転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1317話

 夕食のカレーパーティが終わり、それぞれ一段落したところで、レモンの口から出た言葉。

 つまり、『俺との関係について』話し合おうというものに、ハルカは小さく頷き、エリナは少し怯えたような表情を浮かべる。

 

「まず、大前提となる事を話しておきましょうか。もうアクセルに聞いてるのかどうかは分からないけど、ここにいる9人は全員がアクセルの恋人よ」

 

 そう告げ、レモンが左手の薬指に嵌まっている時の指輪を見せる。

 そして他の8人もまた同様に。

 

「これは、そうね。アクセルの恋人だけが身につけられる指輪と言ったらいいかしら。もっとも、ホワイトスターにいる限りはただの装飾品だけど」

「ただの?」

 

 レモンの言葉を不思議に思ったのか、ハルカが尋ねる。

 だが、そんなハルカに対してレモンは首を横に振ってから口を開く。

 

「悪いけど、詳しい話は部外秘なのよ。いずれ話せるようになるといいわね。……とにかく、ここにいる8人、私を入れて9人全員がアクセルの恋人だというのを理解して貰えればいいわ」

「それと、転移の方法がシステムXNではなかった為に、アクセルと離れ離れになってしまった恋人も2人いるというのを付け加えておく」

 

 レモンの言葉に続いてコーネリアが告げる。

 うん、そう言えば凛や綾子とどうやって合流するかも考えないといけないんだよな。

 一応Fate世界の座標を何とか特定出来ないかを技術班に頼んではあるんだが。

 ただ、技術班の方も色々と忙しいから、そこまで手が回っていないというのが問題だろう。

 そもそも、金ぴかから奪った宝具を基にしてFate世界の座標を探すというのも初めての経験である以上、難易度が高くなって当然なのだから。

 

「ええ、その話は私もエリナも前もって聞かされているわ。その……アクセルに抱かれた後での話だけど」

「……そうね。それは否定しないわ」

「珍しいわね。いつもならアクセルは相手を受け入れる前にその事を話すのに」

 

 レモンの言葉に、その場にいた殆どの者達の視線が俺へと向けられる。

 ただ、ハルカとエリナの2人だけはどこか気まずそうに視線を逸らしていた。

 その気持ちは分からないでもない。何しろ……

 

「さっきも言ったけど、この2人を抱いたのは酒を飲まされたからだからな」

 

 俺の口から出た言葉に、納得したような……それでいて気の毒そうな視線がハルカとエリナに集まる。

 だから、実際には俺にはこの2人を抱いたという記憶がないんだよな。

 いやまぁ、翌日に色々と燻っていたものが解消されていたし、なにより起きた時に他のクルーよりも広いとは言っても、シングルとダブルの中間くらいの大きさのベッドで3人揃って裸だったし、部屋に篭もっていた匂いや、ハルカとエリナの身体中についていたキスマーク、そして何よりシーツについていた血を見れば何があったのかというのは明らかだった。

 

「また、随分と……その、大変だったのではないか?」

 

 そう同情の言葉を呟くのは、以前俺に酒を飲ませた経験のあるスレイだ。

 結局あの日、俺はリュケイオスを使ってマクロス世界に転移したが、起きた時のスレイ達は色々な意味で体力が消耗していたらしい。

 経験したからこそ、俺がアルコールを飲んだ後の出来事は理解しているのだろう。

 

「え、ええ。まぁ、そうね。色々と……そう、凄かったとしか言えないわね。エリナなんか初めてがあんな経験だったんだし、もう他の男には興味持てないんじゃないかしら」

「ちょっ、ハルカ! いきなり何を!」

「あらあら、随分と大変な経験をしたみたいね。……さて、まぁ、アクセルに抱かれたというのは分かったわ。それで話を戻すけど、ここにいる9人と、私も会っていないけど他に2人。正直に言わせて貰えば、一夫一妻制で育ってきた人にはこのシャドウミラーでの生活は色々な面で衝撃が大きいと思うわ。何より、アクセルを自分だけのものには出来ない。それを理解していなければ、私達と同じ位置にいる事は出来ないのよ。それは理解出来る?」

 

 レモンの言葉に、ハルカとエリナがそれぞれ頷く。

 ハルカの方は特に躊躇なく頷いたけど、エリナの方は複雑な表情を浮かべたままだ。

 エリナは男女関係には疎いし、真面目な性格をしている。……いや、生真面目と言ってもいい。

 そんなエリナが、俺やレモン達との関係に疑問を持たないで素直に頷くというのは最初から考えていなかったけど。

 頷いた2人に対して、美砂が口を開く。

 

