二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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覚悟と決意

数日後。

私は一日中自室に籠って私たちの戦術的特徴を書き出す。

イッセーはパワー、テクニック、サポート。小猫は近接戦闘と仙術による気配察知を得意とするテクニックとパワー。私と朱乃はウィザードよりのパワー。祐斗はテクニックより、ゼノヴィアはパワーよりのスピードタイプ。アーシアは回復要員、ギャスパーは索敵や魔術など、サポートよりのウィザード。ギャスパーの邪眼は使えないことを前提で考えましょう。

なら……ギャスパーと小猫を組ませて哨戒と敵位置の把握ね……サポートタイプはツーマンセルでないとソーナの戦術では嵌められるわね……祐斗とゼノヴィアも組ませましょう。私とアーシアは本陣で待機として……朱乃は遊撃、イッセーは……ギャスパーと小猫につけましょう。後は……ソーナがどうでるかを予想しなければ……。

ギャスパーにはニンニクで対抗してくるかもしれないわね……鼻栓を持たせましょう。 道具の持ち込みは禁止されてなかったはず。

後は……イッセーは当然正面以外で潰しに来るわね。まぁ、そこは小猫とギャスパーの二人に任せましょう。

祐斗とゼノヴィアは……まぁ、ここは気を付ければ大丈夫。あの二人なら……どうにでもなる。

本陣に直接……はソーナはまずないでしょう。アーシアは潰されると不味いわよね……取り敢えずはこの配置でいきましょう。

あとは状況をみて考えましょう。もしイッセーが潰されたら畳み掛けるか本陣で引きこもるか、罠でも仕掛けるか……それに、特殊ルールが追加される例もあるわよね。……建物の破壊禁止、とかだとうちの眷属は厳しいわよね……皆、パワータイプ寄りが多いもの。ソーナもその場合はそこに付け入って来るはず。

……屋内戦闘が予想される以上、そのルールなら抑えながら行くしかないわよね。これは痛いわ……。

逆に壊してもいいなら景色ごと吹き飛ばせる自信はあるけどね。

……さて、もう寝ましょう。これ以上考えていてもなにも浮かばなさそうだもの。

ようするに、(ソーナ)をとれさせすればいい。

『私』の勝利のために、割りきらせてもらうわよ。

 

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私は自室で戦術案を練る。

今までのリアスなら搦め手で十分ね。

でも、今は……。

取り敢えず赤龍帝……彼を潰しましょう。それにギャスパー君も厄介ね。

剣士コンビと朱乃さんは……反転(リバース)、でなんとかなるわね。

リアスとは……そうね、最悪の場合は私自ら倒しにいきましょう。

彼らはパワータイプが多い以上、カウンタータイプが役に立つ訳だ。

さて……匙は血を吸わせるラインは作れるようになった。貧血を狙いましょう。

もし駄目でも……多少でも、血を抜きさえすれば、コンディションに異常が出てくる。

あとは……彼が倒れたとき、よね。彼が倒れた場合、テンションが維持できるのかどうか、そこよね。

上がっても恐らくは逆にダメになるわ……。

あとは臨機応変に、かしら。

私の夢のためにも、負けられないのよ、リアス。絶対に、ね。

 

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俺は全部知っている。匙の努力も、ソーナ会長の手札も全部。

だけど、それを明かしたら……俺が卑怯ものみたいで嫌だけど……。

匙とは正面でやりあう。それだけは絶対だ。

でもあの血を吸う奴だけは……勘弁だ!

俺がパワーだけじゃないって、教えてやる。

 

なぁ、匙。

 

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明日は兵藤とか。

……兵藤を殴ったりするのに勇気はいる。でもよ、俺は会長のためにがんばるんだ。

その為に血へどを吐くような特訓をした。何度も倒れた。でも……いや、だからこそ俺は負けねぇ。

俺は兵藤に勝つ。どんな方法でも、勝ってみせる

。出来れば、正面から殴り倒したい。

 

お前もそうだろ、兵藤。

 

 

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私は若手悪魔の身元や取引などの洗い直しを命じた。心苦しいが、今は心を鬼にしてやる。

私は届けられた書類に目を通す。ディオドラ・アスタロト以外の悪魔ならび眷属は身の潔白が証明された。

だが、ディオドラ・アスタロトに関しては面白い情報が入ってきている。

――屋敷に教会関係者を大量に囲っているという話だ。

……臭うな。もっと詳しく調査する必要があるな……。最悪、禍の団と……いや、二代目ルシファーと繋がっている可能性もある。

……悪魔の未来のためにも、調べなければ。

若き世代を育てるのが私の仕事。早く魔王を世代交代させなければな。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――『若手四王(ルーキーズ・フォー)』と呼ばれた彼らが、後に新たな魔王として君臨するのだが、それはまだまだ先の話である――――――――

 





決戦前夜。

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