9月3日
上条VS神の右席(フィアンマ以外)の戦いは膠着していた。
前衛・アックア、中陣・ヴェント、後衛・テッラという戦術で上条を追い詰めていた神の右席だったが、今一つ決め手に欠けた感があり、止めをさせないでいた。
実際、しばらく上条に攻撃を躱され続けている。
使い魔を盾にして、その隙にテッラを攻撃し“優先”を変更させるというパターンが出来てきていた。
「近接が無理ならこれでどうであるか」
そんな中、アックアが動いた。
彼の頭上に巨大な氷柱が現れ、上条に向かう。
「優先する。氷を上位に、吸血鬼を下位に」
「クソッ!」
そう言いつつ、上条が手をかざすと大量の烏が氷柱に体当たりし、砕いた。もちろん、上条の使い魔だ。
だが、そこへアックア本人が突っ込んでくる。
「優先する。聖人を上位に、吸血鬼を下位に」
「ぐはっ!」
使い魔を氷柱の防御に使った上条はアックアを防げなかった。
彼の身体がバラバラに吹き飛ばされる。
即座に再生するが、いよいよ血が足りなくなってきているらしく、表情は堅い。
「今の普通の魔術じゃないのか?」
そんな中、上条はアックアに問う。
「その通り、神の右席の為に調整されたものではないのである」
「じゃあ、なんで使えるんだ?」
「聖母の慈悲は厳罰を和らげる」
「聖母…。そういうことか」
「わかったのであるか?」
「“聖母が天罰を弱める”ってのを拡大解釈してるんだろ?“神の右席は人間の魔術を使えない”ってルールを弱くしてる」
「その通りである」
上条は渋い顔をする。
これで攻撃のリズムが変わった。
聖人であるアックアはただでさえ厄介なのに、この上、魔術まで使ってくるとなると辛い。
「ぼうっとしてんじゃないわよ!」
「風を上位に、吸血鬼を下位に」
しかし、考える暇を与えず攻撃が飛んでくる。
ひとまず使い魔でどうにかするが、その時、上条の後ろで声がした。
「ヒーローさん!ってミサカはミサカは大きな声で呼んでみたり!」
「打ち止め!」
ミニ御坂こと打ち止め(ラストオーダー)が上条の方に手を振りながら走ってきていた。
その後ろには妹達が1人付いてきている。
「何で…」
記憶を消したと思っている上条にとっては理解できないことだったが、逡巡している暇をくれるような敵ではなかった。
「アンタたち、コイツの知り合い?」
ヴェントが打ち止めたちに話し掛ける。
「そうだよ。だからヒーローさんに手を出す奴はミサカた、ちが、た…あれ…」
ヴェントに指を差して堂々と返答しようとした打ち止めだったが、言葉の途中で倒れてしまう。
同時に19090号も倒れた。
ヴェントの天罰術式の効果が出たのだ。
「テメエ!」
「うっさいわね」
上条に攻撃が当たらずイラついていたヴェントは打ち止めたちに向けてハンマーを振るう。
「ヴェント!」
「そう大声を出すこともありませんねー、アックア。所詮、異教徒の死体が増えるだけです」
アックアの制止を聞く筈もなく、生み出された突風が気絶した2人に襲いかかる。
一瞬のちに、ドンという音がして打ち止めのいた辺りが煙に包まれる。
「ぐっ…」
しかし、彼女たちには傷一つ付いていなかった。
上条が身を呈して庇ったからだ。
背中には巨大な爪で引っ掻かれたような裂傷がある。
「テメエら…」
上条は振り向きつつ、唸るような声を発する。
その時、ピンとコインを弾くような音が辺りに響いた。
「アンタたち、私の妹に何してくれてんのよ!」
