転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0097話

 アースクレイドル内にある都市部の休憩スペースで俺はオウカとゼオラに会っていた。

 

「アクセル大尉。これまでの暴言、大変申し訳ありませんでした」

 

 俺に向かって頭を下げるオウカ。その隣にいるゼオラも同じく頭を下げている。

 

「どうやら洗脳は解けたようだな」

「はい、セロ博士のおかげで。それもアクセル大尉が力を貸してくれたおかげだと聞いています」

「こっちにもこっちの都合があってやった事だ。そう気にする必要はない」

「でも……」

「礼ならお前達が無事兄弟に再会出来てから聞かせてくれ」

「はい、大尉がそう仰るなら……」

 

 どうにも申し訳なさそうな顔をしたままのオウカの頭を撫でてやる。

 

「あの、困ります。大尉」

「ん? あぁ、嫌だったか?」

「いえ、その……」

「あ、姉様赤くなってる」

「ちょ、ゼオラ!」

 

 そんな2人のやり取りを見ながら、アギラを処分して良かったと心底思う。後はこの2人をハガネへと送り出すだけなんだが……原作通りに行くのなら、オペレーション・プランタジネットでリーはハガネのダイテツ艦長を殺す事になるだろう。一応、それは阻止する予定ではいるのだが、俺の原作介入により流れはかなり流動的になっている。

 もっとも、原作通りの流れならオウカはゲイム・システムの影響で死んでしまうし、ゼオラにしてもアラドの事を思い出すのはもっと先になっていた筈だ。それを思うと、多少の誤差くらいはなんとかしてやろうという気になる。

 

「あの、大尉?」

 

 突然黙ったのを不審に思ったのか、オウカが俺の顔を心配そうに覗き込んでいる。

 

「いや、何でもない。ちょっと考え事をしていただけだ。それよりお前達の身体の方は大丈夫か?」

「はい、私はもう少しでゲイム・システム用に調整される所でしたが、セロ博士のおかげで」

「私の場合はオウカ姉様と違って記憶を弄られていただけですから、身体の方は特に」

「なるほど……っと、悪い」

 

 2人と話していると、通信が入ったので2人から少し離れて通信に出る。

 

「アクセルか? 悪いが作戦司令室まで来てくれ。フェフが頼みたい事があるそうだ」

「フェフ博士が? 分かった、すぐに行く」

 

 通信を切り、オウカとゼオラへと声を掛ける。

 

「悪いが、フェフ博士から呼び出しだ。この辺で失礼させて貰う」

「フェフ博士が……その、もしかして私達の事で何か?」

「いや、ヴィンデルのあの様子を見る限りでは多分違うな。恐らく何らかの任務だろう」

「そうですか。無事に戻って来て下さいね」

 

 心配そうな笑顔で送り出すオウカのその言葉を貰いながら、作戦司令室へと向かった。

 

 

 

 

 

「で、どうしたんだ?」

 

 いつもの如く、作戦司令室に集まっているメンバーへと声を掛ける。

 そう言えば、リーも大分この場所に馴染んできたのか、余り違和感が無くなったな。

 

「詳しい話は本人に聞いてくれ」

 

 ヴィンデルが通信のスイッチを押すと、そこには相変わらず流浪の格闘家にしか見えないイーグレット・フェフが映っている。

 

「アクセル大尉、こちらから頼みたいのはサマ基地の応援に行った俺の子供達を連れ戻して欲しいのだ」

 

 フェフの言う子供達となると、マシンナリー・チルドレンか。新世代の人類とか言ってる割には情緒不安定なのが原作で印象深く残っている。

 

「サマ基地に連邦軍が攻め込んできたのか?」

「ああ、ハガネが攻め込んできたらしい。それを聞いた3人の息子達が自分達でハガネを倒してくると言って出撃してしまってな。それを連れ戻して欲しい」

「こちらの指示に従わない場合は力尽くになるが、構わないか?」

「ああ。俺としては問題ない」

 

 なるほど。こいつ、俺をマシンナリー・チルドレンの実力を計る為の当て馬に使うつもりか。……あるいは、実戦を経験させる為の相手という事も考えられるか。

 

「それに、もしこの依頼を聞いて貰えるのなら、アギラ・セトメに関する事は水に流そう」

 

 さすがにいきなりアギラ・セトメがいなくなっては気が付くか。だが何とか誤魔化すしかないな。

 

「……さて、アギラ・セトメと俺に何の関係がある?」

「そう思いたければそれでもいい。……それで、こちらの依頼は受けて貰えるのか?」

 

 チラリとヴィンデルの方へと視線を向けると、小さく頷いている。

 

「了解した。だが、手荒な真似をするとなると下手をしたらマシンナリー・チルドレンでも命に関わるかも知れないが?」

「そうだな、ウルズさえ無事ならこちらとしては文句は言わん。ただし、ウルズだけは決して死なせないようにして欲しい」

「努力はする」

「では、頼んだぞ」

 

 その言葉と共に、通信が切れる。

 

「さて、そうなると一刻も早くサマ基地に向かわなきゃ行けないんだが……リー、シロガネは使えるか?」

「いや、まだ修理が終わってない。もう少し時間が掛かる」

 

 となると……ライノセラスは速度の問題で駄目だし、まさかギャンランドを使う訳にもいかない。

 

「レイディバードしかないか。ヴィンデル、構わないか?」

「ああ、レイディバードならすぐに準備出来る筈だ。早速出撃してくれ」

「アクセル、誰か連れていく? W15は出撃中だけど、W16なら大丈夫よ」

 

 尋ねてくるレモンに首を振る。

 

「いや、今回は俺1人の方が動きやすい。レイディバードを操縦する量産型Wがいれば大丈夫だろう」

「分かったわ。すぐに準備させるわね」

 

