転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1214話

 ニーズヘッグから放たれた攻撃は、地面を走ってこっちに向かって襲い掛かってきていたBETAへと命中する。

 他の機体から放たれた攻撃もそれは変わらず、シャドウミラー幹部陣やメギロート、シャドウといった機体の攻撃、地上に展開しているイルメヤのビームガトリング砲が、次々とBETAの命を奪っていく。

 また、作戦開始前に予想された通り光線級の類は存在しないらしく、空中に浮かんでいる敵を攻撃するレーザーの類は一切ない。

 もし光線級が存在しているのなら、BETAの習性上真っ先にニーズヘッグとニヴルヘイムへと向かってレーザーが放たれている筈だ。

 だがそれが一切ない事が、マーズゼロに……いや、火星のハイヴに光線級が存在しない事を意味している。

 ニヴルヘイムも、重量子砲、G・インパクトキャノンといった攻撃を放っては、無数のBETAを纏めて消滅させていく。

 だがそれでも、さすがに火星最大のハイヴで、フェイズ9と言うべきか、中から出てくるBETAの数が収まる様子は一向にない。

 それでもこちらの攻撃で一方的にBETAの数は減っており、BETAの破片が消滅していくのもよく分かる。

 戦術機の攻撃では、BETAの死骸がそこら中に散らばってその後の攻撃の邪魔となる。

 だが、ビームを中心としたシャドウミラーの攻撃では、死骸そのものが消滅してしまうおかげで、邪魔になるという事は殆どない。

 ……まぁ、それでも完全に消滅させるという訳にはいかない以上、どうしても多少は残骸が散らばっていくのだが。

 それでも死骸の数は極少数であり、こちらとしては普通に攻撃をするのに不自由は一切なかった。

 こうして一方的に攻撃をしていると……

 

「あ」

 

 映像モニタに映し出された光景に、思わず間の抜けた声を上げる。

 それも当然だろう。視線の先では、何故か修羅神がBETAへと向かって突っ込んで行っていたのだから。

 いや、正確には修羅神だけではない。どこかで見覚えのある人影が、狗神を放っては闘士級や戦車級のBETAを一方的に殲滅しているような光景も見える。

 ……うん、まぁ、誰とは言わないけど、後で千鶴にお仕置きして貰うのは必須だな。

 ちなみに、その誰かさんと仮契約を結んでいる夏美の姿はない。

 まぁ、基本的には隠密行動に特化しているだけであり、戦闘力自体は軽い自衛程度しかないんだから無理ないけど。……うん、その誰かさんが誰なのかは分からないけどな。

 ちなみに、魔法使いや神鳴流の剣士は身体に気や魔力を纏う事により、火星でも生身で行動可能となっている。

 だからこそ、小太……いや、誰かさんを識別出来たのだから。

 

「コーネリア」

『分かっている。全く、予想してはいたが、こうなると面倒になるな。奴等を巻き込む訳にはいかん』

 

 修羅は基本的にヒャッハー系の人材であり、高い攻撃力を持っているのは事実だ。

 その上で一定数の数がいるので、戦力的にかなり魅力的な存在ではあるんだけど……こういう事があるから、完全に安心は出来ないんだよな。

 更には俺にも全く分からない誰かさんのように、魔法使いの中でもBETAに突っ込んでいる奴もいる。……あ、雷速瞬動で闘士級を纏めて吹っ飛ばしている誰かさんがいる。

 そう言えば神楽坂は来てないんだよな。まぁ、神楽坂の場合は相手が魔法を使わないと特殊能力を発揮出来ないからしょうがないんだけど。

 一応生身でもかなり強くなっているけど、それでもバイトの方が重要だったのだろう。

 咸卦法を使えば話は別なんだろうが、あの技は消耗がな……高畑みたいに熟練の使い手なら話は別なんだろうが。

 

『マーズゼロ攻略に参加している者達に連絡します。修羅神と魔法使いの一部が敵へと突っ込んでいるので、その人達が戦っている場所には攻撃せず、他の場所へと攻撃を集中して下さい』

 

 映像モニタに映し出されたマリューは、笑みを浮かべながらそう告げる……けど、とてもじゃないけど本心から笑っているようには見えない。

 どこか、怒っている千鶴に通じるものがある。

 いや、間違いなく怒っているんだろう。

 戦線が破綻する程ではないけど、それでも多少なりともこっちの戦い方に影響が出てきかねない。

 今はまだこっちが圧倒的に有利な状況だから問題はないが、全体の指揮を執っているコーネリアや、今通信を送ってきたように機動要塞の司令官であるマリューにしてみれば面白い筈がない。

