(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

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外伝7 ユウト タッグバトル VSシロナ+レッド

 

 

「天空に舞え、ガブリアス!」

「頼むぞ、ピカチュウ!」

 

 

さて、あちらはそれぞれ3体目の最後のポケモン。

少し特徴を述べましょうかね。

 

まずはシロナさんのガブリアス。

“厨ポケ”として名高いポケモンの1体ですね。

合計種族値が600なので『600族』というグループにも括られます(ちなみに初代伝説三鳥や二代目伝説三犬などの三伝説ポケモンより高い種族値)。

攻撃、素早さは共に高い部類に位置していて(素早さ種族値102で、100という激戦区(100以下の種族値でも100抜き調整可能なポケモンが多い)を僅かに上回る)、特攻もそこまで悪くはありません(つるぎのまいを積まない場合、(現実で物理受けとして有名な)エアームドならだいもんじ二発で退場に追い込める)。

タイプ一致のドラゴン技も強力で、じしんもタイプ一致で放てるというポケモンでもあります。

つるぎのまいを積まれるともう止まらなくなります。

 

続いてレッドさんのピカチュウ。

アニメでは伝説厨のラティオスと相打ちになったと思ったら、初心者のレベル5のツタージャや有利なはずの水タイプのヒヤッキーにボロ負けするようなよくわからない仕様ですが、この世界では違います。

昔、初めてカントーのチャンピオンリーグで、挑戦者として戦ったとき、あのピカチュウとそれからカビゴンに全抜きされたのは、今でも忘れられません。

当時は、「かわいい顔して内実は“黄色い悪魔”だろ」と戦(おのの)いたものです。

また“でんきだま”という“ピカチュウの攻撃・特攻を2倍にする”なんていう反則アイテムのおかげでカイオーガに匹敵するほどの能力値からの攻撃を繰り出し、素早さに関しても、こうそくいどうで補えば、ガンガン避けながら攻撃してくる超高速アタッカーに変貌する恐ろしい電気鼠でもあります。

 

さて、サンダースの電気はガブリアスには効かないし、ピカチュウにも効きづらい。

クロバットには2体の弱点を突く技はありません。おまけに2体とも体調が万全とは言い難く、むしろかなり悪い部類。

これは次に繋げる戦い方をするか、あるいは……

 

「ダ、ダース!」

「クロバッ!」

 

「(2人とも倒れるまでやらせてほしいですって)」

 

ラルトスの声が頭の中に響いてくる。

 

……

 

「サンダース。お前は猛毒状態だけど続けるか? クロバットも残りの体力が相当厳しいハズだが、それでも続けるか?」

 

その問いに、

 

「ダース!!」

「クロバッ!!」

 

2人は力強い返事を返してきた。

 

「しゃーない。2人気の済むとこまでいこうか! ただ、オレがダメって言ったらもうダメだからな。そこは約束してくれな」

「ダース!」

「クロバッ!」

 

「(どくけしとモモンの実、げんきのかけらとかいふくのくすりを用意しておくわ)」

 

よくわかってくれる相棒でホント助かるよ。

 

「じゃあ、いくか!」

 

 

 

 

「ガブリアス、つるぎのまい!」

「クロバット、ブレイブバードで邪魔をしろ!」

 

ガブリアスに積ませるのは本当に得策ではありません。

とにかく邪魔させます。

ただ、

 

「ピカチュウ! でんこうせっかでクロバットを妨害!」

 

なんてことも。

こういうのがダブルバトルですよね。

 

「サンダース! ミサイルばりをバラまくんだ!」

 

サンダースは猛毒に犯されているので、おそらく普段のときのでんこうせっかよりは少し遅くなっているはず。

ならば、動かないで体を震わせるだけで放てるミサイルばりを放つのが確実。

案の定、ピカチュウの進路上にバラまかれ、ピカチュウの妨害に成功。

それから、ブレイブバードは決めることは出来ましたが、ガブリアスのレベルが相当高いため、あまりダメージにならず。

結果的につるぎのまいは成功し、ガブリアスの攻撃は2段階アップ。

こうなれば、ピカチュウを先に狙うしかないか。

 

「クロバット! ピカチュウにエアスラッシュ!」

「ピカチュウ、かげぶんしん!」

 

効果いまひとつとはいえ、特攻が4段階アップしているため、ダメージは見込めるはずだったが、かげぶんしんにより回避されてしまう。

 

「ガブリアス、ストーンエッジ!」

「ピカチュウはこうそくいどう!」

 

その間にガブリアスのストーンエッジが迫る。

タイプ不一致とはいえ、元々高い種族値とつるぎのまいで2段階上がった攻撃からのそれは脅威以外の何物でもない。

おまけにピカチュウも素早さが2段階上がってしまったため、現状のこの2体ではもはや、対処できないだろう。

ならば——!

