転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1437話

「うわぁ……これがナデシコ世界ですか。随分と……えっと、私達の世界とそんなに違いはないですね」

 

 ナデシコ世界の地球に転移し、ライブ会場に向かう途中の街に寄ったルナマリアの第一声がそれだった。

 まぁ、分からないではない。こうして見る限りではナデシコ世界というのはSEED世界と殆ど変わらない……どころか、全般的に技術的後進国のように見えるのだから。

 勿論全てが劣っているという訳ではない。

 実際、ナデシコ世界のAI技術というのは確実にSEED世界よりも上だし、相転移エンジンもSEED世界にはない技術だ。……まぁ、SEED世界で使われている核分裂エンジンの方が相転移エンジンよりも欠点は少ないが。

 相転移エンジンが勝っているのは、宇宙での出力くらいだろう。

 ああ、でもエステバリスのように動力炉を機体の外につけるというのと、ルナマリアが乗っているインパルスのミネルバからエネルギーを貰うデュートリオンビームは傾向としては似てるのか?

 あくまでも傾向としてだけど。

 

「ちょっとお姉ちゃん、あまり大きな声を出さないでよ。この世界の人が聞いたら、気を悪くするでしょ」

 

 姉の言動に頬を引き攣らせながら告げるメイリンだったが、ルナマリアは特に気にした様子もなくミーアと共に街中を歩き回っている。

 

「あ、ねぇ、アクセルさん。これ私に似合うと思います?」

 

 ミーアの護衛という事やプラントの代表という事もあって、ルナマリアもメイリンも今日はザフトの制服を着ている。

 そんなルナマリアが示したのは、近くの店に飾られていた一着の服だ。

 ミニスカートで、太股の半分以上が剥き出しになり、上も腕の殆ど全てが隠されていないという、色々な意味で挑発的な服装。

 自分の身体に自信がないと着られないだろう服装だったが、ルナマリアは特に躊躇することなくその服へと視線を向けている。

 いやまぁ、確かにルナマリアはDESTINYのお色気担当だけあって身体つきも非常に男好きのするものだ。

 原作ではまだ10代だったが、今のルナマリアは20代で十分女の色気を感じさせるし。

 メイリンと姉妹だと言われても、ちょっと信じられないだろう。……いや、顔付きとかを見れば十分に姉妹なんだけどな。

 そんな具合なだけに、メイリンもどこか羨ましそうな視線を姉へと送っている。

 

「ルナマリアさん、その服はちょっと露出が激しいのでは?」

 

 ミーアも、自分がその服を着ているところを想像したのか、薄らと頬を赤くしながらルナマリアへと告げる。

 

「そうですか? でもこのくらいの服の方が動きやすいんですよ?」

「……お姉ちゃん、そんな服で激しい運動をしたら、その、色々と見えちゃうよ?」

「うーん、そうかな? でも気をつければ……」

「駄目だってば。お姉ちゃんは結構激しく動くんだし、それにそんな服を着てミネルバの中を動き回っていたら……」

 

 その言葉に、俺もミネルバの中……はこの目で見た事がないけど、アークエンジェルで宇宙にいた時の事を思い出す。

 当然宇宙なので、艦内は基本的に無重力だ。

 そして移動する時は横になりながら移動する事も多い訳で……うん、今のルナマリアがああいう服を着てそんな移動しようものなら、間違いなくメイリンが言ってるような感じになるのは間違いない。

 誰だったか……確かミネルバの中にはルナマリアに告白して玉砕した奴がいた筈だけど、そいつにしてみれば生殺しに等しい行為だろう。

 

「あ、向こうに何か屋台がありますよ? ちょっと行ってみましょう」

 

 空気を変えようとしたのか、それとも単純に興味があっただけなのか……ともあれ、不意に声を上げたミーアの視線の先には、たこ焼きを売ってる屋台があった。

 たこ焼きか。そう言えば暫く食べてないな。

 

「アクセルさん、あの屋台って一体何ですか?」

「たこ焼きだな。ここは別にタコが有名って訳じゃないが、たこ焼き屋はどこにでもあるし」

 

 ちなみに現在俺達がいるのは、サセボシティ。

 そう、俺がナデシコに乗った場所だ。

 コンサート会場をどこにするかというので迷ったんだが、どうせならって事で俺がナデシコに乗った場所になったんだよな。

 ルナマリアに言ったように、別にサセボシティの名物はたこ焼きじゃない。

 いや、もしかしたら何気に名物なのかもしれないが、俺は知らなかった。

 俺が知ってる佐世保の名物と言えば、佐世保バーガーくらいしかない。

 それでもたこ焼きは殆どの人が好きなだけあって、大抵の場所にはある。

 ……どこにでも姿を現すって意味だと、例のあの人……もとい、例のあの食べ物、ゴーヤクレープもあるが……幸いまだナデシコ世界に出没はしていないらしい。

 けど、以前ナデシコ食堂で少し漏らした事があったのを考えると、もしかしたら独自発生するかもしれないな。

 どこまで広がる、ゴーヤクレープの闇。

 

