転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1497話

 俺とスレイが隠しボスになる事が決まってからも、ブルーフラッグは順調に進む。

 そうしてブルーフラッグも後半戦に進み……この頃になると、既に優勝チームは何チームかに絞られていた。

 まず、未だに全勝を続けているのがアメリカのインフィニティーズと、アルゴス小隊。

 正直、インフィニティーズはラプターの改修もまだ殆どされていないままこのブルーフラッグに参加しているが、それは逆に考えればブルーフラッグに参加しながらラプターの改修ポイントを考えていると言ってもいいだろう。

 アメリカの中でも最精鋭が揃っているだけあって、その戦いぶりは圧巻と呼ぶのが相応しい。

 そんな訳で、現在堂々の優勝候補となっている。

 そしてアルゴス小隊。

 正直なところ、強いとは思っていたが、それでもここまでの実力を発揮するとは思っていなかった。

 やはりブリッジスが篁との模擬戦で日本製戦術機の操縦に慣れてきたというのが大きい。

 そのブリッジスが操る不知火弐型が主戦力となり、他のチームを次々に葬っていった。

 ……いや、模擬戦だから実際には葬ったりはしてないんだが。

 それ以外にも、タリサの近接戦闘技術や、ステラの狙撃、オールマイティーに動けるVGといった具合に、チームバランスも問題はない。

 そんな訳で、アルゴス小隊もインフィニティーズと並んで全勝の優勝候補の一画だ。

 カリンダ基地で行われている賭けでは、対抗という扱いになっている。

 そしてインフィニティーズとアルゴス小隊とほぼ互角の勝ち星を挙げているのは、ソ連のイーダル小隊。

 現在の負けは1敗のみ。

 その1敗も、戦って敗れたのではなく何らかの事情で模擬戦を棄権したというのが大きい。

 実際に戦っている状態では全勝である以上、インフィニティーズやアルゴス小隊に勝利すれば、まだ優勝する可能性は十分にあった。

 ただ、その1敗……不戦敗と同じ事がまた起きないとも限らず、そう考えると色々と不安要素は強い。

 この3チームを追っているのが、インフィニティーズとアルゴス小隊に負けて2敗の暴風小隊。ちなみに上位3チームのうち、イーダル小隊が不戦敗をしたのはこの暴風小隊だったりする。

 他の3チームに比べて有利な点は、既に上位3チームとの戦いを終えている事だろう。

 他の3チームはまだ潰し合ってはおらず、その潰し合いの結果如何によってはまだ優勝に手が届く位置にいる。

 他のチームも見るところはあれど、優勝候補は実質的にこの4チームに絞られたと言ってもいい。

 ……何だかインフィニティーズと戦った大東亜連合のガルーダ小隊の一部から、ラプターを使うのは卑怯であり、謝罪と賠償を要求するとかいった妄言があったとかなかったとか……まぁ、すぐに同じガルーダ小隊のメンバーがそれを押さえたんだが。

 うん、どこの国とは言わないが、いつもいつも苦労を掛ける。

 大東亜連合の中でも、その国以外の国には取引の際に多少色を付けてやった方がいいだろうな。

 そんな風にブルーフラッグが進んでいる中、俺とスレイの機体もしっかりと模擬戦仕様に改修され、既に空間倉庫の中に入っている。

 ……ちなみに、優勝したチームがミネルバ隊と戦うという話は既に公表されており、かなり評判になっていた。

 それでいながら、ミネルバ隊との模擬戦が終わった後でシャドウミラーがラスボスとして出現するというのは、まだ各チームの指揮官にしか知らされていない。

 当然その情報はブルーフラッグに参加している者達に知らされるのは禁じられている。

 何しろ、ラスボスで隠しボスだしな。

 各チームの指揮官達にも、今回の模擬戦に参加するのはシャドウミラーの機体であるという事しか知らされていないので、今頃頭を悩ませているだろう。

 まぁ、そっちの方がどうにかなるかどうかは……いや、プロミネンス計画に参加している全ての国々がその力を無事に発揮する事が目的なのだから、勝敗はどうでもいいのか。

 勿論シャドウミラーの代表としてラスボスに立候補した以上、負けるつもりは毛頭ないが。

 ともあれ、そんな風にサプライズの準備が着々と進んでいく中……当然のように、ブルーフラッグは現在も行われていた。

 

「ほう、この戦いが今日の目玉か」

 