 そんな事を考えながら、火星の息吹作戦が終了した後で修羅達を纏めきれなかったアルティスがどんな目に遭わされるのかを予想しつつ、メガ・バスターキャノンをBETAの先頭にいる突撃級目掛けて掃射する。

 巨大なビームが発射したままヒュドラを動かし、その結果先頭を走ってきた突撃級が軒並み一掃されていた。

 ああ、勿論修羅神が戦っているのとは離れた場所でだ。

 そんな風に考えていたのだが、こうして見るとこっち側の陣地付近でも色々と戦闘になっているのが分かる。

 恐らくこっちの地上部隊が陣取っていた場所の近くにゲートがあったのだろう。

 そこから出て来たBETAを相手にして、突撃せずにまだ残っていた修羅神やネギま世界の魔法使い達、それと戦術機部隊も大いに活躍しているのが見える。

 ……あ。高畑の一撃と思われるのが要撃級を吹き飛ばした。

 咸卦法による一撃ってのは強いよな。

 戦術機部隊の方も、刀ではなく手に持っているレールガンでBETAを撃ち殺している。

 このレールガンは、当然MSの技術開発をして得た技術で作ったものなんだろうが……ストライクダガーにレールガンはなかった筈だから、多分参考になったのはリニアガン・タンクなんだろう。

 単発の武器でそれなりに威力のあるレールガンは、少なくても戦術機が標準装備している突撃砲の36mmよりは威力が上だ。

 残弾の方も突撃砲ほどではないにしろかなり豊富で、120mm滑空砲とは比べものにならないだろう。

 突撃級を正面から攻撃して装甲殻を正面から貫通して仕留めている辺り、有用な武器で次代の戦術機のメインウェポンになりうる武器だと思う。

 もっとも、レールガンを装備しているのはあくまでも崇継と恭子の部隊……つまり、TSF-TYPE00のみが装備しており、A-01部隊が使っているTSF-TYPE94は普通に突撃砲を使っている。

 これはつまり、レールガンはTSF-TYPE00用の武器として開発されており、今のところは斯衛の専用武装だといったところか。

 ……MSの技術解析をしても、結局BETAに対して最も有効であるビームライフルを開発出来なかったのは、純粋に技術不足って面が大きいんだろう。それとコストの問題も。

 

「人数の割りには結構やってるよな」

 

 呟くも、それは実質的に火星にいるBETAが弱いからこそ言える事だろう。

 地球のBETAと違い、この火星では人間というBETAの天敵は……いや、俺が行く前の地球の現状を考えると、天敵とは言えないか。

 BETAに対する邪魔者? 障害物? まぁ、そんな感じの人間がいたからこそ、BETAは光線級や重光線級、兵士級といった新たなBETAの兵種を生み出した。

 だがこの火星ではそれがないので、ぶっちゃけオリジナルハイヴが中国に落ちてそれと互角に戦っていたのと同じような兵力しかない訳だ。

 勿論その数は地球のBETAと比べても多いが、あくまでも数だけ。

 シャドウミラーを始めとして、質で量を凌駕するような存在にしてみれば、どうとでもなる程度の相手でしかない。

 

「だから、さっさと数を減らせよな」

 

 呟き、ブラックホール・ランチャーのトリガーを引く。

 放たれた重力波砲は、瞬く間にBETAの命を奪う。

 それこそ、熱した石に空から降ってくる雪が振れ、一瞬にして溶けて蒸発するかのようにその姿が消えていく。

 だが、それでもさすがにフェイズ9ハイヴ。

 マーズゼロから出てくるBETAの数はまだまだ減る事がないまま、延々とこちらへと向かってくる。

 ……Fate世界で大聖杯から出て来た黒い獣を思い出すな。

 そんな事を考えつつ、ランツェ・カノーネのトリガーを引き、ビームでBETAを纏めて消滅させていく。

 同時にT.T.キャノンをゲートから出て来て戦術機や魔法使いと戦っているBETAへと向けて発射する。

 砲口から放たれたビームは俺の意思通りに曲がりくねって動き、戦術機や魔法使いへ当たらないような動きで次々にBETAを葬っていく。

 特に闘士級のような小型のBETAはビームに触れた瞬間に消滅するので、こちらの狙い通りBETAの数は減っていく。

 ……まぁ、魔法使いも生身である以上はビームに触れれば同じようにダメージを受けてしまうのだが、取りあえず今は問題がないようにビームを動かしている。

 あ、BETAに雷が落ちた。多分神鳴流の仕業だろうな。

 そんな風に思いながら、混戦状態になっている地上の敵を減らすべく、駄目押しの攻撃を行う。

 

