転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1754話

「おわぁっ! ちょっ、いきなり何だよ!」

 

 ピースミリオンの格納庫の中で、そんな声が響いているのが、ニーズヘッグのコックピットに聞こえてくる。

 まぁ、いきなりシャトルを抱えたニーズヘッグが転移してきて、しかも格納庫の中に入ってきたとなれば、それは驚くだろう。

 格納庫の中にいたヒルデのトーラスが一瞬動き掛けるも、入って来たのがニーズヘッグだと……つまり、それに乗っているのが俺だと気が付くと、警戒の構えを解く。

 

『アクセル代表ですか?』

「ああ」

『……何でも、地上では色々と大変な事になってるらしいとか、そう聞いてるんですけど』

 

 どうやら、ピースミリオンの方でも地上の様子はしっかりと窺っていたらしい。

 いやまぁ、当然か。今回行われた最終決戦は、シャドウミラーにとって決して他人事という訳でもないのだから。

 

『それで、アクセル代表の持ってるシャトルに入っているのって……』

「お察しの通り、シャドウミラー……このW世界じゃなくて、ホワイトスターの方のシャドウミラーの面々だ」

『うわぁ……』

 

 ちなみに俺が持ってるシャトルは、別にシャドウミラーの物という訳ではない。

 OZの基地に潜入しては色々と盗み出していた時に入手したシャトルだ。

 正直なところ、別にシャトルでなくてもよかったんだが……俺の恋人達全員が乗ってくる以上、ある程度の広さは必要となる。

 だからって、ヴァイスセイヴァーを始めとした機体に乗って宇宙まで転移してくるのは色々と不味いのは確実だ。

 その妥協が、このシャトルを使っての転移だった。

 

『……ちょっと、アクセル……』

 

 ヒルデと話していた俺に、どこか微妙な表情を浮かべてマリューがこちらに視線を向けてくる。

 

「うん? どうした?」

『その……ちょっと聞きたいんだけど、W世界にもガンダムがある……のよね?』

「そうだな」

 

 マリューの言葉にそう返しながらも、俺は何故マリューが微妙な表情を浮かべているのかを理解する。

 元々マリューはSEED世界でガンダムを開発していた技術者だった。

 それだけに、デスサイズヘルを始めとした自分の予想外の存在のガンダムを見て、色々思うところがあるのだろう。

 まぁ、そういう意味だとこのW世界のガンダムはどれもこれもスタンダードな、ガンダムらしいガンダムとは言えないよな。

 ウイングガンダムが一応それっぽいか?

 その上位機種――正確には先祖返り――のウイングゼロは、ウイングバインダーがあるせいで、天使の如きガンダムと表現される事はあっても、一般的なガンダムらしいガンダムって訳じゃないし。

 もっとも、SEED世界だってアスランの乗っていたイージスとかは思い切りゲテモノガンダムっぽいけどな。

 特にMA形態でスキュラを使う時とか、敵を鹵獲する時に使う形態なんて、どこがガンダムだよって言いたくなるような形態だし。

 最終的にザフトに奪われたけど、あのガンダムを開発した集団の1人がマリューだったりする。

 バスターはヘビーアームズと似たようなコンセプトだが。

 ああ、でもそういう意味だとステルスということでデスサイズヘルと俺が使っていたブリッツは似てるのか?

 ともあれ、平行世界である以上同じガンダムというMSであり、その外見に多少なりとも類似性があったとしても、あまり深く考えない方がいいのは間違いない。

 

「取りあえず、俺達はこれから色々と用事がある。知っての通り、もう地上での戦いは勝負がついた。けど、宇宙にまだトレーズ派の生き残りがいるという可能性は捨てきれない。そんな奴が、破れかぶれになってシャドウミラーの旗艦を襲ってくる可能性もな」

 

 メギロート辺りを展開させてもいいんだが、今のところはやっぱりホワイトスターのシャドウミラーとこのW世界のシャドウミラーは違う組織ということになっている。

 そうである以上、あまりそれを混同させるような真似はしない方がいい。

 勿論将来的には両方のシャドウミラーが合流するのは間違いないのだが。

 

『……色々と聞きたい事はあるんですが』

 

 若干不満そうにしながら、それでもヒルデは俺の言葉に頷く。

 

「悪いな、恐らく地上に残してきたサリィとかからその内詳しい説明がされると思う」

 

