(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

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第3話

 

 

さてさて、3日が経ちました。

約束通り、ヒカリちゃんに会いにハクタイの森に向かいます。

 

ちなみにハクタイジムのナタネさんですが、勝ちました、ほんのついさっき。

や、いきなり挑むのも負けそうなので、やっぱり対策も考えて特訓しないと。

アニメのサートシ君みたく猪突猛進に行くのはちょっと感心しません。

 

ということで難なくとは言えませんでしたが、突破した次第です。

やっぱりジムリーダーはどこに行っても強いですねぇ。

ついでになんでか知りませんが、ナタネさんオレのこと知ってました。

なんで知ってるのか聞いてみると、どうやらシロナさんがあちこちのジムリーダーにオレのことを聞き回っていたらしく、すでに評判になっているとのことです。

 

ねぇ、あの人なんでそんなにアグレッシブなの?

シロナさんのおばあちゃんがそう育てたんですか?

シロナさんのイメージ(という名の勝手な幻想)がまた崩れた瞬間でした。

別にオレは有名になんかなりたくはないので、しっかり口止めはしておきました。

 

「(わたしも偶にはジム戦やりたいわ)」

 

とラルトスがオレの頭の上で愚痴を零していますが、彼女以外のジム戦に参加した面々は(と言っても、ラルトス以外の全員が参加したので)一度ポケモンセンターに預けてきました(ちなみにラルトスは7kg近く体重があり、普通なら頭の上に乗っかった段階で首に致命的なダメージを受けますが、ラルトス自身それを考えて自分をサイコキネシスで浮かせているので、オレ自身荷重は掛かっていません)。

 

なので、今の手持ちはラルトスを含めて、シンオウに来る前にいっしょに旅をしていたポケモンたちです。

まあ、そんなこんなでハクタイの森に入り、適当にさまよっていると、1匹のムックルが飛んでいるのを見つけました。

この森にはムックルは生息していないため、トレーナーのポケモンだと当たりをつけていると、向こうも此方に気づいて下りてきました。

 

「ムックルムックルー!」

「(ヒカリのムックルよ。付いてきてって言ってるわ)」

 

ムックルはゆっくりと飛び始め、ラルトスの言葉通り、ムックルの後を付いて行きました。

 

すると、やや開けた広場のような場所に出ました。

焚き火の後もあり、近くに川も流れていて、野営には絶好の場所でした。

 

「あっ、ユウトさん!」

「待ってたわ、ユウト君」

 

倒木のベンチに腰掛けていたヒカリちゃんとシロナさんが、ムックルのおかげでこちらに気づいたようでした。

ヒカリちゃんのポケモンで一番気になっていたヒトカゲですが、

 

「カゲ、カゲ♪」

 

ヒカリちゃんがヒトカゲの頭に手を置くとスリスリとヒカリちゃんに頬ずりをしていました。

オマケに3日前とは比べ物にならないくらい生き生きとしていて、楽しそうに笑みを浮かべてすらいました。

 

「3日前とはエラい違いだね。いったい何があったわけ?」

 

で、ヒカリちゃんに聞いてみたら、アニメによくあるゲットにまつわる友情秘話(集団で襲われる→ヒカリちゃん、ヒトカゲをかばう→ヒトカゲ感激→仲間の助けが入り生還→ヒトカゲ、ヒカリちゃんに心酔)があったようです。

 

 

 

 

まあ、そこらは置いといて。

ヒカリちゃん、ついでにシロナさんも参加することになった第1回ポケモン講座。

今回はポケモンの技と能力、性格について。

 

「マリル! キミに決めた!」

 

このマリルを例に使って説明していくことにします。

 

まず、ポケモンの能力について。

ポケモンは体力(Hit Point)の他に攻撃(Attack Point)、防御(Block Point)、特攻(Contact Point)、特防(Difence Point)、素早さ(Speed Point)という能力値があります。

これらの高低はバトルの行方を左右します。

特攻・特防はそれぞれ特殊攻撃・特殊防御の略です。

 

これらを念頭においた上で、次にポケモンの技について。

ポケモンの使う技には大きく分けると3つに大別されます。

 

「物理攻撃技、特殊攻撃技、変化技。この3つです」

 

では、それぞれについて実演を交えながら簡単に説明しましょう。

 

