一龍妖魔學園紀   作:影鴉

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ボス戦開始。
戦闘描写が残念過ぎる……


サブタイトル元
『星屑ガランドウ』 歌手:平野 綾


 星屑ガランドウ

人としての尊厳と自由は、

我々が本来所有するものである。

これらの”宝”を守って行こう。

さもなければ、尊厳と共に死のう。

 

───キケロ

 

 

____________________________________________

 

 

『裏神創生の間(うらかみそうせいのま)』

 

一龍達が辿り着く10分前

 

 

 わたくしは何処にいるのでしょうか?

 保健室の前で彼等(一龍達)と別れた後、部屋に戻ろうとしたら意識が遠くなって気付いたら此処にいます。

 

 

「一体…、どういう事ですの?」

 

 

 周囲を見回しますが石で出来ていると思われる大きな室内である事位しか解かりません。

 ふとすすり泣く声が聞こえたのでその方向を向くとドレス姿の女の子が蹲っておしました。

 

 

「しくしく……」

「何でこんな所に女の子が…?」

 

 

 とにかく此処の事を知っているかもしれないと思い、尋ね掛けようと近づきました。

 徐々にその姿が明らかになり、後2、3歩で傍に立てるであろう距離でわたくしの足は止まりました。

 

 なぜなら………

 

 

「お母様、お父様……」

「そんな、何で………?」

 

 

 泣いている女の子はわたくし、正確には3年前のわたくしの姿だったのですから……

 

 

「何でわたくしを置いていきましたの?」

 

 

 わたくしの姿をした女の子は顔に手を当て泣き続けております。

 彼女が来ているドレスは忘れ様がありません、仕事で出張していた両親が帰ってくるという事で用意して着ていた新品のドレス。そのドレスを着ている姿を褒めて欲しくて帰ってくるのを今か今かと待っておりました。

 

 結局、両親共にそのドレスを見てくれる事はありませんでしたが……

 

 

「わたくしを置いて行かないで……」

 

 

 押さえている両手の隙間から涙がポロポロ零れております。

 その姿に嫌な思い出が蘇ってきました。両親との死別、そして……

 

 

「伯父様達が皆、わたくしを苛めますの…、罵りますの」

「!?」

「お母様、お父様、わたくしを助けて……」

「だ、黙りなさい!!」

 

 

 思わず大声を出してしまいました。

 3年前から続いている嫌な思い出が溢れてくるから、思い出したくないから、

 

 

「独りぼっちはもう嫌! 誰でも良いの、助けて…」

「止めなさい! わたくしはそんな事を考えてなどいませんわ!!」

 

 

 女の子の発言を否定する様にわたくしは叫びました。

 女の子が言った言葉を信じたくなくて、否定したくて、認めたくなくて…

 

 

「くくっ、ふふふふ」

 

 

 女の子がに笑い出し、立ち上がって顔を押さえていた手を離しました。

 

 その顔は………

 

 その目は深淵の様に黒く、瞳の周りだけが濁った金色に輝いておりました。

 

 

「ふふふ、何時まで嘘を吐きますの? 見ていて堪えませんわ」

「なっ!?」

 

 

 先程迄の様子が嘘かの様に女の子は笑いながらわたくしへ問い掛けてきます。

 

 

「寂しいのでしょう? 辛いのでしょう? 誰かに助けて欲しいのでしょう?」

「そんな………、わたくしはそんな事を思っておりませんわ!!」

「なら憎いのかしら?」

「…憎い?」

「わたくしを置いて先にいなくなった両親が、資産にしか興味が無い親族が憎くて堪らない……、でしょう?」

「そんな、憎いなんて……」

「そしてその悲しみと憎しみを癒してくれる人がいないのが辛いのでしょう?」

「そんな事………、思ってなん「嘘ばっかり」!?」

 

 

 女の子はニタニタと笑みを浮べながらわたくしを見つめて近づいて来ます。

 

 