 そう告げ、ニーズヘッグのコックピットから降りる。

 ニーズヘッグが置いたシャトルからも、レモン達が姿を現す。

 その瞬間、間違いなく格納庫の中の空気が変わった。

 ……まぁ、全員が全員すこぶる付きの美人だ。

 それこそ、一生で一度でも見る事が出来るかどうかってくらいの。

 そんな美人がこうして十人近くも集まっているのを見れば、動きが止まるくらいは当然なのだろう。

 一応シャドウミラーの面子は凛や綾子で美人に対する免疫はついている筈なんだが……それでもやはり、同じようなレベルの美人がこれだけ集まるというのは大きな力を持つのだろう。

 

「おい、何だよあのとんでもねえ集団は……」

「アクセル代表が案内してるって事は、知り合いなんだろうけど」

「もしかして、あの全員がアクセル代表のお手つきって事はないだろうな?」

「正解」

 

 聞こえてきた声に、小さく口の中で呟く。

 そうしてニーズヘッグとシャトルを邪魔にならないように空間倉庫の中に収納すると、そのまま俺達は格納庫を出る。

 向かう先はブリッジ……ではない。

 いや、ピースミリオンのブリッジはかなりの広さがあるが、それでも出来れば今はあまり人目につきたくない。

 これが普段であれば、まだ構わないんだろうが……シャドウミラーという存在がこれ以上ない程に目立っている現在では、ちょっとな。

 そんな訳で取りあえずブリーフィングルームに到着すると、そこでブリッジに通信を入れる。

 

「凛、ちょっといいか」

『あら、アクセル。ピースミリオンに戻ってきたのに、私に声を掛けるのが遅いんじゃないの? それとも、一緒に来た美人達に構ってて、私に声を掛ける暇はなかったのかしら?』

 

 どうやら、既に俺が到着していた事には気が付いていたらしい。

 いや、ミラージュコロイドやASRSを使って近付いてきた訳じゃないんだから、俺が近付いているのに気が付かない訳がないだろうけど。

 だが同時に、俺がレモン達を連れてきたという事にも気が付いていたのは驚いた。

 もっとも、格納庫でああも堂々と姿を見せた以上、ブリッジに連絡がいかない訳がないのだろうが。

 その上、ヒルデが地上の様子を確認出来ていたんだから、当然のように凛だって地上の様子を理解しているだろう。

 いや、ブリッジにいたのを考えれば、ヒルデ以上に詳しい情報を入手していてもおかしくはない。

 サリィ辺りから連絡が入ってきている可能性もあるし。

 

「そうだな。その辺りの事情も話したいから、ブリーフィングルームに来てくれないか? 第4ブリーフィングルームだ」

 

 ピースミリオンはバルジやリーブラと同等の大きさを持つ。

 おまけに戦闘力よりも居住関係を重視している艦である以上、ブリーフィングルームの類も何部屋もある。

 そんな中で、俺が言った第4ブリーフィングルームというのは、あまり人の来ない場所にある部屋だった。

 バルジやリーブラと同等の大きさを持つピースミリオンだが、それに乗り込んでいる人数という点で考えれば、圧倒的に少ない。

 そうである以上、どうしても人の少ない場所、来ない場所、通らない場所……といった場所が存在する。

 

『ふーん。……そうね。分かったわ。すぐに行くから待ってなさい』

 

 そう告げ、映像モニタが消える。

 

「声だけしか聞いてないけど、やっぱり気が強そうな子ね」

 

 映像モニタに映らない場所にいたレモンが、笑みと共に呟く。

 こっちをからかっていたりする訳ではなく、純粋に感心したといった様子の声だ。

 

「そうだな。気が強いのは間違いない。……別にそこを好きになったって訳じゃないからな?」

 

 ゲートの前で話していた事を思い出し、そう告げる。

 

「分かってるわよ。そういう事にしておきましょう。……それより、この艦はピースミリオンとか言ったかしら。何でさっきの戦いに参加してなかったの?」

「いや、この艦は宇宙でしか活動出来ないから」

「あら、そうなの? 随分と使いにくいわね」

「……テスラ・ドライブがあれば、話は別だったんだろうけどな。まさか、ニーズヘッグやサラマンダー、ミロンガ改のテスラ・ドライブを提供する訳にもいかないだろ?」

「そうでしょうね。……結構文明が進んでいる世界だと思ってたんだけど……ねぇ、アクセル。この世界特有の技術とか物質とか、そういうのは?」

 

 そんなレモンの言葉には、マリューも反応していた。

 技術班の1人として、その辺りの事情はどうしても気になるのだろう。

 まぁ、話を誤魔化せるのなら、それはそれで構わないけど。

 

