転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1501話

 祝勝会の会場から、俺とスレイ、夕呼、霞の4人は抜け出して俺の部屋へと戻ってきていた。

 さすがにあんな状況のパーティ会場にいつまでもいる訳にはいかなかった為だ。

 夕呼の護衛の神宮司は、護衛されている対象の夕呼からパーティを楽しむように言われてパーティ会場に残っている。

 いい男がいたら捕まえなさいと言われ、顔を真っ赤にしていたのが印象的だった。

 パーティ会場自体は、今頃SD化した炎獣が動き回って萌え殺すかの如きダメージをパーティ会場にいる者達に与えているだろう。

 一応適当に動き回ったら消えるように命じておいたから、これ以上騒ぎになるような事もない筈だ。

 パーティ会場も俺と夕呼の件で色々と混乱したが、炎獣のおかげで何とかなるだろう。

 

「……全く、アクセルの女好きもどうにかならないのかしらね」

 

 ようやく身体に力が入るようになった夕呼が、恨めしげな視線を俺に向けながらそう告げてくる。

 だがそんな夕呼の様子に、最初に口を開いたのは俺ではなくスレイだった。

 

「そもそも、嬉しかったからって最初にアクセルにキスをしたのは夕呼だろう? 色事で私達がアクセルに勝てると思っているのが間違いだと思うのだが」

「……ふん」

 

 少し不機嫌そうな様子の夕呼。

 まぁ、夕呼も何だかんだと研究一筋で生きてきただけに、男と付き合った事は……ない、とは言えない。

 夕呼の場合、何だかんだと男と付き合っていたと言われても納得してしまうだけの要領の良さがある。

 オルタネイティヴ4やら、霞の件やら、BETAの件やら……そんなのを色々とやっていたと考えれば、普通なら男と付き合うような余裕はないんだけどな。

 

「夕呼、男と付き合った事は?」

 

 考えれば当然その辺が気に掛かり、尋ねる。

 そんな俺の言葉に、夕呼が浮かべたのは呆れの色だった。

 そのままの口調で、溜息と共に口を開く。

 

「あのねぇ、そんな暇があったと思う? 残念ながら男と付き合った事はないわよ。何回かデートした事はあるけど、決まってパターン通りの行動をする相手ばかりで、馬鹿馬鹿しくなった覚えがあるわ」

「……なるほど」

 

 夕呼は、見た目に限って言えばちょっとその辺で見る事は出来ないくらいの美人だ。身体つきの方も男好きをすると言ってもいい。

 それだけに男からの誘いも多かったんだろうが……元々頭のいい夕呼を相手にして、男の方がそれに対抗出来なかったという訳か。

 いや、別に対抗する必要とかはないと思うんだが。

 ただ、今の夕呼の言葉を考えると、頭の良さで夕呼に負けたくないと思った者が多かったのだろう。

 

「はい、アクセルさん。これをどうぞ」

 

 そう言って、霞が俺の方に水の入ったコップを渡してくる。

 

「ああ、悪いな」

「いえ」

 

 俺の口から出た感謝の言葉に無表情を貫き……それでいながら、ウサギの耳をピョコピョコと動かし、内心の嬉しさを表していた。

 

「ふーん……やっぱりアクセルと社ってこうして見ると親子みたいね」

 

 唐突にそんな事を言ってくる夕呼だったが、そんな夕呼に反撃の言葉を口にしたのは、予想外な事に俺ではなくスレイ。

 

「霞の父親がアクセルだとすれば、母親はこの場合夕呼になるのではないか?」

「ちょっ、スレイ!? あんた、いきなり何を言ってるのよ!」

 

 スレイの口から出たのが予想外の言葉だったのだろう。夕呼が慌てたように叫ぶ。

 普段は冷静そのものといった様子の夕呼だったが、今は薄らと頬が赤くなっているのは、照れ……ではなく、どう考えても先程人の目の前で行われた濃厚なキスの結果か。

 

「ふむ、おかしな話か? 事実、霞はお前が後見人のような役割だろう? なら、母親役で、アクセルが父親役なら、2人は夫婦という事になるのではないか?」

「……あのね、あまり馬鹿な事は言わないでちょうだい。それより、ソ連が連れているという2人のESP能力者の件よ」

 

 頬が赤いまま、強引に話を逸らす夕呼。

 夕呼を苛めるのも楽しいけど、あまり苛めるとレモンを通して妙な仕返しをされたりしそうだしな。

 この辺にしておくか。

 