「素直になりなさいな。助けて欲しいと、わたくしは辛いと」

「……止めて」

「何でわたくしだけがこんなに苦しまないといけないのか? と」

「止めてくださいまし……」

「誰でも良いからわたくしを助けて「止めて!!」………あら?」

 

 

 幼い方のセシリアの言葉をセシリアは悲鳴の様な声で遮る。

 

 

「これ以上言わないで! わたくしは、わたくしは……」

「本心を語る事の何が悪いのですの? 辛いのでしょう?」

「貴女は………、貴女は一体誰ですの…?」

「あらあら? 解らないと言いますの?」

 

 

 女の子は笑いながらわたくしの傍から離れ、スカートの裾を掴み上品にお辞儀をしました。

 

 

「わたくしはセシリア・オルコット。わたくしは貴女であり、貴女はわたくしですわ」

「…何を言っていますの?」

 

 

 姿形が同じだけで無く、名前も?

 それ以前にわたくしは貴女…?

 

 

「わたくしは貴女、セシリア・オルコットですもの。辛いから、苦しいから泣いていたのですわ」

「そんな……、有り得ないですわ…」

 

 

 異常な状況にわたくしは頭の整理が追い付きません、そこへ…

 

 

「オルコット!」

「!? 貴方達は、どうして?」

 

 

 後ろから声が聞こえて振り向くと同じクラスメイトである葉佩さんと荒垣さん、篠ノ之さんに他のクラスの男性操縦者なのでしょう…4人が立っておりました。

 

 

「夜なのに森林地帯に入って行く姿が見えたからな、気になって追って来た」

「それより、そっちは誰なんだ?」

「何故セシリアが2人いる?」

 

 

 彼等はわたくし達をそれぞれ見ます。

 すると女の子が高らかに笑いだしました。

 

 

「あはははは、丁度良かったですわ。わたくしを倒した強い殿方が2人、助けを求めるのにうってつけですわ!」

「!?」

 

 

 女の子はニヤリと笑いながら彼等の方を向きました。

 

 

「お願いです、わたくしを助けていただけませんこと?」

「や、止めなさい!」

「わたくし両親が死んでしまいずっと孤独でしたの…」

「これ以上、喋らないで!!」

「周りは家の遺産を狙うハイエナ達ばかり…、助けてくれる方はいませんでしたの」

「止めて! 話さないで!!」

「時には殺されそうな目にも遭いましたわ」

「お願いですから………」

「わたくし、独りはもう嫌ですわ。助けて…」

 

 

 わたくしの言葉を聞く事無く彼等に助けを求める女の子。

 ああ、あの日に誓った筈なのに、独りでも家を、オルコット家を護って行ける様にと…

 

 

「貴方達ならわたくしと家を護っていただけます、助けてくださいまし」

「お前は誰だ?」

「セシリア・オルコットですわ」

「違います! セシリア・オルコットはわたくしですわ!!」

「あら? わたくしの話を聞いていなかったのですの? わたくしは貴女であり、貴女はわたくし、共にセシリア・オルコットですわ」

「違いますわ!! わたくしが、わたくしだけがセシリア・オルコットですわ!!」

 

 

 わたくしの言葉に女の子は目を見開きました。

 

 

「……貴女は、わたくしを否定しますの?」

「貴女は…、貴女はわたくしではありませんわ!!」

 

 

 切り捨てる様にわたくしは叫びました。

 

 すると女の子は……

 

 

「ふふふ、ははっ、あははははははははは!!」

 

 

 狂った様に笑い出しました。

 

 

「良いですわ! 貴女が否定するならわたくしはわたくしでいられます!!」

「な、何を?」

 

 

 女の子の周りから光が溢れてきました。

 

 

「だから………」

 

 

 女の子がニタリと笑い、そして……

 

 

「わたくしの為に死になさいな!!」

「きゃあ!?」

 

 

 溢れる光に包まれたかと思うと、衝撃波が飛んできて吹き飛ばされてしまいました。

 そのまま壁に叩き付けられ、わたくしの意識は飛んで…………

 

 

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【警告、高周波のマイクロ波を検出、強力なプラズマ発生を確認】

 

 

