転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0171話

 低軌道上の戦闘で地球に降下したアークエンジェルだったが、何とかアフリカのリビア砂漠へと着陸する事に成功した。目標の降下地点とは全く違うザフト勢力圏のアフリカという場所だが、幸い今の所はザフトには見つかっていないらしい。この砂漠に降下したばかりの頃はてんやわんやの大騒ぎだったが、それも一段落してようやくアークエンジェルのクルーも落ち着きを取り戻し始めている。そんな中、俺は艦長室でマリューと共にいた。

 

「アフリカか」

「ええ。せめて連合軍の南アフリカ統一機構なら良かったのだけど……」

「アフリカ共同体だからな」

 

 現在のアフリカはザフト側のアフリカ共同体と地球連合側の南アフリカ統一機構の2つに分かれて争っている。その中でもより北側のリビア砂漠にアークエンジェルは降下したのだ。

 

「そうね。……でも、あのままストライクと離れる訳にもいかなかったでしょう?」

 

 あのままストライクと離れていたら恐らくキラの命はなかっただろう。降下途中でアークエンジェルに着艦した状況でもキラの消耗は激しく、現在も意識不明の状態だ。

 それを考えると、デュエルやバスターも無事では済まないと思うんだが……いや、あるいはそれでも生き残る事が出来るからこそ赤服を着ているのかもしれないな。

 

「ともかく本艦の目的、及び目的地に変更はありません」

 

 髪を弄りながら呟くマリューのその様子には、酷く疲れのようなものを感じさせた。

 

「気を張りすぎないで、人に頼るって事もしろよ」

 

 艦長室の椅子に座っているマリューの近くへと座っていた椅子ごと移動し、その肩を抱いてやる。

 

「……ありがとう。もう少しこうしててもいいかしら?」

「ああ。マリュー、お前は頑張っているんだ。こんな時くらい気を抜いても誰も怒らないだろ」

 

 俺の身体へと体重を預け、しな垂れかかってくるマリューの身体を支えるように抱きしめる。

 

「アクセル、色々と遅くなったけど……ありがとう」

「ん? 何がだ?」

「色々、よ。へリオポリスからここまで。貴方の力が無ければアークエンジェルやストライクはザフトに鹵獲されていた可能性が高いわ。それに、私も恐らくここまで頑張っては来れなかった」

「さて、それはどうかな。俺がいなくてもマリューやムウ、ナタルやキラがいるんだ。恐らくどうにかなったと思うがな」

 

 そう、実際原作にはアクセル・アルマーという人物は存在しない。それでも無事に地球に降下する事には成功しているのだ。

 

「そうかもしれない。でも、私は貴方がいてくれて本当に助かったと思ってるのよ」

 

 どこか潤んだ瞳で俺の顔を覗き込むように見てくるマリュー。その顔は徐々に俺の顔と近づき……やがて俺の唇とマリューの唇が重なった。

 そのまま数分の時間が経ち、俺とマリューの顔が離れると何かに気が付いたかのように顔を赤くするマリュー。

 

「わ、私、つい……その、急にこんな事してご免なさい。その、そういうつもりじゃなかったのよ? 雰囲気に流されたと言うか」

 

 慌てて言い訳をするマリューの様子に思わず笑みを浮かべ、再びその唇を塞ぐ。

 

「んっ!」

 

 そしてそのまま艦長室にあるベッドへとマリューを押し倒すのだった。

 

 

 

 

 

 翌日、目が覚めると俺はマリューと共に一糸纏わぬ姿でベッドの上にいた。

 

「ん……」

 

 シングルの狭いベッドなので、俺に抱きついて眠っているマリューの柔らかな身体を感じつつ寝起きでぼーっとしていた意識がはっきりしてくる。

 まず感じた事は、『ああ、やってしまった』という事だった。

 レモンとコーネリアという恋人がいるにも関わらず、マリューとも関係を持ってしまったのだ。

 俺としてはマリューと関係を持った事を後悔していないが、それが知られた時にレモンとコーネリアがどう反応するのかは想像するだに恐ろしい。

 

「……アクセル?」

 

 その柔らかい身体で俺を逃がすまいとするかのように抱きしめながらマリューが目を覚ます。

 

「起きたか?」

「……あれ? え? その……」

 

 寝起きの混乱した頭で俺を眺めていたマリューだったが、現在の自分の状況や何も着てない状態で昨夜何があったのかを思い出したのだろう。顔を真っ赤にして布団の中に潜りこむ。

 

「取りあえず、服を取って貰えるかしら? その、床に転がってると思うから」

 

 マリューの言葉に苦笑を浮かべ、ベッドから降りて床に散らばっている服や下着を布団に隠れているマリューへと渡す。その中で着替えているマリューを尻目に、俺も床に転がっていた服を身につけていく。

 数分後、顔はまだ若干赤いものの、昨日の疲れた様子は一切消え去った様子のマリューがそこにはいた。

 

「その、何て言ったらいいのか……」

「ま、何にせよ元気が出たようで良かったな」

 

 どうにか取り繕おうとしているマリューの様子に笑みを浮かべつつベッドへと腰を下ろす。

 

「その、アクセル? 私とそういう関係になったけど良かったのかしら? その……恋人とか」

「……ああ、まぁ、その……なんだ」

 

 言い淀む俺が何を言いたいのか分かったのだろう。ジトリとした目をこちらへと向けてくる。

 

「へぇ、恋人がいるのね?」

「あー、その……まぁ2人程」

「は? 2人?」

「ああ。とは言ってもすぐには会いに行けない遠い所にだけどな」

「……アクセル、貴方ってもしかして女誑しなのかしら?」

「そんな事はない……と思う」

 

