転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1493話

「アクセル代表、ですか?」

 

 スレイは用事があるということで、カリンダ基地の食堂で一人寂しく食事をしていた俺に、そんな風に声が掛けられる。

 声のした方へと振り向けば、そこにいるのは2人の男女。

 1人は青に近い髪をして、サングラスを掛けている男。

 もう1人は、金髪をして人好きのする笑みを浮かべている女。

 ……見覚えのない2人だったが、午前中にヴィンセントから話を聞いていた俺は、2人がどこに所属している人物なのかがすぐに分かった。

 何故なら、俺に声を掛けてきた男の顔に幾つもの青痣があったからだ。

 どうやら、ブリッジスが一方的にやられたという訳ではなかったらしい。

 恐らくサングラスも、目の周りにあるだろう青痣を隠す為のもの……か?

 

「ああ、どうやら今日は随分と派手にやったようだな、レオン・クゼ」

「……自分の名前を?」

 

 サングラスをしているので分からないが、レオンが雰囲気から驚いているというのは分かる。

 また、女の方はサングラスとかをしていないので、素直に驚きの表情を見る事が出来た。

 

「ああ。お前も知ってる通り、俺はXFJ計画のアドバイザーというか、オブザーバーというか……ま、そんな感じの役割だしな。当然今日もアルゴス小隊に合流して、ブリッジスがお前と同じように顔に青痣を付けているのをしっかりと見ている」

「……」

 

 どことなく困った様子を見せるレオン。

 ……へぇ、てっきり最初に篁に見せていたブリッジスのような性格かと思っていたら、レオンの方はそれなりに人懐っこいらしい。

 

「まぁ、殺す殺さないのところまでいかなければ、お前達の関係にどうこう言って口を出すつもりはない。その辺は心配しなくてもいいぞ」

「ありがとうございます」

 

 敬礼をするレオンの横で、女の方が溜息を吐いている。

 もっともその溜息は、失望とか怒りとかそんな感じの溜息ではなく、しょうがないなといった感じの溜息だが。

 一緒に俺の下に来ているのを見る限り、この2人は仲がいいらしい。

 もしかしたら付き合っているのかもしれないな。

 

「ほら、お前達も座れ。ここは食堂だから、そんな風に立ったままだと目立つぞ」

 

 実際、食堂の中にいる連中は俺達の方に視線を向けている。

 シャドウミラーの代表という立場の俺だが、一応この基地では一軍人として扱うように命令が出されている筈だ。

 そういう命令を出すのはどうかと思うんだが、そうでもしないと俺が身動き出来なくなる状況になりかねないしな。

 そんな意味だと、レオンが俺に話し掛けて来たのは色々とイレギュラー的な意味があるのだろう。

 ああ、崔もそっちに含まれるか?

 ともあれ、レオンと女は俺と向かい合うような席に座る。

 椅子に座るとレオンがサングラスを取るが、予想通り目の周りには青痣があった。

 

「その、自分達の名前を知ってるようですが、一応自己紹介させて貰います。アメリカ陸軍、第65戦闘教導団インフィニティーズ所属の、レオン・クゼ少尉です」

「同じくシャロン・エイム少尉です」

「レオンにシャロンか。俺も自己紹介は必要か?」

「いえ、アクセル・アルマーという名前を知らない者はいませんから」

 

 その言葉に、そうだろうなと頷き、グラタンとピザへと手を伸ばす。

 どちらもシャドウミラーを通して輸入された食材で作られている料理だ。

 栄養バランス的には色々と問題のありそうなメニューだが、幸いと言うべきか、俺の場合の食事は栄養じゃなくて味を楽しむものでしかない。

 だからこそ、その気になれば毎食イチゴパフェとショートケーキなんて真似も、やろうと思えば出来る。……やらないけどな。

 ともあれ、レオンとシャロンの2人は特に料理を持っていなかったので、手ぶらで俺の前に座っているだけだ。

 

「それで、何の用だ? ただ挨拶をしに来ただけか?」

「……いえ。アクセル代表が日本のXFJ計画に参加していると聞き、是非お話しを聞かせて貰いたいと思いまして」

「いや、それは別に俺に聞く必要はないんじゃないか? それこそブリッジス……は無理でも、ヴィンセント辺りに聞けばいいだろうし」

 