 H.A.N.T.が警告を促す中、ドレスを着た幼い方のセシリアが光に包まれたかと思うと、微かに見えていたシルエットが徐々に大きくなっていった。そして輝きが消えた時、そこにいたのはヒトではなかった。

 青色のドレスの様な装甲と透明な羽根をその背に持った妖精の様な姿。

 しかし、装甲の間や腕の関節部分を見ると遺跡内で戦った異形達と同じ機人であることがわかる。

 妖精のような姿の機人は語りだす、

 

 

「ワタクシハ『ティターニア』…… 」

 

「せしりあ・おるこっとノ影デアリ、彼女本人…」

 

「デスガ、ソンナ事ハモウドウデモ良イ事……」

 

「ワタクシハてぃたーにあトシテ生マレ変ワッタ…」

 

「デモ、完全ニ生マレ変ワルニハマダ足リナイ……」

 

「生マレ変ワル為ニ必要ナ肉体、せしりあ・おるこっとノ体ヲ貰イマス…」

 

「彼女ヲ殺シテネ!!」

 

 

 ティターニアと名乗った機人は気絶しているセシリアへ向かって襲い掛かる。

 

 

「拙い!?」

 

 

 一龍はタクティカルLをティターニアへ向けて撃ち込む。3発の40mm擲弾が命中し、爆発する。

 

 

「グウウッ!?」

 

 

 胸元に直撃し、胸元の装甲が砕ける。

 その胸元に輝くのは……

 

 

「IS…コア?」

 

 

 ティターニアの胸元にはISコアが鈍く輝いていた。

 

 

「あれは……ISなのか…?」

「…ISが勝手に動いているのか?」

「自動で動くISなんて聞いた事ないぞ!?」

 

 

 驚く一龍達、

 

 

「クッ、ヨクモ…」

 

 

 ティターニアが腕を振ると胸元の装甲が元に戻る、そして大きく掛け声を上げた。

 

 

「来ナサイ、ワタクシノ従者達!」

 

 

 号令と共にティアーニアの周囲に光の塊が幾つも現れる。

 

 

「あれは…」

「途中で戦った奴か」

「サア、客人達ト踊リナサイ!!」

 

 

 ティターニアの指示の元、機人達が一龍達に襲い掛かる。

 

 

「ちっ、カストール!!」

「行くぞ、魔人!」

 

 

 真次郎とシンがISを展開し、迎え撃つ。

 

 

「箒、一龍(イーロン)を展開してオルコットを守ってくれ!」

「一龍はどうするんだ!?」

「大丈夫だ! 協会で対IS戦も訓練している、そう簡単にやられはしない!!」

 

 

 一龍は小型戦闘機を2機展開し自分もAA-12で機人を迎撃する。

 

 

「…信じているぞ! 一龍(イーロン)起動!」

【Get Ready Stanby】

 

 

 箒の声で一龍(イーロン)が展開される。

 

 

「オルコットには指一本触れさせん! 頼むぞ 一龍(イーロン)!!」

【All Right, Go Go Go!】

 

 

 日本刀を構え、セシリアに迫って来る機人を迎え撃った。

 

 

「うらぁっ!!」

「じゃっ!!」

 

 

 真次郎がバス停で機人を叩き潰し、シンは光弾で撃ち抜く。乱戦状態となっている2人を一龍が狙撃でサポートする。一龍が展開した小型戦闘機の支援もあって機人の数は順調に減っていく。

 

 

「はぁっ!!」

 

 

 シンが脚部に込めたエネルギーをティターニアを巻き込んで機人達へ放つ。

 閃光の群が機人達を貫きながらティターニアに直撃するが展開されたシールドに拒まれ大したダメージになっていないようだ。

 

 

「おらぁ!!」

 

 

 真次郎がバス停とランスの二刀流で突撃するが、ティターニアは華麗に避けながら輝く羽根から放ったレーザーで迎撃する。

 

 

「アラアラ、中々オ強イデスワネ。ナラ此レハ如何デス?」

 

 

