転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1557話

 真っ直ぐにこちらに向かってくる大量のミサイル。

 いや、ミサイルだけではない。そのミサイルと同時に細かいビーム弾が無数に放たれているのが分かる。

 咄嗟にスーパーバーニアを最大限に噴射させてその場から距離を取ろうとするものの……ちっ、分かっていたけど咄嗟の時の反応が鈍い!

 それでも何とかスーパーバーニアのおかげでその場から回避し、ビーム弾……正確にはビームガトリング砲は、シールドを使って防ぐ。

 そう言えばこのシールドを防御の用途として使ったのは初めてだな。

 ふと、そんなどうでもいい事が脳裏を過ぎる。

 その場から退避しつつ、一瞬前までトールギスのいた場所へと視線を向けると、そこではミサイルやビーム弾により地面が捲れ上がり、他にも爆発穴が幾つも存在していた。

 トールギスの装甲でも、あの攻撃をまともに食らってはちょっと洒落にならなかっただろう。

 そんな俺の隙を突くかのように、ウイングガンダムはバスターライフルを発射する。

 ビームライフルのように威力を絞ったのではなく、MSそのものを飲み込むかのような威力のビーム。

 再度スーパーバーニアを使ってその場から退避しつつ、ヘビーアームズを映像モニタに映し出す。

 予想通りヘビーアームズの横にはサンドロックの姿もあり、こちらの様子を窺っていた。

 スーパーバーニアの加速を感じつつ、次にデスサイズの方を映像モニタに映し出す。

 そこでは相変わらずエアリーズと……そして綾子のトーラスが、空中を飛び回りながらデスサイズを翻弄していた。

 ……何でトロワは俺を狙ったんだ?

 原作だと纏まっているからという理由で、連合軍のMS部隊を一掃した筈だ。

 それこそ、ウイングガンダムとデスサイズ諸共に。

 だが、さっきのミサイル一斉射は間違いなく俺を狙っていた。

 勿論原作ではこの場面でトールギスの姿はニューエドワーズ基地にない。

 それどころか、いつものようにレディ・アンの嫉妬によりあまり目立たない辺境の基地へと回されていた筈だった。

 やっぱりトールギスのデータから、俺を一番の強敵だと判断して奇襲で一気に仕留めようとしたのか?

 まぁ、可能性はある。

 そもそも、俺がシェンロンガンダムを単機で撃退したというのは、連合軍内でもかなり知られている事実だ。

 この辺はノベンタ、セプテム、ベンティといった連合軍のトップが、OZでも勝てなかったガンダムを単機でどうにか出来るだけの戦力を自分達は持っていると、そう宣伝工作に使っているのだから、当然だろう。

 連合軍の兵士に対する激励と、OZに対する牽制。

 その両方を一気に出来るのだから、それを使わない手はない。

 そして当然そんな真似をすれば、ガンダムのパイロット達もトールギスの情報を入手出来るだろう、

 元々各種ガンダムにはトールギスのデータも残っていたのだから、ガンダムに対抗出来る単機だとして、優先的に撃破しようと考えてくる可能性は十分過ぎる程にあった。

 

「ちっ、またか!」

 

 ヘビーアームズのビームガトリング砲がこちらに向けられたのを察知し、再度スーパーバーニアを全開にする。

 ヘビーアームズとウイングガンダム……ガンダムの中でも射撃戦が得意な2機により、集中攻撃されるというのは、あまり面白くない。

 原作では出会った当初は敵対的だったヒイロ達とトロワ達だが、今回は俺という共通の敵がいる事で、済し崩し的に手を組んでこっちに攻撃をしている。

 ウイングガンダムのバルカンとマシンキャノンでこちらを牽制し、そこにヘビーアームズのビームガトリング砲やウイングガンダムのバスターライフルが放たれる。

 俺はそれをスーパーバーニアを使って必死に回避しつつ、反撃にドーバーガンを撃つ。

 デスサイズの方にはサンドロックが援護に向かっているが、サンドロックも遠距離用の武装はそう多くない。

 頭部バルカンと肩のホーミングミサイル、それとヒートショーテルの投擲くらいか。

 それでも相手がガンダムだという事もあり、エアリーズ部隊とトーラスはかなり警戒して攻撃をしている。

 次々にチェーンライフルの弾丸が当たっているにも関わらず、全くダメージを与えた様子がないのは、凄いな。

 元々ガンダニュウム合金製の装甲という事で、その防御力には定評があったが……実際にこうして自分の目で見ると、やっぱり違う。

 

