転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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1069話

『……アクセル、さすがにそこまで行くのは無理だよ』

「やっぱり無理か。まぁ、BETAの死体はここまで取りに来なくても向こうからやって来るしな。無理は言わない。なら、この死体はここに置いて行くぞ?」

 

 映像モニタに映り出されている崇継の顔から視線を逸らし、別の映像……外で鬼眼により麻痺したBETAにこのマブラヴ世界でBETA捕獲用に使われている薬剤を打ち込んで輸送機に運び込んだり、一ヶ所に纏めている量産型Wの方へと視線を向ける。

 もっとも、輸送機に積み込めるのは要撃級までのBETAだ。基本的にこの輸送機は俺がSEED世界にいる時にアラスカで奪った機体だけに、MS数機分の量しか積み込む事が出来ない。当然要塞級、重光線級といった特機並みの大きさのBETAを積み込む事は出来ない訳だ。

 なら、大型BETAの収容を諦めるかと言えば……そもそも、レモン達技術班から捕獲の要望があった以上、向こうでその辺を考えていない訳がない。

 ……まぁ、方法自体は単純なんだけどな。

 輸送機に積み込まれているBETAと同様に薬剤を打ち込み、その後メギロートが技術班謹製の鎖で身体が動けないように縛り上げ、重光線級のレーザー照射膜と接触させるようにして一塊にすると十機程のメギロートが持ち上げ、運んでいく。

 そんな風に運ばれていくBETAの他に、周囲には俺の攻撃により死体と化した無数のBETAが存在していた。

 今崇継に連絡したのは、このBETAの死体を欲しいのなら取りに来てもいいという要請……いや、違うな。提案だったんだが、敦煌ハイヴから程近い位置にあるここまで死体を取りに来るというのは、日本にしてもハイリスク・ローリターンだったのだろう。

 実際、間引きが順調に進んでいる今、無理にここまでBETAの死体を取りに来る必要はない。

 シャドウミラーに対する主要な輸出品としてのBETAの死体は、そっちで十分入手出来ている、と。

 ……そう言えば、BETAの死体は陰陽術や魔法の素材とかになったりするのか? ワイバーンの鱗や牙は十分にそっち系の素材として役立つって話だったし、地球外生命体でもあるBETAも何らかの素材として使えるかも?

 もし使えると判明すれば、BETAの死骸は俺達だけじゃなくてネギま世界でも大きな需要を得る事が出来るかもしれない。

 ちなみに、BETAの死体を何かに利用出来ないかと、他の世界でも少量ではあるが買い取っていたりはする。もっとも、どの世界でもまだ有効利用する手段を確立出来ていないようだが。

 装甲殻や光線級、重光線級のレーザー照射粘膜は何かに使えそうだという意見もあるが、あの悪臭がどうしようもなくそれを邪魔しているとか何とか。

 

『ああ。そうして……いや、そのままBETAの死体をそこに置いておけば、敦煌ハイヴのBETAが何かに利用しかねない、か。そう考えると、そのままでは不味いかもしれない。出来れば綺麗に纏めて消滅させてくれると嬉しい』

 

 涼しい顔で無茶を言ってくる崇継に、思わず息を吐く。

 

「あのなぁ。纏めて消滅って……フレイヤでも使えってのか?」

『さすがにそこまでは言わないよ。……ただまぁ、もし使ったとしても敦煌ハイヴの近くである以上しょうがないと思うけど』

 

 口元に笑みを浮かべつつ告げてくるその様子は、寧ろ使って欲しいと考えているように思える。

 

「もしかして、このまま済し崩し的に敦煌ハイヴを攻略しろとか考えてないんだろうな?」

『さて、どうだろうね。ただ、そういう風に話が進めばこちらとしても嬉しく思うけど。上の方の頭の固い者達に対処する為にも』

「……五摂家の1つ、斑鳩家の当主とは思えないな。飛ぶ鳥を落とす勢いだってのに」

『ははは。そう言われてもね』

 

 元々五摂家というのは、武家の頂点に近い位置にいる者達だ。その五摂家の中でも、斑鳩家、崇宰家の2つの家はここ最近は随分と他の家に対して優位性を持っている。それに少し遅れて続くのが煌武院家といったところか。

