(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

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これはまさに書きかけ。
お恥ずかしいかぎりですが、( っ・ω・)っドゾォ


外伝27 ときわたり “ハイテク都市”ラルース

 

翌朝。

セレビィと時の波紋探しをするために、オレはヒカルちゃん、セレビィと共にトオイやサトシたちとは別行動をとっていた。

そしてさらにここに加わる、昨日保護した――

 

「ミュウミュウ」

 

しんしゅポケモン、ミュウも加わっていた。

 

「ミュウミュウ」

「ビィ、ビィビービィ」

 

ほんの少しの時間で2体は随分と仲がよくなったようだ。

ただ、1つ問題がある。

それはーー

 

「記憶がないとはまったく以って厄介な話だな」

「無い物はもう仕方ないですよ。前向きに考えましょう?」

 

オレのボヤキに律儀に返してくれるヒカリちゃん。

そう。

このミュウ、なぜあんな怪我を負って倒れていたのか、覚えていないらしい。

ミュウは幻のポケモンに類するのだから、種族値は並のポケモンより相当高く、何よりデオキシスやミュウツーのような例外を除いて、並のポケモンよりも長く生きていることが多いので、それに見合った実力を持っている。

そうそう滅多に他のポケモンに遅れをとることはない。

しかし、現実はその滅多に起こらないことが起きてしまっているわけで、相当な厄介事がこの先に起こりそうな気がして仕方ない。

 

「まあ、確かに今考えても仕方ないよなぁ」

 

想定することが難しく、また仮にそれができたとして、逆にその想定の外の事態が起こった場合、それに対処するためにも心構えだけはしておこう。

あとは臨機応変に。

 

あ、そうそう!

セレビィ捜索の名の下にヒカリちゃんのポケモンも全てモンスターボールから出させてあります。

たしかデオキシスのおかげでモンスターボールの開閉ができなくなっていましたから。

併せてシロナさんやJにもね(こちらはミュウのことも含めて 何か襲撃のようなものがあったら、手持ちの全力で以って応対しましょうと言った感じで)

ミュウのこともあるし、手駒は多い方がいいですしね。

 

「ん~、地図によるとここら辺かな」

 

今朝方早くにラルースの役所で購入した地形図を見ながら周りを確かめる。

尤もこの地図はただの地形図などではなく、およそ40年ほど前のもの。

昨日のシロナさんの結果がダメだったので、なら、闇雲ではなく些かでも当たりを付けてやってみた方がいいハズ。

そのやり方として思いついたのがこの方法。

相当古くからそこそこ有名だったのならば、誰かがきっと社や石碑などを立ててたりするのじゃないかと思う。

なら、今の地図にはなくとも、開発が行われるずっと以前の地図にはそれらが載っていてもおかしくはない。

そういうことで、そういったものを探して今日は歩き回っています。

といっても、そんなのは案外少なくて、既に3つの候補のうちの2つはダメ。

 

「こりゃあ当てが外れたかな」

 

そう独り言ちていたときだった。

 

「(そんな……)」

「(どうした、ラルトス?)」

「(此処って海上の島でしょ?)」

「(まあそうだな)」

「(風が……止んだわ)」

 

 

 

 

「バシャーモ、かえんほうしゃ!」

「ピカチュウ、10万ボルト!」

「バッシャーーー!」

「ピィカチューーー!」

 

バシャーモのかえんほうしゃにピカチュウの10万ボルトがアレに直撃する。

直撃を受けたものは光の粒子のごとく消え去っていく。

けど、どうにもこうにも――!

 

「サトシ!」

「サトシ、避けて!」

 

――数が多い!