「そうだな。まず、この世界で最も重要な素材としては、ガンダニュウム合金がある」

 

 そう告げ、ガンダニュウム合金の説明をする。

 もっとも、俺が分かるガンダニュウム合金の情報というのは、あくまでも一般的な物だ。

 それこそ、科学者、技術者、研究者……そういう者達が知りたいような、詳細な情報というのは持ってない。

 だがそれだけの情報であっても、レモンやマリューの興味を惹くには十分だったのだろう。

 いや、それどころかコーネリアやスレイといった実働班の面々までもが興味深そうにしている。

 ……まぁ、これまでシャドウミラーが使ってきた素材に比べて圧倒的な軽量性を持ち、それでいて高い防御力とビームの威力を強化するという特性も持つ。

 特にシャドウミラーの場合は基本的にビーム兵器と重力波砲の類が主力である以上、ガンダニュウム合金は非常に重要な意味を持つ。

 唯一の難点は、そのコストの高さか。

 だが、シャドウミラーであれば、そのコストの高さというのはどうとでも解消出来る。

 それこそ必要な物資の類をこちらで用意するといった真似は容易に出来るだろうし、W世界との取引で得た資金をそのまま全てそちらに詰め込んでもいい。

 もっとも、そのガンダニュウム合金の簡易量産版ともいえるネオ・チタニュウム合金とかがそのうち開発されるんだろうが。

 ただ、こっちはガンダニュウム合金の下位互換なんだよな。

 勿論それだけに、コストという一点では圧倒的に上なのだが。

 

「まぁ、ガンダニュウム合金はある程度確保してあるから、その辺は後で渡すよ」

 

 本来ならもっと大量にあったのだが、HLVに使ってしまったからな。

 ……まぁ、最悪HLVを潰してガンダニュウム合金を取り出すという手段はあるのだが。

 多少勿体ないような気もするが、ホワイトスターと行き来が可能になった以上、ぶっちゃけ、あってもあまり意味がないんだよな。

 それならHLVを潰してシャドウミラーで有効に活用した方がマシだろう。

 

「……そう。まぁ、このW世界との間でも貿易は行われるのだろうし、その際に最重要指定をした方がいいかもしれないわね。それで、他には何があるの?」

「そうだな、このピースミリオンやバルジという宇宙要塞があるのを考えると、巨大建造物に関する技術は高いと思う。ああ、そうそう。そのバルジもこっちで入手してあるから、こっちも後で渡すな」

「まぁ、そうね。ないよりはあった方がいいわね」

 

 あまり気が進んでいないのは、ガンダニュウム合金のインパクトがそれだけ大きかった為か。

 それ以外にも、シャドウミラーも巨大建造物に関する技術は決して低くないというのがあるんだろうが。

 何しろ、シャドウミラーはニヴルヘイムという機動要塞が存在する。

 それこそバルジやピースミリオンより巨大なそれは、ギアス世界のダモクレスから得たノウハウを元にして、シャドウミラー独自の技術で様々な改良を施された代物だ。

 特に大きいのは、量産型のシステムXNを搭載しているのでいつでも宇宙に転移出来、更には宇宙でも普通に運用出来るといったところか。

 

「そうね。参考にはなるでしょうから、あった方がいいというレモンの意見に同意するわ」

 

 レモンの言葉に、マリューがそう告げる。

 ……意外な事に、技術的な事にはあまり興味がないだろうシェリルや円、美砂といった面々までもが、何故か俺の話すこのW世界の技術についての話を興味深そうに聞いていた。

 何でだ?

 いやまぁ、喜んで貰えるのならそれはそれでいいけど。

 

「他には? 何かないの?」

「そうだな、……最初にシャドウミラーが戦場に乱入した時に俺が乗っていた機体があるだろ?」

「ああ、アクセル君には似合わないような、天使の羽根を持った機体」

 

 美砂のどこか笑みを含んだ言葉だったが、それに言い返すことは出来ない。

 実際、自分でも似合っていないというのはわかっているのだから。

 

「まぁ、そうだな。で、あの機体にはゼロシステムってシステムがあるけど……パイロットが暴走する可能性があるし、精神的な消耗も大きいからお薦めしない。ああ、それとエピオンって機体はそのまま入手してあるから、そっちは少し興味深いんじゃないか?」

「あら、随分盛り上がってるわね」

 

 扉が開くと同時にそう告げたのは、当然のようにこの場にいない俺の恋人の1人……凛だった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389

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