転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1096話

 ミロンガ改の発表から数日。当然の如く殆ど全員がエナジーウィングと関節部分の強化を希望して技術班に書類を提出した。

 S-11を使ったミサイルポッドに関しては、人ぞれぞれ。希望する者もいれば、しない者もいる。

 ただ、使い捨てのミサイルだというのを考えれば、あるならあった方がいいって程度なんだよな。

 それにシャドウミラー同士の模擬戦とかだと、普通に撃ち落とすし。

 ミサイルは、当然ながらビームやマシンガンのような弾丸に比べると圧倒的に速度が遅い。

 それだけに、撃ち落とすのはそう難しい話じゃない。

 何しろ、シャドウミラーのパイロットは全員が他の部隊に行けば即エースパイロットとしてやっていけるだけの実力がある。

スティングやアウルにしても、シャドウミラーとしての訓練を重ねた事で立派にエースと呼べるだけの実力になっている。

 残念ながら、一番新しくシャドウミラーに入ったレイに関しては、まだそこまでの実力はないが……レイは真面目であり、ある種ストイックな性格でもあるのを考えれば、二人に追いつくのも時間の問題だろう。

 シャドウミラーの訓練というのはそれ程に濃密なものであり、誰が受けても恐らくは最低限エース級の力を備える事は出来るだろう。

 ……まぁ、訓練を途中で投げ出さずにやり遂げられれば、の話だが。

 そしてシャドウミラーの主戦力であるメギロートを含む無人機は、幾多の戦いを経験してきた戦闘用AI。量産型Wにいたっては、その辺のエースクラスよりも間違いなく上の実力を持つグラストンナイツレベルの力を持っている。

 まぁ、ギアス世界に駐屯しているグラストンナイツの面々も、当然訓練を重ねて技量を上げてはいるんだろうが。

 ともあれ、それだけの腕利きが揃っているシャドウミラーだ。ミサイルを撃ち落とす程度の事は楽にこなす以上、S-11を搭載したミサイルの威力が高いといっても、それ程使う奴はいないんだよな。

 ゼロ距離射撃で叩き込むとかならまだ使いようはあるが、そうなると今度は自分もS-11の爆発に巻き込まれることになる。

 まぁ、牽制とかでなら使えるんだろうが……そのくらいか?

 ああ、後はある程度の軌道を描くようにAIで制御させて時間差で攻撃をするような罠を仕掛けるのはありか。

 SEED世界でナタルがドミニオンに乗って俺達と戦いになった時に使ったように。

 ……ただ、そこまで面倒なことをする為にミサイルという重量増加を認めるかと言われれば……どうだろうな。

 まぁ、俺の好みではないが使い捨てって事で戦闘開始時に一気に全弾発射して即パージっていう開幕ブッパとかはあり、か?

 高機動戦闘を重視するシャドウミラーのメンバーでも、それなら使い勝手はあるかもしれない。

 ちなみに、今回の件で申請したのが殆どと表現したのは、当然俺が申請していないというのもある。……そもそも、ミロンガは既に適応されているし、ニーズヘッグにいたっては何を言わんやだ。

 サラマンダーもファイターになることを考えると、エナジーウィングを付けるのは難しいと言われたしな。

 で、俺以外にも申請していない奴はいたりする。

 ムラタ、エキドナ、ギルフォード。

 ……そう、言わずと知れた特機組だ。

 今回の新技術は確かにある程度サイズが違っても使えるように開発されているが、それでも特機には無理だったらしい。

 正確にはエナジーウィングが無理だってだけだけど。TGCジョイントに関しては似たようなのが適応されているし、S-11ミサイルに関しては問題なく使用可能だ。

 で、今の技術班はそれらの件で忙しいかと言われれば……答えは否だったりする。

 何しろ、新システムの取り付けに関してはある程度のマニュアル化がされており、普段整備を行っている量産型Wで十分に対応が可能だ。

 勿論量産型Wの取り付けで何かミスがあったりする場合もあるのを考えると、技術班のメンバーが取り付け作業終了後にチェックをする必要はあるだろうが。

 それに、結局今回改修作業を行うのはあくまでも有人機のみだ。

 メギロートなんかの無人機はそのままだし、シャドウに関しても量産型Wの乗っているシャドウはそのままという事になっている。

 つまり、全部で10機前後。

 普通にそれ程手間が掛からないのは分かる。

 

「……で、つまり暇だって事か?」

「ま、簡単に言えばそうなるわね」

 

