(旧)【習作】ポケモン世界に来て適当に(ry   作:kuro

1 / 57
第1話+第2話

 

 

「私と……シテください!」

 

 

いったい何をですか?

詳しい説明と謝罪と賠償を求めるニダ!

じゃなかった。

ところで何をナニに変換してもいいですか?

あ、ダメですか、そうですか。

でも、思うくらいはいいよねッ?

ところでディスプレイの前の大きなお友達のみんなはナニを想像したのかな?

あとでオニーサンにコッソリ教えてほしいな。

 

とまあ、冗談はこのくらいにして。

いったいどうしてこういうことになってるか説明しないとね。

 

あ、まず自己紹介をしとこうか。

オレの名前はユウト。

ホウエン地方、恥告げたうん……じゃない、ハジツゲタウン出身のポケモントレーナー。

現在16歳です。

尤も、中身を考慮すると既に40近いんだけどね。

でも、外見は16なんだからオニーサン、いや少年なのです!

この前親戚のちっちゃい子にオジサンって言われて思わずOHANASHIしてしまったんだけど、それは大きなお友達の皆さんとオレとの秘密ということで。

 

中身が云々っていう話からだいたい皆さんも分かる通り転生者です、現実からの。

いや、当時はビックリでしたよ。

だって知り合いの人のお店で夜通し飲んで帰ってきて朝そのまま寝て起きたら、赤ん坊だったんですから。

リアルでポルナレフ降臨ですよ。

何を言ってるのかわからねーがボクも何をされたのかわからなかった状態ですよ。

まあ赤ん坊の頃の話は恥ずかしい思い出が多いので省きますけど、重要だったのはここがポケモンの世界だってことですよ。

ポケットモンスター、略してポケモン。

オレは初代からやってました。

初代青・黄、2代目金、3代目エメ、4代目プラチナ、5代目黒とやってきましたよ。

HGSSはやってなくて、黒はシロナ様の「水着の色はどっちがいい?」で止まってます。

なので、ある程度は知ってます。

ポケモンの技とか特性とか性格ね。

で、ポケモンと言えば個体値・性格・努力値の廃人ゲーじゃないですか。

オレもやってましたよ、たくさんタマゴ産ませて、性格・個体値の厳選。

それからダブル用とシングル用でやってたりとかしたんで、ボックスがいっぱいになったら選考から外れてしまった残念賞なポケモンは逃がしまくってました。

しかし、それをこの世界でやったら、「オレってロケット団やゲーチスなんて目じゃないほどのクズじゃね?」と悶々としてました。

ただ5歳の誕生日でしたか、近所にホウエン地方での『ポケモン預かりシステム(パソコンを使ったポケモンの転送等を行う)』の管理を一任されているのマユミさんというおb……(ゲフンゲフン)、キレイなお姉さんがいるのですが、その人にタマゴをもらったんですよ。

子供心で孵化するのを楽しみに待ってて、いざ孵ると吃驚仰天でした。

 

 

かわいい……

 

 

プリティレボリューションとでもいうべき衝撃でしたよ、ホントに。

それまで捨てることに対して悶々と葛藤してたんですけど、そんな汚物綺麗さっぱり水に流しました。

たしかジョウト四天王のカリンのセリフでしたか、

 

 

『強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら、好きなポケモンで勝てるよう頑張るべき』

 

 

これを少し弄って人生の至言にしようかと思いました。

あ、ちなみに、好きなポケモンの1匹であるラルトス♀だったこともテンションうpに拍車をかけていました。

 

 

で、なんだかんだいいつつ、8年ほどでホウエン・ジョウト・カントー・ナナシマを旅してきました(ナナシマ地方はFRLGでいう1〜7の島、アニメでいえばオレンジ諸島にあたります)。

んで、しばらくぶりにマサラタウンのオーキド博士に会ったら、

 

「シンオウ地方に一緒に行かんか?」

 

と言われてそのまま拉致られました。

や、だって返事聞かずにフシギダネのねむりごなを浴びせられて、気がつけばシンオウに向かう船の中っておかしくないですか?

文句を言ったら、

 

「お前のママさんとラルトスには了解を取ってある」

 

って返ってきました。

や、なんでラルトスに聞くの?

オレに聞いてよ、そういうのは。

それにラルトスも母さんも勝手にそう言うのは止めてくれない?

や、ここまで来たらどうしようもないけどさ。

ちなみになんでオーキド博士と知り合いかというとオレがホウエン図鑑を(ほぼ)完成させたからなんだよね(ちなみにホウエン図鑑もらえたのはセンリさんに相談したから/さすがにデオキシスやジラーチとかはムリだったんだけどラティ兄妹なら仲間にしたんだな!)

