転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0194話

「……来たな」

 

 ベッドから起き上がり、呟く。微かにだが振動を感じる。恐らくザフトのMS隊による攻撃だろう。いよいよオペレーション・スピットブレイクの始まりだ。

 

「さて、そうなるとまずは脱出だな」

 

 確かここの司令部は既に誰もいないもぬけの殻だった筈だが、念の為だ。空間倉庫からスライムを出して監視カメラを全て壁ごと切断する。同時に、ドアもバラバラに切断してからスライムを収納。

 ドアのあった場所から外を覗くが、見張り役としてずっとここにいた軍人の姿はない。恐らくあの中佐と共にこのアラスカから脱出したのだろう。

 もっとも、もしここにいたとしても無力化するだけだが。

 

「まずは格納庫で使える機体を奪っておくとするか」

 

 軟禁されていた部屋から数分程進むと、次第に感じる衝撃が強くなってくる。どうやら本格的にこのアラスカ基地に攻め込まれているらしい。となると、少し急いだ方がいいか?

 周囲の様子を探るが、やはり人の気配は全くしない。このJOSH-Aは既に空き家も同然らしい。

 そんな風に考えつつ、近くにあったエレベーターを使って格納庫の方へと移動していく。

 格納庫に近づくにつれて次第に軍人を見るようになってきたが、恐らくここに残っている大西洋連邦の軍人は極僅かで、殆どが捨て石にされたユーラシア連邦の所属だろう。

 そして大西洋連邦の軍人はアークエンジェルのように存在して貰っては困る艦や、上層部の受けが良く無い連中が大多数、と。

 

「っと、やっぱりMSはないか」

 

 格納庫の中をざっと見回すが、ストライクダガー等のMSは存在していない。まあ、サイクロプスで消滅すると分かりきっている場所に虎の子のMSを置いておくなんて真似はしないか。

 ここに置いてあるのは、現在出撃している者達の予備機。正確にはパイロットがいない機体なのだろう。なら俺が貰っても全く問題ないという事にしておく。

 どのみちこのままだとサイクロプスで消滅するのだから、それ程間違っている訳でもないだろうしな。

 

「まずは……大型輸送機に大型VTOL輸送機か。あまりMSを積み込む事は出来ないが、あっても損はないな」

 

 大型輸送機1機と、大型VTOL輸送機3機の前に移動してそれぞれを順番に触りながら空間倉庫へと格納する。

 何やら格納庫にいた軍人が惚けたような顔で俺を見ているが、特に気にしない。恐らくここで死ぬ事になるだろうし、万が一生き残ったとして俺の能力を他の誰かに言っても良くて冗談か何か、最悪医者を紹介される事態になるだろうから。

 

「っと、いい物があるじゃないか」

 

 大型VTOL輸送機に積み込む予定か何かだったのか、軍用のエレカが近くに置かれているのを発見する。このだだっ広い格納庫を走って移動するよりはこのエレカを利用した方が効率的に移動出来る。

 そのままエレカで移動しながら戦闘ヘリコプター、長距離哨戒機を数機ずつ空間倉庫へと格納していく。

 

「おっ、いいもの発見」

 

 俺の視界に入ってきたのは、ムウのスカイグラスパーに良く似た戦闘機だった。スピアヘッドという2人乗りのVTOL戦闘機だ。スカイグラスパーに良く似ているのは、このスピアヘッドをベースとして開発されたのがスカイグラスパーだからだろう。

 もちろんスピアヘッドも2機程貰っておく。

 そしてエレカをさらに移動させていくと、車両置き場へと辿り着いた。

 対MSミサイルを搭載しているトラックや、リニアキャノンを装備した自走砲。連合軍の主力戦車リニアガン・タンク。それぞれを手当たり次第に空間倉庫へと回収していく。

 そんなこんなでエレカを使い格納庫を移動していくと、次第に周囲が騒がしくなっている事に気が付いた。

 

「……俺か?」

 

 いや、周囲の様子を見る限りでは俺の方を見ている軍人の姿は無い。各自が自分の事で精一杯な為にそれ所ではないのだろう。そして、少し離れた場所にはこの格納庫から発進する為の出口が見える。

 そしてその出口近くにはシグーの姿があり、その手には突撃機銃が……拙いっ!