「ま、もっともアクセル君の場合は性欲強いから、夜の順番待ちとかはないわよ? そもそも、基本的に毎日体力の限界まで消耗させられる事になるし」

「……本当? その、私とエリナを抱いた時もかなり凄かったんだけど……全員なの?」

「そ。ま、そういう意味もあって、アクセル君のハーレムとも言えるこのメンバーは基本的に皆仲がいいわ。当然よね。毎晩のように全てを晒け出して、自分の身体でこのメンバー全員の指や唇が触れてない場所なんかないもの。それに、どうせこの先……」

「美砂!」

「……あ、ごめん」

 

 円の言葉に、美砂が言葉を口を噤む。

 その口から何が言い出されそうになったのか、ハルカやエリナは理解出来なかったのだろう。

 まぁ、時の指輪の効果を知らなければ当然か。

 この先永遠に俺と共にあるという事を。

 もっともホワイトスターに時の指輪を融合させた以上、シャドウミラーのメンバー全員が不老になっている訳だが。

 ……今のところ、ほぼ全員が時の指輪の恩恵を受ける受信機を装備しているのを考えると、シャドウミラーのほぼ全員が不老という、一種異常な集団になっていたりする。

 まぁ、不老なのはホワイトスターにいる時だけで、他の世界に行ったりすれば普通に年齢を重ねるんだが。

 この辺も出来れば何とかしたいところだけど、今のところは解決策が思いつかないんだよな。

 

「よ、夜の順番待ち……」

 

 美砂の言葉を聞いたエリナは、直接的な言葉に頬を真っ赤に染めながら俯く。

 そんなエリナに、そして平然としているハルカに向かい、今まで黙っていたあやかが不意に口を開く。

 

「レモンさん、皆さんも。アクセル君についての事を話す上で最初に聞いておかなければならない事をまだ聞いてませんわよ。……ハルカさん、エリナさんと仰いましたわね。お二人はアクセル君の事をどう思っているのでしょう? 聞けば、お二人がアクセル君に抱かれたのは、お酒を飲ませたからとの事。だとすれば、アクセル君に対してどのような感情を抱いているのかというのは、私達としては非常に気になるところですわ」

 

 あやかの口から出た言葉に、その場にいた全員の視線がハルカとエリナに向けられる。

 そうなんだよな、今まで俺があやか達を抱いてきたのは、全員が俺を愛し、俺に愛されたからだ。

 その上で、あやか達が望んだからそういう関係になった。

 それを考えれば、俺とハルカやエリナとのあの一夜は酒に踊らされたものであり、色々とイレギュラーだったのは事実だ。

 あやかを含む、俺の恋人達全員の視線を向けられ、最初に口を開いたのはハルカだった。

 

「貴方達程深くアクセルを愛しているのかと言われれば、私は正直分からないとしか言えないわ。ただ、アクセルに対して魅力を感じているのは本当だし、私の方を振り向かせたいと思ってもいる。そもそも、こう見えて誰にでも抱かれるような安い女じゃないつもりだけど、アクセルが私を抱きたいというのであれば、喜んで抱かれたいと思う程度にはアクセルが好きよ」

 

 ハルカの口から出た言葉に、その質問をしたあやかは頷く。

 そして次にあやかの隣にいた千鶴がエリナに向かって口を開く。

 

「それで、貴方はどうなの?」

「私……私は……」

 

 言葉に詰まるエリナだが、誰も話を強引に進めようとはしない。

 この言葉がエリナの一生を左右する事になるというのも、十分に理解している為だ。

 当然俺もまた、そんなエリナの言葉を急かしたりはしない。

 そのままリビングの中が沈黙に包まれ、数分程が経過し……やがてエリナが口を開く。

 

「正直、私がアクセルに対して好意を抱いているというのは事実よ。ただ、正直これが貴方達の言っているような、本当の意味での愛なのか、それとも男の人と初めてそういう関係になったからなのかもはっきりと分からないわ。……今も言ったけど、私は今まで男の人とそういう関係になった事はなかったの。そういう意味では、アクセルは私にとって特別な人だというのは事実よ」

「……意外だな」

 

 ポツリと呟かれたのは、コーネリア。

 小さな呟きではあったが、エリナの言葉に誰もが沈黙していたからこそ、全員がその言葉を聞き逃す事はなかった。

 

「意外? 何がかしら?」

 