 ティターニアの装甲ドレスのパーツの一部が宙に浮く。

 4枚の翼部を広げた戦闘機の様な姿をしたビットで、数は6つ。

 

 

「サア、オ行キナサイ『ピクシー』!」

 

 

 ティターニアの声と共にピクシーと呼ばれたビットが襲い掛かる。

 機人達とは異なりピクシー達はレーザーを放ち攻撃してくる。

 

 

「む…」

「ちっ!」

 

 

 降り注ぐレーザーの雨に真次郎達はティターニアから距離を離す。

 

 

「ホラホラァ! ドンドン踊リナサイナ!!」

 

 

 くるくると舞いながらティターニアは再び羽根を輝かせ、自身もレーザーを放ってくる。

 ティターニアとピクシー、生き残った機人達の連携に反撃する隙を失ってしまう。

 

 

「くそっ、どうする一龍!?」

「戦略はクラス代表決定戦と同じ、まず周りから片付ける!!」

 

 

 一龍はミニガンを展開して弾幕を張る。機人は数発喰らえば撃破できたがビットはティターニアと同じくシールドが展開しているのか破壊できない。しかし7.62NATO弾の衝撃によって弾き飛ばされ、レーザーが明後日の方向に放たれる。

 

 

「一龍、ビットを潰すから援護を頼む」

「了解」

 

 

 真次郎はポリデュークスに跨りビットの1機に向かって突進する。

 

 

「…チャージ」

 

 

 力を溜めることで機体が赤く輝く。ビット達が真次郎を撃墜しようと砲身を向けるが一龍の的確な射撃と小型戦闘機の援護で照準を真次郎へ合わせられないでいた。

 

 

「ピクシーヲ破壊スルオツモリ? ソンナ事サセマ…!?」

「お前の相手は俺だ」

 

 

 隙を突いたシンが光り輝く剣を展開してティターニアへ斬りかかる。

 ティターニアはシールドを即座に展開して防ぐが、衝撃を抑えきれずに仰け反る。

 

 

「うらぁ!!」

 

 

 その時、真次郎がビットの1機を粉砕する。

 

 

「クッ、チョコザイデスワ!!」

 

 

 ティターニアがレーザーをシンに向けて集中砲火する。

 シールドエネルギーを大きく削られながらもシンは後退する。

 

 

「光ニ呑マレテ消エナサイ!」

「そうはいくかっ!!」

 

 

 今度は小型戦闘機の40mm擲弾による爆撃がティターニアの攻撃を妨害する。

 

 

「鬱陶シイ羽虫デスワネ!」

 

 

 2度の妨害に激怒したのか、ティターニアはビットを含めた攻撃の矛先を全て小型戦闘機へ向ける。しかし、小型戦闘機はレーザーをヒラリヒラリと避けていく。

 この隙を一龍達が見逃す筈も無く、残りの機人を撃破し、ビットへ攻撃を集中させる。

 一龍はタクティカルLで、箒は展開したRPG-7で、真次郎はポリデュークスの突進と手持ちの武器で、シンは内蔵武装の光学兵器で無防備となったビットを破壊する。

 残りはティターニアとビット1機。

 

 

「感情がある分、意外と楽だなこりゃ」

 

 

 シンが機体の胸部にエネルギーを込め、開放する。

 放たれた閃光が扇状に広がり、ティターニア達へ襲い掛かる。

 降り注ぐ閃光にビットは破壊されるがティターニアは展したシールドで防ぐ。しかし、閃光の一筋がティターニアの本体を過ぎ、羽根の一枚を貫く。するとバチリッと大きな音を立てて羽根が爆ぜた。

 

 

「羽根ヲ!? ギ、ギャアアアァァァァァ!!」

 

 

 ティターニアが悲鳴を上げる。その様子から一龍達は確信する。

 

 

「羽根が弱点か?」

「なら一気に畳み掛ける!!」

「解った」

「ギィイイイイイイイイイイ!!」

 

 

 もがき苦しむ様にティターニアは暴れながら辺り構わずレーザーを放ちだした。

 一龍達はレーザーを避けながらティターニアへ接近する。

 

