接物語   作:貝木

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鬼物語、原作発行2011年9月28日、鬼物語アニメ最終話2013年11月17日、感動のラストです。
一般的には成仏などと言われていますが、作品内の8月23日に、真宵が暦たちのもとを去り、
12月下旬に暦が扇ちゃんに成仏したと語っているにすぎず、真宵成仏の描写は一切ありません。
2013年5月20日、暦物語が発行され八九寺再登場ですが、曖昧な登場に加え、同年10月の終物語(上)で過去編になり、今後は見通せません。
そこで2013年11月に書かれたのが、暦物語「こよみデッド」の続き「こよみリバイブ」です。

――終物語(下)で暦物語の直後から物語が始まることが発表されたのは2013年12月。発行は2014年4月1日です――

ネタバレOKでも、暦物語「こよみデッド」は読んでない方もいると思うので、あらすじです。

3月13日受験当日の朝、北白蛇神社で暦は臥煙さんに『本物の心渡』で切られ、殺害されます。
確かに殺されたはずですが、くばらくして、無傷で目を覚まします。
そこへ、笑顔の八九寺が登場し「これは会場に辿りつけず、入試に落ちたねっていうオチですか?」と問い。暦は言葉に詰まりつつも「いや、そんなオチじゃ落ちれねえよ」と返します。



【1】こよみリバイブ(終物語 下「まよいヘル」)

「これでは落ちれない――――そうですね。

「受験当日に、このようなことになったんでは、悲しすぎます……

「臥煙さん、やりすぎだと思います。

「私は阿良々木さんに、大学へ行っていただきたいです。

大の時で倒れている僕を見下ろす、懐かしく。もう見れないはずの笑顔。

「ここですか?ここは、まあ、通過点といったところですね。

「ロリラギさんは――

「失礼。噛みました。

「阿良々木さんは、簡単に言うと、あの世へ送られる途中だったってことですよ。

 

「本当に困った時は、きっと帰ってきますって、言ったじゃないですか。

「お別れの日以降、ずっと見守っていました……

 

「えっ。成仏?成仏なんてしてません。阿良々木さんは扇さんにそう説明してましたが――

「私は消えるって、言ったんです。現れるのを、止めたんです――――

「忍さんが、他者に認識されてこそ怪異だって、言ってたじゃないですか。

「忍さんは怪異として危うくなったので、南極からジャンプしたんです。

 

「現れるのを止めたら、私は『道を踏み外した怪異』ではなくなりました。

「誰にも目撃されなくなったら、すでに怪異ですらありません。

「踏み外す前提で在るべき怪異で、なくなってしまったのです…………

 

「――――『くらやみ』はもう襲って来ませんでしたよ。

 

「そうです。まるで禅問答のような話ですが、回避できました。

「ルールですから当然かも知れません。

「前提条件が崩れてしまっては、対象案件にはたどり着けません。

「たとえば18歳未満禁止というルールがあったとします。

「生まれて18年経たない者がその禁止を破っても、人間の18歳未満だけが対象なんです。

「18歳未満であっても、人間の枠から外れていたら対象外ということです―――

 

「まあ。私にしても襲われないことを確認するまでは、確信なんて全然なかったですけどね。

 

「忍さんの南極ジャンプの話ですか?なぜ知っていると言われましても……

「あの長い忍さんの話の間、ずっと寝てたわけないじゃないですか、ちゃんと聞いてましたよ。

 

太陽のような八九寺の笑顔が、よく見えなくなってきた。眼球表面の大量の水のせいだろうか。

成仏していなかったなんて……反則だ……でも、八九寺らしい話だよな……本当に……

彼女は僕の隣に腰を下ろしたようだ。

 

「そうして見守っていたら、急に臥煙さんが決定的な動きに出たんです。

 

「まさか阿良々木さんが切り刻まれるとは思っていませんでした。

「何もできませんでした。頭の中が真っ白になったというか――

 

「でも、消滅したはずの『本物の心渡』で斬られたという貴方の思いは掴みとりました。

 

「急いで考えました。必死に考えました――

「それで忍さんの一人目の眷属さんのところに行って、事情をお話しすることにしたんです。

「あの方なら、あの方のお持ちの物なら、阿良々木さんを救えると思ったんです。

「きっと、製作されていると思いました……

「あの大小の太刀はあの方の分身のような物でしょうし、あの世なら思念だけで製作可能です。

 

「あり得ない対抗手段でしたが、相手は本来、存在しないはずの『本物の心渡』を使ってます。

「他に選択肢はありませんでした。

 

「どうやって行ったかですか?

