(ヅωラ)――(小ω鹿)――(悪ω面)<俺を踏み台にしただと!?
調査兵団仮設支部――――トロスト区北の郊外に臨時で建てられたものだ。
最初は駐屯兵団の宿舎を借り受けようとしたが一部の反対に遭い、仕方なく郊外にテントを立てることとなったのだ。
トロスト区の祭は駐屯兵団と合同で行う以上、連携の観点からは喜ばしいことではないのだが。
「それにしても相変わらず駐屯兵団の連中も私らを嫌ってくれるねー、仲良くできないものかなあ?」
「ハンジ、それは仕方ないことだ。彼らの組織は兵士の数も多く、その思想も多様だ。市民の為という大義名分が無ければ協力し合える道義もない」
「スン……だがいいのかエルヴィン? 俺達の計画の障害になりえるのではないか?」
「問題無い。舞台は整った。調査兵団も一枚噛んだ今回の計画で、我々がトロスト区に居ても不思議じゃない状況こそ求めたものだ」
そう――トロスト区の祭で市民達に安心感を与える、パトロンを得る、門周辺の巨人の駆除。
周囲にそう説明しているが全ては、本来の目的の為の
狙いはただ1つ。
ウォール教の施設のみ。
祭では彼らの多くも教会に出張るか、イベント関係者として引っ張り出している。
祭の際にはいくつかの支部が空にする必要が出てくる。そこを突く。
「アオイ君の裁判でも探ってみたが彼らには幾つもの影がある。その秘密を暴く必要がある」
「でもさー、不自然なところってったって、多かれ少なかれ貴族とかの癒着はあるものじゃないかなー? エルヴィンの考えは判るけどリターンに対して、リスクが多き過ぎる気がするんだ。内部の事は私らの専門外だよ」
「危険の1つも犯さずに真実を得ることなど敵わないだろう。巨人に関する資料の少なさ――王政府が隠しているものは想像以上に大きい。ウォール教が王政府との繋がりがある可能性が高いのならば、探って見る価値は少なくない」
「スン……1つ間違えれば、泥棒にもなりかねんが、な」
「だがやってくれるだろう?」
「それは当然ッ! 危険はあるけど、エルヴィンの言うことだからね。賭けには変わらないけど」
「いつも済まないな」
「……それは一仕事終わった後にでもしよう。俺達は知るべきを事を知る権利がある」
「そうだな」
祭に乗じてのウォール教施設の潜入作戦。
盗人も良いところだが、何か1つでもいい――彼らの握る秘密が得られれば、将来必ず役に立つはずだ。
先の見えぬ巨人との終わらない戦い。
必要な札はいくらあっても足りなくなることはない。
彼らには語っていないが危険を回避するための手段も複数用意してはある。
リスク自体は最低限に抑えているつもりだ。
終止符を打つ為の布石。
手に入れて見せよう――――2つの翼に誓って……。
一通りの打ち合わせが終わり、重苦しい話はお終いと雑談をしていた。
内容は明日の祭そのものについてだ。
常時、気を張りつめては肝心な時に致命的なミスをしてしまうというもの。
その意味では彼女ほど自由な者もいないだろう。
今も屋台の出し者はなんだろうとカラカラ笑いながらミケと話しこんでいる。
「やっぱりさー焼き魚って重要だと思うんだ。お酒にも合うし」
「……しかしパスタも良い物だ……」
「ミケはパスタ好きだもんね。でもパスタの屋台って出てたっけかな~?」
「リガトーニパスタの釜焼き、というものがあったはずだ。リストのここにあるだろう?」
食糧難から脱したとはいえ、未だ人々の食卓はパンと芋のスープが主体だ。
だがある高名な農学者は事前にこの危機を予想していたそうで準備していたらしい。
充分な量の備蓄が王政府の備蓄庫に蓄えられていた。
一部の貴族達がその事実を隠し、自分達の懐に入れていたことでウォールマリア奪還作戦という悲劇的な愚行をせざるを得なくなった。
彼らは秘密裏に処罰された事実を人々は知らない。
ともあれ今回の祭に使われる作物の一部をトロスト区の店主達の格安で譲っている。
その作物は貴族達が横流ししていた食糧の一部をもぎ取り……もとい、丁寧に、丁重に、交渉して得られたものだ。
彼らも泣きながら喜んで供出してくれた。
小さな膿だが、人類の危機でこんな者たちが現れるのは嘆かわしいことだ。
