転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0183話

「ふぅ……」

 

 ムウ達がオーブとの交渉に出かけた後、俺は自分の部屋に戻ってきていた。その途中でオーブの姫として着飾ったカガリをチラリと見たが、なるほど、ああいう服装にも随分と慣れた様子を見せていたのには驚いた。伊達に姫様呼ばわりされてる訳じゃなかったらしい。

 そんな事を思いつつベッドで横になりながら苦笑し、頭をこれからの事へと切り替える。

 この世界に来た時から薄々とではあるが考えていた計画がある。それは簡単に言えば、オーブをこの戦争における戦勝国とする事だ。そして、シャドウミラーとオーブの間で同盟を結び、ゲートをこのオーブへと設置する事によりホワイトスター側に残っている技術班の面々も自由にこのオーブに出てこれるようにする。

 言うだけなら簡単だが、実現するのは非常に難しいだろう。だがそれでも、このガンダムSEEDの世界でなら原作知識がある分シャドウミラーとしての足場を固める事が出来る筈だ。

 これがスパロボOGsの世界だったりすると、シャドウミラーの評判の関係上どこかの組織と手を組むのは非常に難しくなる。一時的ならともかく、恒久的にとなるとまず無理と言ってもいいだろう。……手を組む組織自体が追い詰められていれば俺達シャドウミラーと手を組む事はあるかもしれないが、道連れにされるのは御免被りたいしな。

 コードギアスの世界にあるブリタニアに関しては、差別主義が蔓延っている為にこれも難しい。ましてや技術班の中には東洋人もそれなりにいるのが問題になるだろう。特にブラックリベリオンが起きた直後では。

 それ等の世界に比べると、このオーブという国はそれなりに戦力があり、中立国という事で政治的発言力もある。DESTINYに突入してしまうと、まだまだ未熟極まりないカガリがオーブの代表になってセイラン家の好き勝手を許して結果的にグダグダになるオーブだが、現在の代表は表向きはともかく実質的にはウズミなので戦勝国として残る事が出来ればトップの実力に関しても問題はないだろう。最大の問題は地球連合軍がマスドライバー目当てで攻め込んでくる事だが、これに関してはホワイトスターとのゲートを設置さえ出来れば、今も続々と生産され続けている筈のエアロゲイターの無人兵器メギロートと、より高性能化した量産型Wに量産型ゲシュペンストMk-Ⅱやエルアインス等。その他にもシャドウミラーとしての戦力があれば正直負ける気はしない。オーブのような小国最大の敵である物量攻撃に対してもメギロートを当てれば全く問題無い……と思う。

 その計画の第一歩がアークエンジェルの修理が完了するまでの約一ヶ月近い時間となるだろう。その間にオーブとしての戦力や技術力。そしてオーブ政府が信頼出来るかどうかを確かめなければならない。

 どうやって確かめるかについては、大まかにだがその方法は決めてある。後はいつそれを実現出来るか、だな。その為にもキラがモルゲンレーテに派遣される時には是非同道したい所だ。

 

「アクセル、いるかしら?」

 

 部屋の扉がノックされ、そう声を掛けてきたのはマリューだった。

 

「ああ、開いてるぞ」

「お邪魔するわね」

「オーブとの交渉は終わったのか?」

「ええ、それに関しての話もあって来たのだけれど……はい、これ」

 

 手渡されたのは、ペットボトルに入った緑茶だった。恐らく交渉に出向いた際に買ってきた物なのだろう。

 それを受け取り、既に慣れた様子でマリューが部屋に置かれてある椅子へと腰掛ける。

 

「その、ね。悪いんだけど明日、キラ君と一緒にモルゲンレーテのMS工場に出向いて貰えないかしら? ブリッツ込みで」

 

 ……ほう。キラとストライクだけでなく俺とブリッツまでご所望か。まぁ、ブリッツのミラージュコロイド等の技術を考えればその戦闘データを是非欲しいというのは分からないでもない。

 

「それは技術協力という認識でいいか?」

「ええ。ナチュラルであるにも関わらず、MSを乗りこなしているアクセルの意見を参考にしたいそうよ。それと、ブリッツのこれまでの戦闘データも。その代わりオーバーホールに関してはストライク共々完全にモルゲンレーテで面倒を見てくれるらしいわ」

