転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2117話

「えーっと……これは一体何をしてるんだ?」

 

 FS型を技術班に預けた後、俺はその解析に協力――操縦した際の感想を聞かれただけだが――したり、他にもロイドとセシルの追いかけっこを見たりとして2日程時間を潰してから、魔法球の外に出た。

 当然だが魔法球の中での48時間……2日は、外での1時間でしかない。

 イザーク辺りにセイラ達の世話を押しつけた事を怒られるかなと思いつつも、家に戻ってきた俺が見たのは、シェリルによって何やら演技指導? を受けているセイラの姿だった。

 

「あら、アクセル。何をって、見て分からない?」

「いや、分からないから聞いてるんだが。俺からは、演技指導をしているようにしか見えないし」

「分かってるじゃない。そうよ、演技指導よ」

 

 ふふんっ、と自信満々に、それでいながら面白そうに笑いながら胸を張るシェリル。

 一際巨大な双丘が強調される様子を見ながら、俺はセイラのおつきのキャメロン姉妹に視線を向ける。

 ちなみにここにいるのはセイラとキャメロン姉妹だけで、ハモンを始めとして他の面々の姿はない。

 牧場辺りにでも行って、ワイバーンにでも乗ってるのか?

 

「演技指導って、一体何でまた?」

 

 取りあえずキャメロン姉妹がセイラを止めていないという事は、何か不条理な事をされている訳ではないのだろう。

 

「ルナ・ジオンの建国宣言についてよ。実際にはまだ先なんでしょうけど、演説において人の注目を集める為の動作というのは、出来るだけ早く覚えておいた方がいいでしょ?」

 

 そう言われれば、俺としては納得するしか出来ない。

 実際、人前で何かをするという点で考えれば、恐らくシェリルはシャドウミラーでも……いや、現在シャドウミラーと繋がっている全ての世界を含めても、トップクラスの技量を持っている。

 そんなシェリルから演技指導をして貰えるというのは、それこそマクロス世界でシェリルの名前を知っている者にしてみれば、羨ましいという言葉しか出て来ないだろう。

 

「一応セイラも生まれは権力者の娘だったらしいけど……実際はそういう世界で育っては来なかったんでしょう?」

「分かりますか?」

 

 少しだけ驚きの表情を浮かべ、セイラがシェリルに尋ねる。

 

「ええ、当然でしょ。生まれはともかく、人の育ちというのはどうしても仕草に出るもの」

 

 そう告げるシェリルに、俺はこれ以上何も言う事は出来ず……その演技指導を見守る事にする。

 

「その、アクセル代表」

 

 声のした方に視線を向ければ、そこにはキャメロン姉妹の妹の方、メリル・キャメロンの姿があった。

 それにしても、姉の方はルルー・ベル・キャメロンとミドルネームがあるのに、妹の方はミドルネームがないんだな。

 これはルルーが長女……家を継ぐ立場にあるからか?

 そんな疑問を抱くが、恐らくは何か訳ありなのだろうから、わざわざそれを聞く必要はないか。

 

「何だ?」

「彼女はその……そんなに有名な人なのですか?」

「あー……そうだな。UC世界の人間で、しかも今日このホワイトスターに来たばかりだと、分からなくても当然か」

 

 そう言えばホワイトスターの存在にそこまで驚いた様子を見せていないのは、元々の性格からなのか、それとも単純に俺が魔法球の中にいる間に散々驚いたからなのか。

 何となく後者のような気がするな。

 ともあれ、姉のルルーも俺に説明を求める視線を向けてきているし、セイラがシェリルに演技指導を受けている間は暇というのもあるらしいから、その辺を少し話すのは問題ないか。

 

「このホワイトスターがハブ的な役割をして、他の世界と繋がっているというのは、もう聞いているな?」

「あ、はい。その……アクセル代表が私達を任せたイザークさんから」

 

 さすがツンデレとして名高いイザーク。

 仕事はきっちりとやっていたか。

 

「そうして繋がっている世界は幾つもあるが、シャドウミラーは例外として、その中で恐らく最も高い技術を持っている国が銀河系規模で移民をしているマクロス世界だ。そのマクロス世界において、シェリルは人が移住している場所でなら毎日1度は必ずその歌を聴くと言われていた程の歌手だ」

 

 もっとも、それはあくまでも以前の話で、シャドウミラーに所属した事によりマクロス世界以外でも歌手として活動するようになった為に、相対的にマクロス世界での活動は少なくなっていったのだが。