 咄嗟にエレカを横倒しにしてバリケード代わりにする。同時にシグーから放たれた銃弾が周囲を手当たり次第に破壊していった。

 盾代わりにしたエレカは、幸いシグーからの攻撃には当たらなかったようで俺には特に被害はないが、周囲の機体は粗方破壊されており、床に倒れている者も数多い。

 

「助かったな」

 

 リニアガン・タンクですら破壊するザフト製の突撃機銃だ。もしエレカに命中していればその装甲はそれこそ紙程度の役にしか立たなかっただろう。

 幸いシグーは追撃をする事なく、後方から追いついてきたディンを数機引き連れて基地の奥へと向かってくれた。

 

「アクセル!?」

 

 その声を聞き逃さなかったのは運が良かったからか、あるいは俺の日頃の行いが良かったせいか……どう考えても前者だな。

 声のした方を見ると、信じられないといった顔をしたムウと視線が合う。

 

「ムウか」

「お前、何でここに……いや、今はそれ所じゃないな。お前もこの機体に乗れ、とにかくアークエンジェルに向かうぞ!」

 

 ムウがすぐ近くにあったスピアヘッドの方を指さし、そのままパイロット席へと乗り込んでいく。置いていかれるのは勘弁なので俺もムウの後に続いて後部座席へと乗り込んだ。

 幸いスピアヘッドはスカイグラスパーとは違い2人乗りだ。特に苦労する事もなく後部座席へと乗り込む事に成功すると、ムウはすぐにキャノピーを降ろす。

 だが、運が悪いと言うか何と言うか……出口のすぐ近くにジンが姿を現し、動き出そうとしているスピアヘッドへと突撃機銃の銃口を向けてくる。

 

「ムウっ!」

「分かってるよ!」

 

 ムウはそう叫び、スピアヘッドに装備されていたミサイルを発射する。放たれたミサイルはジンへと命中し、撃破は出来なかったものの格納庫の出口から吹き飛ばす事には成功した。

 

「行くぞっ!」

 

 その声と共にスピアヘッドが発進し、つい数秒前までジンがいた場所を通り過ぎて格納庫からの脱出に成功する。

 スピアヘッドの中から見たアラスカは、まさに地獄と言ってもいい状況になっていた。ジンやディン、シグー等のザフトMSがグゥルを使い、あるいは自力で縦横無尽に空を飛んで制空権をその手に握り、地上ではバクゥがリニアガン・タンクを相手に圧倒している。また、海からはグーンやゾノといった水中用MSが続々と上陸している。対する連合軍は今はまだギリギリの所でなんとか防衛線を形成する事が出来ているものの、徐々に押し込まれ始めている。このままでは遠からず防衛線が崩壊するのは目に見えているだろう。

 

「いたっ、アークエンジェルだ! まだ粘っててくれたか」

 

 操縦席にいるムウが、下の方を見ている。その方向へと視線を向けると、そこにはかなりのダメージを受けつつもまだ奮戦しているアークエンジェルの姿があった。

 

「ムウ、前だ!」

 

 しかしムウがアークエンジェルに気を取られている隙に、スピアヘッド前方にグゥルに乗ったシグーが現れ、こちらへと銃口を向けていた。

 

「ちぃっ、しまった!」

 

 放たれた銃弾は直撃こそしなかったものの、スピアヘッドの下の部分を掠めて黒煙を上げ、その状態のままシグーとすれ違う。

 幸いシグーはすぐに他の獲物を見つけたらしく追撃は無かったが、黒煙を上げているこの状況では早い所アークエンジェルへと着艦した方がいいだろう。

 ムウもそう判断したのか素早くアークエンジェルへと通信を送っている。

 

「こちらフラガ、アークエンジェル応答せよ。繰り返す、アークエンジェル応答せよ! ……くそっ!」

 