 

「クロバット、ねっぷう! サンダースはめざめるパワー!」

 

ねっぷうでかげぶんしんを潰し、めざパで少しでもダメージを与えるのみ!

 

 

 

そして——

 

 

「コクランさん」

 

オレの問いかけにコクランは頷いて答えた。

 

「サンダース、クロバット、共に戦闘不能!」

 

ねっぷうとめざめるパワーでかろうじてストーンエッジをしのぎ切ったようだが、もはや立っているのも精一杯といった2体。

バトルの続行は不可能だった。

 

 

 

 

バトルは一時中断し、サンダースにどくけしを打って、毒状態だけでも解除はしました。

 

「いよいよってところかしら」

「……えぇ……」

 

二人からすればようやく“本丸”にたどり着いたというところでしょうか。

だが、しかーし。

“本丸”というのは容易には落ちないものですよ。

さて、このまま普通に戦うのもまあまあありだと思うのですが、このペアだと単なるシングルバトル×2になりそうな予感がしないでもない。

というより、この2体の持ち味を生かしたポケモンらしいバトルは……ぶっちゃけ思いつかん。

なので、超☆邪道で責めてみようと思います☆

フィールドも、これなら可能そうだし。

ということで初手——

 

「ラルトス、ちょうはつ! ボーマンダはハイドロポンプ!」

 

開幕ラルトスのちょうはつとボーマンダのハイドロポンプ。

ラルトスのちょうはつで、もはやピカチュウもガブリアスも、攻撃技しか繰り出せませんし、ボーマンダの特性『いかく』で下がった攻撃を上げることはできません。

 

「くっ! かわせ、ピカチュウ!」

「チッ、相変わらずイヤらしい! 避けなさい、ガブリアス!」

 

さてボーマンダのハイドロポンプは2体とも馬鹿正直に食らうことはなく、悠々と避けています。

ちなみにですが、二人がなぜちょうはつをしなかったかというと覚えられないor戦法にそぐわないという理由です。

 

「ガブリアス、ギガインパクト!」

「ピカチュウ、ボルテッカー!」

 

いきなり大技が来たなオイ。

あ、ついでに言えばハイドロポンプが避けられるのは計算済みです。

 

「ボーマンダ、そのまま縦横回転! ラルトスは宙に退避しつつ、サイコキネシス!」

「(なる。そういう風にすればいいのね)」

 

ラルトスはオレの頭の中を読めるので、オレがイメージするものを見せられた彼女は、天井近くまでサイコキネシスで急浮上すると、新たにサイコキネシスでボーマンダのハイドロポンプを操る。

すると、ボーマンダのハイドロポンプが、あたかもボーマンダを包み込む水球のようになりました。

さらにボーマンダは回転を加えているため、縦横無尽にハイドロポンプがフィールド上にバラまかれる格好となってます。

 

「……カウンターシールド……!」

「厄介ね」

 

攻撃は最大の防御。

とは若干違う気もしますが、攻防一体のそれに、ガブリアスとピカチュウは攻撃を中断して、回避に専念しています。

宙に浮かぶラルトスを狙おうにもピカチュウは飛べず。

また、ガブリアス・ピカチュウともに水は等倍ダメージであり、タイプ不一致といえど、ボーマンダの特攻からのハイドロポンプは元々の技の威力も相まって、直撃すれば高いダメージが見込まれる上に、まるで意思でもあるかのごとくハイドロポンプがやたらめったら不規則に動き回るので、攻撃する暇がなく回避するしかない。

といったところ——

 

「いちかばちか! ピカチュウ、ひかりのかべ!」

 

でもなかったようです。

ひかりのかべがガブリアスの前に張られました。

ていうかちょうはつ切れるの速くない!?

