転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0095話

 向かい合ったグロウセイヴァーとハガネ部隊のR-1、R-2パワード、ヒュッケバイン008L、グルンガスト。その拮抗を崩したのは、敵部隊の後方に控えていたハガネのホーミングミサイルによる攻撃だった。

 

「だが、甘いな」

 

 恐らく、ホーミングミサイルを回避するか撃墜するかをしたこちらの隙を狙うつもりだったのだろうが、俺は特に何をする事もなくそのまま4機相手に睨み合ったまま、ジャミングのスイッチをONにする。

 ジャミングの効果により、ホーミングミサイルは散り散りに乱れながらあらぬ方向へと向かい、爆発した。

 

「なるほど、ジャミング装置完備って訳か」

「さて、もしかしたら他の装置かもしれないぞ?」

 

 通常周波数で送られてきたイルムの通信に軽口で答え、アダマン・ハルパーを取り出す。

 

「アダマン・ハルパー起動! 集中、加速」

 

 アダマン・ハルパーがスライムを取り込み大鎌状態に固定されるのを見たイルムから呆れたような声が聞こえてくる。

 

「おいおい、それってもしかしてグルンガスト参式の参式斬艦刀の技術か? ……あのグルンガストもどきと言い、これは本格的にテスラ研の技術が漏れているとみていいみたいだな」

「漏れない秘密というものはないんだよ。……では、行くぞ!」

 

 加速の効果を使い、まずは近接戦闘が苦手なR-2パワードへと近づこうとするが、そうはさせじとR-1とヒュッケバイン008LからそれぞれG・リボルヴァーとバルカン砲が牽制として発射される。

 

「念動フィールド、最大出力!」

 

 だが、俺はそれを回避する事なく念動フィールドで受け止め、そのままR-2パワードの懐へと入り込む。

 

「はあああぁぁぁぁっっっ!」

 

 俺の雄叫びと共に振り下ろされた大鎌だったが、さすがライと言うべきか。既に後方へと下がっていた為、装甲の表面を削る程度のダメージしか与える事は出来なかった。

 

「食らえ、ブーストナックル!」

 

 イルムの叫び声と同時に、グルンガストの右腕が飛んでくる。今更そんな攻撃が通用する筈もなく後方へと回避しようとするが、T-LINKシステムに反応があった為にそのままブーストナックルを回避しつつ、ビームガトリング砲の砲身を再度展開しながらグルンガストの懐に飛び込む。

 

「一撃の威力が低かろうがこの距離からなら効くだろう」

 

 グルンガストの右側面へと回り込み、そのままビームガトリング砲のトリガーを引く。 本来なら右手で防ぐなり攻撃するなり出来たのだろうが、ブーストナックルとして飛ばしていてはそれも出来ない。

 

「ぐぅっっっっ!」

 

 イルムの呻き声が聞こえてくるが、それに構っていられない俺はそのままグルンガストの懐から離脱する。

 

「ちぃっ、勘がいいわね」

 

 マグナ・ビームライフルでこちらを狙っていたレオナがグルンガストを避けるように回り込もうとしている事に気が付いたからだ。

 そもそもブーストナックルを後方へと回避していた場合、その時点でヒュッケバイン008Lのマグナ・ビームライフルを食らっていただろう。それを回避する為にグルンガストの懐へと潜り込み、ヒュッケバイン008Lに対しての盾としたのだ。

 

「どうした? 5対1……いや、既に1機が脱落しているから、4対1でも俺に手傷を負わせる事すら出来ないのか?」

「くそっ、こいつは一体何なんだ? こっちの攻撃が当たる気がまるでしない」

「落ち着けリュウセイ。どうやら奴は俺やお前の機体の特性を知っているようだ。いや、俺達だけじゃない。イルム中尉やレオナの事も同じくな。まともな手段で攻撃は当たらない」

「なら、どうするってんだよ。このままじゃシロガネが!」

 

 リュウセイのその言葉を聞き、コックピットにあるレーダーを確認する。既にかなりの時間を稼いでいる。後数分も時間を稼げば十分だろう。となると次がラストチャンス、か。

 

「さて、そろそろ今日はお開きの時間だ。これが最後の一幕になる。準備はいいか?」

「そうそう好きにはさせなくてよ」

「そうか。なら……行くぞっ! 加速、集中!」

 

 精神コマンドの加速と集中を使い、今までよりもさらに速度を上げてR-1へと接近する。

 

「俺狙いかよ! なら、これで……天上天下念動破砕剣!」

 

 リュウセイのその声と同時に、R-1の周囲に展開していた念動フィールドが剣状に変化して、こちらへと射出される。

 念動力を利用した攻撃を俺にするのはちょっと甘い。

 

「念動フィールド、最大出力!」

 

 リュウセイの剣と俺の念動フィールドがぶつかり合う。

 念動力のLVで言えば俺の方が高いだろうが、機体の周囲に広がっている念動フィールドと、剣状に固定されている念動フィールドだ。さすがに完全に無効化する事は出来ない。だが、拮抗してるならそれで十分こちらの狙い通り!