 

 

話を元に戻して、やってきました、シンオウ地方。

船が着いたのはマサゴタウンていう町の一つ。

町の名前とかって正直あんまりよく覚えてなかったんですけど、博士の知り合いの研究所がこの町にあると聞いて把握。

あのダンディーなオジサマですね。

たしかデパートの地下でフエンセンベイが売ってないとかで涙したり、別荘で家具を買ったら勝手に上がり込んでくる人たちの1人。

そんなことを思い出しながら博士の後を付いていくと、大きな研究所に到着。

そのまま研究所の主であるナナカマド博士を紹介されました。

それから、どうも新人トレーナーが最初のポケモンをもらっていたようでした。

ヒカリちゃんにジュンくん、コウキくんの3人です。

プラチナをやったことがある身としてはこの3人より年上ということに何とも言えない感じがしました。

尤も、RSE.FR.LG.HG.SSの男女主人公とライバルさんたちがみんな年上なので、そっちについてもアレですけど。

 

「今まで旅した地方の図鑑はほとんど完成させている上にポケモンリーグでも上位に入賞するとっても素晴らしい腕を持っておるトレーナーなんじゃぞ」

 

博士、できればそういう紹介はしないでください。

あ〜、ほら、こう『すご〜い』とか『憧れる〜』みたいなキラキラした目で見られるとこっちがすっごく恥ずかしいから。

 

「(ユウトったらいい加減慣れたら?)」

「こぉら、また勝手に出てくるんじゃない」

「(だってヒマだったんだもん、いいでしょ?)」

「あ〜、ハイハイ。わかったよ」

 

普通にラルトスと会話が成立してそうな雰囲気を醸し出すオレたちに吃驚仰天な一同。

その場は「なんとなくわかる」ということにしておいた。

すると、先程にもまして尊敬の視線が入り混じっていました。

とにかく、その場は図鑑もらってトットとトンずらしました、恥ずかしかったので。

 

ちなみにラルトスとは意思疎通出来てます。

ラルトスの声が何やら頭の中に響くんですよ。

んで、ラルトスも“きもちポケモン”だから、オレの言葉を感じ取ってくれんですよね。

ちなみにこのことは誰にも話していません。

なんとなく、知られれば将来厄介な事柄に巻き込まれそうな予感がしたりしますからね。

それからラルトスも普段はずっと外に出してます。

話し相手がいない旅ってのは滅茶苦茶寂しいですからね。

 

 

っと、随分導入が長かった気がしますが、そんなこんなでシンオウ地方で図鑑を集める片手間にジムバッチを集めながら、ハクタイシティのポケモンセンターでポケモンをチェックしてもらっていると、いきなり後ろから声を掛けられて、

 

 

「私と……シテください!」

 

 

と言ってナナカマド博士の研究所で出会ったヒカリちゃんが腰を90°まで折るほどにお辞儀して頼み込んでいる、という今の状況につながったわけです。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、そういうことね」

 

ひとまず昼食を摂りながら事情を聞いてみると、あれからクロガネシティとこのハクタイシティ、2つのジムを回ってジム戦をしたらしいが、どうやらコテンパンに負けてしまったらしいです。

その際、いろいろと厳しいことを言われたようで、出会ったころのような快活さはすっかり生りを潜めていました。

で、そんな折、このハクタイシティでオレを見かけてオレに特訓を施してほしいんだそうです。

しかし、ポケセンで見かけて即アタックしてくるとは……。

 

「(即断即決なんて凄い子ね)」

 

確かに、この決断力はこの子の武器だね。

 

「じゃあ、いくつか大事なことを聞こうかな。まず1つ目、キミはポケモンは好きかな?」

 

その質問に体育会系もかくやというぐらいの気合いの籠もった返事をしてくれます。

でも、周りのことも考えてくれると助かるかなぁ。

ヒカリちゃんの声のおかげで『なんだなんだ?』とこのテーブルに注目が集まっています。

恥ずかしいから指摘したいんだけど、こんなことで話の腰を折るのもアレだし……。

 

「(いい加減その恥ずかしがり屋はなんとかしなさいよ。ホント、何年経っても変わらないわね)」

「……次、キミの手持ちのポケモンたちは大好きかな?」

 

隣に座るラルトスのボヤキを意図的に黙殺しつつ、この質問を投げかけると、先程同じ返しをしてきました。

だから、周り……。

 

