転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1473話

「そっちのコンテナはもう満杯だ! 違うコンテナに死体を持っていけ!」

「えっと、何て言ったか。そうだ要塞級だ! その死体はビームサーベルを使って切り分けてコンテナに入るようにしろ! ブロック肉的な感じで!」

「突撃級の装甲殻は場所を取るから、装甲殻だけで纏めてコンテナに入れろ!」

 

 そんな風に、ミネルバのオペレーターが発する声が聞こえてくる。

 それでも怒声が聞こえてくるのはこちらだけで、実際に作業をしているMS部隊の声は通信を通してしか聞こえてこない。

 ……地球でコンテナにBETAの死体を入れる時は、人間も外で行動しないといけないから悪臭に苦しめられるんだが、ここは火星だ。

 人間が生身で外に出られるような場所ではない為、悪臭についての声は聞こえてこない。

 ……まぁ、こうして映像モニタを見る限りでは、コンテナの外側にBETAの肉片や血といったものがついているので、キブツに投入する時は結構被害が大きくなりそうだが。

 ファブニールのおかげで、俺がわざわざ運ぶ必要がなくなったというのは大きいな。

 もしこれでファブニールがまだ正式採用されていなければ、俺が空間倉庫に入れるか、それともニーズヘッグでシステムXNを使って転移する必要があるのだから。

 

「ま、これも経験だろ」

 

 取りあえずそう呟き、視線の先で行われている悲喜こもごもといったやり取りを眺める。

 ミネルバ隊の連中は、当然のようにMSで肉体を切り分けるなんて真似をした事がない者の方が多い……というか、経験した事のある奴はいないだろう。

 マブラヴ世界やマクロス世界ならそんな経験があってもおかしくはないのだが……SEED世界でそんな体験をするのは難しい。

 羽鯨だったか。あれが現実にいれば、恐らくそんな経験をする奴がいたかもしれないが。

 ああ、でもそんな真似をすると自称自然保護団体辺りが騒がしくなるか。

 それはともかくとして、整備班辺りは今回の件が終わったら死屍累々なんじゃないだろうか。

 BETAの肉片とかがたっぷりとついており、その血も同様に付着した機体だ。洗浄するだけで一苦労だろう。

 

「アクセル代表、本当に捕獲したBETAは全てこちらで貰っても構わないのですか?」

「ああ。ただ、BETAは基本的に人を襲う。それを理解した上で持ち帰るといい。ああ、それとBETAはハイヴがないとエネルギー供給が出来ないから、多くを連れて帰ってもそう遠くない内に死んでしまうと思うぞ」

「ええ、その辺については今回の件に参加する前にシャドウミラーから提供されたデータで把握しています」

 

 今回の火星での件の前に予習はきちんとしてきたらしい。

 いや、それは当然か。そもそも生真面目な軍人なタリアの性格を考えれば、初めて行く未知の世界について何も調べておかないという事は有り得ない。

 

「ならいい。プラントは高い技術力を持っているからな。BETAの解析で何か分かったり、新素材を見つけられる事を期待してるよ」

「あら、技術力の高さという面では、とてもではありませんけどシャドウミラーには敵わないですよ」

 

 そう言って笑みを浮かべるタリア。

 艶然とした笑みは、黙っていても艶のようなものがある。

 ……タリアは結婚しているし、小さいけど子供もいる人妻だしな。

 人妻艦長……そう聞くと何だか微妙にいやらしいように思ってしまうのは俺の気のせいか?

 

「うん? どうかしました?」

「いや、何でもない。それより、コンテナの方はどのくらい終わってる?」

 

 危ない危ない。妙な事を考えていたと知られれば、ホワイトスターに戻った時に何て言われるか。

 ただでさえ、ホワイトスターには女の勘が全開で働く面子が多いんだから。

 特に千鶴なんか外見の話をするとどこからともなく……って、まさか!?