 ブリッジスという名前を口にした瞬間、レオンが一瞬だが眉を顰める。

 どうやら絶対にブリッジスとは仲良く出来ないらしいな。

 シャロンの方は、苦笑に近い笑みを浮かべているが。

 

「それで、シャロンだったか? そっちの方は何をしに来たんだ? お前もXFJ計画についてか?」

「いえ、私はアクセル代表にお礼を言いたくて」

「……お礼?」

 

 いやまぁ、確かに俺はこのマブラヴ世界にとって色々と感謝の言葉を言われるような事をしている。

 だが、それでも誰か1人に直接そんな風に言われるとは……思えなかった。

 

「はい。実は以前アクセル代表がテロリストから助けてくれた者の中に、私の親戚がいまして」

「……悪い、誰の事かさっぱり分からない」

 

 何と言っても、この世界は異様な程にテロリストが活発に動いている。

 それだけに、多くのテロリストと戦ってきた以上、一々誰を助けたとかいうのは覚えていない。

 まぁ、そんな風に助けた中にシャロンの親戚がいたのだろう。

 どこのテロなのかは全く分からないが。

 

「そうですか。覚えていないのは残念ですけど、是非お礼を言いたいと思っていましたので、それだけで私は満足です」

「そうか。……で、XFJ計画の事だったな。何でそれを気にする? ブリッジスが参加しているからか?」

 

 取りあえずシャロンの用件はそれで終わったと判断し、改めてレオンに尋ねる。

 だが、てっきり頷くものだとばかり思っていたレオンは、首を横に振る。

 

「いえ。……実は、XFJ計画について知った時、自分が立候補しました。ですが……」

 

 苦々しげな様子のレオン。

 その言葉は俺にとっても意外なものだった。

 いやまぁ、日本人の血を引いている事に誇りを持っているというレオンだ。

 日本とアメリカが協力して行うXFJ計画の事を知ったら、自分がやりたいと思うのは当然だろう。

 だが……結局そのXFJ計画に選ばれたのは、レオンではなくブリッジスだった。

 ……レオンが悔しく思うのは当然だろう。

 その代わりに、アメリカ軍の中では最精鋭部隊と言われているインフィニティーズに所属する事になった訳だ。

 

「そうだな、現在は順調に進んでいると思うぞ。ブリッジスも日本製戦術機の扱い方に慣れてきたようだし。責任者の篁にも日本製戦術機の扱い方を習っているし」

 

 その言葉に、レオンは心の底から意外そうな表情を浮かべる。

 まぁ、そうだろうな。以前までのブリッジスを知っていれば、それこそ信じられない話だ。

 いや、驚いているのはレオンだけではない。シャロンの方も驚いている。

 しかも、レオンと比べても目を大きく見開き、余計にその驚き具合は強い。

 つまり、シャロンはそれだけブリッジスの事を詳しく知っていたのだろう。

 もしかしたら、ブリッジスの恋人だったのかもしれないな。

 いや、もしかしたら今もか? ……篁が聞いたら、何て言うのやら。

 

「あの男が……日本人に教えを?」

「ああ」

 

 信じられないといった様子で尋ねてきたレオンに、俺は即座に言葉を返す。

 実際問題、ブリッジスと篁の仲の悪さを考えれば最初に見た時、こんな流れになるというのは全く予想出来なかった。

 だからこそレオンやシャロンも驚いているのだろう。

 

「お前達がブリッジスに対して、どんな思いを抱いているのかというのは分からない。だが、ブリッジスは前に進んでいるというのだけは覚えておいた方がいい」

「……あいつが……」

「それに、気にするべき相手はブリッジスだけじゃない。このプロミネンス計画に参加している他の国にも、エース級はゴロゴロいるぞ?」

 

 というか、他の国々がエース級を送り込んできているというのが正しいのだが。

 インフィニティーズは、アメリカでは精鋭なのかもしれない。

 しかし、ブリッジスの例に漏れず実戦経験そのものはそこまで多くはないだろう。

 ああ、だがそれはあくまでもBETAに対するものであって、対人戦は違うか。

 で、このプロミネンス計画では対人戦が重要視されている……というか、BETAとの戦いは残り少ないハイヴの周辺までいかなければ出来ないしな。

 で、今はもうこの世界の人間にとってハイヴというのは貴重な資源になりつつある訳で。

 ……まぁ、BETAの死骸が現在のこの世界の主要な輸出品になっているしな。

 これがあるからこそ、シャドウミラーから安価に資源の類も輸入出来ている訳で。

 この世界にとって、BETAというのは幾ら憎んでも足りない敵であると同時に、輸出品……いや、キブツに突っ込んで色々な品の原材料にしているのだから、輸出資源と呼ぶべきか? ともあれ、そんな存在だ。