「それは400年前に亡くなった方を、あの世で探すのは大変でした。

「でも、そこは蛇の道はマイマイ、八九寺Pに不可能はありません! は嘘ですが。

「まあ。二本の妖刀の、あの世バージョンを持った方がいるというのは、

霊界では広く知られたことだったんです。

「二本の妖刀の、あの世バージョンと言うだけで、あの方だと想像できました。

 

「一人目の眷属さんは四百年たって、落ち着いて、静かに佇んでおられました。

「もうどうでもよかったのかもしれません。とにかく貸していただけましたよ小さい方のこれ!

 

――――八九寺が手にしていたもの、それは小太刀だった!

 

「まさかって。本当ですよ。これが妖刀『夢渡』です。

 

「先ほど、あの世へ送られる途中の阿良々木さんを斬って、意識を回復させていただきました。

「『心渡』で斬られた直後だったら、一回斬るだけでいいみたいですけどね。

「そうは行きませんでしたから……

 

「後は現世で輪切りにされた、阿良々木さんを斬って完全復活です!

 

 

「ああ。忍野さんもこの展開には納得できないようで、手を貸していただけるそうですよ。

 

大の字に倒れ、少しづつ体に力を蓄えていたが、その言葉で僕の上半身は跳ね起きた。

僕は死んだのに、復活して、その上忍野が手を貸してくれるだと……話が急で付いていけない。

腕で体を支え、顔を八九寺に向ける。彼女は少し顔を上向かせ言った。

 

「ハイ。そうです。忍野さんです。僭越ながら探して連絡させていただきました。

「失踪されてから気になっていたんです。まったく連絡のないのは不自然だと思ってました。

「あと、忍野さんが失踪した6月14日夕方、学習塾跡近くで異様な時空の振動があったんです。

「それが気になっていました……

 

「やはり何かあると思ったのは、リュックを忘れて阿良々木さんを探した時です。

「早朝から探してしていましたが発見できず、羽川さんにお会いしました。

「羽川さんは阿良々木さんが、前夜から行方不明の可能性を示唆されました。

「それで深夜から未明に2回、忍野さんの失踪時と同じ、時空振があったのを思い出しました。

「北白蛇神社の方からでした。行方不明と時空振には、何か関係があると思いました……

 

「阿良々木さんが時空移動から戻った日。神社の階段下に私がいたの偶然だと思いました?

「町中を探したって言いましたけど、羽川さんとお別れした後は違うんです。

「思い当ったので、北白蛇神社に向かっていました。

「多少時間は経ってましたが、ともかく一度行ってみる途中だったんです。

「私のツインテールには、そんな能力もあったってことです。

 

「で、今回私が『夢渡』を手に、この干渉地帯を利用して移動中に、また時空振が来ました。学習塾跡近くからです。

 

「干渉地帯ですか……彼岸の縁(ふち)といったところしょうか……

「探ってみると――忍野さんが気を失った状態で、学習塾跡近くにおられました。

 

「チャンスだと思いました。

「また怪異化して『くらやみ』に襲われる危険を冒しても『夢渡』で斬る覚悟でしたから。

 

「――――そうですよ。今の阿良々木さんに阿良々木さんは斬れません。

「今の阿良々木さんは、ただ形を持っただけの魂です。幽霊とは違う存在です。

「幽霊属性の者。怪異化した私でなければ、あの世バージョン『夢渡』で斬れません。

 

「でも、忍野さんなら何か対策が取れるかもしれません―――だから連絡しました。

 

「連絡方法ですか?どうしたと思います。あの方も私も携帯なんて持っていませんからねえ。

「あの方は気を失っていて、もう気がつく寸前でしたが、まだ夢うつつの状態でした。

「そこで『夢の中』にお邪魔して、お話ししました―――――

 

「夢の中のお話のスピードは驚くほど速いんですよ。

「言葉ではなく、情報を状況・概念のブロックごと、やり取りしますから。

 