 スレイが映像モニタを見ながら、呟く。

 現在俺達がいるのはアルゴス小隊の作戦室。

 当然そこには篁やイブラヒムを始めとして、ブルーフラッグに参加しているブリッジス、VG、タリサ、ステラといった面々もいる。

 実際に機体に乗る4人がパイロットスーツを着ているのは、少し前にアズライール小隊……中東連合から派遣されてきているチームとの一戦を終えたからだ。

 当然のようにその戦いはアルゴス小隊の勝利で終わり、また白星を増やした訳だ。

 

「そうね。私達も含めてトップ勢の中の2つがぶつかるのだから、これは今日の目玉と言ってもいいでしょうね」

 

 スレイの言葉にステラが頷く。

 その視線の先にある映像モニタに映し出されているのは、インフィニティーズ対イーダル小隊。

 そう、アルゴス小隊と並ぶトップ勢同士の戦いだ。

 

「けど、多分インフィニティーズの勝利だろ? 幾らスカーレットツインが強力だからって、たった1機で何が出来るんだよ」

 

 不満そうに呟くタリサ。

 何でも俺とスレイがカリンダ基地に来る前……丁度ブリッジスがカリンダ基地にやってきた頃にスカーレットツイン……つまりクリスカとイーニァと揉めたらしい。

 一応その件は上の方で色々と話し合った結果、何もなかったことになったのだが……まぁ、実際には色々と裏であったのは確実だろう。

 ともあれ、そんな理由もあってタリサのイーダル小隊に対する印象は悪い。

 ステラも出身国の関係でソ連を嫌っているのを考えれば、アルゴス小隊とイーダル小隊の相性は最悪なのだろう。

 それでいながら、ブリッジスはクリスカと話しているし、イーニァにも懐かれている。

 それが余計にタリサやステラの感情を逆撫でしているといったところか。

 また、タリサが言っているのは決して相性の悪さからの話だけではない。

 何故なら、今タリサが口にしたように、イーダル小隊はスカーレットツインだけが戦闘に参加しているのだから。

 勿論形としての小隊メンバーは他に3機いる。

 だが、実際に戦闘をしているのは、スカーレットツイン……クリスカとイーニァの2人だけな訳だ。

 それでいながら、今まで戦えば全勝――不戦敗が1つあるが――というのは、それだけクリスカとイーニァの強さを示している。

 だが、その強さもこのプロミネンス計画に参加している小隊の中では最上級の力を持っているインフィニティーズを相手にどうにか出来る程かと言われると……少し厳しい。

 ただ、個人的には他の3機もそれなりにやる気を出してもおかしくはないと思うんだけどな。

 シャドウミラーとソ連というのは、今までの経過を考えて色々と仲が悪い。

 それこそ、タリサやステラと比べても仲が悪いと言ってもいい。

 それだけに、当然BETAの死骸を使った取引も、他の国々に比べると少なくなっている訳で……つまり、BETAの死骸と引き替えに得られる資源も少ない。

 ソ連というのは、国土や住人の数で考えればかなりのものだ。

 そうなると資源とかの消耗は必須な訳で……優勝賞品は喉から手が出る程に欲しいだろう。

 勿論他の国だって資源は幾らあっても足りないのだから、欲しくない訳ではない。

 だが、ソ連はそんな他の国々以上に資源を欲している訳で……

 

「うおっ、いきなりラプターが落とされたぞ!?」

 

 タリサの驚愕の声が周囲に響く。

 そう、スカーレットツインの機体が、試合開始1分もしないうちにラプターを1機落としたのだ。

 ……まぁ、ラプターの最大の売りのステルスが殆ど通用していないようだしな。

 どうしたって、マブラヴ世界の技術とホワイトスター経由で入ってきた他の世界の技術では大きく異なる。

 そうなれば、必要になってくるのはあくまでも個人の操縦技術。

 いや、チームプレイも重要になってくるのか。

 ただ、スカーレットツイン……クリスカ達の場合は、あくまでも個人の動きでラプターを撃破している。

 だが、幾らクリスカ達であっても、インフィニティーズを相手にして楽に勝てる筈もない。

 

「あ」

 

 その言葉を発したのは、タリサ。

 意外な事に、クリスカ達が被弾したのを見てそんな声を漏らしたのだ。

 てっきり嫌ってばかりいると思っていたんだが、内面では結構認めたりしているのか?