 それだけに、ハイヴを全て破壊してBETAを全滅させてしまえば輸出資源がなくなってしまうことになる。

 そうなれば、BETAによって荒らされたこのマブラヴ世界において、シャドウミラーと取引をするのは難しい。

 いや、勿論他にも色々とこの世界特有のものがあるのは分かっている。

 長年BETAとの戦いを続けてきただけあって、外傷に限定されるが治療技術はこの技術的後進世界であるとは思えない程に発達しているし。

 戦術機は……正式に条約を結べば兵器の輸出制限に引っ掛かってしまうから輸出出来ないな。

 ……うん? だとすれば、輸出可能なのは治療技術くらいか。

 あるいは、外骨格辺りの武装を解除して作業用重機として輸出するのは……まぁ、ありか。

 ともあれ、今のこの世界にとって残り少なくなったハイヴというのは、倒すに倒せない状況に陥ってしまっているということになる。

 

「アクセル代表?」

「いや、何でもない。ちょっとこの世界について考えていただけだ」

 

 何気なく呟いたその言葉だったが、意外な事にシャロンが真っ先にそれに反応する。

 

「そう言えば、アクセル代表は色々な世界に行ってらっしゃるとか。その世界の中で、この世界はどのような具合なんでしょう?」

「どのような具合と言ってもな。……例えば、マクロス世界という世界がある」

「VFですね」

「……詳しいな」

 

 まぁ、マブラヴ世界とはまだ正式な条約を結んでいる訳ではないが、それでもシャドウミラーや他の世界の情報を隠している訳ではない。

 勿論、魔法球の存在とか、機密事項については話が別だが。

 それにVFは以前この世界に派遣して貰った事もあるし。

 

「はい。他の世界に興味がありますので」

「そうか。ともあれ、そのマクロス世界という世界では、過去に宇宙人との戦いで地球人が滅ぼされそうになった事がある。……この世界と似ているとは思わないか?」

「ですけど、今は外宇宙にも進出してるんですよね?」

「そうなるな。ただ、地球が受けた被害はこの世界とは比べものにならないくらいに酷いものだったらしいぞ?」

 

 俺が知ってるのは、マクロス世界のデータベースに残されていた情報と、原作知識しかない。

 だからマクロス世界の住人程の実感はないかもしれないが、そんな俺の目から見ても酷いと思われるような状態だったのは間違いない。

 何しろ、地球上にあった建物の殆ど全ては消滅し、生き残りも少数だったという話だし。

 ……そこから100年も経たないうちにあそこまで発展させるんだから、マクロス世界の住人の力は並大抵ではない。

 まぁ、その方法がゼントラーディのクローン装置? だとかを使い、その結果として遺伝子異常の植物とか動物とかが増えたから、最終的にはその方法も禁止になった……とかシェリルから聞いたような覚えがある。

 

「それは……凄いですね。正直、どうやったらそんな真似が出来るのか、全く分かりません。私達の地球でもその辺が上手く出来ればいいんですが」

 

 シャロンが羨ましそうに呟く。

 アメリカやオーストラリア、日本、アフリカといった場所はBETAに侵攻されずに済んだが、地球の中で最も大きなユーラシア大陸はBETAによって大きな被害を受けている。

 山は削られ、川は埋められ、まさに荒野と呼ぶに相応しい光景。

 それでも、シャドウミラーを通して他の世界の協力を得て、今はBETAによって荒らされた場所を蘇らせようとしている。

 

「安心しろ。時間は掛かるかもしれないが自然は回復する。何しろ、火星を人が住めるようにした技術とかも使われているしな」

「……そうだといいんですけど」

「それに、絶滅した動物とかについても、可能な限り復活させるらしいぞ。ギアス世界、ネギま世界、SEED世界辺りから連れてきて」

 

 同じ生物でも、他の世界から持ってきて共存出来るのか。

 その辺は疑問に思うが、レモンが言うには問題ないらしい。

 ……まぁ、違う世界の生物が同じ場所で暮らしているという意味では、それこそホワイトスターにある俺の家なんかは見事にそれだしな。

 レオンとシャロンに、テラフォーミングの話をしながら、そう考えるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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