 

タケシ君とヒカリちゃんの声で今の自分の状況が分かったようで、避けようとするも、相手の方が速い。

 

「ライボルト、ほうでん! バクフーンはふんか! 他は援護よ!」

「ラーイ!」

「フーン!」

 

ほうでん、ふんかによってサトシ君を捕獲しようとしていたものは消滅する。

 

「ほっ、助かったぁ」

「まだよ油断しないで。今のうちに中に入りなさい!」

「はい! にしてもなんだよ、このデオキシスの群れは!?」

 

植物園入口。

トーイ君の友達を紹介するということで、ここに案内され、なにか――そう、奇妙という言葉がしっくりとくるような――そんな友達を紹介された後。

ヴィー、ヴィー、ヴィーという耳障りな音の警報システムが作動して、さらにIDカードが端末に反応しない。

無理矢理自動扉をこじ開けて外に出るも、そこには幻のポケモン、デオキシスとその幻影。

しかもそれらに襲われるという、いわば非常事態。

ユウト君たちの方も心配だけど、こっちもなんとかしないと。

 

「シロナ。少し見てきましたが、外はどうやらアレがウジャウジャといるようです。この人数での脱出は不可能でしょう」

 

Jが戻ってきた。

たしかに彼女の言うとおり。

ガラス張りの植物園からでも、数えるのが億劫なほどの幻影体が飛んでいるのが見える。

中にはこの植物園のガラスにピッタリと張り付いている個体も何体かいる。

これは下手をするとガラスを破って侵入をしてくる可能性も否定しきれない。

一刻も早くここから立ち去る必要がある。

 

「トーイ君、他にどこか出口はないかしら?」

「たしか下に非常口が」

「なら、みんなをそこに案内して」

「は、はい! わかりました!」

「あの、シロナさんはどうするつもりですか?」

「私たちはみんなの殿

しんがり

よ。少し時間を稼ぐからそのうちに脱出しなさい」

「なら、シロナさん、僕も残ります!」

「シロナさん、オレも!」

「いけません。私たちは大人、あなた方は子供です。危険な役目は大人がするべきです。あなたたちは脱出口に向かってください。ここは私たちが引き受けます。さ、早く!」

 

あらら、Jにセリフ取られちゃった。

にしてもJって記憶がなければ普通、というかまともな大人だったのね。

とにかく、そんなセリフで皆がトーイの後に付いて駆け出していく中、リュウ君とサトシ君が残ったが、Jがそう説得していた。

 

「……わかりました。――ん? おいサトシ?」

 

リュウ君はそれで駆け出そうとしたが、サトシ君はまだそこに留まったまま。

 

「ピカピ」

 

彼のピカチュウが彼のズボンをクイクイっと引っ張るが動こうとしない。

 

「シロナさん、でも、オレ、シロナさんたちを見捨てることなんて……!」

「ねえ、サトシ君」

 

私はサトシ君と目線を合わせた(私とサトシ君とではやや身長差があるため、やや私が屈む格好になった)

 

「サトシ君のその気持ちはとても嬉しいわ。でも、Jも言ったとおり、あなたは子供、私は大人。大人は子供を守る義務があるのよ。それに大丈夫。私たちはあのぐらいでやられることはないわ。もし、心配なら脱出した先で待っていてくれるかな。大丈夫。絶対追いつくから」

「シロナさん……わかりました。この先で待ってます!」

 

そして彼は彼を呼ぶ大勢の声により地下への階段を走り出していった。

 

「良い子ですね」

「そうね。さて、私たちのお仕事よ」

 

上を見ると、デオキシスの幻影が何体か、植物園のガラスにヒビを入れていた。

次の瞬間、

 

パリンッ!!

 

ガラスが砕け散り、そこから何体ものデオキシスの幻影が侵入する。

 

「ボーマンダ、かえんほうしゃ! ドラピオンとアリアドスはクロスポイズン!」

 

入口からも相変わらず入ってくるが、それはJがどうにかしている。

ただ、さっきガラスを割って侵入したのは、あの子たちが逃げていった先に向かって飛んでいく。

 

「リザードン、トゲキッス! 迎撃なさい!」

「グゥオオ!」

「キーッス!」

 