「ファントム!」

 

 T-LINKシステムにより、俺の意思通りに動き回るファントムの数は32基。

 前方と中央のバインダーから放たれた数だ。

 空中を動き回りながら、ビーム弾を射出し、ビームソードを展開し、次々にBETAの数を減らしていく。

 そのまま数分、あっという間に地上で混戦状態になってたBETAの数は消え去る。

 もっとも、またすぐに援軍が来るだろうけど。

 ともあれ、地上の混戦が止んだのを確認するとファントムをヒュドラへと戻す。

 さて、次は修羅達の方は……と思っていた、その時。

 

『各自注意して下さい。地中に振動波を確認。数は……30。いえ、まだ増えていく模様。母艦級です』

 

 マリューからの通信に、小さく驚く。

 母艦級というのは、BETAにしても稀少な存在だった筈だ。

 少なくても地球のハイヴではそうだったんだが……どうやら火星では母艦級も余っているらしい。

 それとも、単純にフェイズ9のマーズゼロだからか?

 疑問に思い、ニヴルヘイムの司令室へと通信を送る。

 

「マリュー、他のハイヴはどうなっている?」

『現在フェイズ1よ。BETAを地上に誘き出して順次殲滅中。他の世界からの援軍には何機か被害があるけど、それでも死者は今のところ皆無』

 

 死者が皆無ってのは嬉しいけど、BETAは個々の能力が低いから驚くべき事じゃない。

 

「いや、俺が気にしているのはそっちじゃない。母艦級の方だ。もしかして、こっちに連絡があったように、他の場所でも母艦級が出てくるかもしれない。……いや、間違いなく母艦級は出てくるだろう。ただ、その数が予想出来ない」

『つまり、ここと同じく大量の母艦級が出てくると?』

「可能性の1つだけどな。実際、火星ではこれだけハイヴがあって、敵対する相手がいなかったんだ。その分の余力を母艦級に割り当てている可能性は十分にある」

『……分かったわ。一応他の場所にも連絡を入れておく』

 

 そう告げ、ニヴルヘイムとの通信が切られる。

 同時に、地上からは地面を割って母艦級が何匹も姿を現し……

 

「死ね」

 

 吐き捨てると同時にランツェ・カノーネのトリガーを引き、本来であれば戦術機ではどうしようもない程の防御力を誇っているだろう母艦級の身体を貫く。

 それだけでは終わらず、ヒュドラから放たれるビーム砲が連続して命中し、母艦級の胴体を次々に貫いていく。

 母艦級の特徴としては、その名通りに腹の中に複数のBETAを入れて運ぶという、その名称に相応しい母艦のような役割をこなす。

 つまり、母艦級が出て来たところで息の根を止めてしまえば、ある程度以上のBETAを纏めて殺す事になる訳だ。

 母艦級の存在を知らないのならまだしも、既に地球のハイヴで何度となく戦っている俺達にしてみれば、母艦級というのはボーナスキャラに近い存在だ。

 更に、その母艦級が群れを成して襲ってくるとなれば、ボーナスキャラが揃っているボーナスステージとでも呼ぶべき状況でしかない。

 メギロートのサークル・レーザーや、イルメヤのビーム・ガトリング砲が次々に母艦級へと命中し、ダメージを積み重ねていく。

 そこに放たれるのは、シャドウのグラビティキャノン。

 肩に装備されたその砲口から重力波砲を放っては母艦級を沈めていく。

 ニヴルヘイムの方でも、重量子ビームやG・インパクトキャノンが次々に放たれては母艦級が沈む。

 母艦級がマーズゼロの切り札だとすれば、それは何の意味もなかったということになる。

 一斉に現れてこちらを混乱させようとしたのだろうけど、そんな逆転の一手はこちらの一方的な蹂躙という感じで終わってしまう。

 そうして姿を現した母艦級が全て撃破された頃……ハイヴから延々と出て来ていたBETAの数が大分少なくなっている事に気が付く。

 ただ、少なくなっているといっても、それはあくまでも先程までに比べてだ。

 現状ではまだまだ、地球のハイヴから出てくる以上の数が出ているのは間違いない。

 

『全機、聞こえているな。BETAの数が減ってきているのは気が付いていると思う。これによりフェイズ1を終了。ハイヴへと突入し、フェイズ2へと移る。各員、それぞれ自らの任務を全うするように』

 

 コーネリアからの通信が響き、火星の息吹作戦はいよいよフェイズ2へと移るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188

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