 エリナのその質問に、コーネリアは手に持っていた紅茶のカップをテーブルに戻しながら口を開く。

 

「こう言っては何だが、お前は平均以上に顔立ちが整っている。その服の上からでも非常に女らしい身体つきをしているのも分かる。そんなお前が、今まで男に縁がなかったというのは、少し不思議な気がしてな」

「そうね。あたしもその辺は不思議に思ったわ。マクロス世界で女優をやれるくらいには美人だと思うわよ? それとも、もしかしてナデシコ世界って美醜の価値が私達とは違ってたりするの?」

 

 シェリルがこっちに視線を向けて聞いてくるが、俺がそれに対して出来る反応は首を横に振るだけだった。

 

「いや、ナデシコ世界でも美醜の感覚は大体俺と同じと見てもいい」

 

 脳裏を過ぎるのは、ナデシコのメンバー。

 ウリバタケが言うには、かなりの美人揃いだという話だったし、美醜の感覚に関しては俺達とそう変わりはないだろう。

 それにウリバタケが持ってきてくれたグラビア雑誌もそれを証明している。

 ……勿論全て完全に一致しているという訳ではなく、あくまでも大体の傾向が似ているというのが正しいのだろうが。

 それにテンカワだってエリナに対して好意を持っている事を考えれば、エリナも十分に美形だと言っても間違いはない筈だ。

 

「そう。……だとすると、ますます不思議よね」

 

 視線が向けられたエリナは、自分が美人だと言われているのが照れくさいのか、薄らと頬を赤くしている。

 

「その、自分で言うのもなんだけど、私も決して男に言い寄られなかったという訳じゃないのよ。……ただ、私が男の人に興味を持てなかったというのもあるし、ネルガルに入ってからは仕事の方が面白くてそっちに一生懸命だったから……」

「ああ、なるほどね。芸能界にもそういう人って結構いるわよ。ただ、そういう人に限って最終的に売れ残っていたりするんだけど」

 

 どこか実感のある言葉がシェリルの口から出る。

 ……そういうものなのか?

 まぁ、芸能人ってのは基本的に美形揃いだから、多少年齢が上になっても普通に結婚とかは出来そうだというイメージがあるけど。

 

「なるほどね。つまり、今までは仕事に一生懸命だったのが、アクセルに抱かれたのが切っ掛けで好意を持つに至ったと。ま、身体から始まる恋ってのもいいんじゃない? 問題は、貴方が……エリナがこれからどうしたいかよ。このままアクセルと別れるのか、それともこちら側に来るのか。……そっちのハルカはもう決心を固めているようだけどね」

 

 レモンの視線を向けられたハルカは、特に驚いた様子もなく頷きを返す。

 

「そうね。私はもうどうするのかをしっかりと決めたわ。元々生きている実感とか充実感とか、そういうのを求めてナデシコに乗ったんだけど、そういう意味ではアクセルの方が期待出来そうだし。……ああ、安心して。だからってすぐにナデシコから降りるなんて事は言わないから。最低でも地球に戻って一段落するまでは私がナデシコの操舵をきちんとさせて貰うわ」

「私は……」

 

 ハルカのあっさりとした言葉に、エリナは迷う。

 本人も口にした通り、男女間の関係については今まで殆ど接してこなかっただけにどうしたらいいのか分からないのだろう。

 

「取りあえず、今すぐに決めなくてもいいんじゃない? アクセル君に対してどういう思いを抱いているのかを自覚出来ただけでも、今日ここに来た甲斐はあったでしょ? なら、取りあえず今日はこの辺にして、しっかりと自分がどうしたいのかを決めてから、改めて選択するという形でいいと思うけど」

 

 美砂の言葉に、レモンは少し考えて頷き、他の面々へと視線を向ける。

 皆もそれに異論はなかったのか、皆それぞれが頷く。

 

「……ありがとう。私も出来るだけ早く自分の心に決着を付けたいと思うわ」

「そうね。取りあえず今日はうちに泊まっていきなさいな。見ての通り部屋の数には困ってないから」

「そう? じゃあそうさせて貰うわ」

「私も泊まって行ってもいいの?」

 

 エリナの隣にいるハルカの言葉に、レモンは当然と頷く。

 

「ええ、ハルカが良ければこの家に住んでもいいのよ? 貴方にはその資格も、そして覚悟もあるもの。それに……私達と過ごす夜に慣れておく必要はあるでしょう?」

 

 そう告げるレモンの濡れた瞳がどのような行為を意味しているのかは明白だった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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