 ともあれ、突撃砲の一撃により左腕にペイントが付くと、左腕は使用不可能になる。

 

「上手いな。仲間がやられても、それを活かして敵に被害を与えるか。誰だ?」

「あの機体は……レオン・クゼね」

 

 ステラの言葉に、ブリッジスが嫌そうな表情を浮かべる。

 まぁ、殴り合いをした仲なんだ。その辺は当然だろう。

 だが、当然クリスカ達もやられたままではおかない。

 自分が攻撃を受けたのをそのままに、もう1機のラプターのコックピットに突撃砲から放たれたペイント弾が命中する。

 これで残りのインフィニティーズは2機。

 レオンの機体と、小隊長の機体だな。

 その2機を相手に縦横無尽の戦いを繰り返すクリスカ。

 ここでイーダル小隊の残り3機が援護をすれば、イーダル小隊の勝利で決まりそうではあるんだが、相変わらず他の3機が手を出す様子はない。

 映像モニタの中では、クリスカの機体がインフィニティーズの小隊長の機体に移動しながら突撃砲を放ち、同時に小隊長が放った突撃砲はクリスカの機体の左足に命中する。

 クリスカの機体が使えるのは、右手と右足。

 それに比べると、レオンの機体は五体満足。

 さて、残り1機を相手にクリスカはどうする?

 そんな俺の予想とは裏腹に、クリスカはナイフを抜くと一気にラプターへと向かい、レオンは近づけまいとして突撃砲を撃つが、それはクリスカの機体には当たらない。

 そうして近づいてきたクリスカを撃ち落とせないと判断したレオンも同様にナイフを手に取り……お互いが交差すると、お互いにコックピットにナイフの先端が突き刺さったと示すペイントがくっついていた。

 

「相打ち、ね」

 

 ステラの言葉が周囲に響く。

 その言葉通り、クリスカの機体は撃破判定となり、レオンの機体も同様に撃破判定。

 相打ちではあるが……イーダル小隊の他の小隊員3機は未だに無傷であり、結果としてインフィニティーズ対イーダル小隊は、イーダル小隊に軍配が上がった。

 

「予想外の結論と言うべきか、順調な結論と言うべきか。ともあれ、ソ連としては十分に満足いく結果だろうな」

 

 アメリカを敵視する事の多いソ連だ。

 そのソ連のイーダル小隊は、たった1機でアメリカ最強の戦術機、ラプターを有するインフィニティーズ4機を全滅させたのだから。

 ソ連にとっては、最高の結果だと言えるだろう。

 まぁ、クリスカやイーニァの能力を考えれば、ある意味当然なのかもしれないが。

 

「ともあれ、これで全勝は俺達だけか」

 

 ブリッジスの呟き。

 そう。これで、インフィニティーズは黒星が1つ付いた。

 それに比べると、アルゴス小隊は未だに全勝。

 現在最も優勝に近いチームと言える。

 ……まぁ、上位陣とは暴風小隊以外まだ当たっていないのだから、優勝に近いと言っても今だけなのだが。

 

「アルゴス小隊の次の戦いはどことだ?」

「明日インフィニティーズとの戦いとなります」

 

 俺の言葉に、篁が即座に答えてくる。

 なるほど、明日の戦いでもインフィニティーズに勝てば、インフィニティーズは2敗となり、本格的に優勝争いのトップからは落ちる。

 2敗しても優勝の可能性が完全に消えたとは言わないが、それでも自力での優勝は難しくなるだろう。

 そうなれば、トップは全勝のアルゴス小隊でイーダル小隊が1敗で追ってくる展開になる。

 だが、それも全ては本当に明日のインフィンティーズとの戦いで勝ち抜いてこそだ。

 

「明日が正念場だな」

「はい。正直なところ、機体の性能という意味では互角か……こちらの方が若干勝っているとさえ思います」

「だろうな」

 

 元々の不知火であれば、基本性能でラプターに勝る事は出来なかっただろう。

 だが、今の不知火はシャドウミラーの技術……いや、SEED世界のMSの技術という方が正しいか。

 ともあれ、そんなMSの技術で発展した日本の技術が使われている。

 勿論武御雷のように全面的にMSの技術を融合しているという訳ではないが、それでも不知火にもMSの技術は使われているのだ。

 そう考えれば、ラプターよりも性能が上なのは当然だろう。

 ……さすが、この世界で最初にMSを得ただけはあるな。

 アメリカは最初の印象が色々と悪かったのが痛い。

 その結果、MSの技術で他の国々に大きく遅れを取ったのだから。

 決意を込めた視線をこちらに向けてくるブリッジスを見て、明日の戦いは面白くなりそうだと笑みを浮かべるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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