 俺個人としてはそんなつもりは全然無いが、レモンとコーネリアという恋人が2人いて、それでもマリューと身体の関係を持った事を考えると確かに女誑しと言われてもしょうがないのかもしれない。

 

「……いいわ。いずれその2人の恋人とやらとしっかり話を付けさせて貰うから……いいわよね?」

 

 覇気に満ちた目、とでも言おうか。そこには既に昨日の疲れた雰囲気は一切無く、生気に満ちあふれていた。

 

「……了解」

 

 その後、俺達はシャワーを浴びて昨夜の後始末をしてから一端別行動を取る事にした。さすがに極秘命令を受けた艦の艦長と傭兵がそういう関係になったとなると不適切な関係云々と騒がれる可能性もあったからだ。……特にそういう事に厳しそうなナタルとか。

 

「取りあえず今日は艦の状態を確認したりしないといけないから、傭兵のアクセルは色々と手の足りない所を手伝ってもらうけど……いい?」

 

 艦長室の前でマリューにそう尋ねられる。

 

「ああ、俺としてもなるべく早くザフトの勢力圏内からは出たい所だしな。それが多少でも早くなるなら問題無い」

「そう。じゃあ頑張ってね」

 

 そう言って、近づいてくるマリューの唇を俺は黙って受け入れる。1分程キスをした後にマリューはブリッジへと向かい、俺もまた取りあえずは一番忙しいであろう格納庫へと向かう。

 

「お、アクセル。……って、おいおい。お前なんてもんつけてんだよ」

 

 格納庫に向かう途中で会ったムウが俺を見て何やら驚いている。

 

「どうした?」

「どうしたって……ちょっとトイレにでも行って鏡見てこい。ったく、俺は一人寂しく寝てたってのに……」

 

 ブチブチ文句を言っているムウをその場に残し、トイレへと移動して鏡をチェックするとマリューのものと思われる口紅がべっとりと俺の唇についていた。

 

「……わざと、か?」

 

 さすがに俺に自分の口紅が付いている事に気が付いていないとは思えなかったので、恐らくはマリューが故意に教えなかったのだろう。……理由は不明だが。

 取りあえず水で洗い流してからまだ文句を言っていたムウと共に格納庫へと向かう。

 

「そう言えばキラはどうした?」

「少し前に目が覚めたそうだ。もっとも、念の為にまだしばらくは医務室で寝ているように言われてるがな」

「なるほどな。さすがストライク……いや、さすがキラ、か?」

「どうだろうな?」

「にしても、まさかザフトの勢力圏に落ちるとはな。ちょっと予想外だったが……ああ、新型機はどんな具合だ?」

「スカイグラスパーか? まだ調整も何も出来てないのにどうこうは言えないさ。一応マニュアルは読んでるけどな。ストライカーパックを装備出来るらしいが……俺は宅配便扱いか?」

 

 苦笑を浮かべるムウの愚痴を聞く。

 

「宅配便にしたって、それでメビウス・ゼロよりも強力な武器を装備出来るんならいいじゃないか。それに新型機が2機あるんなら、色々な使い方が出来るだろう」

「色々って?」

 

 ムウの質問に、原作でのスカイグラスパーの運用を思い出しながら口に出す。

 

「例えばストライクがエネルギー切れになるまで戦ったら、スカイグラスパーが装備しているストライカーパックで換装。その後にアークエンジェルに帰還してもう1機のスカイグラスパーに乗り換えて出撃、とか」

「おいおい、お前さんは俺を宅配便じゃなくて補給屋にでもしたいのか?」

「だが、そうするとストライクの運用はぐっと広くなるぞ? ……ブリッツには全く関係ないが」

 

 さすが主役機とでも言うべきか、ストライクの運用性はかなり羨ましいレベルだ。

 

「にしても、こんな状況で少佐にしてもらってもなぁ……」

「少佐?」

 

 ぼやくようなムウの呟きが気になり聞き返す。

 

「あれ? 連絡が行ってないか? 俺と艦長はハルバートン提督の計らいで少佐に昇進だよ。バジルール少尉も中尉に昇進してる」

「マリューも? ……昨夜それらしい話は聞かなかったが」

 

 俺の呟きを聞き咎めたムウがニタリとでも表現できるような笑みを浮かべてこちらを窺う。

 

「昨夜、ねぇ……となるとあの口紅は艦長からもらったのか?」

「……ノーコメントだ。それよりお前こそナタルとはどうなってるんだよ?」

「さて……それ所じゃなかったからな。俺としてはこの慌ただしい中で艦長とくっついたお前の方が信じられないよ。見かけによらず手が早い事で」

「自覚はないんだがな」

 

 ムウの言葉に思わず苦笑を浮かべる。

 そんなこんなで、この日は無事過ごす事が出来た。少なくても日中に関しては……

 

 

 

 

 

 日中の仕事も一段落し、既に深夜に差し掛かろうとした時間。俺は士官部屋でムウからもらったグラビア雑誌を何となく眺めていた。

 本来なら砂地に適したOS調整をして欲しかった所なのだが、肝心のキラがダウンしてしまっている現状ではどうする事も出来ない。キラに関しては戦闘中でもOS調整が出来るので問題無いのだが、俺の場合はそれも無理だ。となると、アークエンジェルを足場にして戦うしかない、か。

 グラビア雑誌を見ながらそんな事を考えていると、突然アラーム音が艦内に鳴り響く。

 

『第2戦闘配備発令。繰り返す、第2戦闘配備発令』

 

 来たかっ!

 こうして俺達は慣れない砂漠の中、慣れない装備で、慣れない夜戦を行うと言うかなり悲惨な状態で地球での最初の戦闘を迎える事になったのだった。




名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:510
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:259

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