 

「加速!」

 

 精神コマンドの加速を使い、念動フィールドで剣をいなす。そしてそのままR-1へと近づきアダマン・ハルパーを振り下ろ……さずに、動きの鈍いグルンガストへと向かう。

 

「アダマン・ハルパー、ナイン・テールモード!」

 

 9条の鞭と化したアダマン・ハルパーが、グルンガストとその背後で隙を窺っていたR-2パワードへと襲い掛かる。

 

「くっ、また厄介なものを」

「中尉!」

 

 さすがと言うべきか、イルムのグルンガストは本来ならR-2パワードへと振り下ろされる鞭も自分で受け止める。スパロボのシステム的に言うなら援護防御が発動したのだろう。

 

「覚醒……はあああぁぁっっ!」

 

 精神コマンドの覚醒を使用し不思議な力が身体に漲るのを感じつつ、ナイン・テールモードのアダマン・ハルパーを横殴りに叩きつける。

 

「きゃあああああっっっ!」

 

 9条の鞭はヒュッケバインの左足を斬り裂き、そのまま全身に無数の傷跡を刻み込んだ。

 

「レオナっ!?」

 

 ライの叫び声を聞きつつ、そのまま後方へと下がって距離を取る。

 そろそろ時間稼ぎも十分だろう。

 

「ふぅ、前回の戦いよりは腕を上げたな。だが、それではまだまだだ。次に会う時まではもう少し腕を上げておけ。今回はこの辺にしておいてやる」

「待て!」

「ASRS展開!」

 

 リュウセイの声を聞き流し、そのままASRSを展開して戦場から一気に遠ざかった。

 

 

 

 

 

「今戻った。シロガネの様子はどうだ?」

 

 アースクレイドルに戻り、ヴィンデルへと声を掛ける。

 

「戻ったか。今回はよくやってくれた。おかげでシロガネも無事鹵獲する事が出来た」

「シロガネは早速データ取りにまわさせて貰ったわ。これで多少でもトライロバイト級を強化出来れば良いんだけど」

「今回の主目的はあくまでシロガネを俺達の母艦として使う事だろう? その辺はどうなんだ? やっぱり元々の艦長は引き込めないか?」

「いや、今から会いに行く所だ。お前も来るか?」

「そうだな。シロガネの艦長にはちょっと興味あるし……行ってみるか」

 

 結局レモンも付いてくる事になり、いつもの3人で捕虜として軟禁しているリーへと会いに行く事になった。

 

「貴様がシロガネ艦長、リー・リンジュンか」

「私はお前達の捕虜になどなるつもりはない。情報を聞き出そうとしても無駄だ。さっさと殺せ」

 

 やはり原作通りプライドは高いな。だが、この男は異星人に対する力を欲している。そこを突けばそれ程苦労せずにこちらへと引き込めるだろう。

 

「まあまあ、そう突っ張らないで。私達が欲しいのは捕虜じゃなくて、スペースノア級を運用できる優秀な男」

「まさか、降れというのか? この私に!?」

 

 レモンの言葉に驚愕するリー。それもそうだろう、先程の言動から考えて俺達の目的はスペースノア級の艦長であるこの男の持つ情報だとばかり思っていたようだし。

 

「そうだ。無駄死にをする事もあるまい。貴様に志あらば、新たな目的と戦場。そして、戦う意味を与えてやろう」

「何? 貴様は一体?」

「私はヴィンデル・マウザー。シロガネを鹵獲した部隊、シャドウミラー隊の指揮官をしている」

「そして俺があの時にシロガネを鹵獲した実行部隊の隊長、アクセル・アルマーだ。よろしくな」

「私は別に降るとは言っていないぞ」

 

 俺の言葉を鼻で笑うリー。

 

「本当にそうか? お前は異星人の脅威から地球を守る為にこれまで戦ってきたんじゃないのか? お前の家族を殺した時のような悲劇を2度と起こさせない為に」

「貴様、一体何故その事を……」

「絶対に漏れない秘密なんてのはないものさ。特に連邦には俺達のシンパが多数いるし、潜入しているものだっている」

「仮に……仮に、貴様等に与したとして、それは本当に異星人に対する力となり得るのか?」

 

 ふむ、大分迷ってるようだな。後一押し、か。

 

「何事も確実にとはいかないが、それでも最終的にはそうなるだろう。だが、目的を果たす為には堪え忍ぶ事も必要だ。お前がそれに耐えられるのなら地球を守る剣としてその役目を果たす事が出来るだろうさ。ま、何もすぐに返事をよこせとは言わない。十分考えて結論を出せばいい。……だが、その返事が遅れた分だけ異星人に対する利益となる可能性がある事を忘れるなよ。ヴィンデル、レモン、行こう。後はこいつの決断だ」

 

 ヴィンデルとレモンを連れて部屋を出て行こうとしたその時、リーの口が開かれた。

 

「待ってくれ。本当に、異星人から地球を守る事が出来るというのなら……お前達に降っても構わん。いや、降らせて欲しい」

「ヴィンデル?」

「ああ。……ようこそ、シャドウミラーへ、リー・リンジュン中佐。私達はお前を歓迎しよう」




名前:アクセル・アルマー
LV:28
PP:35
格闘:218
射撃:236
技量:228
防御:225
回避:253
命中:275
SP:366
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   覚醒 消費SP32
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.8
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:134

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