「買うか?」

 

 ゴーヤクレープという単語を忘れる為にも、たこ焼きで上書きしようとして3人に尋ねる。

 一応今回はナデシコ世界に来るということで、この3人も自分の金を両替して持ってきている。

 ホワイトスター経由で多少手数料は取られるが、何気にこの両替はそれなりにシャドウミラーの収入源の一つとなっている。

 ……いつか、繋がっている世界で共通して使える通貨とか作った方がいいのかもしれないが、利害関係とかを考えると迂闊にそんな真似が出来ないのも事実だ。

 だから、これは本当にいつか……それこそ何十年、何百年もの年月を掛けてやっていくべき事だろう。

 幸いシャドウミラーのメンバーは不老であり、何があっても老衰で死ぬ事はない。

 病気に関しても、レモンの治療や近衛の回復魔法、ネギま世界のイクシールといった代物がある。

 シャドウミラーの面子が死ぬには、本人がもう長生きしたくないと判断して時の指輪の効果を受け取る受信機を外すか、自殺するか……それとも他人に殺されるか。そんな手段でなら死ぬ事が可能だろう。

 ま、今はまだまだ死ぬつもりなんかないけどな。

 小さく肩を竦めて下らない考えを脳裏から追い出すと、たこ焼きを売ってる屋台の前に行く。

 

「たこ焼き、4……いや、5個頼む」

「あいよ。にしても、兄ちゃん。別嬪さんを3人も連れて羨ましいねぇ。両手に花どころか、両手と片足に花って感じだし」

「え? そんな風に見えます?」

 

 恋人に間違われたのが恥ずかしかったのだろう。ルナマリアは薄らと頬を染めながらたこ焼き屋の屋台の店主にそう言葉を返す。

 メイリンとミーアもそれぞれ恥ずかしそうにしているのを見れば、色々と思うところがあるのは間違いない。

 

「だといいけどな。残念ながらこの3人は俺の仕事の相手だよ」

「ありゃ、そりゃ残念。けど、その3人みたいな美人を連れ歩けるだけで十分にいい目を見てるんじゃないか?」

 

 どうやらこの店主は俺の事を知らないらしい。

 一応以前ミスマルが演説した時の映像に俺も映ってたんだが。

 まぁ、知らないなら知らないで別にいい。

 ここで変に騒がれるよりは、こっちの方がいい。

 金を払って、たこ焼きを受け取る。

 ルナマリア、メイリン、ミーアの3人がそれぞれ1つずつ、そして俺が2つ。

 1パックに8個入ってるので、多少食べ足りないが……まぁ、今回は別に食べ歩きが目的じゃないしな。

 

「これが、たこ焼き……」

「うん? プラントにたこ焼きはないのか?」

 

 たこ焼きを見てしみじみと呟くルナマリアに尋ねると、たこ焼きを見ながら頷きを返してくる。

 

「オーブにはあるという話を聞いてますけど、プラントには……」

 

 オーブは日本の文化が強く残ってるしな。寿司屋とか普通に存在しているし。

 それにプラントは以前聞いた話だと、麻帆良で例の勢力がゴーヤクレープを広げようとしていたらしい。

 そっちに汚染をされているのかもしれない。いや、多分だけど。

 

「はふっ、はふっ……あ、美味しい」

 

 ルナマリアが笑みを浮かべて呟く。

 外はカリッと焼き上げられており、具のタコは大きく切られていて歯応えもいい。

 うん、これは美味い。美味いけど……

 

「そう言えば、タコを平気で食えるんだな」

 

 そう、呟く。

 タコというのは、地球であっても食べない、食べられない場所がある。

 まぁ、この外見を考えれば仕方がないのかもしれないが……プラントでは普通に食べられているのか?

 

「え? あ、ええ。人によっては食べられない人もいますけど、プラントでもタコは普通に売ってますよ?」

 

 ねぇ? とメイリンとミーアに尋ねるルナマリアだったが、その言葉に2人は頷きを返す。

 どうやら本当らしい。

 いやまぁ、別に嘘だと思っていた訳ではないのだが。

 タコを売ってるのなら、たこ焼き屋があってもいいんじゃないか? もしかして単純にマイナーな料理――世界的に見て――だから、プラントでは流行っていないだけか?

