(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

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外伝21 雨乞い祭り 伝説厨再び

 

 

『さあ、大会も佳境に入ってまいりました! これより準決勝第1試合を開始します!』

 

 

結論から言ってオレもユウキさんも準決勝残りました。

オレの試合はこの後の準決勝第2試合で、ユウキさんは今試合中です。

それからもう一つお知らせが。

 

「楽しみだよ、ユウトクン。今度こそキミに勝ち、あのシンオウ大会での雪辱を果たそう」

 

タクトはやはりあのタクトでした。

性格はあの鼻高々なものから若干まるまった感はありますが、伝説厨は相変わらずで。

だって準決勝まで普通にダークライ1体だけで勝ち上がってきましたから。

ちなみにラルトスは珍しくモンスターボールの中に入っています。

……よっぽど好かないんだな。

 

「今回はキミを倒すための秘密兵器を用意したんだ。キミはコイツに勝てるかな?」

 

そう言って2つのモンス……マスターボール?

おいおい、めっさ珍しいボール持ってんじゃない。

いったいどうやって手に入れたわけ?

どんなポケモンがあの中に入っているのかね。

果てしなく気にはなるが、まあ土壇場になってみなければわかるまい。

 

「よろしく、タクトさん」

「ああ。いい試合をしよう」

 

……伝説使ってる時点でそっちにアドバンテージあるのわかってる?

まあ、ある程度雨という環境下で出てきそうな伝説に対しての対策はしてきたつもりだから、何とかなるとは思うが。

 

『ハイ、試合終了! ユウキ選手、決勝戦進出決定!』

 

さて、いよいよか。

いっちょ、気合い入れていくか!

 

 

 

 

『さて! 今大会、これまでとは違い、ハイレベルな戦いが繰り広げられています! それもひとえに彼らのような選手が出場してくれたからに他ならないでしょう! では紹介致しましょう! まずは1人目、タクト選手!』

 

その強さと甘いマスクのおかげでなかなかのファンが付いたらしい。

いろいろと歓声が上がっています。

 

『タクト選手はこの大会は初出場ながら、この準決勝まで僅かダークライ1体、ダークライ1体のみで勝ち上がってきました! その強さはまさに折り紙付き! 優勝候補の一角をなしています! 続いてタクト選手と対戦するトレーナーを紹介しましょう! ユウト選手です!』

 

どうやらオレの方にも少しは応援してくれる人はいてくれるらしい。

タクトの方には届かないまでも歓声が上がってくれている。

 

『ユウト選手は様々なポケモンを駆使して、それぞれに合った戦い方で、この準決勝まで勝ち上がってきました! そのバトル運びの仕方に参考になったトレーナーも多いのではないかと思います! 斯く言う私も先ほどのドレディアの戦い方は大変参考になりました! ありがとうございます!』

 

さっきってあれか?

つるぎのまい→しぜんのめぐみ?

それともねむりごなちょうのまいゆめくいコンボ?

……うん、なんか思いっきり私情挿んでし、前者はあまり参考にならなそうだし、後者はちょうのまい以外は他のポケモンでも出来るから、参考って言われても……。

まあ、本人がなったって言ってるからいいのか?

それに参考になったなんて言われると嬉しいような気恥ずかしいような、難しい気もするけど。

 

『そんな両者が激突します! 果たしてどのようなバトルが繰り広げられるのか! タクト選手の2体目はなんなのか! ユウト選手はどのような戦法を繰り出していくのか! 期待に胸が膨らみます!』

 

さて。

相手の1体目はおそらくダークライ。

ならばこっちはうってつけなのが2体いる。

……嫌らし系でいくか!

 

『注目の準決勝第2試合、始めちゃってください!』

 

 

 

 

「なんだと?」

 

タクトの疑問の思いがそのまま口をついて出たのかな。

 

『両者1体目のポケモンが出揃いました! タクト選手はお馴染みダークライ、一方、ユウト選手はラッキーです!』

 

フハハ。

このラッキー、ただのラッキーじゃないのよ。

 

「先手はもらった! ダークライ、きあいだま!」

 

ノーマルタイプだから相性有利な格闘タイプのきあいだまか。

 

『タクト選手の先制攻撃です! ダークライのきあいだまが相性抜群なラッキーにスマッシュヒット!』

 

ふっ。

しかし、

 

「ラッキーラッキー♪」

 

ムダムダァ!

 

「なに!?」

 

『こ、これはどういうことでしょう!? 効果抜群なはずのダークライのきあいだまが全くといっていいほどラッキーには効いておりません!』

 

「ラッキー、タマゴうみ」

「ラッキー、ラッキー」

 

するとラッキーがお腹のポケットに入っているタマゴを外に放り投げる。

自身の周りに投げられたタマゴはラッキーの体に吸い込まれ、そしてお腹のポケットには、また新たなタマゴが入った。

 

『あーっと、ここでラッキーのタマゴうみが決まりました! これでラッキーはまったくの無傷となりました! ダメージゼロです!』

 

「ならば、今度はダークライ、あくのはどう!」

 

タイプ一致だけどきあいだまよりも威力が低い技なんかこれまたムダムダァ!