「ええッホントに!? …………うわ~~ホントだぁ。でも屋台で出来るものなんだねぇ~」
「……リガトーニパスタの釜焼き……聞いたこともない料理だ」
「本来は屋台で出来るものではないのだがな……『小鳥の大樹亭』――――アオイ君の下宿先だな。あそこだ出すらしい。アオイ君はどうもグルメというか発想屋らしくて、ぶつぶつと料理について呟いていたところを女将と酒場のマスターが捕まえて吐かせたそうだ」
「へぇ~~~じゃあ完全新作料理ってわけだ! いいねぇいいねぇーどんな料理なんだろうー?」
「確かアオイ君の話では――――」
リガトーニパスタの釜焼きとは、玉ねぎや人参などを刻んだ野菜(肉もあればなお良し)を油で炒め、さらに赤ワインやトマトビューレで汁気が無くなるまで炒める。
牛乳に小麦粉を少しずつ溶かしこんで煮たホワイトソースを作る。
茹でたパスタを四角の器の底に並べ上にさきの炒めた野菜、さらにホワイトソースをかけ、チーズをトッピング。
釜で30分前後焼いて出来上がる非常に手の込んだ料理であるらしいと説明した。
説明が終わった辺りからミカがひくひくと鼻を鳴らしている。
食べたくなったのだろう。
「……一度食べてみたいな」
「ミケー鼻がめっちゃひくひくしてるね~。私も聞いたらお腹空いちゃった!」
「まあ時間があったら一度立ち寄るのもいいだろう」
「よっしゃあ、それでこそ我らがエルヴィン団長! リヴァイやアオイ君を冷やかしながら祭を楽しもうっ」
「右に同じ」
「ふっ……そうだな」
我らは調査兵団。
しかし戦いだけで生き残れるほど人間という種族は強くない。
笑い合い、助け合う仲でこそ、人はもっとも強い生き物と慣れるのかもしれんな。
明日のことを考えて気を引き締めつつも、心地良い空気を感じながら私はそう思った。
× × ×
祭という不慣れな行事には多大な負担を部下達かけていた。
ただこれば成功すれば多少なりとも人類に明るい兆しがくるであろう。
「キッツ隊長。では明日、午後の警備は我らトレートル班でよろしいでしょうか?」
「うむ。折角の祭に貧乏クジを引かせて悪かったな。部下共には後日2日の特別休暇を与えると伝えておけ」
現在は打ち合わせだ。
目の前にいる優男はトレートルという30過ぎの兵士。
いつも笑顔で部下からも親しまれている。
仕事も出来る男が申し出てきたのは祭の警備に関する人事だ。
普段は抑圧されている分、この日に休暇を申し出る兵士は多い。
班長であるトレートルは進んで警備を担うと上申してきたのだ。
憲兵団にこの男の爪の垢を飲ませてやりたいわ。
「2日間も休暇を頂けるとは……きっと部下達も喜ぶでしょう」
「部下だけでなく、お前もゆっくり休むといい。趣味がないなら探すのもいいと思うぞ?」
「いえいえ。人々の笑顔があれば自分の疲れなど吹き飛んでしまいますから」
「まったく仕事ばかりでは結婚もままならんぞ?」
「性分ですからこればかりはどうにも。トロスト区の祭は市民の笑顔で溢れているでしょう。きっと人生で最高の一日になります。その姿を門からのんびり眺めていますよ」
「やれやれ相変わらずだ。……よしサインは終わった。命令書だ。持って行け」
「はい――ありがとうございます。では私はこれで」
「明日に備えてゆっくり休めよ」
「はっ、トレートル班長、明日の決戦に備えて、英気を養うことにいたします!」
「大袈裟だな貴様は。まあいい、そうしておけ」
最後の打ち合わせを終え部下が退出した。
俺は深く椅子に座り直す。
ギシリと木製の椅子は軋みを上げた。
コンコン
「ん、入れ」
「はっ! リコ・ブレチェンスカ、入ります!」
やれやれ……まだ休めないか。
入ってきたのは珍しい灰色髪の女性。
生真面目で眼鏡が良く似合う。
厳しい表情だがどうしたというのだ。
「報告がございます」
「もう日が落ちかけている時分にどうしたのだ。その表情から察するに厄介な案件でも入ったか?」
「はい。これは私の手には負えないと考え、キッツ隊長のお耳に入れようと考えた次第です」
「それほどか」
「はっ!」
(明日は祭だというのに詰まらぬことを企む輩もいるものだ。大方盗人でも紛れこんだか?)