「でも、ポケモン勝負には勝てないんだよね? それでも好きなの?」

「それでも好きです! だって、こんなあたしのことを慕ってくれているし、一緒に居てくれるから!!」

 

これなら……なんとかなりそうかな。

 

「(そうね、ユウトの方針に反発するようならユウトが監督するとかムリだもの)」

 

ラルトスも頷いてくれる。

ここまでポケモンに真摯に向き合えるならきっといいトレーナーにもなってくれるにちがいない。最後の失礼な質問を陳謝してオレはこの格言を持ち出した。

 

『強いポケモン、弱いポケモン。そんなの人の勝手。トレーナーなら、自分の好きなポケモンで勝てるよう努力するべき』

 

「これはオレの中の格言の1つなんだ。ポケモンというのは本当に奥が深い。トレーナーの育て方1つで星の数ほどの違いを見せてくれる。ただ、その中で絶対に必要なものというのがトレーナーのポケモンに対する愛情なんだ。それがなければたとえどんないい育て方をしたところで、ポケモンは強くなれない。いや、そのポケモンが持つ真価を発揮出来ないと言うべきかな」

 

 

「あら、何やら興味深い話をしているようね」

 

 

オレの話に突然乗ってきた声。

そちらを見ると黒いドレスのようなコートを身に纏って膝までありそうな長い金髪を特徴的な髪留めでとめている1人の女性が……って!?

 

「シロナ……さん!?」

 

吃驚です。

いきなりなんだもん。

そりゃあ彼女とのファーストコンタクトはハクタイシティだけどさぁ。

まぁでも、「シロナさま!?」とか言わなくて(言いそうだったけど)良かった……。

 

「(ユウト、その思考は変態よ?)」

(やかましいわ! つか、勝手に人の頭の中を読むんじゃない!)

「(わたし、“きもち”ポケモンなのよ? その辺は察しなさい)」

 

なんていうやり取りを脳内で繰り広げつつ、周りを見てみる。

すると、ただでさえヒカリちゃんのおかげで注目の的だったのに、ここにシンオウチャンピオンのシロナさんが来たら……

 

ざわ……ざわ……

  ざわ……ざわ……

    ざわ……ざわ……

 

なんだかいろんな視線がこちらに向けられて大変なことになっています……。

ヒカリちゃんも周りの様子に気がついたようで、唖然+アワアワしている様子。

しかし、当のシロナさんは、

 

「ねえ、その話、もっと聞かせてもらえる?」

 

全然気にしてねぇ。

あんた、こんなに周りが騒がしいのに気にしないのか。

前世小日本人なオレはすぐさま逃げ出したい。

ということでミッションスタート。

 

「モウカザル、キミに決めた!」

 

するとベルトにつけられていたモンスターボールから出てくるモウカザル。

ちなみにお分かり人はお分かりの通り、サートシ君の丸パクリです。

ちなみにサートシ君のモデルのレッドさんはゲーム通りだったので、被ってはいません。

 

「モウカザル、悪いけど後片付け頼む。すぐ迎えに来るから。ラルトス!」

「ラル。ラル〜!(ハイハイ、わかったわ。テレポート!)」

 

そのまま、モウカザルを残して全員テレポートでその場を離脱。

その後食器等をかたしたモウカザルをラルトスがまたテレポートで回収しました。

 

 

 

 

「すみません、シロナさん、ヒカリちゃん。勝手にこんなところに連れて来ちゃって」

 

テレポートしてきたのはハクタイの森の一角でした。

ちなみに薄暗い森の洋館のあるところではなく、ゲームで抜け道のようになっているところです。

 

「それはいいですけど」

「そうね。私も構わないけどどうして?」

 

いや、人込みが苦手なんですよ。

あんな注目の的とかは特に……。

シロナさんはよく平気な顔してますよね。

 

「周りはもう気にならなくなっちゃった。それにそう思うなら、

 

周りは人間などという俗的なものではなくて全ておイモか何かだと思えばいいのよ

 

 」

 

……オイ、なんだこのシロナ様は……。

確か部屋の片付けが苦手でお茶目で恥ずかしがり屋で子供っぽいところがあるけど、明るい性格じゃなかったのか?

なんでこんな黒いんだよ。

おまけに最後のセリフのときの笑みはまるっきり悪女じゃないか。

これじゃあシロナ様じゃなくてクロナ様じゃないですか。

オレの中のシロナ様のイメージが絶賛崩壊中なんだけど……。

 

「(ねぇ、ユウト、本当にストーカーとかしてないわよね?)」

 

……ワザとだよな?