「イーニァとクリスカか。その2人をどうするって?」

「だから、本来ならその2人は社と一緒に私の部下になっていないといけないのよ。それをソ連が隠していたって事は、当然相応の罰があって然るべきよね」

「……まぁ、少し前ならその言葉にも納得出来たんだが……今はもう、オルタネイティヴ4は殆ど機能してないんだろ?」

 

 そう、そもそもBETAに対する作戦だったオルタネイティブ4だったが、現在は既にBETAの存在そのものが稀少になりつつある。

 オリジナルハイヴとその周辺にあるハイヴだけが現在地球のBETAに残されているハイヴであり、ハイヴの中でBETAを作ろうにも、シャドウミラーに輸出するBETAの死骸を目当てに、日々ハイヴにちょっかいを出してはBETAを誘き出し、それをリニアガン・タンクやガン・ルゥといった兵器で殺しているのだから。

 BETAが占領行動に出るのは、ハイヴ内に一定のBETAの数が増えてからというのが一般的に言われている定説なのだが、こうして資源としてのBETAを人間が狩っている現状、新たな侵略行為が出来る筈がない。

 オリジナルハイヴはまだ攻撃をされていないのでBETAの数に余裕はあるだろうが、周囲のハイヴのBETAが次々に狩られているので、最終的にはそっちに援軍を出すという事で、結果的にオリジナルハイヴのBETAを効果的に減らすという事には成功している。

 つまり、今のマブラヴ世界の人間にとって、BETAというのは既に資源と同じ扱いとなっているのだ。

 それも幾らでも湧いて出てくる、そんな資源。

 いや、実際にはBETAだって何もないところから生み出されている訳じゃない以上、このままの日々が続けば、いずれBETAの数も限界を迎えるだろう。

 ……中には、そうなったらまたBETAに資源を補充させる為に一時的に新たなハイヴを作るのを黙認しようという勢力が一定数いるんだよな。

 いや、言ってる事は理解出来る。

 純粋に資源の保護という意味で考えれば、それは決して間違っている訳ではないのだから。

 地下や鉱山を掘って各種資源を得るより、BETAの死骸をシャドウミラーに渡して資源を得た方が圧倒的に手間が掛からず、その上実際に資源を掘るよりも利益率が高い。

 その点だけを考えれば納得出来る話ではあるのだが、問題はその資源の対象がBETAだという事だ。

 地球で今までBETAがしてきた事……どれだけの人間がBETAに殺され、故郷をBETAによって破壊されてきたのか。

 それらの被害者の中には、当然BETAを全滅させずに生かしておくのに我慢出来ない者もいる。

 まぁ、逆にBETAを生かさず殺さずとする事で復讐心を満足させている奴もいるが。

 ともあれ、BETAの資源化というのは利益だけを見れば非常に高いのだが、心情的にそれを許容出来ない者がいるというのが問題となっている。

 今のところはまだそこまで大きな騒ぎになっていないが、このまま放置しておけばいずれ再びそれを許容出来ない奴が行動を起こし……下手をすれば、再びテロリストが活発に動き始めるようになりかねない。

 その辺は今後のこの世界の課題だ。

 ……とにかく、そんな理由から現在の地球でBETAは既に脅威と見なされていない。

 そんな脅威と見なされていないBETAに対する反攻作戦として用意されたオルタネイティヴ4に、クリスカとイーニァの2人を引き抜けるかと言われれば……少し難しいだろう。

 何しろ、オルタネイティヴ4そのものが既に形骸化しているのだから。

 だが……そう、だが。

 そこに俺というファクターがいれば話は別だった。

 事実、夕呼の中にあるのも俺を協力者にしようという事なのだろうから。

 それに、イーニァの部屋を見る限りでは、とてもではないが一般的な生活をしているようには見えない。

 粗末なベッドがあるだけで、壁には壁紙とかもない、ただ素のままの壁。

 そう考えれば、やっぱりソ連にいる事がイーニァやクリスカにとって幸せではないのは明らかだろう。

 だが、その辺は夕呼の下に引き取られてから自分達で決めるだろう。

 

「……はぁ、分かった。こっちの方で手を打つ」

 

 じっと意味ありげな視線を俺に向けてくる夕呼に、そう告げる。

 その瞬間、再び夕呼は俺の方に向かって一歩踏み出し……そのまま足を止める。

 うんまぁ、パーティ会場の時みたいに、喜びの感情が溢れて俺にキスの雨を降らせようとしたんだろうが……その結果が、腰砕けになる程のディープキスの返礼だったのを思い出し、動く事が出来なかったという訳か。

 

