転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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幼年学校・士官学校に関してはスパロボの世界ということである程度独自設定とさせてもらいました。


0006話

「我々新入生一同は、地球の平和の為、また市民を護る為に偉大なる先輩達の残してくれた大いなる財産である経験を学び、そしてまた私達も後進の為の礎となる事をここに誓います」

 

 目の前にいるのは、100人近い連邦軍幼年学校の生徒達。

 そう、俺はようやく13歳になり幼年学校に入学する事が出来たのだ。

 ……計算違いと言えば、まさか俺が新入生代表の宣誓をする事になるとは思わなかった事か。

 現在の俺は、体育館の舞台の上で校長やら理事やらその他諸々偉い人達に背を向けている。

 前世の記憶やら、小さい頃からの英才教育やらのおかげで受験成績が1番になってしまった為、ここに立つ事になってしまった訳だ。

 拍手が鳴り響く中、軽く礼をして自分の席へと戻る。

 後は、またお偉いさんの長ったらしい話を聞き流して入学式が終わるのを待っていればOKだ。

 その後、お偉いさんの自画自賛な自慢話なんかを右から左へと聞き流し、無事入学式を終えて、自分の教室へと向かう。

 ちなみに、この幼年学校でのクラス分けはA~E組の5組で、1クラス約20人の成績順で分けられる事になる。

 俺は成績が1番という事もあり、当然A組。

 ただ、クラス分けは1年ごとに再度行われる為気は抜けない。

 A組のクラスに入り、自分の名前が書かれている名札が置かれている机を探す。

 

「いや、探すまでもないか」

 

 名前がアクセル・アルマーだけに、出席番号は1番。つまりは、廊下側の一番前が俺の席となる。

 入学式が終わったので、後はHRを受けて終わりだ。

 その後は、寮に移動して説明を受けて解散って流れの予定だ。

 自分の席に座り、教師――いやこの場合は教官か?――が入って来るのを待つ。

 

「ふん、貴様がアクセルか?」

 

 席に座っていると、突然声を掛けられる。

 と言うか、あからさまにこちらを見下すような感じの喋り方だ。

 声が聞こえてた方に視線を向けると、そこには金髪で酷薄そうな顔つきの男の姿があった。

 どうやら、こいつが隣の席の人物らしい。

 

「あんたは?」

 

 どこかで見覚えのある顔なんだが、転生してから会った事のある人物ではない、と思う。

 自慢じゃないが、前世の記憶を取り戻してからは引き籠もり一歩手前で訓練やら何やらに集中していたのだ。いきなり人を見下すような相手と会った事があるなら忘れる筈がない。

 

「俺を知らないだと? ふん、どんな手段を使って主席の座を掠め取ったのかは知らないが、策士として名高いこのジーベル・ミステルの事を知らないとは程度が知れるぞ」

 

 ジーベル? 確かにどこかで聞いたような覚えはあるんだが。

 ……あ、ジーベルってあれか! 原作のキョウスケルートで出て来る典型的な三下の下っ端。

 ムーンクレイドルで自称策士を名乗りながらも詰めの甘さでヒリュウ改を取り逃がしたり、襲われてる振りをした戦艦か何かで毒ガスを使おうとしてあっさり見破られたり、コロニーを人質にしたりした奴。

 

「あー、悪いがお前のような三下とは……いや、すまん。なんでもない」

 

 原作知識のある俺が、思わず三下呼ばわりしてしまったのは不可抗力だと強く主張したい。

 もっとも、それを聞き入れてくれるとはとても思えないが。

 

「き、貴様っ、よりにもよって、この私を三下だと!?」

 

 そして案の定、あっさりと切れるジーベル。

 と言うか、こいつって確かコロニー統合軍所属だよな? 何で連邦の幼年学校にいるんだ?

 ……あ、確かコロニー統合軍って連邦軍の宇宙部隊をブランシュタイン家が吸収して作った軍隊だったか。ならジーベルがここにいるのは特におかしくはないのかもしれないな。

 

「ジーベル! いい加減にしないか!」

 

 考えている間に、新たな登場人物が俺とジーベルの間に入ってきた。

 まず目に入ったのは、金髪のショートカット。その顔つきは意志の強さを感じさせる美人だ。

 えー、ていうか、この女も見覚えあるんだけど。

 

「ユーリア、私が侮辱されたのだ。関係無い貴様は引っ込んでいろ!」

 