「あの方も初めは驚かれましたが、すぐ状況を判って対応いただけました。

「やはり、ただものではありません。

 

「なにぶん夢の中のお話しですから『くらやみ』のルールにも抵触しませんしね。

 

 

「このタイミングで偶然、忍野さんが戻ったということではないようです―――――

「忍野さんが戻るのを知った臥煙さんが、阿良々木さん殺しを決意したようです。

「臥煙さんは受験当日まで待ったといってましたが、真相は違うはずです。

「あの方が戻って物事の方向性が変わる前に、決定的な方向へ舵を切りたかったのでしょう。

 

「忍野さんとしては戻る正確な時刻や場所を、臥煙さんに知られてしまうのは危険でした。

「そこで対策を取ったそうですが、戻ること自体は隠しきれなかったようです―――――

 

「忍野さんは、臥煙さんや扇さんや『くらやみ』について、秘策をお持ちとのことでした。

「ルール変更をしかけるようですが、細かい手法は少しオーバーフローしてしまいました。

 

「『くらやみ』のルール変更が成功すれば、私の継続的な怪異化も問題なくなるそうです。

「臥煙さんも『まあ、いずれは変わるかもしれないルール』と言ってましたよね。

 

「阿良々木さんの怪異化問題も、助かる方法があるとのことでした。

「もちろん、臥煙さんのような手法ではなくです。

 

「礼金は1000万円ご提示しておきました。阿良々木さんが用意してくださいね。

 

急にめまいがし、また大の字になるのかと思った瞬間、八九寺が支えてくれた。

上半身を支える腕に力を入れ直すと、彼女は元の場所に戻った。

 

「阿良々木さん、これくらいの金額でまた倒れないでください。命はお金よりも大切ですよ。

「それに忍野さん、本気で1000万円受け取る気なんてないかもしれません。

「『いいよ。判った。お嬢ちゃん』って言った後、笑ってましたから……

 

 

「それにしても忍野さんと、連絡が取れたのは幸運でした。

「忍野さんは先ほど、別の時間軸から戻られたばかりでした。

「臥煙さんチームに、とんでもないところに飛ばされたらしいです。

 

「―――――そう。チームなんです。彼女の能力は 計り知れません。

「臥煙さんは携帯端末5台お持ちですが、外見どうり携帯端末なのは2台だけでなんです。

「残り3台はそれぞれ別の時間軸の臥煙さんとコンタクト出来る特殊アイテムなんだそうです。

 

「それを使ってルートを超えて、4つの時間軸の臥煙さん4人が手を組んだんです。

「そして目的の妨げになる、それぞれ別の3つの時間軸の忍野さん3人を飛ばしたそうです。

「キスショットが滅ぼした世界を、阿良々木さんと忍さんが修復に来ないルートへです。

「そのルートの臥煙さんが忍野さん3人を、自分のルートへ飛ばす提案をしたそうです。

「修復されない自分のルートに見切りを付けていたのですね。

「自分はそのルートを去る計画で、元々居た忍野さん+新たに3人の忍野さんを集めたんです。

「そうすれば忍野さんを考慮する必要のない、3つのルートが誕生します―――――

「現状で臥煙さんから見て忍野さんは、よほど排除したい人物ってことですね。

 

「4人の忍野さん。つまり忍野カルテットですね。

「キスショットに特攻する機会を窺いながら、4人将棋をやったりしていたそうです。

「傍から見たらお先真っ暗ってとこですが、カモフラージュの意味合いだったと思います。

「現に裏でコツコツ積み上げた手法が成功して、このルートに帰還しています。

「今後の展開に興味津々です。私も微力ながら尽力は惜しみません―――

 

 

「ところで修復されないルートの臥煙さんは計画どうり、他のルートに移動したそうです。

「だから臥煙さんが2人いて、臥煙シスターズを名乗っているルートもあるって話ですよ。

「絶対、そこには行きたくないですよね。

 

 

「『本物の心渡』もそれが実在するルートで、入手されたんだと思います。

「各ルートで使い回しているのでしょうか?レプリカまで作れるようなら脅威が増します。

 

「臥煙さん、扇さん、『くらやみ』の謎は深いです。でも4つ目の謎の忍野さんが戻りました。

 