 咄嗟に背後へと振り向くが、そこには誰の姿もない。

 当然長ネギを手にした千鶴の姿も存在しなかった。

 

「……アクセル代表?」

 

 いきなりの俺の行動に、タリアが不思議そうな視線を向けてくる。

 いや、その気持ちは分からないでもないが……傍から見れば、今の俺の様子は明らかに不審なものだったのだから。

 

「いや、それよりコンテナの方は?」

「MSの方も大分バッテリーを消費している機体が多くなってきたので、そろそろ一旦格納庫に戻してバッテリーを充電させようかと思ってます。何か問題でもありますか?」

「問題はない。問題はないんだが……一応聞いておくけど、BETAの死体からはとんでもない悪臭が放たれているってのは知ってるよな?」

「ええ、勿論。ですが、整備の者達も自分の仕事をしないという選択肢はありません」

 

 あー、これは直接BETAの悪臭を嗅いだ事はないな。

 だからこそ、こうして何とかなると考えている訳か。

 ……まぁ、責める事は出来ない。

 実際にBETAの悪臭というのは、自分で嗅いでみなければどれ程のものなのかというのははっきりと分からないのだから。

 

「技術班の方には何らかの臭い対策はさせておいた方がいいかもしれないな」

「……そこまで臭いが酷いのですか?」

 

 しみじみと呟いた俺の様子に、何か思うところがあったのだろう。タリアは不思議そうに尋ねてくる。

 

「ああ。その辺の認識を一致させる為には、一度全員がBETAの死体の悪臭を嗅いだ方がいいと思う。百聞は一見にしかずっていうけど……この場合、臭いも同じなのか?」

「どうでしょう。……メイリン、格納庫の人達に臭いに気をつけるように言ってちょうだい」

「え? でも……臭いに気をつけるって、どうすれば?」

「……そうね。最初生身でMSについているBETAの血や肉片の臭いを嗅いでみて、それでどうしようもないのならノーマルスーツを使ってもいいわ。効率は落ちるでしょうけど」

 

 だろうな。直接自分の手で作業するのに比べると、ノーマルスーツを着ての作業では効率が圧倒的に落ちるのは仕方がない。

 手を保護する意味で手袋をする者も多いが、どうしてもノーマルスーツを着てしまえばその辺は鈍くなってしまうのだから。

 それでもBETAの悪臭における作業効率の低下と比べれば、そちらの方がまだマシだと考えたのだろう。……それは、俺も同意見だったが。

 メイリンが格納庫に指示を出している光景を見ながら、改めて俺は映像モニタへと視線を向ける。

 そこではインパルスを含めたMSがBETAの死体を切断してはコンテナへと詰め込んでいる映像が映し出されていた。

 ……うん、色々と大変そうな気はするが、これも実戦の経験だろう。

 大人しく慣れて貰う他はない。

 まぁ、倒した相手を切断してコンテナに詰め込む作業がどんな役に立つのかは分からないが。

 普通に考えれば、全く役に立ちそうもないよな。

 ともあれ、結局この作業は数時間続き……10万単位のBETAをその数時間でコンテナに詰め込める筈もなく、最終的には夕方くらいには終わりを告げるのだった。

 夕方といっても、船内時間での夕方であって火星の夕方は夕日が見えたりする訳ではないが。

 残っているBETAの死体は、メギロートやシャドウがコンテナへと入れて纏めるだろう。

 本来ならバッタとかもこの作業に携わればいいんだろうが……残念ながら、バッタの大きさを考えればBETAの死体を集めるのに殆ど役には立たない。

 何しろバッタの大きさは人間とそう変わらないしな。

 どうしたって、バッタ数機よりもメギロートの方が運ぶのは楽だろう。

 そんな具合に一方的な蹂躙とも呼べる戦いとBETAのコンテナ詰めが終われば……最後に待っているのは祝勝パーティだった。

 ただし、ホワイトスターじゃなくてマーズゼロを基地化した場所でだが。

 本来ならホワイトスターに呼びたかったんだが、ミネルバの乗員は何だかんだで人数が多い。

 でもってオーブとは違ってプラントというのは完全に信用出来る訳じゃない。

 勿論ルナマリアやメイリンといった風に面識のある人物なら信用出来るし、タリアみたいに大きな視野で物事を見る事が出来る者ならホワイトスターで問題を起こすという事の重大さを理解出来るだろう。

 だが……中にはそんなのは全く関係ないと自分勝手に動くような奴も少なからずいる。

 特にザフトに所属している者だと、どうしてもコーディネイター以外を……ナチュラルを見下すような奴もいるだろうし。

 実際にはホワイトスターにいるナチュラルというのはネギま世界の住人やシャドウミラーのメンバーも多く、その辺のコーディネイターはあっさり倒すだけの実力を持っている。

 それを理解出来ないで騒動を起こされては堪らないし、こちらとしても色々と目を配る必要がある。

 だが……このマーズゼロであれば、基本的に働いているのはメギロートと量産型W、それと最近配備されだしたバッタ程度だ。

 それ以外だと、精霊の卵を含めてシャドウミラーのメンバーも多い。

 そんな訳で、このマーズゼロでなら俺達も、ミネルバ隊の面々も羽を伸ばしてゆっくり出来るという訳だ。

 