「マリル、あの木に向かってアクアジェット!」

 

水流に乗ったマリルが凄まじいスピードで突撃。

指示した木はマリルと接触したと同時に根元がポッキリと折れて(というか粉砕)されてしまったため、激しい音を立てて横倒しになりました。

ヒカリちゃんはその様子に口をアングリ開けてボーゼンとしていたので、気付けで元に戻す。

 

「とまあ、こんな感じで相手に直接接触する技が物理攻撃技です。物理技の威力は『攻撃』の高さに依存します。続いてみずでっぽう!」

 

同じくらいの隣にあった木に向かって、みずでっぽうが発射される。

今度は倒れるでなく、ただ大きく木を揺らすに留まった。

 

「これが特殊攻撃技です。もういいよ、マリル。おいで」

 

すると、オレのマリルは嬉々としてオレの胸に飛び込んでくる。

や、でも、軽い突進気味で突っ込んでくるから受ける方としてはちょっと痛い……。

今度からそこら辺もなんとかしよう。

 

「とにかく特殊技の威力は『特攻』の高さに依存します。最後に、変化技っていうのはこれら2種類の攻撃技以外の技のことを言います」

 

例えば『まもる』とか『いやなおと』とか『しびれごな』とかですね。

 

まぁ、相手に直接ダメージを与える技以外の技は全部変化技って認識してもらえば結構です。

 

「ところで、みずでっぽうにアクアジェット、この2つは威力的には同じ技です。でも、一方は木をなぎ倒し、もう一方はただ揺らしただけ」

 

さて、どうしてこの2つに違いが生まれたのでしょう?

 

「『攻撃』が高かったとかかしら?」

 

そうです。

さすがはシロナさん。

シロナさんの指摘通り、実はこの子は『攻撃』の方が高かったため、同じ威力の技でも、あれだけ威力の差が出たんです。尤も、この子の場合は特性の影響もあったりしますけど。

 

「特性ですか?」

「あぁ。マリルの特性には『あついしぼう』と『ちからもち』の2つの特性があって、この子は『ちからもち』の方なんだ。『ちからもち』は物理技の威力が2倍になるんだ」

 

ちなみに『あついしぼう』の方は氷技と炎技の威力を半減させます。

ヒカリちゃんはトレーナーに成り立てだから、こういう知識も追々覚えていかないといけないからね。

 

あ、ついでに言っておくと、ポケモンの同タイプの技を使った場合、その技の威力が上がったりすることも覚えておきましょう。

 

「例えば『れいとうビーム』は氷タイプの技だけど、同じ『れいとうビーム』でも、水タイプが使うときと氷タイプが使うときだと、後者の方が、威力が高いってことです」

 

尤も、だからといって他のタイプの技を覚えさせてはダメということはありません。

いろんなタイプの技を使えた方が戦略に幅が出ますからね。

 

さて、最後にポケモンの性格について。

 

「結論から言いますと、実はポケモンの性格は能力に直に影響します」

 

例えば、この子の性格はちょっと意地っ張りな部分があるんですけど、この性格は『攻撃』の高さが上昇して『特攻』の高さが減少するんです。

だから、さっきの技の実演では特性の影響もあったりしたんですけど、性格にも左右されていたりするんです。

 

「自分のポケモンの性格を把握することは、ポケモンとの友情や信頼を深め、バトルに於いては戦略を組み立てる重要なファクターにも成りうるんです」

 

ポケモンとも仲良くなれて、それが、お互いをより高みへと導いてくれる。

素敵だよね。

 

「ということで、初回のポケモン講座は終わりです。ご清聴ありがとうございました」

 

 

 

 

その後、いろいろあり、オレはヒカリちゃんの旅に同行することになりました。

いや、女の子に拝み倒されたら断れないでしょ?