「忍野さんが飛ばされたのは、6月14日夕方、学習塾跡を去った直後のことだそうです。

「RPG-7『時空壁侵食版』が使われたそうです。時空壁のみ侵食する優れものです。

「AK-47に『対時空壁侵食弾』を装填して反撃の乱射したくなりますよねえ。えっ。ならない――

 

「今思えば、私が初めて感じた異様な時空の振動は、その時の時空振だったんです。

「本当に恐ろしい話です…………

 

「忍野さん。とても酷い目にあったとおっしゃってました。

「詳しいことは忍野さんから聞いてください。

「あそこから脱出して、このルートに戻る経緯は小説1冊にはなるそうですから。

 

 

「とにかくインターセプト成功。 攻守交替です。

「私があの世へ送られる途中の、阿良々木さんをキャッチしちゃいました。

 

「臥煙さんにもインターセプトの事実は、知られないはずだと忍野さんはいってました。

「何でも知っているはずの臥煙さんですが、その辺のルールは変更済みだそうです。

 

「忍野さんが、もう北白蛇神社に着く頃合いです。

「さあ行きますよ。 阿良々木さん、立ち上がってください。

「これから一気に押し返します。 タッチダウンを狙いますよ!

なにもかも押しのけそうな、弾けるような、八九寺の笑顔だった。

僕も判ったよ……忍野ほど速くは理解できなかったかも知れないが……確かに納得出来ない。

 

フリーセイフティとクォーターバックの二役をこなすつもりらしい彼女は僕に手を伸ばした。

僕はその手をしっかり掴み、両足の感覚を確かめながら、ゆっくり立ち上がった。

 

八九寺が成仏していなくて、忍野に再会できるなんて、まるで夢のようだ…………

――――――夢のようだからこそ、想定しておくべきだったのかもしれない。

あの、悪夢のような臥煙さんの反撃を――――――いや反撃だけの話では無くなっていた。

悪夢はもっとややこしくなっていた。臥煙さんは、ひとつ決定的に間違っていたから……

 

僕が死んでも忍が全盛期の力を取り戻すことはないと臥煙さんは言っていた。しかし、

『キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード』は、臥煙さんの予測を

遥かに超える存在だったのだ――――――当然の様に彼女は全盛期の力を取り戻していた。

そして――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 




読んでいただきありがとうございました。
「こよみデッド」の続きが気になり書いてしまいました。


原作が、なかなか書かれそうにありません。
たぶん花物語以降の時系列は書かないので、これをやってしまうと、お話が終わります。
終物語の前に予定外の暦物語が出て、終物語も上下に増殖しています。
暦が心渡で斬られているので、夢渡が使われるのは確実です。
(時系列で後の花物語に暦登場)・(花物語をパラレルにはしないだろう)
普通に考えると、持って来るのは忍野メメですが、普通にはしてこないと思われ……
(あの世の夢渡は無いですが) 続編が楽しみです。



※追記 2013年12月
終物語(中)追加が発表され『学習塾跡炎上事件』が回収されることになりました。(猫白の裏で動いていた暦の話です)(今まで何度か書こうとして挫けてきた話とのことで、発行され読めることになったのは嬉しいです)
終物語(下)で暦物語の直後から物語が始まることも発表されました。やっと続きが読めそうです。

どうやって『夢渡』『心渡』を持って来るかが気になっていましたが、
『400年の時を経て、よみがえる武者――』が終物語(中)で描かれるので、『夢渡』『心渡』は『初代怪異殺し』からということになりそうです。

忍が所有しているのは、『初代怪異殺し』が己の骨身で作った『心渡のレプリカ』です。

臥煙さんが「こよみデッド」で『本物の心渡』を使っていて、本物というからには、400年前、初代は右手首意外「くらやみ」に飲み込まれており、状況からいって「くらやみ」から方法不明ながら回収した『心渡』でなくてはならないはずですが、(『怪異生かし』も『怪異殺し』も抜く時間は無かったと描写されてるので、確実に帯刀しており、体と同時に呑まれるはずで、刀だけ残るのはおかしい。)武者の蘇り方しだいでは『本物の心渡』という視点は誤魔化されそうです。

私の書いた話も、『夢渡』が『初代怪異殺し』からというところは当たってたのでしょうか?