 

 

 

 

「では、ミネルバの勝利を祝って……乾杯!」

『乾杯!』

 

 タリアの声と共にパーティ会場にいる全員が持っていた飲み物を掲げ、パーティは開始される。

 最初はこのパーティ開始の合図も俺がやる事になっていたんだが……今回の主役は、あくまでもミネルバ隊だ。

 ならミネルバ艦長のタリアが乾杯をした方がいいという事になり、その役を譲った。……まぁ、ああいう仕切りをあまり俺が好まないという理由もあるんだが。

 

「アクセルさん、酷いですよ……BETAがあんなに臭いなんて、思いもよらなかったです」

 

 そんな声に振り向くと、そこにいたのは不満そうな表情を浮かべたルナマリア。

 パーティではあるが、別にドレスの類を着ている訳ではない。

 ザフトの制服を着ているので、どこか統一されてるような感じはするが。

 

「BETAとの戦いはいい経験だったろ?」

 

 そう告げると、更に唇を尖らせるルナマリア。

 ……余程BETAが臭かったのだろう。

 それでも、地球と違ってBETAの死体の臭いを直接嗅いだ訳ではない。

 今回はあくまでもBETAを切り分けた際にMSに付着したBETAの血や肉片といったものの臭いだ。

 

「マブラヴ世界の地球では、これと同じような事を毎日のようにやってるんだぞ? それも、MSとかを使わずにな」

 

 それでもBETAの死体はそれなりに重量があるので、強化外骨格の類を使ってだが。

 そもそも戦術機というのはマブラヴ世界ではかなり貴重な代物だ。

 BETAの処理とかには、重機とかを使ってコンテナに入れてるんじゃないだろうが。

 どのみち強化外骨格にしろ戦術機にしろ、コックピットは完全に密封されている訳じゃない。……いや、戦術機は密封されてるんだったか?

 

「うわぁ……そう考えると、私はSEED世界に生まれて良かったんですね」

「マブラヴ世界は技術的にも後進国で、生活の便利度とかも違うしな」

 

 そんな風にルナマリアと2人で会話をしていると、やがて2人の男がこっちに近づいてくるのが見えた。

 俺が知っている原作に比べると多少大人っぽい外見になってはいるが、それでも相手が誰なのかを見間違える事はない。

 赤い髪のメッシュの男と、褐色の肌をしている男。

 本来の原作であれば、シンの友人として活動していたミネルバの整備班の二人だ。

 メッシュの方がヴィーノで、褐色の肌の方がヨウラン。

 

「失礼します、アクセル代表。少しお話を聞かせて貰ってもよろしいでしょうか」

 

 ヴィーノの言葉に頷きを返すと、ヨウランの方が口を開く。

 

「その、アクセル代表はルナマリアと仲がいいとお聞きしたんですが……その、本当なんでしょうか?」

「ちょっ、ヨウラン!?」

 

 いきなりの不躾な質問に、ルナマリアが抗議の声を上げる。

 だがヨウランは、そんなルナマリアの様子を気にした様子もなく俺の方へとじっと目を向けている。

 ……ああ、そうか。そう言えば以前ルナマリアとメイリンが話していたのを聞いた覚えがあるな。

 確かヨウランはルナマリアに告白して、見事なまでに玉砕したとか。

 そう考えれば、ヨウランが俺とルナマリアの仲を気にしているのも理解出来る。

 フラれはしたけど、まだ諦めていない……といったところか。

 

「そうだな、仲がいいのか悪いのかと言えば……いいんじゃないか?」

 

 そう告げ、ルナマリアに視線を向ける。

 その視線にルナマリアが何を感じたのか、少し迷った末に頷いて俺の腕を抱きしめる。

 ザフトのトップエリートの証でもある、赤服。

 その赤い軍服に包まれた大きな胸が、俺の腕に押し潰される感触が伝わってくる。

 幸せな感覚ではあるが、このルナマリアの行為は別に俺に好意を持っているからではない。

 ヨウランの気持ちをしっかりと断ち切る為に必要な事なのだろう。

 事実、そんなルナマリアと俺の一見恋人同士にしか見えない光景は、ヨウランに強いショックを与えたのだから。

 ……ヴィーノの方は、あっちゃーといった様子で天を仰いでいたが。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213

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