これでガブリアスに対しての特殊攻撃は半減となってしまいました。

 

「ガブリアス、ドラゴンダイブ!」

 

その状況を利用してシロナさんはガブリアスにドラゴンダイブを指示。

ハイドロポンプのダメージは受けてはいるようですが、だいぶ少なくなったようです。

 

「ピカチュウ、ガブリアスの後ろからボルテッカー!」

 

なる。

ガブリアスを壁代わりにボーマンダに接近ということか。

上手い戦法です。

打ち合わせなんてしてないだろうに、即席とはいえ、二人の息が合っている。

流石はチャンピオンといったところ。

 

ちなみにちょっとここで考察。

ピカチュウの持ち物はでんきだまで固定でしょう。

それ以外はありえません。

次いでガブリアス。

二つ以上の技を使っているので、こだわりスカーフ(素早さ1.5倍になるが、1つの技しか出せなくなる)はありえない。

後はいのちのたま、ヤチェの実(氷技が効果抜群のとき一度だけダメージ半減)、ラムの実(状態異常を回復させる)。

それからたつじんのおび(効果抜群の技を使った時に威力が1.2倍になる)も候補に入るでしょう。

なぜなら、技に制限がないので様々な技を覚えさせておけば、それが活きるからです。

この世界なら下手したら最有力候補でしょうね(ガブリアスは水以外のタイプには効果抜群のダメージをとれる技を覚える)。

あるいはまさかのかいがらのすず(与えたダメージの1/8だけHPを回復する)ということもありうるでしょう(つるぎのまいで攻撃が上がったなら、そこからの技のダメージで回復量も多くなる)。

ちなみにキーの実(混乱を回復させる)という可能性はほぼないと思われます。

げきりん(+いばる)とセットでしか使えないため、ほぼ持ち物がないという状態と同義になるからです。

 

で、さてこちら。

ボーマンダにはイバンの実、ラルトスにはまがったスプーンを持たせています。

イバンの実は戦闘中にHPが1/4以下になった時に最初の1度だけ『すばやさ』に関係なく先制できるきのみで、まがったスプーンはエスパータイプの技の威力が1.2倍になるという効果があったりします。

まがったスプーンはラルトスのエスパー技を強化するためですが、どうしてイバンの実をボーマンダに持たせているかというのはまた後ほどに。

 

 

「今だ、ラルトス! フィールド全体に10万ボルト!」

 

 

ちなみに今では、威力的にサンダースのかみなりをアッサリ超えるほどのものにまでなっています。

どこぞの黄色い電気鼠のように“レベルリセット”は起きませんので。

 

さて、10万ボルトがフィールド全体に落とされましたが、ピカチュウは元々電気タイプなためあまり効果がなく、ガブリアスに至ってはドラゴンタイプの他に地面タイプも持ち合わせているため、まったく効果がありません。

なので結局ダメージが大きかったのは、ハイドロポンプのバリアーが効いていたとはいえ、ガブリアスのドラゴンダイブにピカチュウのボルテッカー、ラルトスの10万ボルトを余波として食らったボーマンダでした。

ボーマンダはラルトスに次いで2番目に仲間になった最古参組で、実力もラルトスとツートップを張っていますが、さすがにそれだけの攻撃を食らっては体力もかなり減ったはずです。

 

「どういうこと?」

「……指示ミス? いや、でも、ありえない。なぜ……?」

 

二人はおろかギャラリーも首を傾げているみたいですね。

 

「一つ言っておきますが、指示ミスでもなんでもなく、戦術の一環です」

 

ではここからは“ずっとオレのターン”で。

 

「いけ、ボーマンダ!」

「マンダー!」

 

イバンの実が発動。

 

「ウソでしょ!?」

「なっ!? イバンの実だって!?」

 

意外過ぎる持ち物に驚愕を覚えたような二人だが、もう遅い。

ボーマンダは一気にピカチュウに接近。

 

「そのままピカチュウにドラゴンダイブだ!」

「マンダー!」

 

タイプ一致ドラゴンダイブがピカチュウにクリーンヒット!

そのまま勢いよく壁に激突する。

 

「ピカピカチュ〜……」

 

目を回して倒れ込むピカチュウ。

 

 

「ピカチュウ、戦闘不能!」

 

 

これで、レッドさんのポケモンは全滅。

シロナさんはガブリアス1体のみ。

逆にこちらはダメージはひどいが、ボーマンダに、まだ無傷なラルトスの2体。

このまま2VS1でオラオラと押していってもほぼ決着はついたハズなんだけど、それではイバンの実なんかを持たせたボーマンダでわざわざ仕込みをした意味がありません。

ついでにいえば、先程相手の持ち物について考察を入れましたが、それもぶっちゃけるとあんまり関係なかったりします。

 

「よくやった。戻れ、ボーマンダ!」

 

ああ、また場内の雰囲気が変わりましたね。

 

 

 




持ち物についてはゲーム同様(発動するまで)わからないと言う仕様です。

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