 それでも新曲を発表するとランキングでは1位の常連になるというのだから、シェリルの影響力の高さというのは凄い。

 

「それ程に……」

「お前達もセイラの部下としてルナ・ジオンで働く以上、そういう相手にも慣れて貰う事になると思うぞ。UC世界で俺達と繋がりがあるのは、ルナ・ジオンって事になるんだからな。そうなると、ホワイトスターで行われるトップ会談では、他の世界の代表と真っ向から向き合うような事にもなりかねないし」

 

 まぁ、基本的に会議に参加するのはセイラだけだし、その会議も通信を使ってのものなのだが。

 とはいえ、それはあくまでも普通の状況であれば、の話だ。

 今までがそうだったからといって、これからもずっと同じような事が続くとは限らない。

 特にこのUC世界においては、今まで異世界でやってきたのとは若干違う形で干渉していく事になる。

 ギアス世界でやったのが近いが……それを何倍も大規模にして行われる事だ。

 特に地球ではなく月で建国をし、更にはその首都たるクレイドルにはマクロス世界やら何やらから植物や動物、魚、鳥……様々な生物を運ぶ必要があった。

 そう考えれば、やはり前代未聞と言ってもいいだろう。

 ……UC世界のジオン公国ですら、コロニーという居住地が最初からあったのだから、ルナ・ジオンの建国がどれだけ難易度が高いのかを証明していた。

 

「まぁ、ルナ・ジオンはホワイトスターと繋がりが深くなるし、そうなればホワイトスターの持つ文化とかもそっちに流入していく筈だ。であれば、シェリルの歌を聴く事も珍しくなくなるだろうな」

 

 様々な世界でメジャーデビューし、どの世界であってもトップを独占しているシェリルだけに、当然その歌はホワイトスターでも売られている。

 コアなシェリルのファンになると、同じ曲であっても世界によってジャケットのデザインが違うからといって、全種類コンプする者もいる。

 世界によって音楽を聴く方法も、CDやDVDを始めとして何種類もあるだけに、それらを集めるのには、相応の費用が掛かるんだが。

 それでも集めて、しかもその全てを保存用、配布用、自分用の3つ。場合によってはそれ以上に買い揃えるというのだから、ある意味凄い。

 

「そんな凄い人の歌を聞けるなんて、少し楽しみです。こう見えて私、ジオン軍にいる時は慰問団……という名の査察団を率いていたんですよ」

 

 その話に詳しい事を聞いてみると、普通に査察団というのを表に出すと、間違いなく嫌われるから、それをカバーする為に慰問団を率いて仕事をしていたらしい。

 で、その慰問団は当然のように美形な女達が揃っており、慰問先では歌やダンスを披露する事になるので、多少なりともそういうのには詳しいらしい。

 

「となると、ルルーも歌には詳しいのか?」

「いえ、私は妹とは違って普通に軍人をやってましたから。……もっとも、ダイクン派だったおかげか、冷遇されてましたが」

「冷遇されても大尉になってるってのは、ある意味才能の証なのかもしれないな」

 

 大尉と言えばそこまで高い階級ではないというイメージがあるが、実際にはかなり高い階級だ。

 勿論佐官や将官といった者達に比べれば低いのだが……それは比べる対象が悪い。

 青い巨星の異名を持つラルですら大尉なんだから。

 まぁ、ラルはダイクン派に対する見せしめ的な意味も含めて、万年大尉という扱いになっているらしいが。

 

「いえ、そんな」

 

 ルルーが俺の言葉に首を横に振るが、これは謙遜なのか、それとも単純に本当にそう思っているのか。

 ともあれ、俺はキャメロン姉妹と話しながら、シェリルの演技指導を見守るのだった。

 

 

 

 

 

「なぁ、アクセル。俺達、ちょっと居心地が悪いんだけど……」

 

 食事の最中、そう言ってきたのはラル隊の1人、アコースだった。

 俺にそう言ってきたのはアコースだったが、他のラル隊の面々も似たような視線を俺に向けている。

 

「居心地が悪いか? 俺は別にそう思わないけど」

 