人類にとってほんの些細なダメージも痛手になりかねん。
犯罪の芽は早々に摘むに限る。
「まず一部の犯罪者集団が紛れこんだ事ですが――こちらについては駐屯兵団でマークしているので問題はありません」
「当然だ。祭に水を差すような連中など、罪状さえ上げれば即刻豚箱へ叩きこんでやる。……だがそれが問題でないとすると何がある?」
「少々お耳を――」
「――――わかった」
想像以上に危険な案件のようだな……。
「一部の貴族達の間で不穏な気配があります」
「貴族だ、と?」
あの弱虫連中か……生まれだけで自らを誇り、いちいち口出しをしてくる愚か者。
全てがそういう輩ではないが、腐りきった奴らも多い。
一部では禁止されている奴隷売買に手を染めているなどの話しを聞く度に反吐が出る。
尻尾の隠し方だけは一流だがいつか捕まえて処刑台に送ってやる。
「どうも王政府とトロスト区の方で手紙のやり取りが頻繁に行われているとか。またローブに身を包んだ者たちが夜な夜な裏路地を徘徊しているというタレ込みも入っています。警戒を厳にしたようがよろしいかの思うのですがどうでしょうか?」
「……貴族か。神父共も関係しているかもしれんな」
「やはり、そう思われますか?」
「前々から怪しいとは思っていたからな」
もっともウォール教が怪しいと睨んでるのはエルヴィンだがな。
ただ裁判所で優秀な兵士として才能を花咲かせようとしていたアオイに死刑を求めるなどおかしな部分もある。
巨人のシガンシナ区襲撃の際には一部の神父共がどこかの屋敷の家族を皆殺しにしたなどの報告もあった。
結局証拠不十分で釈放されたが上からの横やりがあったのも事実。
少なくとも純粋な味方とは到底思えん。
裏が――あるな。
「とはいえ奴らの狙いが判らんな」
「もしやアオイ君を狙っているとか?」
「アイツは貴族共には比較的評判が良い。将来有望な兵士だからな。出世を見込んで娘を売り込もうか考えている馬鹿もいるくらいだ」
「売り込むって……貴族とはそのような連中ばっかりですね……」
「まあ兵士である我々には関係ない。だが、抑えは必要か……」
ふむ……。
しかし見回りの兵士にも限りがある。
休みの連中を引っ張り出すこともできるが――
「とりあえず壁上に兵士を20名程増員しろ。2人1組で望遠鏡も持たせておけばよかろう。見回りは調査兵団と憲兵団に回させる」
「判りました。私は非番ですが念の為、警備に回ります」
「無理はするなよ」
「大丈夫です――――それに暇なら壁上からアオイ君の雄姿を見学できますので」
「リヴァイ新兵士長に鍛えられているらしいな。奴の実力もかなりのもの出し、一皮向けるかな」
「か、皮ですか……?」
「んむ、どうした?」
「あーーいえいえいえいえ。なんでもないです本当に!」
何故顔を赤らめているかしらんが……まあいい。
どうやら明日も忙しい一日になりそうだ。
× × ×
トロスト区憲兵団支部。
上級幹部だけが使用を許される一室で、普段はいないはず人物が眉間にシワを思いっきり寄せていた。
「糞が糞が糞がぁ!! 何故、憲兵師団長である俺が他兵団のふざけた祭に出なくてはならないんだ!」
「し、師団長! ここは抑えて――」
「くだらん理由でわざわざ内地からやってきたんだぞ、これが抑えられるかぁ!!」
ドンッ! と机を強く叩く。
トロスト区勤務の愚図がなにやら言っているが知ったことかッ。
このナイル・ドークが何故調査兵団や駐屯兵団が主催する祭に呼ばれなくてはならないのだ!
