転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1624話

『アクセル代表、戦闘領域に入りました。基地ではまだ第3勢力と戦っている最中のようですが、向こうもこちらに気が付いているらしく挟撃は不可能のようです。……まぁ、さっきのエアリーズに見つかった時点で、それは分かっていましたが』

 

 トールギスのコックピットで、サリィからの通信を聞く。

 その言葉通り、向こうがこっちの戦力を把握している以上、挟撃が出来るとは最初から思っていなかった。

 それでも、何かの間違いでそんな真似が出来ればいいな……とは思っていたんだが、どうやらそれはやっぱり甘い考えだったらしい。

 

「それは仕方がない。全機、今の話を聞いていたな? なら、俺達がやるべき行動は分かっていると思う。敵がこっちを迎撃しようとしていようと、いまいと、それは関係ない。迎撃しようとしているという事は、自分達でどうにか出来ると思ったって事だ。俺の……俺達の、シャドウミラーの実力を甘く見たその報いを思い知らせてやれ。……出撃」

 

 その言葉を合図として、トールギスはMS輸送機の格納庫から外に射出された。

 自由落下の最中にスーパーバーニアを使って機体を制御する。

 そしてトールギスの後を追うようにトーラス、デスサイズ、シェンロンガンダムといった順番で射出されてくる。

 トーラスはそのままMA形態でトールギスの横に並び、2機のガンダムは真っ直ぐ地上に落ちていく。

 それを確認すると、MS輸送機はそのまま戦闘空域を離脱していく。

 視線の先……正確には映像モニタには、基地の付近に幾つも爆発光が現れていた。

 防衛戦が行われているというのは決して間違ってはいないのだろうが、それでも基地がそれなりに被害を受けているのは間違いのない事実だった。

 

『アクセル、とにかく敵を倒せばいいんだな?』

 

 映像モニタに映し出されたデュオの言葉に頷きを返す。

 

「そうだ。向こうがこっちの押さえとして置いておいた戦力が撃破されれば、向こうもそれ以上の戦いは出来ない……いや、やっても負けると理解する筈だ。そうなれば、自分達で勝手に退避してくれる」

 

 もっとも、それを大人しく見送る……もしくは見逃すような真似はしないが。

 

「ちっ、エアリーズはこっちに向かってこないか」

 

 てっきりMS輸送機を発見したエアリーズが真っ先に攻めてくるのかと思ったが、どうやら俺の予想は外れたらしい。

 

『当然だろう。向こうは別にOZという訳ではない。エアリーズも戦力に組み込まれてはいるが、その数はそれ程多くはないんだからな』

「分かってる。だが、エアリーズが一番厄介なのは間違いのない事実だ。出来れば真っ先に叩いておきたかったんだよ」

 

 制空権を抑えるというのは、戦いの中では絶対的に必要な事だ。

 また、この空域から離れたとはいえMS輸送機を攻撃される可能性というのはまだ完全に消えた訳ではない。

 MS輸送機はシャドウミラーにとって非常に重要な拠点であり、リラックス出来る場所だ。

 そうである以上、出来るだけ戦闘に巻き込みたくはなかった。

 

『アクセル代表、基地と連絡が取れました。こちらが戦闘に参加したという話を聞き、兵士達の士気が上がっているようです』

「そうか、それは何よりだ」

 

 連合軍にとって、シャドウミラーというのは外様の部隊ではあるが、最強の象徴でもある。

 その上で、あの基地には気の良い面々が揃っており、シャドウミラーに対して友好的な存在だった。

 そんな面子だけに、防衛戦をしている中でシャドウミラーが護衛にきてくれたというのは、思い切り士気を高めるのだろう。

 

『向こうは防衛戦に徹しているので、背後から敵を突き崩して欲しいと』

「それはこっちも望むところだ」

 

 防衛戦をしている連中が壁の役割を果たしてくれるのであれば、俺達は背後から第3勢力の機体を破壊していき、壁に押しつけ、押し潰すのみだ。

 そうしてシャドウミラーのMS部隊が待ち構えている第3勢力との距離を詰めていく。

 可能であれば向こうも先制攻撃をしたかったのだろうが、こうして対峙している以上、それは無理だ。

 だからこそ、こうして鉄壁の布陣を敷いて待ち構えているのだろう。

 ……いや、鉄壁の布陣だと思っているのは向こうだけか。

 ぱっと見た限り、MSの数は50機程度しかいない。

 勿論現在も基地で行われている防衛戦を考えると、もっと数は揃っているのだろうが……どのみち100機いたとしても、シャドウミラーを相手にするのは戦力不足だろう。

 今までのOZとの戦いの情報は多少なりとも外部に流れている筈なんだが、向こうはその情報を持っていないのか?