 レモンが紅茶を飲みながら、そう返す。

 現在俺達がいるのは、ホワイトスターにある交流区画の喫茶店。

 そこで俺とレモンは2人で紅茶を飲みながらデートを楽しんでいた。

 ここ最近は他の恋人達とのデートとかを楽しんではいたけど、レモンとのデートは随分と久しぶりだ。

 俺としてはどこか他の世界にでも行くか? と誘ったんだけど、レモンが希望したのはホワイトスターでのデートだった。

 それだと普段の生活とあまり変わらないと思うんだが……まぁ、本人がそれを希望している以上、それでいいんだろう。

 第一、俺もこうしてレモンと一緒にいるのは楽しいしな。

 

「はい、これ」

 

 そう言いながらレモンが渡してきたのは、1枚の書類……って、結局仕事だろ、これは。

 溜息を吐きつつ書類を受け取ると……小さく目を見開く。

 それも悪い方向じゃなくて、いい方向でだ。

 その書類に表記されていたのは、ホワイトスターと融合させた時の指輪に関する事。

 恭順派の本拠地の件から始まった一連の事件でアメリカから得た報酬のG元素。

 その中のグレイ・シックスを投入する事で以前よりも多少なりともマシになったらしい。

 具体的には、時の指輪の効果が3倍程だったのが5倍くらいに。

 つまり、80歳まで生きる人は今までならホワイトスターにいれば240歳まで生きられた。けど、今は400歳まで生きられるといった具合だ。

 実際に400歳まで生きるとなると、生まれた時からホワイトスターの中にいなければいけないので、正確にはそこまでの寿命はないだろうが。

 それでも、以前より寿命が長くなったのは事実。

 

「よくやってくれたな」

「……その代わり、アメリカから貰ったグレイ・シックスは全部使ってしまったけどね」

 

 そう言いつつ、レモンは口元に笑みを浮かべて紅茶へと手を伸ばす。

 時の指輪を使って不老になったレモン。そして俺の恋人達だ。当然このまま時間が流れれば、他の仲間達とは自然と死に別れてしまう。

 シャドウミラーの人材の枯渇というのもあるけど、やっぱり知り合いが死んでしまうと言うのは悲しいんだろう。

 まぁ、でも魔法球の方は完全に時の指輪の効果が発揮されているから、いざとなったらそっちに突っ込んでしまうというのもありかもしれない。

 ただ……魔法球と外の時間差を考えると、やっぱりそれを喜ばない人も大勢いそうなんだよな。

 ムウや、もうすぐシャドウミラーに合流するナタル辺りはそこまで生に拘らなさそうだし。

 ムラタの場合は逆に生にしがみつき、より剣の腕を極めていきたいと思うかもしれない。

 

「5倍、か。まだまだG元素は必要だな。いずれ将来的に手に入るって訳じゃなくて、出来れば早い内にある程度の量が欲しいな。グレイ・イレブンの方はまだ余裕があるし、グレイ・ナインは今のところ必要としていない。……そうなると、やっぱりグレイ・シックスか」

「そうね。一旦寿命を不老に出来るようになれば、他のG元素を集めるのはゆっくりとでもいいもの。その辺、どうにかならない?」

 

 どうにかならないと言ってもな……ハイヴ攻略時に得られるG元素はかなりの量を貰っているし、最大のG元素保有国でもあったアメリカからは今回纏めて貰った。となると、残りは国連とかか?

 けど、それにしたってそれ程の量はないのは確定だ。

 つまり、今以上にG元素を手に入れるのなら、やっぱりハイヴを攻略する必要が出てくるんだが……地球上にあるハイヴはこっちで勝手に占拠は出来ない。

 となると……

 

「月、あるいは火星か?」

 

 その2つが候補に挙がる。

 どちらも地球にあるハイヴよりも大きなハイヴがある以上、G元素に関しては相当期待出来る。しかも地球上じゃないから、こっちで独自に攻略しても問題はない。

 ただ、月は監視衛星でしっかりと見られているのを考えると、ベストなのは火星だろうな。

 フェイズ9のマーズゼロという、現在判明している中では最大規模のハイヴがあるし。

 そんな風に悩んでいると、紅茶を飲みながらレモンが小さく笑みを浮かべる。

 