 そう言って作戦司令室を出て行くレモンの後を追う。

 

 

 

 

 

「隊長、サマ基地が見えてきました」

 

 レイディバードを操縦している量産型Wの報告を聞き、モニタの様子をグロウセイヴァーにまわしてもらう。

 画面の中では、茶色のベルゲルミルが基地司令部があると思われる場所をその手に持っていたライフルで破壊している所だった。

 

「ちっ、案の定か」

 

 ハガネの部隊対マシンナリー・チルドレンの操るベルゲルミル3機。俺としてはこのまま見学と洒落込みたい所だが、フェフからウルズだけは無事連れ帰ってくるようにと依頼されている。それに、ヒリュウ改と合流しているのならともかく、今のハガネの部隊だけでは苦戦は間違いないだろう。

 グロウセイヴァーのコックピットから、量産型Wへと通信を送る。

 

「俺は出るが、お前は見つからないようにこの戦場から退避していろ」

「了解」

「グロウセイヴァー、アクセル・アルマー、出るぞ!」

 

 レイディバードのハッチを開け、テスラ・ドライブを起動させて空中へと飛び出し、そのままサマ基地へと向かう。

 既にそこではハガネの部隊とベルゲルミルが睨み合い、いつ戦闘に突入してもおかしくない状態となっていた。

 

「ちぃっ、しょうがない」

 

 ランツェ・カノーネの砲身を2門共展開し、ベルゲルミルとハガネの部隊の中間へと連続してビームを撃ち込み、同時に通常周波数で通信を入れる。

 

「双方共、引け!」

「何だお前は!」

 

 案の定、ベルゲルミルのうちの1機――恐らくこの好戦的な口調からスリサズのものだろう――から通信が入る。

 

「おやおや、インビジブルマンまでお出ましとはね。一体どういうつもりだい?」

 

 ハガネ側からは既にお馴染みとなったイルムからの通信。その口調は訝しげなものだ。それはそうだろう。イルムにしてみれば、俺とマシンナリー・チルドレンは同じノイエDCの勢力に所属するものだ。いや、正確には俺もマシンナリー・チルドレンもノイエDC所属ではないのだが、それはイルムには分からない事だ。

 

「俺は、アースクレイドルのイーグレット・フェフ博士からの依頼を受けてここにいる。そこにいる突撃馬鹿3人を連れ戻して欲しいとな」

「突撃馬鹿? ……お前、下等な人間種族の分際で僕等を馬鹿にしているのか!?」

 

 スリサズの声が響くが、それを無視してイルムへと声を掛ける。

 

「ハガネとしても、目的はこのサマ基地の制圧だろう? ここで無理をして戦闘する事はないと思うが、どうだ?」

「そうかい? だがここにはインビジブルマン、あんたを入れても4機しかいない。そしてあんたはどう考えても厄介な敵だ。この機会に……って方法もあるんだが?」

「本当にそう思っているならやってみろ。己の行いを後悔しないようにな」

「……構わん。インビジブルマンの提案を受け入れる」

 

 俺とイルムの通信に割って入ったのは、ハガネの艦長であるダイテツ・ミナセだった。

 

「今回の目的はこのサマ基地の奪還。無意味に戦う必要はない」

「ハガネ部隊の指揮官としての発言と思って構わないな?」

「うむ、構わん」

 

 良し。取りあえずこれでハガネの方は大丈夫だな。後はベルゲルミル3機をどうにかしないとな。

 

「……聞いていたな? この場での戦闘は終わりだ。アースクレイドルに戻るぞ」

「僕が愚かなヒトの命令を聞くと思っているのか?」

 

 スリサズのベルゲルミルが、持っていたライフルの銃口をこちらへと向けてくる、

 

「お前等の父さんから頼まれて連れ戻しに来たんだが……それはフェフ博士に反逆するという認識でいいんだな?」

「スリサズ、やめろ。もしあの男の言っている事が本当なら」

「ウルズは黙っててくれないかな。こいつが本当の事を言っているとも限らないだろう? 下等な人間の分際で妙に偉そうだし、少し躾が必要だ。気になるんなら、ウルズは戻ればいい。アンサズはどうする?」

「僕はどっちでもいいけど……ま、ここはスリサズの躾とやらを見学させて貰うよ」

「2人共……」

「それに、無能な人間は少しずつでも駆除しないといけないしね。僕達の間で話し合って決めた事に異存があるのかい?」

「……いいだろう。僕は先にアースクレイドルに戻らせて貰う」

 

 ウルズはそう言うと、そのまま戦場から飛び去っていく。残るのは俺と戦う気満々のスリサズに、それを眺めて楽しむアンサズのみ、か。

 

「俺と戦うのは別に構わないが、お前達の機体の性能をハガネに見せつける事になっても構わないんだな?」

 

 俺の質問はスリサズとアンサズの嘲笑で返される。

 

「聞いたかい、アンサズ。あいつ、僕と互角な気でいるよ?」

「しょうがないさ。所詮は僕らより下等なヒトだ。パパとは違うのさ」

「甘ったれた糞ガキどもが。己の分、というものを弁えさせてやるよ」

「……僕等のような新世代の人類であるマシンナリー・チルドレンに向かってあの口の利き方。やっぱり躾が必要なようだね」

 

 スリサズのベルゲルミルが、再度銃口をこちらへと向ける。アンサズのベルゲルミルは高見の見物をする為に少し離れた場所へと移動する。

 

「僕等が君たちのような下劣なヒトとは違うと言う事をその身をもって理解してもらおうか。ゲイム・システム、フルコンタクト!!」




名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:40
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.8
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:135

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