転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1629話

 シルビアと共に案内された部屋には、ノベンタ以外にベンティの姿もあった。

 セプテムが宇宙で指揮を執っている以上、地球に残っている連合軍のトップ2人がこうして揃って俺を待っていたのだから、それだけ今回の件が重要だという事だろう。

 

「こうして直接会うのは久しぶりだな。……シルビアも、アクセルの相手をご苦労だった」

 

 ノベンタの言葉に、シルビアは小さく笑みを浮かべる。

 ベンティも、シルビアの方を見て孫娘を見るような視線を向けていた。

 まぁ、ノベンタとベンティは前々から仲が良かったみたいだし。

 そう考えれば、シルビアを自分の孫娘のように思ってもおかしくはない。

 

「それで、バートン財団の対処を俺達に任せたいって話だったが?」

「うむ。不満かな?」

「いや、傭兵なんだから仕事に不満なんかないさ。向こうの本拠地も分かっている以上、その辺りから探すといった真似をしなくてもいいのは楽だし」

 

 X-18999コロニーがバートン財団の本拠地となっているのは、別に秘密でも何でもない。

 それこそ普通に調べれば分かる事だ。

 ……もっとも、だからこそ堂々と自分達の本拠地を露わにしているというのは多少疑問があるんだが。

 直接今回の内乱に介入した以上、自分達が討伐対象になるというのは、普通に考えれば分かる筈なのだから。

 それとも、まさか絶対に自分達の事は知られないと、そう思っていたのか?

 元々オペレーション・メテオを考えたのがバートン財団だと考えれば、用心深さくらいは持っていてもおかしくはないと思うが。

 ああ、もしくは地球に派遣されていたバートン財団のパイロットが自分達の情報を話さないと思っていたとか。

 こっちは十分に有り得るな。

 実際、凛がいなければ情報を吐き出させる事は出来なかったのだから。

 X-18999コロニーが本当の意味でバートン財団の本拠地だというのも、ここで知らされたんだし。

 

「そう言ってくれると助かる。また、バートン財団の件が終わったら、宇宙にいるOZの対処も依頼したい」

「……そっちもか? まぁ、MDを使っているOZに迂闊に攻撃出来ないのは分からないでもないが」

 

 それにしても、宇宙にいるOZをシャドウミラーが全て倒してしまえば、セプテムの顔を潰してしまいそうだが。

 俺が抱いたそんな疑問も、次の瞬間ノベンタが口を開いたことで解決する。

 

「別に、全てのOZの拠点をシャドウミラーだけでどうにかして欲しいと言ってる訳ではない。幾つか……それこそ2つか3つ程度で十分だ。それも、シャドウミラーだけで攻めろと言ってるのではなく、連合軍と一緒に攻めて欲しい」

「あー……なるほど」

 

 そこまで言われれば、納得した。

 ようは、以前地球でOZの基地を攻める時にやったように、連合軍のフォローをして欲しいと、そういう事なのだろう。

 勿論今回はOZにMDがある分、以前行った作戦よりも難易度は高いだろうが。

 

「依頼を受けろと言われれば受けるが、報酬の方はもっと上がるぞ?」

 

 今もバートン財団の本拠地攻略について凛が担当者と報酬の交渉をしているのだが、そこから更に報酬が上がるという事になる。

 交渉の担当者はストレスで色々と酷い目に遭いそうだ……と思うのは、きっと俺だけじゃないだろう。

 

「分かっている。だが、必要なのだから仕方がない」

 

 ノベンタの代わりといった風に、ベンティが頷きを返す。

 

「MDなんて代物が出て来た以上、そう考えるのも当然だろうけどな。……まぁ、そっちはいいとして、シルビアを連れて宇宙に上がるってのは本気なのか?」

 

 俺達の話を黙って聞いているシルビアに一瞬視線を向けてから、改めて尋ねる。

 すると、ノベンタは躊躇なく頷く。

 寧ろ、ベンティの方がシルビアを俺達と一緒に行動させる事について苦悶の表情を浮かべていた。

 この辺り、シルビアの直接の祖父であるノベンタと、孫のように思ってはいても実際には違うベンティという立場の違いが現れている。

 ……実際の祖父ではないベンティの方がシルビアを心配している辺り、血が繋がっていないからこそ、シルビアを猫可愛がりしているのだろう。

 

「勿論本気だ。それに、シルビアには色々な経験をして見聞を広めて貰いたい。将来的に私の後を継ぐのであれば、今からでも遅い程だ」

「……後を継ぐ?」

 