「私としては、火星がいいと思うわよ。余計な邪魔が入らないし、G元素に関しても必要としている以上に入手出来るでしょう。それに……」

「それに?」

「火星のハイヴを束ねているマーズゼロを落としてしまえば、恐らくBETAの統率に影響が出てくるのは間違いないわ。そうなれば恐らくこちらの好きなように事を進められる筈よ。他のハイヴを襲撃して、G元素だけを奪取して反応炉はそのままで脱出とか。もしくは、反応炉を潰してもBETAがハイヴを取り戻して新たに反応炉を設置してG元素を集める。それも、火星の大きさは地球よりも小さいけど、海がない分陸地は大きい。つまり、地球よりも遙かに多くのハイヴが存在するのよ」

「……なるほど。つまりは養殖か」

 

 レモンが言いたいのは、そういう事だろう。

 確かにG元素は俺達では作る事が出来ない。キブツにしても、G元素自体がマブラヴ世界固有の物質の為に変換して作り出すのは不可能だし。

 だとすれば、作れる奴等に作って貰うってのがベストだ。

 養殖に関しては、勿論考えてはいた。G元素を恒久的に入手する方法というのはどうしても必要だし、いっそホワイトスターの周囲にBETAを解き放って……とも考えていたけど、とても現実的な話ではなかった。

 それを考えると、確かに火星を俺達の養殖地にするというのは十分にありな話だろう。

 

「それに、火星は地球にとっても因縁の地でしょ? 敵の本拠地……いえ、前線基地と呼んでもいいような場所ですもの」

「確かにな。火星にいるのがBETAの親玉なのか、前線指揮官的な役割を持つ奴なのかは分からないけど、今のところは火星が地球圏にいるBETAの本拠地と見なされているのは間違いない」

 

 それに、月は一応どこの勢力も所有してはいけないって建前になっている以上、火星を先に叩くのは十分にありだろう。

 地球でそれに一番反対しそうなアメリカは、俺達に対してこれ以上ない程大きな借りを作ってしまっているし。

 そうなると反対する可能性としてはソ連か。

 ただ、ここにしても宇宙船ジャック事件で犯人が出ている以上、そうそう俺達に対して強く出るのは不可能。

 何らかの理由があればともかく、俺達がやろうとしているのは火星にあるハイヴに攻略を仕掛けるって事でしかない。

 ……まぁ、G元素系統の技術で遅れを取るのはどこの国でも面白くないだろうけど、それより地球の安全を……ああ、今回の件がいらない刺激になって地球に対してより強力なBETAが送られてくるという反論はあるか?

 

「そうだなビルにちょっと相談してみよう」

 

 幸い火星という場所であれば、俺達シャドウミラーの本領を思う存分発揮出来る。

 フレイヤとかを使っても、この地球上でのように国家からクレームが来る事もないだろうし。

 それに光線級がいないというのは大きい。

 シャドウミラーの機体には基本的にバリアがあって、それがあればレーザーは効果がない。

 けど、メギロート、イルメヤの2機種はバリアがない以上、レーザーの集中攻撃を受ければ撃破されかねない。

 一応この世界の戦艦よりも防御力は高いが、それは当てになるものでもないしな。

 事実、重光線級のレーザー照射がある程度連続して当たり続ければ貫通してしまうし。

 

「けど……問題は、新種のBETAがいるのかどうかって事だろうな」

 

 地球圏を攻めているBETAの総司令部的な位置にある火星のハイヴだけに、どんなBETAがいるかも分からない。

 そんな思いを込めて呟いた言葉だったが……

 

「新種のBETAがいる可能性は少ないわね。……恐らく突撃級、要撃級、要塞級、戦車級、闘士級、母艦級くらいでしょうね」

「……何でだ?」

「言っておくけど、確実じゃないわよ? あくまでも予想だから。そもそも、光線級、重光線級、兵士級が地球で出現したのは何故?」

 

 紅茶のカップを爪先で突きながら尋ねてくるレモンに、口を開く。

 

「光線級と重光線級は航空機に対抗して。兵士級は人間を効率的に狩る為って言われてるな」

「そう。つまり、人間という存在がいたからこそ、新種のBETAが出てきたのよ。けど、火星に生物がいる?」

「いない」

「でしょ? つまり、新型のBETAを生み出す土壌そのものがないの」

 

 ……なるほど。確かにそう考えれば理解は出来る。

 もしこれが本当なら……行けるか?

 

「悪いが、その意見を夕呼に確認してみてくれ。その可能性が高いのなら……火星を獲るのを本気で視野に入れてもいいかもしれない」




アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183

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