 

「シンジ、シン! アイツを仰け反らせるか!?」

「…可能だ」

「シールドエネルギーが厳しいが…、まかせろ」

 

 

 レーザーの被弾を無視して真次郎とシンはティターニアへ飛び掛かる。

 

 

「うおらぁ!!」

「ぜあぁっ!!」

 

 

 真次郎のスイングが胸部に、シンの光剣が腹部にそれぞれ直撃する。

 シールドの展開が間に合わなかった為に装甲が大きく拉げる、ティターニアは大きく仰け反った。

 

 

「これでどうだ!?」

 

 

 ガスHG2個を見事なコントロールでティターニアの背部へ投げ込む。

 

 

「行け!!」

 

 

 小型戦闘機もティターニアの背部へ爆撃してガスHGを誘爆させる。

 大爆発がティターニアを襲う。

 

 

「ガアアアァァァァァァ!!!」

 

 

 爆発で残り5枚の羽根も背部の装甲ごと破壊されたティターニアは浮遊することも侭無く、床に崩れ落ちる。もう一息で倒せそうであった。

 

 

「後一息だ!!」

「俺は此処までの様だな、」

「シン?」

 

 

 シンのISが解除される。レーザーの集中砲火と先程の無理な突撃でシールドエネルギーが尽きてしまったのだ。

 

 

「後は頼むぞ、シンジ」

「…了解だ、チャージ!!」

 

 

 再び力を溜め、機体が赤く輝き出す。

 バス停を構え、真次郎はティターニアへ近づく。

 ティターニアは動けない。

 

 

「グゥゥ、オノレ…」

「デスバウンドォォォッ!!」

 

 

 渾身の一撃が撃ち込まれたティターニアは装甲を砕け散らしながら吹き飛ばされる。

 その巨体が宙を舞い、やがて床に叩き付けられた。

 

 

「ソンナ……、ワタクシガ、生マレ変ワレルちゃんすガ…、イヤアァァァ!!」

 

 

 装甲が無くなり、骨格が剥き出しとなったティターニア。ISコアの輝きが徐々に消えてゆき、完全に消えるとその体が崩れていった。

 ティターニアは最後の断末魔を上げながら消滅した。

 

 

【敵影消滅を確認、安全領域に入りました】

「終わったか……」

「一時はどうなるかと思ったが、何とかなったな」

「一龍!!」

 

 

 一龍達の元へ箒が展開を解除した駆け寄って来る、セシリアはシンが代わりに見ている。

 

 

「大丈夫か? 何処か怪我をしていないか!?」

「大丈夫だ、見ての通り軽く服に掠れたぐらいだし」

「本当だな?」

「【喜】ああ」

 

 

 心配そうな箒に大丈夫だと答える一龍、嘗て九龍と潜った遺跡にて修羅場を潜っていたこそまだ余裕を持って戦えた訳だ。

 

 

「皆は大丈夫か?」

「私は問題無い」

「俺もだ」

「精々ISの装甲がダメージを受けた位だな」

 

 

 バディ達の無事だという返事に一龍はホッとする。

 彼が何より恐れていた事態は起こらなかった様だ。

 ティターニアが消えた場所にはイヤーカフスが置かれていた。

 

 

「ISの待機状態か?」

一龍(イーロン)、接続して調べられるか?」

【検索開始…………、検索結果、『ブルー・ティアーズ』を確認】

「…ブルー・ティアーズだと?」

「あいつは、オルコットのISだったのか?」

「ISが人の姿に化けた上にあの様な化け物に?」

 

 

 大型機人の正体がセシリアのISであった事実に、一龍達は首を傾げるのであった。

 

 

「うう……、」

 

 

 ふと呻き声が聞こえ、音の方を向くとセシリアが意識を取り戻していた。

 

 

TO BE CONTINUE




次回でセシリア編終了。
幕間を挟んで鈴音編へ入る予定。


感想コメント、質問・意見お待ちしております。
特に今回の戦闘描写について御助言を…(切実)

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