自由に空を飛び回れる子たちを向かわせる。

かえんほうしゃやエアスラッシュで次々と撃墜していく手前は見事だけど、相手は多数。

取りこぼしがどうしても出てしまった。

 

「させないわよ! スターミー、ハイドロポンプ! サーナイト、シャドーボール!」

「フーゥッ!」

「サーナ!」

 

それらを狙ったこの子たちの攻撃は狙いを違えず、見事に着弾。

無事、着弾と同時に幻影は消滅していた。

 

「アリアドス、入り口にクモのすです! 一時でもバリケードを築きなさい! ドラピオンはミサイルばりです!」

「ガブリアスはたつまき! スターミーはなみのりに切り替えなさい! 他のみんなも各自の判断で迎撃よ!」

「ボーマンダはあやしいかぜ、アリアドスはミサイルばりに切り替えてください!」

「サーナイトは私たちを守りつつ、でんげきはでライボルトをメインに援護よ! ライボルトはそのままほうでん!」

 

あの幻影は、一撃でも当てられれば、消滅するようなので、こちらはとにかく連続、もしくは範囲攻撃で勝負している。

ただ、いい具合に消していけているが、

 

「しかし、やはりと言いますか、キリがありませんね」

 

Jのつぶやきの先には無数ともいえるほどの幻影の群れ。

1体1体はラクに倒せるが、このままだとポケモンたちを含め、こちらの体力も精神力も続かない。

 

「シロナ、提案があります」

「なに?」

 

指示を下してこちらも動きつつ、かつ、目を細部に配らせながら、Jの提案に耳を傾ける。

 

「もうあの子たちも脱出した頃合いでしょう。で、ここは撤退してもよろしいかと」

「そうね」

「ところで、ラルースシティの動力はすべて電気で賄っています。とするとこの町のすべての電子設備が反応しない今の状況だとおそらく大規模停電が起こっているのではないかと思われます」

 

なるほど、可能性は大いにあり得るわね。

仮にそうだったとしたら、非常電源は作動しているだろうけど、それがどの程度までこの町の電力をカバーしているのかはわからない。

 

「とすると、水や食料の調達が著しく困難かもしれません」

「……そっか。停電で少なくとも水の確保は困難ね。それはまずいわ」

「ですので、ここは二手に分かれませんか? 私が食料・水等を探してきます」

「とすると私があの子たちに付いていくと?」

「はい」

「ん。異論はないわ。あ、でも待って」

 

そう言って私はスターミーの入っていたモンスターボールを投げ渡す。

 

「テレポートを使えるポケモンがいたほうがいいでしょ。アリアドスはサイコキネシスは使えてもテレポートは使えないから」

 

ユクシー(+ラルトス)が言うには、J自身は昔のポケモンハンターの頃の記憶を取り戻すことは100%ないそうなので、私たちもある程度信用している。

 

「感謝します! ではご武運を! いきますよ、みんな! スターミー、あなたもよろしくお願いします!」

「フーゥッ!」

 

そして彼女は入口から幻影たちを突破して脱出した。

Jは並はずれた運動神経の持ち主だからどうにかするでしょう。

あとは私か。

 

「サーナイト! 飛ぶわ! よろしく!」

「サーナ!」

「みんなもついてらっしゃい! ガブリアスとライボルトは殿よ!」

 

階段を駆け降りるより飛び下りた方が速そうだったので、サーナイトのサイコキネシスに頼った。

ガブリアスとライボルトは、ライボルトのほうでんは全体範囲攻撃なため数相手には有利だけど、味方にも被害が及ぶ可能性もあるのだが、ガブリアスは電気技を無効化するので、この場では一番良い組み合わせだ。

そうして地下まで降りると、地下で待っていたサトシ君とリュウ君に合流。

植物園からの避難は成功したのだった。

 

 

 

 

とうとう始まったのかと思う。

 

たしか原作では、デオキシスは仲間を探しにこのラルースへやってきた。

そしてそれを追うレックウザ。

彼らの出会いは何年も前だったハズだが、なぜレックウザが執拗なまでにデオキシスを追いかけ回すのかは原作では語られておらず、理由も憶測は立てられても、「コレは」というしっくりしたものは思い浮かばない。