見ると、御坂美琴が神の右席に対して右腕を突き出して立っていた。
その掌には、弾いたコインが今にも落ちてこようとしている。
彼女の能力名は“超電磁砲(レールガン)”。
その由来たる大技が放たれようとしていた。
破壊力は本物のレールガンと同等どころか勝っている。
「おや?超能力者のご登場ですねー」
対する神の右席は余裕の表情だ。
それもその筈、彼らはローマ正教の最終兵器たる人間たちだ。
艦載兵器で殺せるのならば上条とてこんなに苦労はしない。
手を出せば危険なのは美琴の方であろう。
しかし、美琴がレールガンを撃つことはなかった。
カンと音をたててコインが地面に落ちる。
美琴が発射をやめたのではない。
やめさせられたのだ。
美琴の体は宙に浮き、そこへ向けて上条が左手を翳している。
「ち、ちょっと!下ろしなさいよ!」
喚く美琴をそのまま念動力で引き寄せる。
「何で邪魔したのよ!」
「あんなことしてる暇があるんなら、妹を病院に連れてってやれ!」
つっかかってくる美琴に対して、上条も大声で返す。
「アイツらぶっ飛ばさなきゃ気が済まないじゃない!」
「LEVEL5が戦おうって場所に、気絶したまま置いとくつもりだったのか?」
「そ、それは…」
即断即決、後先は考えない美琴の直情思考は、良く働くこともあるが、今回は悪く働いたようだ。
「アイツらは代わりにぶん殴っといてやるよ。早く行け」
「でもアンタ、その傷…」
美琴は右腕と背中を見やりながら言う。
「このくらい大丈夫だ。俺を信じろ」
しかし、上条の一言で懸念を引っ込める。
(コイツなら大丈夫よね)
そんなことを思いながら、打ち止めを脇に抱え、19090号を背負った─女子中学生の筋力では無理なので生体電気を操作して筋力を強化した─美琴はふと気が付いた。
「あれ?私とアンタって会ったことあったっけ?」
「…いや、ないと思う」
上条は僅かな沈黙の後に静かに答えた。
「そう」
(じゃあ、何で私、安心できたんだろう?)
「早く行けって」
「わかった。気を付けてね」
「ああ」
そのまま足早に去っていく美琴を上条は見送った。
「もう限界であるか?吸血鬼」
「傷が再生していませんねー」
上条の背中の傷を指してアックアとテッラが言う。
先ほどから再生する気配がない。
「ああ、これか…」
しかし、上条の様子に変化はない。それどころか、より落ち着いたようにさえ思える。
『もう限界だな』
『かっこつけて女の子助けたりしたからだ』
長引いた激戦ですり減っていた上条。打ち止めたちを庇ってさらに深い傷を受けた。
本人の言葉通り限界だった。
「治したら“終わり”みたいだったからな」
最後にそう告げる。
瞬間、背中の傷が塞がった。
しかし、上条の様子がおかしい。
目はこれまでにないほど爛々と光り、口元は醜悪につり上がり、唇の間からは鋭い牙を口内に覗ける。
吸血・殺人に対する自制を保っていられないほどに血を失った上条の“鬼”としての姿がそこにあった。
「ハハハ、いいぞ。俺様の読み通りだ」
そして、その上条を遠方から見る男がいた。
右方のフィアンマだ。
ビルの屋上から双眼鏡を手に─科学の産物を持っているだけでヴェントならキレそうなものだが─上条ら4人の様子を眺めている。
「さあ、踊れ踊れ」
右席の3人が窮地に陥っていると理解しているにも関わらず、実に愉快そうに微笑んでいる。
学園都市に着くのが早すぎるって?