うん、口が吊りあがってるからワザとだな。

だいたい、オレはお前とずっと一緒にいるんだから、そんなことはしてないってわかってるはずだし。

 

ということで、また無視を決めつつ、これ以上シロナさんのイメージを壊されたくないため、話題を他のに変えます。

 

「そういえばどうしていきなりオレたちに?」

「う〜ん、一つはあの言葉かな」

 

あの言葉と言えばオレの至言かな。

 

「それから、もう一つはキミ自身に興味があったんだよ」

「オレに?」

「そう。ホウエン・ジョウト・ナナシマリーグチャンピオンでカントー準チャンピオンであるユウト君、キミにね」

 

あれ、なんでそんなこと知ってるんだ?

ポケモンってその地方外の情報って普通はなかなか入ってこないみたいだし、いくらチャンピオンといえども……。

てかなんでオレの名前を知ってるんだ?

 

「この前ナナカマド博士とそれからオーキド博士という方にお会いしてね、キミのことを聞いたんだ」

 

さいですか。

博士ェ。

 

「それに知ってる? オーキド博士が仰ってたんだけど、キミのあの言葉は今じゃキミの旅した地方では大流行だそうよ。チャンピオンやそれに近い人が言う言葉だし、アナタ自身もそれを実践してるみたいだしね。その言葉を聞いた人にとってはよっぽど衝撃的だったらしいわよ」

 

えっ、そうだったのか。

 

「(自覚なかったのね。ちなみにその言葉ってポケモンたちにとっても、嬉しい言葉よ。その言葉を実践してくれるトレーナーなら、きっとどんなトレーナーでも、ポケモンたちはついていくわ。だから、その言葉が流行ってくれるなら、一ポケモンとしては嬉しい限りね)」

 

そーだったのか。

 

とにかく、リーグ優勝したら、とりあえずそそくさとその地方を脱出して旅に出てたりとかしたからそんなことは知らなかった。

や、なんとなく人ごみという点でマズイかなという予感がしたからね。

事実、チャンピオンのシロナさんは街中で現れるだけでちょっとした騒ぎになるみたいだし。

ていうか、これってもとはカリンさんの言葉なのに……カリンさんゴメン。

 

「で、いろいろな地方のリーグを制覇し回っているキミのことだから、きっとこの地方のリーグにも出場するのかなって思って、各地のジムを回ってキミのことをジムリーダーに聞き回って探してたら、ここで見つけたってわけ」

 

意外にアグレッシブだな、この人は。

神話研究の考古学者ってみんなこうなのか?

 

「あら、よく私が考古学者だって知っているわね」

 

その筋では若いのに一角の研究者だと評判のようで……ん? どうかした、ヒカリちゃん、口をそんなアングリ開けちゃって?

 

「いえ、まさかユウトさんがそんな凄い人だとは知らなくって」

 

まあ、極力そういうことは人には言わないようにしてるからね。

 

ま、そんな話はあとにしてとりあえず本題の方に行きますか。

ヒカリちゃん、手持ちのポケモン全部この場に出してくれる?

 

「ハイ! みんな出ておいで!」

 

空に放りあげられた3つのモンスターボールから出てきたのは、

 

「ふむ、ポッチャマにムックル。あら? このヒトカゲはどうしたの?」

 

確かに。

ヒトカゲはシンオウ地方にはいないポケモンだし。

それに幾分普通のヒトカゲより小さいし、なんだか様子がおかしいような?

 

「その子なんですけど、ケガをして置き去りにされていたところを介抱してあげて、ただものすごく元気がない感じだったので、そのままサヨナラするのも気が引けて、とりあえず手持ちにいれているんです」

 

ポッチャマとムックルもヒトカゲを気にかけてます。

というより、なにやら励ましているような?

 

「(ポッチャマたちの話から推測して、どうやらあのヒトカゲはバトルに勝てないからとトレーナーに捨てられたようね)」

「そうなのか、かわいそうに。そんなのはトレーナー自身の責任なのにな」

「(腕のないトレーナーでそこまで自覚出来る人間は少ないわ。でも、それにしてもあのヒトカゲ、かなりの潜在能力がありそうよ。きっとヒカリのポケモンの中で間違いなくエースになれるわ)」

 

なるほど。

元から、まずやってもらうことは決まっていたけど、益々その重要度が増したかな。

ヒトカゲに近づくとビクッと震える。

ヒトカゲと目線の高さを合わせて頭に手を置く。

 

「ヒトカゲ、お前のトレーナーはお前を捨てたりなんか絶対にしないから、心配なんかしなくていいんだぞ。むしろ、困ったときにはお前を頼りにするようになるんじゃないかな」

 

できるだけ優しく声を掛けたつもりだったのだが、なお怯えている。

ただそのまま逃げ出すことはしてないから、ぬくもりは求めているのでしょうか?