大事な用事があったのにこれでは割に合わん!
「そもそも肝心の祭の数日前に都合よく支部長が病気で倒れるのがありえんのだ! 大方仮病の類だろうよっ!」
「そう決まったわけでは――」
「決まっているだろうが。憲兵団ならその程度造作もない。むしろそれが出来なきゃ出世なんぞできないな」
そう――まんまと俺は出汁にされたということだ。
俺を良く思わない連中が腹いせに今回の糞祭に代役などといってハメたのだ。
頭が湧いたウジ共がッ!
ポーカーで三連勝したのがそんなにムカついたか!
その前は稼がせてやったんだからいいだろうが。
今頃ウォールシーナでは俺の事を笑いながらワインを片手に話しているだろう。
人の事を偉そうには言えないが憲兵団で出世する奴は決まってそういう頭の回る奴が上にいく。
素直な奴、馬鹿な奴、要領の悪い奴、上司に包む事が出来ない奴など出世コースから外れて行く。
出世すればその分、自分が楽を出来るのがこの組織だ。
部下に全ての仕事を任せ、自分達は酒を片手に賭けポーカーに興じる。
必死に働いたところで出世には関係ない。
先輩に媚びへつらってくっつき、金や菓子折りの1つでも多くあげられれば問題ないのだ。
そうして俺も出世していった。
入団当時は別の目的もあったがそんなもの、腐った憲兵団では糞の役にも立たない。
目をキラキラと輝かせていられるのは最初の1年だけだろう。
官品の横流し現場なんぞ、抑えたって自分が悪いことにされてお終いだ。
勤務中に酒を飲むことに険悪感を抱けは先輩の口添えもなくなる。
出世したければ楽をしろ――それが真理だ。
だが俺がイラ付いているのはそれだけではない。
「ここの憲兵団は馬鹿ばかりか! ドアを開けて堂々と酒を飲んでいるんじゃねえよ!」
「えええ!? 師団長……?」
「別に悪いって言ってるじゃねえ。うまくやれって言ってるんだよ! 悪事を見てくださいと言わんばかりに市民共に見せるな! 子供だってもう少しうまく隠せるぞアホがぁ!」
酒も博打もサボりも別に咎めるような事はしない。
俺だってよくやっているからな。
だがうまくやる必要がある。
誰も咎めないからと無茶をすると監査が入る場合もある。
市民のタレ込みが無いとはいえないのだ。
その面倒な任務は地位の高い兵士を長として行われる――つまり師団長である俺だ。
碌に違反者を咎める事はしないが、仕事を増やされるこっちとしてはたまったものではない。
この手の仕事でまずやるのは仕事の押し付け合いだ。
誰もやりたくないからとにかくあの手この手を使う。
今回は賭けを負けた奴らの策略の所為でくるハメになったがな!