右方の右手は規格外なのだからツッコんではいけない。
「何だか様子が変わったわね」
上条の状態を正しく認識していないヴェントはまだ余裕の表情を崩していない。
「そろそろ、とどめとするのである」
アックアはそう言うと上条目掛けて跳躍した。
「優先する。聖人を上位に、吸血鬼を下位に」
もう何度目かもわからない繰り返しだが、今回は違う展開が待っていた。
「フッ」
上条は鼻で笑うように小さく息を漏らすと消えた。
「何!?」
正確に言えば“霧”に化けただけなのだが、見えなくなったのには変わりない。
「これなら、どうであるか!」
アックアの頭上に大量の水が集まる。
そこから矢のように水が飛び出し、辺り全体に降り注ぐ。
「水を上位に、吸血鬼を下位に」
見えないなら“面”攻撃で潰すという、極めて単純な行動だ。
「ぐは…」
呻き声が聞こえたすぐ後に、霧が集まって“上条当麻”を形どった。
「そこか!」
すかさずアックアが飛びかかる。
「聖人を上位に、吸血鬼を下位に」
しかし、メイスが当たった途端に、上条が大量の蝙蝠に変わった。
「ダミーであるか!」
「上!」
ヴェントがテッラの真上を指差すと、急降下している上条の姿があった。
「惜しかったですねー。優先する。小麦粉を上位に、吸血鬼を下位に」
上条が肉迫する前にテッラが防御をとる。
しかし、上条は小麦粉の壁に触れることなく、テッラの横に着地し、すぐさま再度の跳躍の構えをとりつつ言った。
「なあ、粉塵爆発って知ってるか?」
そして、跳躍すると同時に指を鳴らしながら、たった一言だけ、詠唱とも言えないような言葉を発する。
「“燃えろ”」
爆音が、パチッというフィンガースキップの音を掻き消す。
テッラは死んではいないにしろ、戦線復帰は不可能だろう。
「はあ!」
そこにメイスを振り上げたアックアが飛び込んでくる。
「遅えよ」
しかし、上条の背から“黒翼”が現れメイスを消し飛ばした。
「じゃあな!」
上条の右肘から黒い右腕が生えてアックアを殴り飛ばした。
数kmほどの飛距離を叩き出しそうな軌道である。
そして笑いながら、上条は最後に残ったヴェントに顔を向ける。
「この!」
ヴェントはハンマーで十字架を叩こうとする。
その前に、上条が足元の瓦礫を蹴飛ばして舌と繋がった鎖を断ち切った。ベクトル操作で速度が増しているのでライフル弾より速い。
次いで、使い魔である蟲がヴェントのハンマーに群がる。
慌てて手を離したヴェントは武器を失ったが、正しい判断をしたと言える。
蟲が離れると無惨に変わり果てた姿のハンマー現れた。
丸腰のヴェントに上条が接近する。
「近づくな、吸血鬼!」
叫ぶヴェントだったが、上条は拳で黙らせる。
そして、ヴェントの身体を掴まえると、ゆっくりと牙を首筋に近づけていく。
即座に噛みつかなかったのは僅かな抵抗心の所為だろうか?
しかし、もう本人の意志云々で避けられるレベルのものではなかった。
その時…
ペチッ!
…何だかマヌケな音が、上条の頬から聞こえた。
何かが頬に当たったと認識した上条が僅かに視線をずらすと、赤い液体が入った密封パックが視界に入った。
欠片だけ残った理性を振り絞り、ヴェントの身体から手を離して、落下していく“それ”を掴んだ上条は、穴も開けずにそのまま口の中に放り込む。
血液が吸血鬼の喉を潤した。
理性を取り戻した上条が、輸血パックの飛んできた方向に目をやると、セーラー服姿で黒髪ロングの転校生の姿が見えた。
「姫神…」
「カエル顔の。ハァ。ハァ。先生から。ハァ。貰ってきた」
息切れが激しい彼女は肩からクーラーボックスを提げている。
上条に逃げろと言われた姫神だったが、あの後急いで病院に行き、輸血パックを確保して戻ってきたのだ。
運良くカエル医者と出会えたので、面倒くさい言い訳を考えることもなく輸血パックを入手出来たのだった。