 

で、とにかくオレたちは、頭上に飛び交っているデオキシスの幻影を木陰から木陰に身を隠しながら、ラルースシティ中心部の方に向かっている。

シロナさんたちと合流を果たすためだ。

ちなみに隠れながらなのは、あの幻影、やはりオレたちを連れ去ろうとしたからである。

 

 

「そういえばなんでアレらはあたしたちを連れ去ろうとするんでしょうかね?」

 

オレたちの頭上を飛び交うデオキシスの幻影を木漏れ日の中から見上げながら、ヒカリちゃんが言った。

 

あー、っと。

なんだっけか。たしか――

 

「それはデオキシスの誕生の秘密が関係するんじゃないかな」

「誕生の秘密?」

「ああ。デオキシスは、宇宙のウイルスの遺伝子がレーザーを浴びたことによる突然変異を起こしたことによって誕生したポケモンなんだ。もともと宇宙由来の生物だから地球上で誕生した生き物とは根本で違うことがある」

「それって、例えばどんなところがですか?」

「ビィ」

「ミュウ」

 

話を聞きながらも、木漏れ日の中からヒカリちゃんたちが上を窺う。

こうしてるのは理由があって――

 

「あっ、ユウトさん! また来ましたよ!」

 

デオキシスの幻影が上空を飛び回っているのだが、たま~に“はぐれ幻影”ともいうべきか、通常から外れる何体かの幻影がこうして地上付近をうろつき始めるのである。

 

「ゴウカザル、マッハパンチ!」

「エルレイド、かげうちよ!」

 

そして速攻を目的とする様な攻撃技であっさりと撃破する。

 

「別に鈍色でテカテカ光ってるわけでもないし、経験値もたくさん持ってるわけじゃないぞ」

「なにを言ってるんですか、ユウトさん?」

「(ついでに誰に言ってるのよ?)」

 

まあなんとなく。

言ってみただけ。

 

「で、話を戻してデオキシスが地球で誕生した生物と根本で違うところだけど、それは電磁波を視認できるという点だ」

 

電磁波は空間内で電場と磁場の変化によって形成された波である。

磁場に関しては地球自体がある種の棒磁石である(方位磁針はこの特性を用いている)ため、地球上はどこでも一定の磁場が存在している。

電場については、電気を帯びている周りには電気的な力が働く(それを電場という)のだが、発電施設からは絶えず生み出された電気が送電され、また、動物は身体を動かすのに電気信号を脊椎を通して身体の各所に送信するといった形で使用しているし、身体を動かせば、皮膚と皮膚、服と服とがこすれ合うなどして電気が溜まる(放電する)。

つまり電気の流れが起きて電場は変化する。

またそれに併せて磁場も変化する。

以上から生物はその身体から電磁波を(本当に微弱ながらも)発生させる。

 

「たぶんだけど、なんらかの理由でそれを嫌ったデオキシスがオレたちを隔離しようとしてるってとこじゃないか?」

 

たしかこんな感じだった気がするな。

 

「(随分とまあ具体的よね。ユウトひょっとして最初から知ってたんじゃない?)」

「(まあまあいいじゃない)」

「(あーそうですか。まったく、ヒカリを見てみなさいよ)」

 

ん?

ってうお。

なんかポーッとしていますね。

これは何も言わない方がいいかな。

うん、いいな。

 

「お、ヒカリちゃん。どうやら森を抜けるみたいだぞ」

「え? あっ、ホントですね」

 

前方を見ると、前後左右に続いていた青々とした木々だけでなく、それらのさらに先に開けたスペースが現れた。

 

「無事森を抜けられたはいいけど、此処から先は身を隠す場所が極端に減るな」

「みんながどこにいるかもわかりませんしね」

「あとはやっぱり」

 

 




ようやくおわった。。。

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