「っと!」

 

 こっちの進行方向を読んで放たれたビームガトリング砲の一撃を、スーパーバーニアを使って強引に潜り抜ける。

 こっちばかりやられるのもちょっと癪だし、向こうの攻撃を若干であっても弱める為にドーバーガンを向け……現在のカートリッジのエネルギー残量は少ないので、最後に景気よく残りのエネルギー全てを使ってビームを発射する。

 MSを飲み込む……とまではいかないが、それでも普通のビームライフルに比べると十分強力なビームが放たれ、ヘビーアームのすぐ目の前に着弾。爆発を起こす。

 目の前で起きた爆発は、当然ヘビーアームズのバランスを崩す。

 元々重量級というか、ガンダムの中では最も重量のあるのがヘビーアームズだ。それだけに、一度バランスを崩せばそう簡単に立て直す事は出来ない。

 ……まぁ、ガンダムの中で最も重いといっても、殆ど誤差に等しい程度だし、トールギスの方が更に重いんだが。

 ともあれ、今の爆発でエネルギーがなくなったので、スーパーバーニアで移動しながらカートリッジを交換する。

 嫌がらせの意味も込めて、取り出したカートリッジをウイングガンダムの方へと投げつけてやる。

 ……嫌がらせではあるが、カートリッジの重量は結構なものなので、もしこれに普通の人間が当たれば大怪我間違いなし……下手をすれば死んでしまうかもしれないだろう威力を持つ。

 もっとも、結局ガンダムには全く効果がないんだが。

 そう思った瞬間、今までで一番強力なビームがバスターライフルから放たれる。

 おい、もしかして今ので怒ったのか?

 まぁ、他人に自分のMSを弄って欲しくないと言い、修理も自分の手で行うような奴だ。当然その辺には色々と思うところあるんだろう。

 その割りには原作だとあっさりガンダムを破壊しようとしたり、自爆したりするんだが。

 ともあれ、今の一撃でヒイロが怒った……とまではいかなくても、苛立ったのは事実らしい。

 こっちに向かって放たれる攻撃が一段と激しさを増している。

 そんなヒイロの攻撃を回避しながら、カートリッジ交換を済ませたドーバーガンでヘビーアームズへとビームを放つ。

 先程放った一撃とは違い、燃費重視のビームライフル程度の威力の代物だ。

 ヘビーアームズもとっくに態勢は立て直しているが、それでもビーム攻撃は命中すると不味いと判断したのか、こちらの攻撃を回避する様子を見せていた。

 にしても、早くノベンタの放送はされないものか。

 一応襲撃があっても、総会は続けるように進言してあるので、その辺は大丈夫だと思うんだが……それでもコロニーへの宥和政策が発表されるのが遅い。

 2機のガンダムの相手をしながら、格納庫へと通信を入れる。

 すぐに映像モニタに映し出された整備員に対し、口を開く。

 

「総会の方はどうなっている!?」

『それが、OZのトレーズがガンダムの襲撃もあって、一旦総会を中止してはどうかと……』

 

 それについては織り込み済みだ。

 これは原作でも同じような流れだったから、特に驚くべき事はない。

 ノベンタ、セプテム、ベンティの3人にも、何か騒動があっても総会は続けるようにと言っておいた。

 特に今回の件はコロニーとの宥和政策の件もあって、間違いなく重大な話になる筈だった。

 だが……にも関わらず、まだノベンタの通信はない。

 原作通りならいざ知らず、今の連合軍はOZをかなり怪しい目で見ている。

 この連合総会において何か怪しい動きをするのではないかと、そんな風に考えている者も決して少なくない。

 だからこそ、それぞれが連れてきた護衛の数も多かったし、MSも含めて十分な戦力をここに用意してあるのだ。

 今の状況でトレーズの言う通りにしなくても良さそうなものだが……

 

『詳しい事は分かりません。ですが、総会の進行が現状で止まっているのは間違いありません』

「……凛はどうしている?」

 

 ヘビーアームズのビームガトリング砲とウイングガンダムのバスターライフルを回避しながら、通信を続ける。

 俺と凛、綾子の3人がシャドウミラーという傭兵団だ。……現状では、だが。

 そんな中、俺と綾子はそれぞれトールギスとトーラスでこうしてガンダムを相手に時間を稼いでいる。

 だとすれば、今の状況で動けるのは凛しかいない。

 もしかしたら、OZが連合軍の上層部を捕らえて立て籠もっている? 一瞬そんな事を考えたが、会議の様子が少なからず伝わってきている以上、それはないだろう。

 そもそも人質を取るなんて真似はトレーズ風に言えば、エレガントではない。

 だとすれば、何故総会が止まってるんだ?