 当然この2家、あるいは3家が五摂家の中で突出した力を持つようになった理由は、俺達シャドウミラーだ。

 シャドウミラーの代表である俺と個人的な友誼を結んでいるというのも大きいし、ホワイトスターや、そこを経由して他の世界に行った事があるというのも大きい。

 だが……それでも、日本の頂点という訳ではない以上、全てを自分達で決められる訳もない。

 その辺が崇継が頭を悩ませている理由なのだろう。

 そもそも、崇継にしろ、恭子にしろ、シャドウミラーが敦煌ハイヴを攻略するのは賛成なのだ。

 重慶ハイヴの位置を考えると、BETAの攻撃が始まれば集中攻撃される事になるというのは分かりきっている。……もっとも、シャドウミラーの敦煌ハイヴ攻略に反対したのは、他の国々もだったのだが。

 

「まぁ、その辺の話はまた今度だな」

 

 メギロートが要塞級や重光線級を固めた状態で持ち上げ、捕獲したBETAの集まっている場所――輸送機等に入れられているのも含む――へと移動しているのを見て、そろそろ通信を終える準備をする。

 まぁ、ぶっちゃけ死体はこのまま持ち帰っても良かったんだが、それを処理するのが面倒だってのがあるんだよな。

 量産型W辺りに任せればコンテナとかに纏めるかもしれないが、それをするのにも時間が掛かるし。

 

『おや、そうかい? ならこの辺で失礼するよ。シャドウミラーの活躍にはいつも助かっている。今回の作業も結果的に間引きとなったし』

「感謝するのはそっちの好きにしてくれ。俺達としても感謝されるのは嬉しいからな」

 

 このマブラヴ世界で、日本という国は色々と影響力がでかい。

 そして、俺達シャドウミラーにとってもオーストラリアに次ぐ親しい国だ。

 もっとも、向こうとしてもシャドウミラーと親しいというのは色々な意味で有利な出来事なんだろうけど。

 不安要素を考えれば、恭順派か?

 俺達を目の敵にしているし。

 まぁ、恭順派の教義を考えればしょうがない。

 ともあれ、崇継との通信を終え、鹵獲したBETAを集める指揮を執っている量産型Wへと通信を送る。

 

「BETAの方はどうなっている?」

『はい、もう数分で全ての作業が完了する予定です』

「そうか、転移に関してはこっちに任せろ。それと、一応念の為に周囲の警戒を怠るなよ。BETAが捕まった仲間を助けに来るような事をしないとも限らないし」

 

 普通に考えれば、BETAがそんな行為をするとは思えないだろう。だが、ハイヴを取り返しに来るような行動を見せるのを考えると、もしかしたら捕まったBETAを助けに来る可能性が全くないとは言えない。

 

『は! 周囲の警戒を厳にします』

 

 短く返事をした量産型Wに頷き、改めて捕獲したBETAの方へと視線を向ける。

 そこには大は要塞級から、小は兵士級まで、様々なBETAが存在している。

 ただし、BETAの中でも最大級の大きさを持つ母艦級の姿は存在していない。

 ……出来れば、母艦級も生け捕りにしたかったんだがな。

 その姿が何度か確認された母艦級だが、まだ生きた母艦級を捕らえたという報告は存在しない。

 マブラヴ世界の者達は、俺達と接触する前からBETAを積極的に捕獲しては、その生態とかを調べていた。

 そういう意味では、マブラヴ世界の住人にしても母艦級の生きたサンプルは欲しいのだろうが……地中を移動するというのがネックになっており、またその数もそれ程多くはないだろうと見なされている為に、未だに捕獲は出来ていない。

 一応これまで倒した死体からある程度の研究や解析は出来ているんだが……

 調査をするにしても、当然死んでいるよりは生きている方がいい訳で。

 だが、母艦級の場合は生け捕りにするというのは難しい。

 あれだけの巨体である以上、下手にダメージを与えれば暴れて周囲の被害が大きくなる。

 更に地中に移動出来るという能力がある以上、何とかダメージを与えて弱らせても、いざという時には逃げられる可能性も高い。

 かと言って、シャドウミラーの機体で少し強い攻撃をすれば母艦級はあっさりとその命を落とすだろう。

 生きて相対している状態で転移フィールドに包み込んで転移するというのが正しいんだろうが、そうなると今度は母艦級が大人しく転移フィールドに包まれたままになってくれるかという問題もある。

 メギロートで押さえておけば何とかいける気もするが、そんな状態で暴れられるのも問題だし。

 とにもかくにも、母艦級が脆いのがいけない。

 一応BETAの中ではかなりの防御力を誇ってはいるんだが……

 まぁ、どのみちその辺の話は後回しだな。結局はこの場に母艦級がいない以上はここで何を言っても話は始まらない。

 