「助かったよ。マジで危なかった」
「見てたから知ってる。間に合わないと大変だから。遠かったけど投げてみた」
「悪いな。怖がらせちまったか?」
「大丈夫」
上条の吸血鬼としての姿をまじまじと見せつけられた姫神だったが、気丈にもそう答えた。
カエル医者の病院・五和の病室
「はあ~」
上条を見守っていた─直接は見えないので天草式の魔術を使用─一同は、溜め息をついていた。
「いやあ、危なかったのよな」
「私はとうまを信じてたんだよ!」
「上条さん…。よかったです」
「五和、泣くものではありませんよ」
そんな中、電話で指示を受けたらしいステイルが口を開いた。
「“神の右席を回収しろ”と、今になって学園都市が言ってきた」
「このタイミングで…」
「最大教主からも許可が出ている。目を覚まさないうちに行った方がいいだろうね。いろいろ思うところはあるけどさ」
「早く行くんだよ!」
「インデックス、そんなに慌てることはありませんよ」
「そう言うかおりはなんで窓から出ようとしているのかな?」
「そ、それは…」
「わ、私も…」
「五和、お前さんはケガ人だから寝てないといかんのよな」
「も、もう治りました!」
「いかんのよな!五和。そんなことを言っては後から上条当麻に看病してもらうという計画が…」
「あ!そうでした!」
「取りあえず、天草式は出動して上条当麻を確保してくるのよな!神の右席なんてどうでもいい!」
「はい!」
「ゴホン、ゴホン。なんだか風邪みたいなんだよ。とうまに看病してもらえば治るかも…」
「イ、インデックスまで…。わ、私も薄着の所為で体調が…」
「残念ながら、ねーちんは聖人だから風邪なんて引かないにゃー」
「つ、土御門…。いつの間に…」
「そんなねーちんにプレゼントだぜい。じゃーん!その名も“堕天使エロメイドセット”!」
「な、なんというものを…」
「む。強調された胸元、翼を模した背中の飾り、頭には輪っか、オマケにメイドだと!?土御門、今すぐそれをよこすのよな!五和に着せる!」
「だ、だめなんだよ!いつわばっかりズルいんだよ。私が…」
「ハッハッハ。お前さんの胸ではとても無理なのよな。ギャー!!!頭に噛みつくな!」
「許さないんだよ!」
「悪く思うな建宮。俺はねーちんに付くぜい」
「くっ…。何故だ?」
「そんなの面白そうだからに決まってるんだにゃー」
「土御門。今すぐそこに直りなさい」
「ね、ねーちん、落ち着くんだにゃー!七天七刀なんて、普通の人間の俺には…」
「大丈夫です。確かあなたには回復系の超能力があったでしょう。遠慮なくやらせて頂きます」
「LEVEL0だにゃー!」
「やれやれ、さっきまでとは大違いだね」
喧騒から一歩下がり、ステイルは煙草に火を付ける。
「病院内は禁煙です」
しかし、病室前を通りかかった白衣の男に没収されてしまった。
「規則ですので」
そう言うと、黒縁眼鏡を掛け、顔に胡散臭い笑みを貼り付け、右手にゴツいジュラルミンケースを持った白衣の男は歩き去った。
「医者?それとも科学者か?」
それを見送ったステイルは、答えのない疑問を口にしつつ、新しい煙草に火を付けた。
学園都市内・とある廃ビル
「手酷くやられたな、アックア」
「フィアンマであるか…」
上条に、文字通り飛ばされたアックアは人の寄らない場所に身を潜め、ダメージを回復させようとしていた。
「もうすぐ、動けるようになるのである」
皮肉にも上条のお陰で、天草式には見つかっていないアックアだった。
「流石に“二重聖人”の回復力は凄まじいな。だが、もう動く必要はない」
しかし、そんな彼にフィアンマは笑いながら告げる。
「どういう意味であるか?」
アックアの問いには答えず、フィアンマは懐から魔法陣の描かれたカードを取り出し、アックアを中心にして並べた。
「フィアンマ!」