「ま、それも結局はパーツの消耗具合とかそういうののついでだろうがな」

「そう、ね。私もそう思うわ。……どうする? キラ君は正式に軍人になってるから、基本的に拒否権はないわ。でも、アクセルはあくまでも傭兵で、その仕事はアークエンジェルの護衛でしょう? だから私からも無理は言えないのよ」

「ま、いいさ。俺も協力するよ」

「……そんなにあっさりと決めてもいいの?」

「マリューの困った顔も嫌いじゃないが、やっぱり笑っていて欲しいしな」

「もう! ……ありがとう」

 

 小さく礼を言うと、そのまま座っていた椅子から立ち上がってベッドへと座って俺へと体重を預けてくる。

 

「今日は本当にもう駄目かと思ったわ。でも、無事で良かった」

「まあな。その辺はオーブにも感謝しないといけないな。……当然色々と思惑はあるんだろうが」

「ええ。でもね、アークエンジェルが無事だったのもそうだけど、アクセルが無事だった事が嬉しかったのよ。……好きな人と艦を比べるようじゃ、艦長失格かもしれないわね」

「そうだな。だが、マリューが情に厚いという事を承知の上で皆は艦長を任せているんだろう? 一回や二回の失敗は誰にでもある。重要なのはそれを繰り返さない事だ」

「……ありがとう」

 

 俺とマリューの唇が重なり、そのままベッドへとマリューを押し倒した。

 

 

 

 

 

 翌朝。まだ朝靄が周囲を覆っている中で、俺とキラはブリッツとストライクで先導する車の後を追い、モルゲンレーテのMS工場へと移動していた。朝靄の中で移動しているのは、少しでも人目に付く可能性を少なくしたい為だろう。

 崖のようにカモフラージュされた入り口が開き、中へと続く通路がその姿を現す。

 さすがオーブと言うか、何と言うか……妙な所に技術を使っているな。あるいはこの辺でシャドウミラーの技術班と話が合うかもしれない。

 そのまま前へと進み、MS用……というよりは、荷物搬入用か何かのエレベーターで地下へと移動する。

 

「アクセルさん、何と言うか外連味がありますね」

「くくっ、まあな。オーブの兵器開発会社としては秘密ドックや秘密通路なんかのハッタリも必要なんだろうさ。……それよりほら、そろそろ到着だぞ」

 

 エレベーターが最下層に到着し、扉が開かれるとそこにいたのは数人の技術者達だった。先頭の一人のみが赤いジャケットを着ており、この場の責任者である事を示している。

 エリカ・シモンズ。オーブの主力MSとなるM1アストレイの開発責任者、か。

 そしてそのエリカの指示に従い、ブリッツとストライクをMS用のメンテナンスベッドへと寝かせてコックピットから降りる。

 

「初めまして。モルゲンレーテのMS主任設計技師、エリカ・シモンズといいます」

「キラ・ヤマトです」

「アクセル・アルマーだ」

「お二人の活躍は色々と聞いています。コーディネーターのキラ・ヤマト少尉にナチュラルにも関わらず最新鋭MSをなんなく乗りこなすアクセル・アルマーさん。……申し訳ないけど、髪の毛を1本貰っても構わないかしら?」

「髪の毛?」

「ええ。ナチュラルだと報告は来ているけど、それでも自分達できちんと調べないと納得のいかない人達もいるのよ。特に貴方がMSを操縦して、尚且つ数多くのザフト軍MSを撃破しているとあってはね」

 

 一瞬迷ったが、既にアークエンジェルでコーディネーターかどうかの検査は受けている身だ。特に気にする事もないだろうと判断し、髪の毛を抜いて渡す。

 

「助かります。では、これを」

 

 近くにいた整備員へと俺の髪の毛を入れたビニールパックを渡すエリカ。てっきり周囲にいる人物は整備員か何かだと思っていたのだが違うのかもしれないな。

 

「では2人とも一緒に来て貰えるかしら。見せたい物があるしね」

「技術協力員としてここに来てるんだ。俺は構わない」

「僕も構いません」

「じゃ、こっちよ」

 

 エリカの案内に従い、施設の中を歩いて行く。

 

「ここって……」

 