「――――で、仕事はどうなんだ。既に配置は終わっているのだろうな」
「は……はい。私の部下が門周辺の警備を買って出たので……」
「ほう……?」
別に不思議なことではない。
真面目な奴もいるところにはいるからな。
そういう奴は頭の良い奴にいいように使われて兵士人生を終えるが。
「ここに来た時お前の後ろに居た連中だな?」
「は、はい」
「臭い、な……」
「は、い? いえ私はなにも――!」
「1人言だ。いちいち反応するな」
「は、はぁ……」
こいつの部下共は1人1人見てはいる。
使えそうならウォールシーナに転勤させるつもりだったからな。
だが、
(あの瞳は真面目な奴じゃないな。淀んだ惰性と怠惰にまみれた屑の目だ。進んで仕事をやる輩じゃないな。そういえば――)
俺は持ってきた書類を広げ1枚1枚調べる。
気になったのは駐屯兵団から渡された書類だ。
(『怪しげなローブの集団』…………きな臭くなって来たな……)
それはふとした気が付きだった。
王の身辺警護も担う憲兵団には過去の資料が豊富に取りそろえられている。
過去、数十年の犯罪記録が収められた資料室もある。
嫌な予感に囚われた俺は部下に不審者の目撃証言を集めた資料を集めさせた。
この手の資料は憲兵団でなければ集まることは少ない。
駐屯兵団の主任務からは微妙に外れているからだ。
調査兵団なんぞ糞の役にも立たない。
だが集めているのに活用しないところが我らが憲兵団の素晴らしき仕事ぶりと言えるだろう。
(トロスト区の南側に集まっているな。つまり……門の周辺、か)
警戒度が1段階引き上げられた。
ローブ……門周辺に目撃証言が多数……そして――
(数十年前のシガンシナ区巨人侵入事件――首謀者は巨人信奉者)
普段の俺なら考えすぎと言える妄想の類だ。
ただローブから宗教関係という流れからの突飛なもの。
頭の良い裁判官ならもう少し証拠を求めるだろう。
(アイツらは当時の憲兵団に壊滅的打撃を受け崩壊したはずだが……)
脳裏にこびりついたその引っかかりはどうにも収まりが悪い。
「おい明日……」
「はい?」
「…………いや、お前ももう休んでいい」
「あ、はッ、了解致しました!」
部下が退出する。
やれやれやっと仕事が終わったとドアの外で聞こえた。
そういうところで気を抜く奴は出世できまい。
俺は机に両肘を立てて考える。
内容はつまり動くな否か。
ただの妄想に代わりないこの推理。
しかし万が一があったら致命的である。
それにどうしても譲れないこともあった。
(この手の事案は放っておいてデカイ事件を起こされるとこっちに大量の決済の書類が回る。何日も仕事詰めは御免だ)
窃盗などの軽い犯罪なら適当に部下に任せっきりでいいが、巨人や門関連の事件は俺が出張らなくてはならない。
重要度の高い案件は師団長クラスが責任者になるからだ。
そうなったら休みや休暇など簡単に吹き飛ぶ。
だったらやることは1つだ。
「どうせ今日言ったところで明日仮病を使って休む奴出てくるのが憲兵団だ。それに想像通りの事態なら内部に敵が居てもおかしくない……。
動くとしたら明日だ。明日、部下共に緊急招集をかけて対応させる間もなく一気に捕まえる。ただの変質者ならお前が悪い……本物なら……それはそれでいい」
…………なにを俺はやっているのだろうな。
少し頭が冷える。
そんな理想に燃えいた頃など
何故もこんなに心が燻るのか?
「いや関係ないな……。俺はただ仕事に忠実であるだけだ。自分が楽をするために、問題は全て刈り取る――――だからそれでいいだろうが…………ナイル・ドークよ」
そう――秩序を乱す輩は全て捕まえればいい。無実なら後で釈放すればいい。
ようはメリハリだ。
行動すべき時
「今がその時。やるべき時なら俺は任務に忠実である…………それだけだ。んくっ……」
夜も更けるトロスト区。
寝酒のワインを口に含みつつ最後にそう呟いた。
彼らは彼らで動き出します。
次回はやっとアオイのお話に戻せる……(^_^;)