 ほらやっぱり。

 ブランシュタイン家、と言うかマイヤーの親衛隊であるトロイエ隊の隊長、ユーリア・ハインケルだ。

 ふと思いつき、ユーリアのステータスを表示してみる。

 

名前:ユーリア・ハインケル

LV:3

格闘:120

射撃:124

技量:115

防御:110

回避:148

命中:167

SP:45

空:A

陸:B

海:A

宇:A

スキル:カウンター LV.1

指揮官 LV.1

 

 ……あれ?名前とかLVとか地形適応は表示されたけど、PPや精神コマンド、成長タイプとエースボーナスが表示されていない?SPが表示されている以上、精神コマンドが無い訳じゃないんだろうけど。

 にしても、カウンターはともかくこの歳で既にLV.1とは言え指揮官を覚えてるというのはかなり凄い。

 感心しつつも、表示されないステータスには疑問を感じつつ、次はジーベルのステータスを表示する。

 

名前:ジーベル・ミステル

LV:1

格闘:101

射撃:105

技量:110

防御:112

回避:118

命中:137

SP:20

空:C

陸:B

海:D

宇:B

スキル:リベンジ LV.1

 

 ……能力低っ!

 いや、さすが三下と呼ぶべきなのか?

 

「うわぁ……」

 

 その能力の低さに、思わず声を上げる。

 

「ん? どうした? 自分の程度の低さを自覚したのか?」

 

 と、なんとも的外れなジーベルの言葉。

 なんと言うか、三下の上に道化って可哀想すぎる。

 リベンジを覚えてるのがせめてもの救いだろう。

 ……ん? でも、ここってA組だよな? 成績順の組み分けのA組にいるって事はそれ程無能という訳でもない、のか?

 

「あー、気にするな。こっちの事だ。お前には一切関係ない。で、そっちの、ユーリアと言ったか。俺はアクセル・アルマーだ。よろしく頼む」

 

 ジーベルをさらっと流して、ユーリアへと声を掛ける。

 突然声を掛けられた事に驚いたのか、一瞬驚いた顔をしつつもすぐに口元に笑みを浮かべる。

 

「ああ、私はユーリア・ハインケルという。こちらこそよろしく頼む」

 

 その凛々しい顔に浮かべた笑顔を見るに、きっとあれだ。女にもてる女。

 後輩なんかに『お姉様』とか呼ばれるタイプ。

 体型的には、とても成熟した女とは言えない残念、もといスレンダーな感じだ。

 パイロットじゃなくて宝塚に入ってればさぞかし1流の劇団員になれただろうに。

 

「ま、こっちに宝塚があるかどうか分からないけどな」

「宝塚? 何だ、それは?」

 

 思わず口に出していた宝塚にユーリアからの突っ込みが入る。

 

「格好良い女が集まると言われている所だよ」

 

 間違ってはいない筈。

 

「そうか? まぁ、褒められて悪い気はしないが」

 

 和やかに会話を楽しむが、それに我慢できない男が1人いた。

 

「おい、俺を無視するな!」

「いや、そう言われても、最初から喧嘩腰なお前と何を話せと? それに……」

 

 教室に向かってくる足音に気が付いた俺は、ジーベルを無視して椅子に座り直す。

 俺と同じ事に気が付いたのか、ユーリアの姿も既に自分の席へと戻っていた。

 ちなみに、「ア」クセルな俺と、「ユ」ーリアなので席は殆ど対角線上な位置にユーリアの席はある。

 

「おい、貴様。いい加減に」

 

 ムキになったジーベルが机を思い切り叩くが、それと殆ど同時に教室に教官が入って来た。

 

「あー、君はジーベルだな。何をしているんだ?」

 

 机に置かれている名札を確認し、尋ねる教官。

 てっきりここでも原作キャラが出てくるのかと思ったんだが、見覚えのない人物だった。

 

「いや、これはこいつが」

 

 とかなんとかジーベルが喋っているが、もちろん俺は無視して意味が分からないとばかりに困惑を顔に浮かべる。

 

「……まぁ、いい。ジーベル、教官が来るのは静かに待つように。そしてアクセル。君は新入生の代表たる立場である事を忘れないように」

 

 教官のありがたいお言葉を聞き、そのままHRに突入して慌ただしい入学式は終わった。

 ちなみに、寮は4畳程度の個室だった。




名前:アクセル・アルマー
LV:5
PP:0
格闘:126
射撃:144
技量:136
防御:133
回避:161
命中:183
SP:182
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   ???
   ???
   ???
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.4
    ???
    ???
    ???
    ???
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    ???
    ???

撃墜数:4

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