 そんな疑問を抱きつつ、ヘビーアームズのビームガトリング砲を回避し……今までと同じであれば、そこにウイングガンダムがバスターライフルやバルカン、マシンキャノンを撃ち込んでくるのだが、今回は違った。

 飛行形態に変形すると、一気にこっちとの距離を縮めてきたのだ。

 ちっ、そう来たか。

 ヒイロが何を企んでいるのかというのは、容易に想像出来る。

 バスターライフルのエネルギーの問題もあり、同時にここでトールギスを相手にしている時間もあって、今のままではどうしようもないと、そう判断したのだろう。

 それは間違っていない。こちらとしても厄介な手段なのは間違いないのだから。

 そんな俺の予想通り、トールギスよりも上へと飛行したウイングガンダムは、すぐにまたMSの状態へと戻り……空中でシールドからビームサーベルを引き抜くと、一気にこちらへと斬り掛かってくる。

 ただ落下しながら斬り掛かってきたのではなく、スラスターを全開にしながらの一撃。

 ヒイロの狙いを察知した瞬間、俺もまたシールドからビームサーベルを取り出してその一撃を受け止めた。

 ビームサーベル同士が反発し合う……いわゆる、鍔迫り合いの状況。

 普通であれば一進一退……いや、加速力という意味ではスーパーバーニアを改修したおかげでウイングガンダムよりも高い能力を持つトールギスの方が有利だろう。

 だが……それはあくまでも相手がウイングガンダム1機だけであればの話だ。

 今、俺が相手をしているのはウイングガンダムだけではない。ヘビーアームズもいるのだ。

 そして射撃戦を得意としているヘビーアームズにとって、空中で動きを止めている相手……それも普通のMSよりも巨大なMSであるトールギスというのは、まさに絶好の標的以外の何ものでもない。

 それを証明するかのように、トールギスの映像モニタではヘビーアームズがビームガトリング砲をこちらへと向け……

 

「させるか、よ!」

 

 トールギスのスーパーバーニアを全開にし、強引にその場所から移動する。

 鍔迫り合いをしていたウイングガンダムのビームサーベルは、そのまま受け流すようにしてだ。

 だが、向こうもそのまま俺を逃がすつもりはなかったらしく、スーパーバーニアの加速力を使ってウイングガンダムから距離を取ろうとするのを、バルカンとマシンキャノンを使って妨害してくる。

 こちらの進行方向へと向かって放たれるその攻撃は、命中してもトールギスの装甲であればそこまでダメージにはならないだろう。

 しかし、確実に動きを鈍らせる効果はあった。

 

「さすがにやる!」

 

 一撃で倒すのは無理と考え、少しずつであってもこちらにダメージを与える手段に出たか。

 向こうにとっては、すぐにでも俺を倒して総会をやっている建物に突っ込みたいのだろうが……この辺の判断力は、さすがだな。

 ここで一気に俺を倒そうとすれば、結局戦いが長引いて自分達が不利になると理解しているかのような戦闘方法。

 だが……だからといって、こちらもそう簡単にやられる訳にはいかないんだよ!

 スーパーバーニアを使い、ウイングガンダムとの距離を開く。

 すると当然のように、待ってましたと言わんばかりにヘビーアームズのビームガトリング砲がこちらへと向かって放たれる。

 スーパーバーニアを使ってその攻撃を回避しつつ、ウイングガンダムとの間合いを考える。

 本来なら援護攻撃を行っているヘビーアームズの方を先に倒してしまえばいいんだが、ここまでの戦いですでにかなりの弾薬を消耗している。

 であれば、ビームガトリング砲を使い切れば残る武器は腕のアーミーナイフだけだ。

 そうなってしまったヘビーアームズは、それこそ体のいいカモでしかない。

 スーパーバーニアを全力で噴射させ、複雑な……普通の人間であれば、まず意識を保ったままではいられないような急激な軌道を描きつつ、ヒイロのウイングガンダムへと向かって、シールドを構えながら突っ込んでいき……

 

「ちぃっ!」

 

 ウイングガンダムとぶつかる直前、スーパーバーニアの方向を変えて上空へと急上昇する。

 そして……一瞬前までトールギスのあった場所を、大量の炎が通り過ぎていくのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:575
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1217

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