『アクセル代表、準備整いました。転移をお願いします』

「分かった、じゃあ行くぞ」

 

 量産型Wからの通信に頷き、一応念の為に周囲を見回す。

 輸送機に詰め込まれたBETAや、動けない状態にされてその場にいるBETA。

 小型種も含めると、生け捕りにしたBETAの数は約200匹といったところか。

 周囲には既にBETAの死骸しかなく、生きているBETAは今ここにいるだけだ。

 T-LINKシステムを使ったセンサーにも敵の反応はなく、この周辺は一時的なものではあっても安全であると言ってもいいだろう。

 

「よし、行くぞ。輸送機の方は向こうに転移したらすぐに移動を開始するから、そのつもりでな」

『了解しました』

 

 俺達シャドウミラーだけでBETAの調査をするのであれば、ニーズヘッグのシステムXNがあればそれだけで問題はない。

 なのに、何故わざわざ輸送機の中にBETAをいれるという面倒な真似をしたのか。

 その答えが、オーストラリアの基地に転移した後での輸送だった。

 プロミネンス計画が行われているカリンダ基地。

 プロミネンス計画で必要とされているのは、当然より高性能でBETAに対して優位に立てる戦術機だ。

 まぁ、どちらかと言えば最近の戦術機の役割はハイヴ内での戦力という事になっているんだが、それでも兵器として優秀であるに越した事はない。

 戦術機としての能力がどれだけ高くなったか。それを試すには、JIVESもいいだろう。高性能なシミュレーションである以上は、ある程度の成果を上げる事も出来る筈だ。

 だが……それでもやはり、最も明確に性能を測る事が出来るのは、当然実戦だ。

 今回捕獲したBETAの3割程は、そういった目的でカリンダ基地の方に回される。残り7割の内1割がBETAの調査の為に国連軍に、もう1割がオーストラリア軍に、そして残り5割が俺達のものとなる。

 ……まぁ、俺達っていうか技術班だけどな。

 正確には技術班からの要請でBETAの生け捕りに向かおうという話があった時、オーストラリア政府や国連から要請があった訳だ。

 報酬に関してはエザリアが色々と交渉しているらしいので、心配はしていない。

 もっともハイヴ攻略だったりするような難易度の高い依頼ではない。得られる報酬に関しては、そんなに大したものではないだろう。

 

「システムXN、起動。転移座標入力……OK。転移フィールド生成開始」

 

 その言葉と共に、生け捕りにされたBETAの中心に存在しているニーズヘッグから光の繭の如き転移フィールドが生成され、その場にいる者達を覆い尽くしていく。

 

「転移」

 

 その言葉と共に転移フィールドが眩く光り、次の瞬間には俺達の姿はオーストラリアにあるシャドウミラーの基地へと現れていた。

 やがて基地の中に現れた俺達の姿に気が付いたのだろう。量産型Wの乗ったエアカーがこっちの方に近づいてくるのが見えた。

 ちなみにこのエアカー、ホワイトスター内部で使われている奴で、当然このマブラヴ世界では色々とオーバースペック……それこそ場違いな工芸品と呼ばれるオーパーツに近いものだったりする。

 

「アクセル代表、お待ちしていました。輸送機に積み込んだBETAはすぐに運び出します。その他のBETAも研究施設の方に運んでおきますので」

「ああ、頼む」

 

 ニーズヘッグのコックピットから降りつつ、量産型Wへと答える。

 何だかんだと、結構時間が掛かったな。

 既に時刻は昼を回っており、昼食の時間はとうに過ぎ去っていた。

 マブラヴ世界にあるこの基地には量産型Wしかいないが、一応食堂の類も存在している。

 料理に関しては、四葉を始めとした者達から得たデータや経験を使っているので絶賛するほどに美味いという訳ではないが、それでも十分に食えるだけの料理は出される。

 ただ……どうせなら量産型Wが作った料理ではなく、ホワイトスターに戻って交流区画で何か……そう思った、その時。

 不意に通信機が鳴る。

 何だ? レモンから捕獲してきたBETAに関して何らかの注意点でもあるのか?

 そんな風に思って通信機のスイッチを入れると、通信機のモニタに映し出されたのはエザリア。しかも何だか妙に切羽詰まった表情を浮かべている。

 

『アクセル、恭順派の本拠地と思しき場所が特定されたわ』

 

 そう、告げたのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:355
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1180

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