 ノベンタの口から出た言葉に、改めてシルビアに視線を向ける。

 だが、その視線を向けられたシルビアは、俺から視線を逸らす事なく受け止める。

 ……ロームフェラ財団なら、王侯貴族といった風に血縁者が一族で所属している集団なので、血筋で地位を受け継ぐといった真似が出来る。

 だが、連合軍ではそのような事はない。

 いや、血筋による縁故採用とかそういうのが全くないとは言わないが、それでもロームフェラ財団のように血縁重視という訳ではない。

 実際にはロームフェラ財団でも血縁重視なのは上層部だけで、一定程度の地位までは能力を重視されたりもするんだが。

 ともあれ、改めて俺は目の前にいるシルビアを見る。

 心優しい性格をしているのは俺も知ってるが、だからこそノベンタの後を継ぎ……連合軍の元帥になれるとは、とても思えない。

 ノベンタも優しいか優しくないかで言えば、間違いなく優しい。

 だが、それでも連合軍の元帥だけあって、厳しい判断をしなければならない時にはしっかりとそれを判断出来るし、場合によれば連合軍を活かす為に少数を犠牲にする事も躊躇いつつも決断するだろう。

 それこそ、シャドウミラーを使っているというのはその辺りの判断も入っている筈だ。

 いざという時、切り捨てても問題のない外様の部隊。

 勿論それに異論はないし、それを承知の上で俺達はノベンタに雇われているのだが。

 報酬もしっかりと貰っているし、元々傭兵というのはそういうものなのだから。

 しかし……俺の視線の先にいるシルビアにそんな判断が出来るかどうかと言われれば、答えは否だ。

 

「本気か?」

「はい。確かに今の私は未熟でしょう。ですが、私はいずれお爺様の後を引き継ぎ、この連合軍を支えてみせます」

 

 きっぱりと返事をしてくるシルビア。

 どうやら本気らしいのは、見れば分かった。

 ……向いてないと、そう思うんだけどな。

 

「まぁ、本人が何を目指すのかってのは、それこそ自分で決めるだけだしな。そっちがシルビアを派遣してもいいって言うのなら、こっちはそれで何も問題はない」

「そう言って貰えると助かる。打ち上げ後の準備はこちらでするが……出撃は明日でも構わんかね?」

 

 シルビアの件をあっさりと打ち切ったノベンタの言葉に、頷きを返す。

 

「ああ。ただ、こっちのMSを宇宙用に調整する必要があるが……」

「それは整備員に指示してある。人数も多いので、今夜中には終わるだろう。打ち上げのシャトルや、宇宙で使用する戦艦に関してもこちらで用意してある」

「MS輸送機はここに預けていくって事でいいのか?」

 

 あのMS輸送機は色々と改修を……具体的には客室の改修をしており、ソファやテーブル、それ以外にも様々な高価な家具を置いてあるので、手放すような事はしたくない。

 もっとも、そもそもの話、あのMS輸送機は報酬として俺達に譲渡されてるのだから、それを奪うような真似をした場合、相応の被害を覚悟して貰う事になるが。

 

「うむ。MS輸送機についてはきちんとこちらで預かっておく。シャドウミラーが宇宙での依頼を終えて戻ってきたら、万全の状態で引き渡すと約束しよう」

 

 連合軍の元帥がこうして言葉にした以上、それが破られるという事はないだろう。

 ……まぁ、シャドウミラーの価値を分かっていれば、MS輸送機を奪うなどといった真似はしないだろうが。

 何かの拍子にMS輸送機の数が足りなくて借りるという事はあるかもしれないが。

 ともあれ、話は素早く纏まった。

 次に報酬として貰うのは、ガンダニュウム合金じゃなくて、戦艦とかでもいいかもしれないな。

 ふとそう思ったが、MS輸送機すらも人員は連合軍はから派遣して貰っているのだ。

 もし戦艦を報酬として貰っても、人手が足りない。

 バッタとか量産型Wとかいれば、何とかなったかもしれないが。

 あるいは、MDのAIを使うのなら、戦艦も、無人艦に出来る可能性が?