『夢渡』を取りにあの世に行くのではなく、『初代怪異殺し』が蘇りそうです。
こっちの話も書いておけばと思っても後の祭りですね。

吸血鬼ハンターのエピソードも呼ばれてるので、『初代怪異殺し』が蘇るのは間違いなさそうです。


※追記 2014年1月31日
終物語(中)が発売され、楽しく読みました。予想外れましたね~
「キスショット一人目の眷属『初代怪異殺し』は完全には死んでなかった」でした。
(「鬼物語」で忍に『初代怪異殺し』は死んだと語らせておいて・終物語(中)で『400年の時を経てよみがえる武者――』のキャッチコピーを使いながら死んでないとは……)
でも、『初代怪異殺し』が己の骨身でこしらえたのは妖刀「心渡の『レプリカ』」のはずで、
あの方法で『本物の心渡』が手に入るの?と思いました。

まあ、本物ではなくとも『心渡・夢渡』さえ作れれば、お話は進むのでしょうが……

2014年4月に終物語(下)発売予定となり、『本物のこよみデッドの続き』が楽しみです。


※追記 2016年9月12日
暦物語のコメンタリーを聞いたのですがアニメ12話で『原作にある臥煙さんの重要な2つの発言がアニメでは、カットされている』件は、3分の2ぐらいフォローが入ってました。
暦物語 9話 こよみトーラスのコメンタリーで、忍姉さんは世界を滅ぼしたりはしないだろうってのが臥煙さんの予想。と斧乃木ちゃんに言わせてました。
『しても自殺ぐらいだ』はフォローなし。『きみの死はきみの家族や友人には、なるべくショックが少ないように責任をもって私が伝える』は12話で、八九寺と斧乃木ちゃんに具体的に語らせてました。
この辺のフォローのさじ加減の理由は不明です。『しても自殺ぐらいだ』は重要なのですが……(アニメで言ってもいないことを全部フォローすると目立つので、コメンタリーで9、12話に分けてやるのは上手い)

コメンタリーでアニメの脚本ミスをフォローする手際は本当に見事で、何度もやってます。きりがないのでひとつだけ例をあげると、傾物語で交番で綱手家と八九寺家の場所を教えて貰う原作なのですが、アニメでは八九寺家の場所を教えて貰うのが抜けて不自然なのを、コメンタリーで『綱手家と八九寺家の場所を教えて貰ったんだね』とやってました。


※追記 2017年3月26日
――――ついに終物語(下)放送決定――――
今年7月です。「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」だとさすがに
1クールにはしないでしょう 1クールなら暦物語とセット
1クールでないならアバンで「こよみデッド」をやってスペシャル枠放送
一挙はきついから分割

希望は終下・続終で1クールだったんだけど、まあ仕方ない……

終中レベルの脚本・演出・作画では絶対ダメですからね。
「こよみデッド」も原作とはずいぶん違ったから大幅改編でもいいです。

でも、まあ素直に嬉しい。
終下原作発行2014年4月だけど、実際は暦物語発行2013年5月から
クリフハンガーで4年2カ月待ちだからね。

※追記 2017年6月29日
アニメ「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」は1カ月遅れで8月12・13日になりました。スペシャル枠放送、一挙はきついから分割は予想当たりましたね。12・13日ですから一挙ともいえますが。

7月20日刊行のモンスターシーズンの『忍物語』は、暦が大学1年生の話だと判明しました。

花物語のときに先の時系列書いてしまうのは、『結果が見えてるから以降の話の緊迫感が欠ける』という批判がありましたが、結物語が暦の大学卒業後で、今回の話が大学生時代の話なのは、キャラコメで書かれている、あとがきから本を読む話や、コミック最新刊から逆に読み進むのも西尾さん本人の話で、作品も結果をまず書きたいのだろうなと思います。

八九寺ファンとしては、モンスターシーズンには、愚物語のようなチョイ役ではなく、八九寺がもう少し語られる話が欲しいものです。(まあ、愚物語では美味しいところ攫っていった感じはありましたが)

備忘録
偽物語(下)の『あとがき』では本作での終物語シリーズ終了を撤回。
『2010年発売決定!!』として、初版、巻末予告ページに(増刷では変更)
『傾物語』蘇る武者と迷子の少女。はしゃぎ戯れ舞い踊り、
終には傾く物語。第閑話 マヨイキョンシー。
『猫物語』それは誰かに禁じられた遊び。人が獣に至る物語。