 

『あーっと! ダークライ、ラッキーにダメージが与えられません! それにしてもすごい! あれだけ数々のトレーナー、ポケモンを下してきたダークライがユウト選手のラッキー相手にまったくダメージが与えられていません!』

 

フフン。

そろそろ種明かしといきましょうか。

 

まずこのラッキーの特性は“しぜんかいふく”。

交代すれば状態異常が回復する特性です。

持ち物はしんかのきせき。

しんかのきせきとは進化前のポケモンなら防御特防が1.5倍になるという面白い道具です。

これによりなんとラッキーの特防は特殊耐久指数(レベル50時、HP実数値×特防実数値÷0.411)でトップのハピナスを上回るという脅威の高さを示します。

また、ずぶとい性格(攻撃↓防御↑)に、努力値はHP防御に極振りで残り6は特防と振ることにより、物理耐久指数(レベル50時、HP実数値×防御実数値÷0.411)もドータクンを上回り、生半可な物理攻撃技では落ちなくなります。

 

これがこのラッキーの強さです。

 

「今度はふぶきだ!」

 

さっきから特殊攻撃で攻撃してくれていますが、このラッキーを特殊技で倒そうなんざ、まさしく狂気の沙汰。

倒したいなら、しんかのきせきをはたきおとすか、カイリキーや火傷or猛毒“こんじょう”ローブシン辺りでも連れてきてくださいな☆

 

と余裕ぶっこいてるけど、ふぶきで凍ったらマズい。

 

「ラッキー、ちいさくなるだ」

「ラッキー、ラッキー」

 

『ここでラッキーのちいさくなるです! ラッキーの回避率がグーンと上がりました! これはタクト選手のダークライ、技を当てにいくのは厳しいか!?』

 

「ヌかせ! ダークライ、フィールド全体にかみなりだ!」

 

あれ?

これ雨の中のかみなりだから必中か?

 

「ラッッキーーー!」

 

やっぱり雨中のかみなりだから当たってる。

 

「ラッキー、どくどくの後にひかりのかべだ!」

 

相手はかみなり。

マヒらないよう祈りつつ、時間を稼いでどくどくのダメージを蓄積させよう。

 

「タマゴうみの後にまもる!」

 

タマゴうみでせっかく与えたダメージを回復され、さらにまもるで一定時間ダメージ回避。

 

「くっ!」

 

これで相手が焦れてくれれば——

 

「ダークライ、今度はギガインパクト!」

 

キタ━━━d(゜∀゜)b━━━!!

 

「ラッキー、当たりにいけ!」

 

「どういうつもりだ!?」

『これはどういうことでしょう!? ユウト選手、ラッキーにワザとダークライのギガインパクトに直撃するように指示しました! その真意は!? そしてそうこうしている内にダークライのギガインパクトが決まりましたァ!!』

 

真意は何かって?

答えは、

 

「カウンターだ!」

 

 

 

 

カウンター。

格闘タイプの一風変わった技。

その効果は直前に受けた物理攻撃によるダメージを2倍にして相手に返す技。

ラッキーのHPの高さは最終進化形のハピナスと合わせて全ポケモンの中で3位以下を大きく引き離して圧倒的なツートップを飾る。

逆に防御の高さは全ポケモンの中ではHPとはまったく対照的に、進化前のヒンプクと共にワースト1を飾る。

そんなラッキーがダメージを受けた場合、HPの減りは他のポケモンに比べると圧倒的に多い。

さて、そんな状況で2倍のダメージを返すカウンター。

さらに、猛毒状態でダメージが時間の経過と共にどんどん増えていくのならば——

 

「ダークライ、戦闘不能!」

 

となるのも自然(じねん)の理。

 

『なんとなんとなーんと! 今大会、誰もなし得なかったタクト選手のダークライが、圧倒的なまでの強さを誇ったあのダークライが、ラッキーに撃破されてしまいました! これでタクト選手の残りのポケモンは2体! はたしてその2体目! タクト選手はどのようなポケモンを繰り出すのでしょうか!?』

 

無言でモンスターボールを取り出し、ダークライを戻すタクト。

 

「さすがはやるね。なら、ボクの2体目はコイツだ」

 

そうしてタクトがさっきのマスターボールの内の1つを取り出す。

 

「いでよ

 

 

     レックウザ!」

 

 

 

ハイ、フラグ回収ありがとうございました。

てかアンタ、やっぱりもうまじめにタクトから伝説厨に改名した方がいいんじゃね?

 

 

 

 

『タクト選手、注目の2体目ですが、なんと、なーんと! 伝説のポケモン、レックウザです! 成層圏に生息し、地表にはめったに降りてこないといわれるポケモン! 私も実物は初めて拝見しました!』

 

ホントにあんな珍しいポケモンをどうやって見つけられたんですかね。

オレは空のはしらで出会ったけど、今はもう旅立った後のハズだから、きっと別の個体だよな?

 

「このレックウザはフィオレ地方という田舎で捕まえたんだ」

 

フィオレ?

マックのメニュー以外では聞いたことねぇ。

あ!

あれですか?

ポケモンレンジャーとか不思議のダンジョンからですか?

まあ何にせよ、あんな極悪種族値に特性“エアロック”はウザすぎる。

さて、どうしようか。

 

「秘策その1といったところだ。じっくりと堪能してくれたまえ」

 

……よし!

これでいこう。

 

「レックウザ、まずは挨拶だ。はかいこうせん!」

「ラッキー、スキルスワップ!」

 

だから、このラッキーに特殊技で攻撃したってやるだけムダなのに。

その間にこちらはスキルスワップでラッキーとレックウザの特性を入れ替える。

これでラッキーを引っ込めれば、雨の影響が打ち消されずに済む。

 

「戻れ、ラッキー!」

 

『おっと、ユウト選手、あのレックウザのはかいこうせんを食らってピンピンしていたラッキーを交代します! ユウト選手の2体目は何が出てくるのでしょうか!?』

 

「オレの2番手は、ジュゴン! キミに決めた!」

 

 

 




どくどくだまローブシンは3ターン目までなら火傷よりダメージは少なかったりします。

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