 ともあれ、こっちとしては戦うのに容易い相手というのは決して悪い事ではないのだが。

 

「全機、攻撃開始」

 

 その言葉と共に、地上に降り立ったシェンロンガンダムとデスサイズが真っ直ぐ敵軍に向かって突っ込んでいく。

 それを援護するように、トールギスからはドーバーガンが、トーラスからはトーラスカノンが放たれる。

 勿論向こうも大人しくこっちが攻めるのを待っている訳ではなく、迎撃する為にトラゴスやリーオーからは次々に砲弾が飛んでくる。

 だが……数が少ない。

 連合軍のように密集して弾幕を張るのであればともかく、MS全てで50機程度しかいないのでは、弾幕と呼べるような弾幕ではない。

 事実、シェンロンガンダムとデスサイズも向こうからの攻撃を全く関係ないとでも言いたげに無視して突っ込んでいく。

 自分の機体に当たりそうな攻撃だけを、素早く回避していくその様子は、ガンダムのパイロットの本領発揮といったところか。

 

『アクセル』

「分かってる。俺達で仕留めるぞ」

 

 綾子が通信を送ってきたのは、向こうのエアリーズ部隊が空に上がってこっちに飛んできたからだ。

 その数、10機程。

 連合軍に比べればエアリーズの比率は明らかに大きい。大きいが……それでも戦力の殆どがエアリーズのOZに比べれば、どうしたってその戦力は劣る。

 

「ん?」

 

 だが、そのエアリーズの様子に疑問を感じた。

 空に上がったのはいいものの、こっちに向かって本気で攻撃してくるようには見えないのだ。

 密集しないというのは、ドーバーガンの威力を警戒しているのだろうと分かるが、それでも空に上がりながらも一定以上こっちとの距離を縮めないというのは……どうなっている?

 多少疑問を覚えるが、今はとにかくエアリーズを撃破してしまうのが先だろう。

 向こうが何を企んでいようが、その戦力がなくなってしまえば、それは意味がないのだから。

 

「綾子」

『ええ』

 

 その短い言葉だけで意思疎通を完了し、ドーバーガンの砲口をエアリーズへと向ける。

 数機が纏まっている訳ではないから、一撃で纏めて撃破という真似は出来ないが、それならそれでやりようはある。

 ドーバーガンの出力を下げ、ビームライフルと同程度の威力へと変更する。

 そしてトリガーを引き……真っ直ぐに飛んでいったビームは、当然のようにエアリーズを貫き、爆散させる。

 何だ? 本当に何が目的でこんな真似をしてきたんだ?

 そんな疑問を抱いてしまうのは、当然だろう。

 向こうが何を考えているのか分からないが、それでもこちらとしてはドーバーガンを撃って、エアリーズを撃破していく。

 綾子のトーラスも、トーラスカノンを使ってエアリーズを撃破していく。

 ……結果として、3分と経たないうちにエアリーズは全機が撃破されてしまった。

 本当に、何を考えてこんな真似をしたんだ?

 疑問を抱かずにはいられないのだが、そこまで考えて失敗したと気が付く。

 そう言えば捕虜を取って尋問する予定だったんだよな。

 

『アクセル』

 

 映像モニタに、綾子のジト目を向ける姿が映し出される。

 

「あー、落ち着け。どうせエアリーズのパイロットは、この高度から落ちたんだし、死んでた可能性が高い」

『ふーん。まぁ、アクセルがそう言うのなら、そういう事にしておいてもいいけど』

 

 ジト目を向けてくる綾子の言葉に視線を逸らしながら、地上に視線を向ける。

 そこでは当然の如くガンダムによる蹂躙が行われていた。

 元々用意されている戦力が少ない以上、ガンダムに勝てる筈もない。

 ないと思うんだが……こうして待ち伏せていたのを考えると、意外に何か策が……いや、ないな。

 こうして見ている限りだと、ただ一方的に蹂躙されているだけだ。

 ここからどうやっても、ガンダムを……そしてシャドウミラーを倒せるとは思えない。

 

「綾子、地上に残っている部隊は五飛とデュオに任せてもいいだろ。俺達は基地に攻め込んでいる本隊を叩くぞ」

『分かった。……けど、どっちかと言えば本隊はこっちじゃないのか?』

 