とすると、この子はちょっと寂しがり屋なのかもしれませんね。

 

「あの、今の話ってどういうことなんですか?」

 

事態を飲み込めていない様子のヒカリちゃんにオレはラルトスの翻訳した話をきかせた。

シロナさんはなんとなく想像がついていたようだった。

 

「ゴメン、ゴメンね……」

 

ヒカリちゃんはその話を聞いてすぐさまヒトカゲを抱き寄せていました。

この『ゴメン』にはきっといろいろな意味があるんだろうな。

 

「さて、オレがヒカリちゃんに出す1つ目の課題。それはこのハクタイの森で、3日間ポケモンをモンスターボールに入れずに、ポケモンたちと協力して過ごすこと」

 

なぜ、モンスターボールに入れないのかというと、それぞれのポケモンの性格だとかなにが好きだ嫌いだといった個性を知るため。

本当なら期限を区切るということはしたくはないのだが、自分のポケモンたちが大好きなら、だいたいならば把握出来るだろう。

その3日間の過ごし方は、必要ならば町に買い出しに出てもいいし、ヒカリちゃんに全て任せる。

 

「わかりました。精一杯やってみせます!」

 

ハクタイの森に元気な声が響き渡りました。

 

 

 

 

「シロナさんは自分のポケモンたちの個性とか知ってますか?」

 

興味本位でハクタイシティへの帰り際、シロナさんに聞いてみた。

 

「う〜ん、そうねぇ。なんとなく、この子はこんな感じなのかなっていうのはわかるんだけど……何か秘密があったりするの?」

 

流石にチャンピオンだけはあったりしますね。

 

いや、実際この着眼点ってこの世界にはないみたいなんだよな。

アレがしたいとかアレが食べたいなんていうのは、ポケモンたちはトレーナーに言ったりとかはしなかったから、そういう部分に目が行ってないみたいなんだよね。

 

「ポケモンには技の得意不得意があったりします。実はそれが性格や個性の影響を強く受けたりするんですよ」

 

その言葉に目を見開いたシロナさん。

年上の人を驚かすのってちょっと楽しいですよね。

ちなみにアニメの方はその辺はよくはわからないが、この世界ではゲームとアニメが混在していて、ゲーム準拠な部分も多い。

尤もレベル差があると氷や水4倍の相手にふぶきやハイドロポンプをしても、効果が全くないってこともあったりする。

 

「(相変わらず、趣味悪いわよ?)」

 

ラルトスは年上云々のことを言っているようだった。

 

「いや、じゃあお前はどうなんだよ?」

「(パートナーとのスキンシップは大切よ?)」

「はぁ〜、ああ言えばこう言う。昔はこんな性格じゃなかったのに」

「(特に親しい人間以外には昔の性格のままよ? 女は使い分けが大切なのよ)」

「どこで覚えた、そんな言葉……」

「(ユウトのママ)」

 

種族は違えど女の繋がりはどこに行っても変わらないってことですか……。

 

「すごいわね、本当にラルトスの言葉がわかるんだ? それに今の性格とかの話ってものすごい発見なんじゃないの?」

「その件はあまり人に話さないでください。それから、今のはあくまでオレの経験と推測のみなので。証明とかも難しいですよ」

「ね、3日後私も行っていい?」

「知りたいんですか?」

「そりゃあね。それにキミがあの子に何を仕込むのか気になるし」

「彼女はダイヤの原石ですからね。そのまま曇らせておくには勿体ない」

「そうね。じゃあ、私も3日後にハクタイの森に来るわ。ヒカリちゃんと待ってる」

 

そのままモンスターボールを1つ取り出すと、それを投げるシロナさん。

出てきたのは

 

「ウォーグル、ですか?」

「あら、シンオウ地方にはいないポケモンなのによく知っているわね」

 

イッシュ地方に住むポケモンで、BWではトゲキッスの代わりにパーティー入りしてましたもんね。

尤も、実際に見るのは初めてですが。

 

「そう。じゃあね、3日後楽しみにしてるわ」

 

そう言ってシロナさんはウォーグルに乗って飛んでいったのでした。

 

さて、この間にオレもハクタイジムをクリアしてバッチをもらうか。

 

 

 

 




図鑑の完成とは『出会ったポケモンの数』で計算してます。
また、シダケとハジツゲを今の今まで勘違いしていて、ミツルを(話の上だけでも)登場させていたのですが、ハジツゲということでマユミに変更しました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。