムロがそれを防ごうとしていた。

 つまり、アムロとシャアはライバル同士だという可能性が高く……そうなると、もしかしてサイド7やルナツーに攻撃を仕掛けてくる、つまり原作が始まった時にそこにいるのはシャアであるという可能性も……決して否定は出来ないのか?

 まぁ、これはあくまでも推測に推測を重ねたもので、安心は出来ないのだが。

 

「ともあれ、ルナツー攻略作戦の準備が整うまではこっちも適当にすごさせて貰うよ」

 

 そう言いつつ、俺はイチゴのショートケーキを口に運ぶのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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