「御使の一つ。我は神の如き者なり。ソロモンより抜粋。テウルギア。我が捧げし供物により人の世に来たれ。神の力。後方の青色。水の象徴。月の守護者。神々の国より降りて我が力となれ」
フィアンマが唱えると、カード間に輝くが走り、アックアを中心に巨大な1つの魔法陣をなした。
「面白いだろ?天使を人間が降臨させる魔術だ」
「貴様はそれでも十字教徒か!ゲホッ!」
起き上がろうとしたアックアが血を吐いた。
「あまり騒がない方がいいぞ。まあ、なんにせよ結果は変わらんがな」
「誰がこんな…」
「ん?“隠秘記録官(カンセラリウス)”の下っ端だ。俺様にも使えるようにしたのは俺様自身だがな。眼鏡を掛けた東洋人…日本人だっか。確か名前は、ほ…、ダメだ、思い出せん。忘れた。気持ち悪い笑いを浮かべた奴だったな」
フィアンマが呑気に話す間にもアックアは至るところから血を流していた。
「さらばだ、後方のアックア。俺様が世界を救う礎となって死ね」
カエル医者の病院・打ち止めの病室
必要悪の教会の魔術師一同の喧騒とは逆にここの空気は重かった。
たった今、妹達が上条について美琴に説明したところだ。
「じゃあ、さっきのアイツが…」
「はい。上条当麻さんです、ミサカは肯定します」
「何で、私…」
“忘れてたんだろう”と美琴が言葉を続ける前に、病室の扉が開いた。
「御坂美琴さん?」
黒縁眼鏡で白衣の男が立っていた。
「アンタ誰よ?」
「“冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)”から言われて来ました。記憶をなくされたそうですね」
“冥土帰し”とはカエル医者の通称だ。
彼の名を出されて、美琴は警戒を解いた。
「戻せるの?」
「もちろんです」
そう言いながら、彼はジュラルミンケースを開く。
中にはヘッドギアのような物が入っていた。
「恐らく記憶は“消えた”のではなく“思い出せない”ようになっているはずです。自分が開発したこの装置を…」
「やる!」
「まだ説明の途中ですが。いいのですか?」
「失敗するの?」
「当然しません」
「じゃあいい。やって」
「わかりました」
彼はヘッドギアを美琴に着けた。
「アンタ名前は?」
スイッチを入れる直前に美琴は聞いた。
「星九朗(ほし・くろう)と言います」
端的に答えた彼はヘッドギアのスイッチを入れる。
僅かに脳に負担を感じた後、美琴の記憶が元に戻った。
美琴は思い出した。
不良に絡まれた時に、割って入って来た上条を思い出した。
セブンスミストで爆発から皆を守った上条を思い出した。
誰が救ったかなんて関係ないとスカした上条を思い出した。
河原で決闘と称して戦った上条を思い出した。
一晩中追いかけ回した上条を思い出した。
上条を狙って鉄橋で雷を落としたことを思い出した。
自販機を蹴るなと戒めた上条を思い出した。
黒子に手を掴まれて顔を赤くした上条を思い出した。
鉄橋で泣いていると、絶望の淵から救いだしてくれた上条を思い出した。
化け物のようになって一方通行を圧倒した上条を思い出した。
偽海原が上条に近づくなと言ったのを思い出した。
偽海原が上条を吸血鬼と言ったのを思い出した。
偽海原に上条がとある約束をしたのを思い出した。
自分には近づくなと言った上条を思い出した。
怖いくらいに赤い目をした上条を思い出した。
不思議な右腕で電撃を消す上条を思い出した。
上条のことが好きだったことを思い出した。
御坂美琴は上条当麻のことを思い出した。
「もう逃がさないわよ」
ヘッドギアを外した途端に美琴がそう呟いたのを聞いて、星と名乗った科学者は口元を僅かに吊り上げた。
文字数1.5倍でお送りしました。
どうしても天草式を出すとあの手のボケに走ってしまう不思議。
シリアス調な話だったんですがね…。
御使堕し篇はやりませんでしたが、ここで天使登場です。
次回は“全力上条さんVSガブリエル&フィアンマ”の戦闘シーンに。