第禁話 つばさファミリー、で『猫物語(黒)』が出て、
題名のみのを先に決めた予告で、
『猫物語(白)』『傾物語』『花物語』『囮物語』『鬼物語』『恋物語』が発表。

結果として題名と内容がずれるという結果になり、
蘇る武者と学習塾炎上事件の真相が語られていないという経緯があって、
原作暦物語の後に終中刊行発表。


※追記 2017年8月21日
TVスペシャル『まよいヘル』『ひたぎランデブー』『おうぎダーク』良かったですね。

あまりに好みに合ってしまい、脱力していまい。なかなか書く気がしませんでした。
原作準拠で「良かった。」ですべて済んでしまうので書く必要がないのですね。


例えば序盤での原作の、『巨大フォントで「八九寺――――!」と大量の「!!」と「!?」を振りまきながら、僕は飛びかかった。』の文字表現からアニメ表現に変換する方法だけを例にとっても言えるのですが、これまでの理想系の変換。本当に理想的に変換してくれてるのですね。すべてこの調子でやってくれました……



暦物語全部のアニメ化は不要、ラスト2本を『まよいヘル』の前にやれば良いと私が以前から言ってたのは、それに近いものになりました。約3分30秒でしたね。(TV派の人で暦物語見てない人でも何とか話は繋がります)(繋がるだけで『こよみデッド』は必要な話でダイジェストだけではダメなのですが……)


『ひたぎランデブー』の副音声で西尾さんが補足してきそうなのは、
ひたぎが「もうネタは上がっている。」と暦の復調を見抜いているのが唐突なのですが、原作では入試の会場へ道程するときに、カーブミラーに暦が映っているのを確認していたのですね。

ミラーに映るのはレンタカーの時に遅れて説明が入りますが、「アプローチが逆→デペイズマン」は最後まで分かりやすい説明がなかったですね。(怪異は南極では存在できないことに端を発する話)



『おうぎダーク』のラストで階段ですれ違った女の子……
暦はカバンをひたぎに投げて追っていく訳なのですが、あの女の子が誰なのか分かった人はいないと思います。

制服のリボン(原作ではスカーフ)の色から1年であり、何らかの新たな厄介事を感じとって追っていくわけなのですが、重要なのは途中で扇ちゃんに逢う事であり、影の中から忍の朗読が聞こえてくること……


続きが気になる物語だった。で終わることがすべてであり、彼女の正体や物語は原作でも以後語られていません。


ありがとうございました。


2017年6月29日の追記で
モンスターシーズンには、愚物語のようなチョイ役ではなく、八九寺がもう少し語られる話が欲しいものです。
と書いたのですが、『忍物語』のあとがき後の広告ページにあったのはなんと、
モンスターシーズンの刊行計画発表!であり、宵物語(ヨイモノガタリ)『まよいスネイル』『まよいスネイク』でした。
余物語(アマリモノガタリ)『よつぎボディ』『よつぎシャドウ』も斧乃木ファンとしては楽しみすぎます。

モンスターシーズンは、副題ごとに話数をカウントするようにしたようで、
忍物語第一話『しのぶマスタード』になってました。
撫物語のあとがきで予告題名として『まよいイーブン』『よつぎノーサイド』があったのですが、
忍物語の巻末広告のモンスターシーズンの予告では変更され、
宵物語(ヨイモノガタリ)第二話『まよいスネイル』第三話『まよいスネイク』
余物語(アマリモノガタリ)第四話『よつぎボディ』第五話『よつぎシャドウ』のようです。


2019年4月刊行「余物語」を読み終わって驚くのは、第五話『よつぎシャドウ』が
2018年6月刊行「宵物語」第三話『まよいスネイク』の続編でした。

本当に物語が入り組み過ぎです。
『まよいスネイク』はオフシーズンの第3弾である
2016年7月刊行「撫物語」の第零話「なでこドロー」から繋がる話なのですから……

『まよいスネイク』で語られた、洗人 迂路子(あらうんど うろこ) 本人は、
『よつぎシャドウ』が終わっても、まだ登場しません。

(これまでのパターンから洗人 迂路子と、
撫子のまともな対決など絶対に無い事だけは保証します。)






  

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