転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0099話

「W15の正体がバレた、か」

「ええ。まぁ、いつまでも隠し通しておけるとは思ってなかったから特に影響はないんだけどね」

 

 俺がマシンナリー・チルドレンを止める為に出撃している時に作戦行動中だったウォーダンが、ヒリュウ改の部隊と戦っている最中にゼンガーと接触してしまったらしい。その為、ヒリュウ改にW15とゼンガーが別人であるという事がバレてしまったようだ。

 

「で、そのW15は?」

「メイガスとお話中よ」

「いつも通り、か。まあいくらゼンガー本人ではないとバレたとは言え、W17が話さない限りW15の真実には気が付かないだろう。予想出来てクローンとかか?」

 

 俺の言葉に口元に笑みを浮かべるレモン。

 

「性格をトレースしたものなんだから、ある意味クローンというのも間違ってないわよ?」

「なるほど、言われてみれば確かにそうか」

 

 そんな話をしていると、ヴィンデルが珍しく足音も荒く作戦司令室へと入ってくる。

 その顔が忌々しげに歪められているのを見ると、どうやら何か嬉しくない事態が起こったらしい。

 

「どうしたんだ?」

「ミッション・ハルパーの件は聞いているな?」

「ああ、伊豆基地でやる茶番劇だろ? ローズと通信していた時に俺やレモンもいたじゃないか」

「もしかしたら、そのミッション・ハルパーが延期になるかもしれない」

 

 伊豆基地、ミッション・ハルパー……これは、奴等が出たか?

 原作通りなら、ミッション・ハルパーの前には伊豆基地がアインストによる襲撃を受ける筈だ。かなりの大物であるアインストレジセイアに率いられて。

 

「アインストが百里基地と小松基地、そして伊豆基地に大挙して転移してきたらしい。現在アインストとの戦闘に入ったと潜入している工作員から連絡が入った。下手をしたら伊豆基地が陥落する可能性もあるらしい。くそっ、一体奴等はなんなんだ。こちらの計画が滅茶苦茶だ」

「アインスト?」

「そう言えば、アクセルはあいつらと接触した事なかったわね。以前蚩尤塚で現れたアンノウンよ。正式名称はアインストと言うらしいわ」

「ああ、例の転移してきた……」

「いずれにせよ、私達は伊豆基地がアインストを撃退するのを期待するしかない訳だ。……まさか、援軍を出す訳にもいかないしな」

 

 アインストに襲われている伊豆基地。SRXがピンチになった時に颯爽と駆け付けるグロウセイヴァー……お話としては面白いかもしれないが……いや、ここはスパロボの世界なのか。ただ、それこそ原作通りならSRXとレビ・トーラー……いや、マイ・コバヤシのR-GUNパワードで切り抜けるだろう。

 もっとも、そのマイ・コバヤシの扱いについてSRXチームでいざこざが起こる訳だが。

 

 

 

 

 

「……何とか、伊豆基地を襲撃したアインストは撃退に成功したらしい」

 

 ヴィンデルにその報告が入ったのは、伊豆基地が襲われているという情報が来てから2時間程後の事だった。

 俺達へと知らせるその様子は、肩の荷が下りたといった様子だ。

 実際、ここで伊豆基地がアインストによって壊滅していた場合はこちらの計画もかなりの部分練り直しになっただろうから、ヴィンデルの心労も分からないではない。

 

「じゃあ、ミッション・ハルパーは計画通りでいいんだな?」

「ああ。レモン、お前には機密通信装置を使ってW17に連絡を取って貰う。色々とトラブルが起きているようだから、お前がきちんと様子を見ておけ」

「分かった。じゃあ早速……アクセル?」

 

 作戦司令室を立ち去ろうとするレモンの後に付いていく俺を不思議そうな顔で見ているレモン。

 

「いや、W17があれからどうなったのかは俺も興味があってな。通信に口を出すつもりはないが、奴の様子は見ておきたい」

「あらあら、心配性のパパみたいね」

「ふん、何か言ったかママ?」

「はぁ……もういい。2人でいいからさっさと行ってこい。ここでイチャつかれるよりはその方がマシだ」

 

 まるで犬でも追い払うように、手であっちへ行けという仕草をするヴィンデル。

 俺とレモンは苦笑を浮かべつつも、機密通信装置のある部屋へと移動する。

 

 

 

 

 

「…という訳で指令は以上よ。理解したかしら?」

「了解しちゃいましてございます。そちらのタイミングに合わせてハガネを制圧したりなんかしやがればよろしいのね」

「ふふ。その喋り方、可愛いわよ。自分の子供の新しい一面を見た感じで、ちょっと嬉しいかもね」

 

 レモンとラミアの通信を少し離れた所で聞いているが、こうしてラミアの様子を見るに、その自我は完全に確立したと言っても問題無いだろう。

 

「ご報告しまくった通り、言語系がハチャメチャにバグっちゃっているのでございましたのですわ。その事よりレモン様。質問をしてしまいましてよろしいのですの事ですか?」

「質問? どうしたの? 指令内容に何か不明な点でもあったかしら?」

「戦争のない世界に望まれた子供と、戦争をする為に生まれた子供。その違いはどこにあるのでしょうですか?」

「何を言っているの? 大事な作戦の前なのに……大丈夫?」

「あ、申し訳ないの事であります。お忘れまくられてくださいのです」

 

 そのラミアの様子を見てレモンも気が付いたのだろう。自分が待ち望んでいた変化がラミアに現れた事を。

 