 ともあれ、このたこ焼き屋は当たりだった。

 もう少し買い溜めしておけばよかったと思う程に。

 

「さて、そろそろ遊んでばかりもいられないな。時間だし、ライブ会場に向かうぞ」

「え? きゃぁっ!」

「ちょっ!」

「ひゃあっ!」

 

 全員たこ焼きが食い終わったところで、このまま歩いて行くのも面倒だという事で影のゲートを作り、そこに沈んでいく。

 先程も味わったばかりだろうに、なんでまたこう悲鳴を上げるのやら。

 そんな風に思いながら、影から俺を含めて4人が出ると……そこは既にライブ会場だった。

 以前に様子を見に来た時に比べると、随分と進展していた。

 

「アクセル!」

 

 俺を見てそう声を掛けてきたのは、当然のようにフィリオだ。

 ……最近は魔法球の中にいるより、ライブ会場設営の為こっちにいる事が多い。

 シャドウミラーの技術班の中でも上位に位置する能力を持っているだけに、出来ればフィリオにはヤンマとカトンボの改修作業に集中して欲しいんだが。

 メギロートやファブニールを運用する以外にも、動力炉を相転移エンジンからブラックホールエンジンに変えるとか、テスラ・ドライブを付けるとか、色々とやるべき事はある。

 メギロートのように一気に数十機、数百機といった具合に作るのであれば一機ずつ改修作業をするのは無理だが、カトンボやヤンマは生産プラントがあっても、そこまで一度に大量に作れる訳ではない。

 ……だからこそ、魔法球の中に入れて外の1時間を48時間にする事により量産を急いでいるのだが。

 その程度の量産性なので、全面的な改修は不可能だがブラックホールエンジンとテスラ・ドライブの搭載くらいは問題なく出来る。

 この辺は別に技術班のようなプロの手が必要という訳じゃないので、量産型Wで十分可能だし。

 うん? そう考えると、別に無理してフィリオを技術班のメンバーとして働かせなくてもいいのか? 実際、こうして見る限りだと非常にやる気に満ちてるしな。

 

「アクセル、そちらの人がミーア・キャンベルさんだね?」

「ああ。今度のライブに参加するミーア・キャンベルだ。ミーア、こっちはフィリオ・プレスティだ。シャドウミラーの技術班所属……というのは関係ないか。今の役職はライブ会場のプロデューサーってところか?」

「あはは。プロデューサーはちょっと言い過ぎだよ。よろしく、ミーアさん。最高のライブにしようね」

「は、はい。よろしくお願いします!」

 

 深々と一礼するミーア。

 やっぱり芸能人として生きているだけに、プロデューサーという役職は大きな意味を持っているのだろう。

 

「そこまで固くならないでも。……で、そっちの2人は?」

「ルナマリア・ホークと、メイリン・ホーク。ミーアの護衛として、SEED世界のプラントから派遣されてきた」

『よろしくお願いします』

 

 2人揃って頭を下げるホーク姉妹。

 シャドウミラーの技術班だと聞けば、こういう態度になるのもおかしくない。

 ニーズヘッグやニヴルヘイム、シャドウ、それとまだナデシコ世界以外には情報公開していないが……いや、ナデシコ世界の方でも討伐軍の前で使って見せはしたが、細かなスペックの類を知らせている訳ではない。

 勿論映像モニタから色々と情報収集をしてはいるだろうが、それで得られるデータは表面的なものに過ぎない。

 

「へぇ。2人共護衛よりもアイドルが似合ってるように見えるけどね。揃って顔立ちも整っているし、もしよければ僕にプロデュースさせてくれないかな?」

「え? あ、その……どうしよう、お姉ちゃん。私スカウトされてるよ?」

「……あのね、メイリン。幾ら何でもザフトの私達がアイドルやりませんかと言われて、はい辞めますなんて訳にはいかないでしょ」

 

 嬉しそうな様子のメイリンに対し、ルナマリアはどこか呆れたように呟く。

 特にルナマリアはインパルスのパイロットもやってるんだから、ザフトだってそう簡単に手放したりはしないだろう。

 

「あはは、残念。けど、アイドルをやる気になったら、是非連絡してきて欲しいな」

 

 言葉程に残念と思っていないフィリオだが、本人もそうそこまで本気じゃなかったんだろう。

 フィリオとしては、歌手よりもアイドルの方にご執心なんだよな。もしくはセクシー系より可愛い系。

 マクロス世界で言えば、シェリルよりもランカ派な訳だ。

 

「そうですね。もしその気になったら頼らせて貰います」

 

 ルナマリアが誤魔化すように告げる。

 ……2人とも、もう20代なんだしアイドルってのは厳しいと思うんだが。それこそ女優とか純粋な歌手としてならともかく。

 

「さ、ミーアさん。折角来たんだしリハーサルでもやっていきませんか?」

「え? いいんですか?」

 

 こうして、俺は暫くミーアのリハーサルにルナマリア達と共に付き合う事になるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208

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