「ん~。この辺の遺跡なら何かありそうだな」
俺の名前はイオリ。
現在俺はとある管理外世界にある遺跡に
遺跡はすぐに発見する事ができたので、周辺の安全を確保してサーチャーの準備を行なっている。
「よしっと、さっそくサーチャーを飛ばすか」
準備が出来たところでさっそくサーチャーを遺跡内部に飛ばし、
「おっ、いきなり反応があるな」
サーチャーを飛ばしてほどなくして、デバイスに
俺はさっそく遺跡の中に入り目標のあるフロアへと向かって、進んでいった。
あらかじめサーチャーで探索していたので、迷うこともなく
「この部屋か。……おっ! あのケースか?」
部屋の隅に転がっていたケースが目についた。
俺はケースに近づき手に取ると、トラップが仕掛けられてないかを確認しケースの封印を解除した。
ガチャ
「……って、なんだよまたレリックかよ」
ケースの中身はレリックと呼ばれる魔力結晶体だった。
「はぁ~。しょうがないか。また
俺はレリックを回収し再封印を施すと、遺跡から脱出した。
「止まりなさい!」
遺跡から出たところで、上から声が聞こえた。
「げっ! 管理局か!」
そこにはデバイスを構えた金色の髪に黒いバリアジャケットを纏った魔導師がいた。
「時空管理局執務官フェイト・T・ハラオウンです。ロストロギア不法所持及び、密売の容疑であなたを逮捕します。おとなしく投降してください」
(マジかよ! 何でこんな有名人がこんな辺境にいんだよ!?)
俺は表情には出さなかったが、内心ではかなり驚いていた。
フェイト・T・ハラオウンと言えば現在の管理局員の中でも、エースオブエースと並んで上位の実力者だ。
本来はこんな辺境にいるような存在ではない。
(やべー! やべー!)
「驚いたな。こんな辺境にあんたみたいな大物が来るなんて……」
「武器を捨ててください。抵抗しなければこちらも攻撃しません。それと所持しているロストロギアをこちらに渡してください」
俺はとにかく状況を分析していた。
先ほど考えたように、こんな辺境にいるような人物ではないことを考えると、俺の所持するロストロギアが目的か、あるいは俺の顧客リストが目的と見るのが正しいだろう。
(とりあえず何とか逃げないとな)
「了解。了解」
持っていたデバイスを置き、俺は両手を上げた。
そして先ほど得たレリックも地面に置いた。
「シャーリー。彼からロストロギアの反応は?」
『スキャンでは反応はありません』
「ありがとう。……あなたに聞きたいことがあります」
「なんだ? 顧客の情報はやらないぞ」
俺は先手を打って彼女に釘を打った。
効果があるかは微妙だが、なにもしないよりは時間が稼げるはずだ。
「……ジェイル・スカリエッティという男を知っていますね」
少々意外に思いながら、俺は頭の中でそこそこ付き合いの長い科学者の顔を思い出した。
「あの変態科学者か? ……あいつがどうかしたか?」
「居場所を知っているなら教えてください」
納得がいった。
どうやら彼女の狙いはスカリエッティのようで、居場所を掴むために動きが読みやすい俺を追ってきたようだ。
(とはいえあいつの居場所なんて俺も知らないしな)
そんな風に時間稼ぎをしていると、どうやら準備ができたようだ。
「あ~。なんであいつを追ってるかは知らんが、あの変態には関わらないことをお勧めするぞ」
「そういうわけにはいきません。知っているなら……」
『フェイトさん! 彼から魔力反応が!』
「っ! バルディッシュ!」
〈Sonic Move.〉
「残念。すこし遅いよ」
そう言うと俺の体は輪郭がぼやけていき、まるで最初からその場にいなかったように消えていった。
『一つ忠告。あいつに関わると碌なことにならないぞ。それと
俺はそれだけ言い残し、この場から転移した。