「本当ね?」

「ああ。霞の姉妹をああいう国にいさせたくはないし……何より、俺も子供を持つ身だ。その辺を考えれば、イーニァの扱いには納得がいかないしな」

 

 そう告げた瞬間、夕呼が何かを思い出したかのように納得した表情を浮かべ、霞はウサギの耳がピョコピョコと動く。

 

「そう言えば聞いたわよ? 新しい世界で孤児を拾ったんですってね」

「孤児……まぁ、分類を考えれば孤児か」

「何よ、奥歯にものが挟まったような言い方をして。何かあるの?」

「まぁ、そうだな。俺の養子になった子供……ラピスって言うんだが、夕呼に分かりやすく言えば、霞やイーニァ、クリスカといった面子と同じような身の上だ」

 

 ネルガルの社長派が作りだした、ルリの同類。

 遺伝子に手を加えられており、その証拠が金色の瞳だった。

 そういう意味では、霞達と似たような境遇にあると言っても間違いではないだろう。

 ポン、と霞の頭に手を置く。

 

「ラピスには、まだ友達が殆どいない。いや、それどころか友達を作る必要がないとすら思っている。だから、霞がラピスと会ったら仲良くしてやってくれないか?」

「はい」

 

 ウサギの耳がピョコピョコと激しく動いているのは何でだ?

 もしかして、俺に頼られたからとか、そういう理由だったりするのか?

 いやまぁ、こっちとしても霞はラピスと仲良くやっていけそうな気がするから頼んだんだが。

 2人とも、大人しいところが似ているし。

 それに、もし夕呼がイーニァやクリスカを引き取るような事になれば、そちらとも仲良く出来るだろう。

 イーニァは霞やラピスと比べると随分活動的だから、3人の中でリーダー格になるかもしれないな。

 いや、3人じゃなくて……ギアス世界の麗華も考えると、4人か?

 まぁ、麗華は何だかんだと結構大きくなって、思春期を迎えてもいいと思うんだが。

 ただ……元々麗華は非常に内気というか、大人しいというか、そう考えれば、やっぱり霞達とは空気が合うんだろうな。

 

「ただ、ソ連の方に何を言うにしても、それをやるのはブルーフラッグが終わってからだぞ」

「うん? どういう事? 後はブルーフラッグで優勝したアルゴス小隊がミネルバ隊との戦いをすればブルーフラッグは終わりでしょ?」

「残念ながら違う」

 

 夕呼の言葉に、首を横に振る。

 どうやら夕呼もその辺の事情は知らなかったらしい。

 いやまぁ、ブルーフラッグの関係者でもないのだから、当然かもしれないが。

 

「実はミネルバ隊との戦いが終わった後……隠しボス的な感じで俺とスレイ対カリンダ基地に所属する全ての小隊との戦いが行われる」

「……本気?」

 

 そう告げた夕呼の表情に浮かんでいるのは、呆れの色だ。

 分からないでもない。

 実際、それだけの戦力差であっても、俺とスレイの勝ちはほぼ決まったようなものなのだから。

 だが……それでも、プロミネンス計画に参加している小隊だと考えれば、こっちに驚きの一矢を報いるだけの奇跡を見せてくれる可能性は十分な程にあった。

 実際戦術機でニーズヘッグやファブニールを相手に勝てるとは、カリンダ基地の司令官であるクラウスも思っていないだろう。

 しかし、強敵との戦いというのは戦術機のパイロットにとっては絶対に必要なものでもあった。

 相手を侮るような真似をしないようにする為にも。

 何しろ、相手を侮った結果がユーラシア大陸の大部分をBETAに占領されるというものだったのだから。

 BETAに関しては、俺達シャドウミラーが介入したおかげで殆ど駆除されており、残っているのは資源用の死骸を集める為の養殖場の如きハイヴのみだ。

 だが、いつまでもこのままで済むとは思っていないし、BETAは戦術を変化させることもある。

 その代表例が、光線級、重光線級だろう。

 ……そう考えれば、妙な事をされない今のうちに喀什ハイヴを落としておいた方がいいのかもしれないな。

 そうすれば、他の4つのハイヴを本当の意味で養殖ハイヴに出来るのだから。

 

「ま、最後のサプライズだし、楽しみにしててくれ。……いや、それとも明日には日本に戻るのか?」

「いえ、元々ミネルバ隊の件は興味深かったから、それを見てから帰るつもりだったのよ。そう考えれば、ニーズヘッグとファブニールを見る事が出来るのは幸運だったかもしれないわね」

 

 笑みを浮かべながら、夕呼はそう呟くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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