 そんな風に考えながらも、話は進み……結局明日の昼過ぎには宇宙に行く事が決定した。

 

「シルビアを他の者達に紹介してやって欲しい。明日には出発だが、今のうちから少しでも触れ合っておいた方がいいだろう」

「分かった。なら、失礼する」

 

 ノベンタとベンティにそう断り、俺はシルビアと部屋を出る。

 ……その際に、ノベンタはともかくベンティが少し残念そうな表情をしていたのは、きっと俺の気のせいだろう。

 

「アクセル代表、まずはどこに行きますか?」

「そうだな……凛は交渉で忙しいし、サリィの方も上に報告をして忙しいだろうから、格納庫に行くか。綾子達がそこでMSの様子を見ている筈だ。宇宙に行くのは明日になったってのも知らせないといけないし」

 

 その件を知らせるだけなら、それこそ通信を使って教えればいい。

 だが、シルビアの紹介をする必要があるとなれば、話は別だった。

 

「そうですか、分かりました。ではご一緒させて貰います」

「ああ。……ま、うちのメンバーは基本的に気難しい奴は……」

 

 いない、と。そう言おうとした俺の脳裏を、五飛の顔が過ぎる。

 生真面目な五飛の性格を考えれば、簡単にシルビアを受け入れるかと言われれば、微妙なところだろう。

 

 

 俺や凛、綾子といった面々は強さで受け入れられた。

 デュオは同じガンダムのパイロットということもあったが、結果としてガンダムを使っての模擬戦をして認めた。サリィは……うん、まぁ、サリィが受け入れられたのを思えば、シルビアも意外とすぐに受け入れられる可能性はあるな。

 

「えっと、その、アクセル代表?」

「いやまぁ、俺達と行動を共にするのなら、色々と頑張る必要があると思ってな。正直なところ、その辺りは自己責任という形になるだろうが、それは承知の上で俺達と合流するんだよな?」

「はい」

 

 ……へぇ。

 今の俺の言葉を聞けば、多少は怯えるかとも思ったんだが……まさか、こうもあっさりと頷くとは思わなかったな。

 何だかんだと、度胸はノベンタ譲り……か。

 

「そうか。なら、行くぞ」

「はい」

 

 こうして俺とシルビアは、シャドウミラーのMSが運び込まれた格納庫に向かう。

 その途中で気が付いたのは、シルビアの存在が予想以上に連合軍の中で知られているという事だった。

 連合軍のトップに立つノベンタの孫娘という事もあって、ある程度名前が知られているというのは理解していたが……それでもシルビアを知っている人数は俺の予想以上だった。

 

「あ、シルビアさんだ。……美人だよなぁ、それでいて優しいし」

「ああ。ノベンタ元帥のお孫さんだろ? ……で、一緒にいるのは?」

「知らないのか? あの男はシャドウミラーの……」

「ああ、あのシャドウミラーか。……けど、何でシルビアさんがシャドウミラーの奴と一緒にいるんだよ?」

「俺に聞かれてもな。それこそ、気になるなら自分で聞いて来いよ」

「おいおい、無茶を言うなよ。相手はシャドウミラーだぜ? それこそ、下手をすれば俺が殺されてしまうよ」

「あー……シャドウミラーだと考えれば、それもまた不思議じゃないよな」

 

 そんな風な話し声が聞こえてくるのだが、それは取りあえず聞き流す。

 中にはシルビアが中々にいい身体をしているとか言ってる奴もいるが、幸いにも聞こえているのは混沌精霊として優れた聴覚を持っている俺だけだ。

 ともあれ、これで分かったのはシルビアの人気だ。

 ……明日にでもシャドウミラーと一緒に宇宙に行くとか広まったら、どうなるんだろうな。

 その辺りの事情は、俺達が実際に宇宙に行く前には広がらないで欲しいものだ。

 宇宙に行った後なら、どれだけ話が広まってもいいと思うんだが。

 そうして歩き続け……やがて目的の格納庫が見えてきた。

 

「アクセル代表、あそこです」

「ああ、分かっている。……一応言っておくが、シャドウミラーは色々と特殊な場所だ。それを理解して行動してくれよ」

「はい、分かりました」

 

 笑みを浮かべて頷くシルビアを引き連れ、俺達は格納庫の中に入っていく。

 そこでは、当然のように多くの整備員が働いていた。

 中にはシャドウミラーと行動を共にしている整備員達の姿も見える。

 何をやっているのかと言えば、MSを宇宙用に改修しているのだろう。

 

「アクセル? どうしたんだよ? ……そっちの美人さんは? まさか、ナンパか?」

 

 俺達の姿を見つけ、真っ先に近寄ってきたデュオの声に苦笑を浮かべ、シルビアの事を説明するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1120
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1326

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