 恐らく先程のシグーからの一撃で通信装置に異常が起きたのだろう。舌打ちしたムウはアークエンジェルとの交信を諦め、そのままスピアヘッドをアークエンジェルに向かって突っ込ませる。

 

「アクセル、悪いが無茶に付き合ってもらうぞ!」

「この状況では文句は言えないさ。それよりも、アークエンジェルの右舷カタパルトデッキの辺りに丁度いい穴が開いている。あそこに向かえ」

「ああ、俺もそう思ってた所だ。いいか、時間がないから詳しい事は言えないがこの基地はやばい」

「分かってる。サイクロプスだろう?」

「知ってたのか!?」

「だからわざわざ脱出してきたんだよ」

「脱出? ……まぁ、いい。俺は艦長にこの戦場から離脱するように言ってくる。悪いがお前はアークエンジェルの護衛を頼む」

「それはいいが俺の機体はあるのか?」

「ああ、ずっと現状のまま待機にされ続けてきたからブリッツもそのままだ。少なくても今朝までは格納庫にあった筈だ」

「分かった。ならアークエンジェルに戻ったらすぐにでも出撃しよう」

「頼んだ。……行くぞっ!」

 

 機体の方向を微調整しながらアークエンジェルの右舷カタパルトデッキへと突っ込んでいくスピアヘッド。急激に近づいてくるその穴へと躊躇う事なく突っ込む事が出来るのは、さすがにエンデュミオンの鷹と言った所か。

 

「どいててくれよ、皆さん!」

 

 ムウはそう言いながら右舷カタパルトデッキに開いた穴へと突っ込み、そのまま床を滑るようにして進んでいく。それを止めたのはネットバリヤーだった。特殊なゴムで出来たそれは、いくらギリギリまで減速していたとは言え、それなりの速度で突っ込んできたスピアヘッドの機体を受け止め、速度を殺す事に成功する。

 機体が停止したのを確認し、すぐにキャノピーを展開させて格納庫へと飛び降りるムウ。そのまま驚く周囲の整備員に構わずにブリッジへと向かう。

 

「アクセル、頼んだぞ!」

 

 俺にそう言い残して。

 

「フラガ少佐だけじゃなくて兄ちゃんまでいるのか!?」

「まあな。それよりもブリッツはすぐに出られるか?」

「あ? ああ。ここ一週間近くやる事もなかったからな。整備は完璧だが……それより兄ちゃん、今まで一体何を……」

 

 言い募ってくるマードックを無視して、格納庫に置かれているブリッツの方へと走っていく。

 

「詳しい事はブリッジに向かったムウから聞いてくれ。取りあえずこの艦を守らない事にはどうしようもない。すぐにブリッツを出すぞ!」

「ええいっ、しゃーねぇ。分かった! だがカタパルトデッキはザフトからの攻撃で使えるかどうか分からん! 手動で出撃してくれ!」

 

 マードックの言葉に頷き、ブリッツの乗降ワイヤーでコックピットへと乗り込む。

 機体を起動させて、OSが立ち上がるまでの僅かの時間だったがブリッジからの通信が送られてきた。

 

「アクセル!」

「マリュー、待たせたな。ムウから話は聞いたか?」

「ええ、サイクロプスの件については。とにかくこの戦域から離脱するから、それまでアークエンジェルの護衛をお願いするわ。……それと、あくまでも可能ならだけど僚艦の方もお願い」

「……まあ、この戦闘の成り行きを知ってる者は多い方がいいか」

「ありがとう。……お帰りなさい、アクセル」

「ああ。詳しい話はこの戦闘を乗り切ってからだ。お前は絶対に俺が守ってみせる」

 

 それだけ言って、通信を切る。

 マードックの言ってた通り、リニアカタパルトは使えないので直接歩いてカタパルトデッキの先頭まで移動する。

 

「アクセル・アルマー、ブリッツ、出るぞ!」

 

 そう声を掛け、アークエンジェルのカタパルトデッキから出撃した。




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:115
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:278

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