 綾子の言葉に、一瞬納得してしまいそうになる。

 シャドウミラーを待ち受けるのであれば、当然本隊を出すだろう。

 いや、一番いいのは素早く撤退する事の筈なんだが……何故か向こうは待ち受けていた。

 それ程この基地が欲しかったのか、それとも他に何か理由があるのか。

 その理由は分からないが、向こうの捕虜を入手してその情報を得るには絶好の機会なのは間違いない。

 ……エアリーズは撃破してしまったが。

 

「本隊はこっちでも、その相手は五飛とデュオで十分だ。今は、攻められている基地を何とかする方が先決だろ。……その心配はいらないかもしれないけど」

 

 元々、この第3勢力との戦いで俺達が来るまで防衛戦を行い、押され気味ではあっても戦線を維持出来ていたんだ。

 そこにシャドウミラーが到着し、こうして俺達に戦力を差し向けた以上、基地の攻略に向ける戦力は先程よりも減っているのは確実だった。

 

『けど、行くんだろう?』

「ああ。……この基地の連中は嫌いじゃないしな」

 

 こっちに友好的な相手であれば、そう思うのは当然だろう。

 これで最初からこっちに敵対的な相手なら、恐らくこっちもここまでして助けようとは思わなかっただろうけど。

 連合軍としては、中々にいい選択肢だ。

 映像モニタの向こう側の綾子が小さく頷くのを見ながら、一気にスーパーバーニアを噴射して前へと進む。

 そんな俺達の背後で、シェンロンガンダムの放った火炎放射器による火炎が映像モニタに映し出されていたが……捕虜をきちんととってくれるよな?

 そんな風に考えながら、戦闘が行われている基地へと向かう。

 MSの速度を考えると、それこそ数分もしないで基地に到着する。

 そこで行われている戦いは、予想通り連合軍側が有利になっていた。

 こっちに対抗するように戦力を出したというのが大きいのだろう。

 ……正直なところ、恐らく俺達が来るまでもなく、この基地の戦力だけで第3勢力を迎撃する事が出来ただろう。

 その場合は基地の戦力がそれなりに被害を受けただろうが。

 そう考えれば、やっぱり俺達が来た影響はあると思いたい。

 

「俺は基地に侵入しているMSに攻撃を仕掛けるから、綾子はトラゴス部隊を何とかしてくれ。援護射撃をされると厄介だからな」

『了解』

 

 綾子と短く言葉を交わし、基地へと突入していく。

 綾子は基地の外に陣取っているトラゴスに向かっていった。

 こっちが向こうの戦力を攻撃している時に、トラゴスから援護射撃をされると非常に厄介だからな。

 出来れば今のうちにどうにかしておきたい。

 まぁ、配役としては逆でも良かったんだが、基地の中という場所で戦うのを考えると、MSの操縦に慣れた俺の方がいいだろう。

 綾子のトーラスと別れ、俺の操る深紅のトールギスは基地の中に入っていく。

 すると真っ先に見つけたのは、ビームサーベルで戦っている2機のリーオー。

 所属する勢力や軍で機体色は変わったりするのだが、今回はどちらも同じ緑色だ。

 その事で一瞬迷ったが、味方機の識別信号が出ている方を助ける為に急降下する。

 シールドの裏から引き抜いたビームサーベルを使い、敵リーオーの背後から胴体を一閃。

 そして味方機は俺の姿を見た瞬間、攻撃された敵リーオーがどうなるのかを悟り、距離を取る。

 次の瞬間、敵リーオーは爆発し、その場に残っていたのは俺と味方リーオーの2機のみとなる。

 

『アクセル代表!』

 

 映像モニタに映し出されたのは、俺にとっても見覚えのある顔だった。

 模擬戦を行っている時、何度か見た記憶がある。

 

「お前だけか? 他の面子はどうした?」

『戦っている最中、自分だけはぐれてしまって……そこを敵に見つかり、やむなく戦闘を。申し訳ありません』

「そうか。……まぁ、その辺は気にするな。そのうち慣れる」

 

 ここは周辺の基地の纏め役みたいな位置にいる。

 だが、海岸線沿いにあるというのも影響して、今回の内乱が起きてからは激しい戦闘は起こらなかった。

 水中用MS部隊が暴れたが……それまで実戦は起きなかった訳だ。

 そう考えれば、まだ戦闘に慣れていないのにも納得は出来る。

 

「それより、基地に侵入している敵を倒すぞ。ついてこい」

『了解しました』

 

 こうして俺は、リーオーを1機引き連れながら敵MSを探して進むのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1105
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1323

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