ということで、講義については旅の途中で追々やっていくことにして、それから数日間は、このハクタイの森でヒカリちゃんの特訓漬け(バトル漬け)でした。

戦略→実践→検討・反省→戦略→以下∞ループ……。

それからちょっと変わったことといえば

 

「(モウカザル! ビルドアップ!)」

 

ラルトスが擬似トレーナーとしてポケモン相手に指示だしてます。

戦えない(許可されない)からとトレーナーの代わりをして発散だそうで。

その辺がオレには未だによくわかりません。

ちなみに、ラルトスがモンスターボールを投げてゲットしたポケモンもいたりします。

ソイツはオレの言うことも聞きますが、ラルトスの言うことの方がよく聞いている気もします。

ちなみにそんな感じなので、一人旅のときはラルトスとポケモン勝負をやってたこともありました。

今思いましたけど、「俺に10万ボルト!」とか「俺にボルテッカー!」とかそんなマゾいことはしてませんからね。

オレは某マサラ人みたく、人間はやめていないので。

 

っと、話がズレましたね。

特訓はバトルばっかりではなく、バトル以外の点でも、例えば技の充実のために技マシンも貸してあげました。

ちなみにこの世界の技マシンはBW方式の使ってもなくならないタイプのものみたいなので、使い放題です。

ただゲームのように覚えた技をすぐにフルパワーで使えるのではなく、練習が必要だったりします。

熟練度(仮)といったものですかね。

それが上であるほど成功率、威力、応用が効いてくるといった具合です。

 

なので、合間合間にその練習も繰り返してました。

 

それから、シロナさんにライブキャスターを貰いました。

これはBWで出てきた携帯型のチャット式テレビ電話ですね。

これでいつでも連絡が取れるから、ポケモン講座のときは呼べということらしいです。

それからヒマなときは私も同行するから現在地を把握するのにも必要なのだそうです。

まぁ、ヒカリちゃん曰くギンガ団関係のトラブルに巻き込まれたらしいので、いずれ必要になるときが来ることになるかもしれません。

ゲーム通りなら、3人で手分けした方がいい場面があった気が……?

よく覚えていませんが、もしそうなったときに連絡を取り合う際、必要になるでしょう。

それに、そうなるとヒカリちゃんもギンガ団幹部たちとある程度戦えるようにしなければなりません。

となると、特訓にも気合い入れて取り組まないといけない、ということで少し変わったものを見せようかと思いました。

 

「マリル! ムクバードに向かってアクアジェット!」

「ムクバード! 体当たりで突っ込むわよ!」

 

ヒカリちゃんはアクアジェットとのぶつかり合いを意識したようです。

あ、ヒカリちゃんのムクバードは、昨日ムックルから進化したんですよ。

さて、ヒカリちゃんの考えとして、此方は空に向かってアクアジェットなため、重力とマリル自身の体重の影響で、威力が弱まる。

逆にムクバードは空からの突撃のため、タイプ一致で威力上昇の体当たりにムクバード自身の体重×重力加速度による力が働く関係で、マリルを押し返せると計算したようです。

や、昨日の教訓がちゃんと生きているようで、何よりです。

ホント、水が砂に吸い込まれるような勢いで成長していきますね。

教えている身としては嬉しい限りなのですが、しかし、オレのやることは変わりません。

 

「マリル! アクアジェットタイプA!」

 

それを聞いたマリルはアクアジェットの矛先を空中とは全く関係のない地面に向け、そのまま衝突。

そのまま、そこでクルクルと回転しだす。

 

「!? ウソでしょ!?」

 

マリルを包んでいたアクアジェットの水流が不規則に竜巻の渦のごとく、それが幾筋も巻き上がり始め、それらがムクバードを襲い始める。

ムクバードも必死に避けていたのだが、動きが不規則過ぎたため、読み切れなかった。

 

「ムクッバードッ!」

 

一本が避けた隙に直撃したムクバード。

その後、立て続けに水の竜巻を食らい続けて、ついにはダウンした。

 

ちなみに今の技は偶々見たアニメのサートシ君の技を参考にさせてもらいました。

水の勢いが強かったのは、アクアジェットの勢い+水を出すホースの先を摘むと水流が激しくなるのを応用したものです。

成功させるのに相当苦労しましたけどね。

 

さて、今日はこれで終わりにして明日一日休んだ後ジム戦といきましょうか。

 

 




ゲームでも不思議に思っていました。
『どうして覚えたばかりの技が100%の威力で出せるのか』と。
なので、オリ設定として、『技には熟練度がある』というものを加えました。
また、マリルのアクアジェットはタマゴ技ですが、タマゴ技は遺伝ではなくとも覚えられるとしています。

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