 周囲を見回しながらキラが呟くのが聞こえた。

 

「ここならストライクやブリッツも完璧な修理とオーバーホールが出来るわ。言わば、お母さんの実家みたいなものだから」

 

 確かに5機のガンダムはモルゲンレーテ社製のMSなのだから、その例えは間違ってはいないだろう。

 

「貴方達2人に見て貰いたいのはこっちよ」

 

 通路の先にあるドアを抜けると、そこにあったのはガンダムタイプのMSだった。オーブの量産型MS、M1アストレイ。そのM1アストレイが数十機近くMS用のメンテナンスベッドに立った状態で並んでいた。

 

「これって……」

「そう驚く事でもないでしょう? 貴方達のストライクやブリッツもヘリオポリスで造られていたんだから」

「なるほど、あの5機のMSを造りながらもその技術を吸収していた訳か」

「そうなるわね。でもそのくらいのメリットがないと中立国であるオーブが連合に協力はしないでしょう?」

 

 さすがに強かだが、まぁ言いたい事は分からないでもない。そもそも連合と組んでいた事が露見すればザフトに狙われるのだ。……幸い、ヘリオポリス崩壊の件と併せて有耶無耶にはなったようだが、だからと言って外交的に失点であったのは間違いないだろう。

 

「これが中立国オーブという国の、本当の姿だ」

 

 そんな事を考えていると、少し離れた所からそう声が聞こえてくる。声のした方へと視線を向けると、そこには昨日着ていたドレスとは違い、アークエンジェルでしていたような身軽な格好に身を包んだカガリの姿があった。

 ウズミに殴られたのだろう、頬を赤く腫らしながらどこか不満そうにこちらを見ている。……いや、不満なのはオーブがMSを開発していたという事か。

 

「カガリ……」

 

 カガリを見て思わず呟いたキラに構わずにエリカが機体の解説を進める。

 

「これはM1アストレイ。モルゲンレーテ社製のオーブ軍の機体よ」

「これを、オーブはどうするつもりなんですか?」

「どうって?」

「これはオーブの守りだ。お前も知っているだろう? オーブは他国を侵略しない、他国の侵略を許さない、そして他国の争いに介入しない。その意志を貫く為の力さ。オーブはそういう国だ……いや、そういう国の筈だった。父上が裏切るまではな」

「あら、まだ仰ってるんですか? そうではないと何度も申し上げたでしょう? ヘリオポリスが地球軍のMS開発に手を貸してたなんて事、ウズミ様はご存じなかっ」

「黙れ! そんな言い訳、通ると思うのか! 国の最高責任者が知らなかったと言った所でそれも罪だ」

「だから、責任はお取りに……」

 

 このままだとどんどん関係ない方向に言い合いが発展するのは間違いない、か。

 溜息を一つ吐いてから足に力を入れ、床を軽く踏み抜く。

 

 ドゥンッ!

 

 あくまでも俺に取っての軽くであって常人にすれば桁外れの力である事は間違いなく、鈍い音が周囲に響き渡る。床を見ると、俺の足が数cm鋼鉄製の床へと埋まっているのが分かった。

 

「俺とキラは茶番を見学する為に呼ばれたのか? それならもう腹一杯なんだが」

「……え? あ、ご、ご免なさい。確かにこちらから頼んでわざわざ来て貰った人の前でやる事じゃなかったわね。カガリ様もこの話は後で改めて場を設けますので」

「あ、ああ……」

 

 どこか俺の視線から逃れるようにカガリが頷く。あるいは、明けの砂漠のアジトで俺の殺気を浴びた事を思い出しているのかもしれない。

 

「貴方達に見せたいのはこっちです。来て下さい」

 

 そう言って先に進むエリカの後を追う俺とキラ。……そしてカガリ。考え無しの無鉄砲さは相変わらずだが、その度胸に関してはさすがと言うべきか。あるいは単に怖い物知らずなだけなのかもしれないが。

 M1アストレイが並べられている場所を通り抜け、辿り着いたのは司令部のような場所だった。数十人の研究者や整備員、技術者らしき人達がモニタを忙しくチェックしたり、報告をしたりしている。

 そして部屋の奥には広い空間があり、そこには3機のM1アストレイが存在していた。




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:115
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:278

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