 そう言いながら、周囲を見回す。

 セイラ達が来ている関係上、当然のようにいつものテーブルと椅子では足りないので、新たに大きな机の類を用意しておいた。

 結果として、一種のパーティ的な夕食になってしまったが……

 レモンを始めとして俺の恋人達と、セイラ達。

 女は見るからに綺麗どころが揃っており、そんな中で食事をするのに居心地が悪いって事はないと思うんだが。

 華やかさから、見て楽しいと思うのはともかくとして。

 

「それが問題なんだよ!」

 

 俺の説明に、アコースがそう言ってくる。

 もっとも、楽しく食事をしている女達に聞こえないような、そんな声でだが。

 

「こんなに女ばかりの場所で、ゆっくり出来る訳がないだろ」

 

 アコースの言葉に、他のラル隊の面々も同意するように頷く。

 ……ああ、なるほど。俺にとってはレモン達と一緒に食事をするのはいつもの事で既に慣れていたのだが、それはあくまでも俺だからだ。

 いきなりレモン達のような美女の集団と一緒にすごすようなことになれば、それは居心地が悪くなってもおかしくはないか。

 けど、エデンはともかく、そういう接待のある酒場、ホステスとかそういうのがいる場所で飲むような事も……いや、ないか。

 俺はそういうのに詳しくないので正確なところは分からないが、基本的にああいう場所というのはかなり高額な支払いをする店という印象がある。

 ラル隊という集団であっても、結局のところは尉官はともかく佐官、将官の類はいないのだから、そういう店に行った経験が少なくてもおかしくはないか。

 ちなみに俺の場合は、当然そういう店に行った事はない。

 というか、そういう店に行けば当然酒を飲まなければならない訳で……そうなってしまえば、間違いなく悲劇が訪れる。

 下手をすればホステスとかを連れてどこか未知の世界に行ったりしてもおかしくはない。

 

「まぁ、何だ。……慣れろ。というか、慣れておいた方がいいぞ?」

 

 俺の言葉に、揶揄以外の理由があると知ったのだろう。どういう事だと、アコースが視線で尋ねてくる。

 

「ルナ・ジオンの建国宣言とかもそうだが、それ以前にラル隊が色々な連中と連絡を取り合っているというのを知れば、間違いなく接触してくる相手がいる。ラル隊が何を企んでいるのかを知りたい者なのか、もしくは自分もそれに1枚噛ませて貰いたいのか。その理由は色々とあるだろうけどな。そういう連中がお前達から気持ち良く話を聞かせて貰う為には、接待する必要がある。で、女がもてなしてくれるような店は、そういう接待ではよく使われるからな」

 

 そういう時、このような雰囲気――まぁ、俺の家はかなりアットホームだが――に慣れていなければ、それこそ舞い上がって余計な事を口にしてしまいかねない。

 そうならない為にも、前もってそういうのに慣れておくというのは必要なのだ。

 

「む、むぅ……そう言われれば、そうなのか?」

「酒と女に自信があるというのなら、その辺は問題ないかもしれないけどな」

 

 そう告げると、アコースを含めたラル隊の面々が微妙な表情を浮かべる。

 エデンという酒場を溜まり場にしているくらいだから、当然酒については強い自信を持っているのだろう。

 だが、女となれば……ラル隊に置ける女の知り合いとなると、それこそエデンで働いているハモンくらいだ。

 とはいえ、ハモンは美人と表現するのが相応しい顔立ちをしているから、ハモンに見慣れていれば、そう簡単にハニートラップの類に引っ掛かったりはしないだろう。

 ……そんな状況でもこうしてラル隊の面々が照れているのは、レモン達全員が種類は違えど美人と呼ぶに相応しいからか。

 

「とにかく、これからルナ・ジオン建国までの間に、俺達もかなり激しい動きを見せる事になる。そうである以上絶対に他人から注目を集める事になる筈だ」

「はっ、それくらいなら特に問題ねえよ。俺達はラル隊って事で、色々な目を向けられてきたからな。それでもラル大尉と一緒にいたい奴だけが、こうしてラル隊って場所にいるんだからよ」

 

 アコースではない、別のラル隊の男がそう言い、他の者達もそれに同意するように頷いていた。

 取りあえずラルは……仲間には恵まれたみたいだな。

 今はもう潰れたが名家の家の出で、本人は異名が広く知れ渡っている凄腕のMSパイロット。それでいてハモンのような美人の恋人がいて、部下にも慕われている。

 ……あれ? もしかしてラルってUC世界ではかなりの勝ち組なんじゃないか?

 ふと、そんな風に思うのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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