「興味深いお話ね、W17。でもそれは今回の指令を遂行した後でゆっくり話し合いましょう。私も考えていた事なのだから」

「レモン様もでありまするのですのか? 了解いたしたりしました。指令の遂行を最優先にしちゃいますのです」

「ええ、お願い。じゃあもう一度確認するわね? まずはブリッジを占拠し、ハガネの動きを封じる」

「その隙を突き、内部へ侵入して艦内を制圧。毎度の手口だったりする訳なのですのね?」

「こういう時の為に アンジュルグには自爆装置が付けてある。分かってるわね?」

「起動プログラム、コードATAか。使う事になれば、ハガネの乗員には気の毒だが」

「ねえ、W17本当に大丈夫なの? 突然別人になったようよ?」

「そ、そうでござられますですか?」

「指令に対して、自分から意見を言ったり全く関係ない質問を差し挟んだりなんてね」

「も、申し訳ござりませんの事です。レモン様、私の神経系や感情中枢回路には言語系同様に、欠陥があっちゃいますのでしょうか?」

 

 ふむ。ラミアの様子を見るに、どうやら自我は確立しているらしいがそれを認識は出来ていない、のか? だが、それもミッション・ハルパーの後には心配なくなるだろう。

 

「デリケートな作りである事は確かよ。他のWシリーズに比べて、ね。それが『欠陥』であるかどうか。あなたを見ていると、近いうちに分かるような気がする。楽しみではあるのよね」

「……え?」

「ふふ、何でもないわ。お楽しみはこれからって事。さて、随分と無駄話をしてしまったわね」

「申し訳ございませなんだ。ではレモン様、私は任務に戻り」

「最後に一つだけ。無駄話ついでにいいかしら? W17」

「レモン様、もしやあの人物の事だったりしたり?」

「鋭いわね。そういう事よ。もう一人のブロウニング、そちらにいるんでしょう?」

「……はい……」

「搭乗している機体は?」

「PTX-007-03Cヴァイスリッター、だったりなんかしますのです」

「……分かったわ」

「……」

「じゃあ、そろそろ通信を終わるわね。後の事はあなたに任せるわ」

「了解ちゃんなのです。W17、任務の完遂を最優先にしまくり」

「自分で考えて、自分でお決めなさい。W……いえ、ラミア・ラヴレス」

 

 最後にそれだけ言って、通信装置を切るレモン。その顔はどこか悲しげな表情を浮かべている。

 

「やはり気になるか、もう1人のブロウニング。レモンにそんな顔をさせるのなら、話すんじゃなかったな」

「いいえ、いいのよ。どのみちこちらの世界に来れば知る事になっていたわ」

「俺と一緒に来るという選択肢を選ばなければ、もう1人のブロウニングと共にいる事が出来るかもしれないんだぞ?」

「それこそ今更よ。彼女と一緒にいても、アクセルがいないんじゃ意味が無いわ」

「……例え俺が、自らが生き残る為に親友を切り捨てるような男でも、か?」

 

 その言葉に鋭く息を呑むレモン。それはそうだろう、自慢じゃないが俺の交友範囲は狭い。あちらの世界では親友と呼べる存在だったバリソンやユーリアもいたが、バリソンはベーオウルフにやられて。ユーリアにいたっては再会するという約束を破って俺はここにいるのだ。

 特に小さい時から俺と付き合いのあるエクサランスチームは、俺が裏切り者に見えているだろう。

 そんな俺の親友と言えば、すなわち……

 

「アクセル、貴男……」

 

 思わず口に出したレモンだが、すぐに首を振って俺に抱きついてくる。

 

「死ぬ時は一緒に……または一緒に生きる道を選びましょう。私はアクセルについていくわ。どこまでも。例え貴男が修羅の道を進もうとも」

「……物好きな奴だな」

「そうね。でも、そんな物好きくらいしかアクセルと共に在ろうとは思わないでしょう? なら私は自分が物好きで良かったと思うわ」

「はぁ……好きにしろ。お前が俺と共に来てくれるというのなら、俺は全力でレモンを守るだけだ」

 

 その言葉に笑みを浮かべつつもレモンは軽く俺の背を抓る。

 

「知らないの? 今時の女は守られるよりも守るものなのよ? 幸い、アギラを始末してくれたおかげであのブーステッド・チルドレンの子、オウカとか言ったかしら? あの子ももう以前程の力はないでしょう。そうなると、あの子の専用機にする予定だったラピエサージュのパイロットがいないわ」

「……乗るつもりか?」

「ええ。アギラが消えてからは私用に調整もしてきたし、特に問題はないわ。ゲイム・システムについても既に外しているしね」

 

 確かにレモンは、エクセレンをWシリーズの技術を使って強化したような存在だ。現時点では修羅場を潜り抜けてきたエクセレン程の実力は無くても、その素質自体はエクセレンよりも上だろう。それに、レモンとてシャドウミラーの一員だ。あちらの世界の連邦軍相手に戦ってきた経験もある。

 

「分かった。俺の負けだよ。好きにしてくれ」

 

 苦笑を浮かべ、両手を上げて降参のポーズを取る。全く、俺には過ぎた恋人だな。

 

「さて、甘い会話はこれでおしまい。取りあえずは、ミッション・ハルパーの準備に取りかかりましょう」

「ああ。……お前が居てくれて、本当に良かったよ」

 

 部屋を出て行こうとしているレモンを背後から抱きしめ、唇を重ねた。




名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:40
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.8
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:135

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