??「アーシアたんのスク水パックンチョ」
えげつねぇ、えげつねぇよ……
シスコン魔王さま襲来から数日後。
サーゼクスさまは観光と称してやりたい放題している。魔力で神社の聖なる力を押し退けて御参りとか日本神話に喧嘩売ってるとしか思えないような行動をとってるサーゼクスさまェ……
そして反応しない日本神話ェ……
まぁ、それより。
今日の放課後はプールを貸切状態にして遊べるのだ!
アーシアと小猫ちゃんのスク水がドストライクです。特に胸の部分の『あーしあ』と『こねこ』がヤバイな……む? こ、小猫ちゃんは旧スクだと!?
ありがとうございます!
「イッセーさん、どうですか?」
と、これはアーシア。
「うん、凄く似合ってて、可愛いよ二人とも。お兄さんドキドキしちゃうぜ」
「えへへ、嬉しいです」
「……褒められて悪い気はしません」
俺が誉めると、二人とも機嫌が良くなったようだ。
「ほら、イッセー。私の水着もどうかしら?」
リアスの水着は布面積の少ない水着だ。前の俺ならブハッ、と鼻血を噴いていただろう。お胸様がはち切れんばかりに主張している。
ほらみろ、木場がちょっと前屈みだ。死ね。
「あらあら、部長ったら張り切ってますわね」
朱乃さんのも殆ど布面積がありません。前の俺なら血眼で凝視していただろう。お尻も自己主張をしている。
木場が前屈みでトイレに行ったぞ。死ね。
え、俺?
実はプールに入る前に色々と済ませてきました。はい。でなければ死んでしまいます。
リアスが小猫ちゃんの肩に手を置き、ニッコリと微笑みながら言う。
「そうそう、イッセー。悪いのだけど」
「はい?」
「ハイ、一、二、一、二」
俺は小猫ちゃんの手をもって、ばた足の練習に付き合っていた。小猫ちゃんの手はやわっこくてぷにぷにしてて、暖かいです。
「ぷはー……」
「小猫ちゃん、頑張って!」
アーシアも小猫ちゃんを応援している。
個人的には木場と競泳かリアス達と水遊びをしたいが、これはこれで楽しい。
必死に頑張ってるロリっ娘っていうのもいいと思うんだ!
「ぷはー……先輩、付き合わせてしまってごめんなさい……」
「気にすんなって。可愛い後輩の為にえんやーこらっとね」
「か、かわ……というか先輩、それはなんか古くさいです」
「あ、やっぱり? っとと、端まで着いたぞ」
勢い余って小猫ちゃんは俺にぶつかり、俺が抱きついている状態になってしまう。うむ、肌がぷにぷにですぞ。
「……イッセー先輩は優しいですよね」
優しい、か。
――エッチでもいいです。優しい赤龍帝になってください。
……俺は、優しいドラゴンになれてるの、かな?
「まぁ、可愛い後輩の為に何かしたいし……」
「……やっぱり先輩は女誑しです」
「心外だ」
『天然ジゴロは黙ってろー』
《禿同》
てめえらこそ黙ってろ。
「ふぅ……」
人をジゴロ扱いしやがって全く。
プールにあるトイレで用を足したあと、器具庫の方を見ると。
「……あー、ゼノヴィアなにやってんだ?」
「いやなに、気にする必要はない」
ゼノヴィアの顔だけが器具庫から顔が出ていた。
なにやってんだ?
「お前も泳げよ?」
「いやなに、気にする必要はない」
「いや気にするって!」
なんだこのいつも通りのゼノヴィア。落ち着いたゼノヴィアはどこいった?
「うぅ、恥ずかしいんだ……へ、変じゃないか?」
ゼノヴィアは真っ赤になりながら器具庫から出てくる。装着しているのは黒いビキニタイプのものだ。
「変じゃない」
「そ、そうか?」
「ああ。すげー似合ってる」
「そ、そうか……ふふっ、ありがとう」
ゼノヴィアがあのふっ、という自信ありげな笑いを取り戻した。うんうん、ゼノヴィアはこうでなくちゃ。
「さぁ、俺は泳ぎにいくけどどうする?」
「私もいくよ。折角の初プールだからな」
ゼノヴィアはそう言うと、プールの方へ駆け出した。って――
「おーい、プールサイドは――」
「ぶぎゅっ!?」
「――滑るぞーって、遅いか」
ゼノヴィアはプールサイドで盛大に尻を打って転けていた。大丈夫か?
俺はゼノヴィアに声を掛ける。
「ゼノヴィア、立てるか?」
「あ、ああっ……!? いつつ、変に腰を打ったみたいだ。立ち上がれそうもない」
……仕方ねぇか。
俺はゼノヴィアの膝の裏と、首の裏に手を回し、持ち上げる――
つまり、お姫様だっこである。
「わぁっ!?」
「大人しくしてろ」
なにやら羨望の目線が幾つか飛んでくる――木場テメェ、そんな目で見るな。このホモ野郎!
「ううっ……は、恥ずかしいじゃないか!」
「いいから黙ってろ」
俺はアーシアの元までゼノヴィアを運ぶと、ゼノヴィアを下ろす。
「アーシア、ゼノヴィアの腰の治癒を頼めるか?」
「……あ、はい!」
ボーッとしていたようで、一瞬間遅れて反応したアーシアは緑色のオーラで彼女を癒す。
「……すまないな、二人とも」
「大事にならなくて良かったです。頭を打っていたら最悪死んでしまいますよ?」
「……初めての事だからな。少々、浮かれていたようだ。うん、次は気を付けるよ」
何だかんだでゼノヴィアも年頃の女の子だなぁ……って、これだとなんか年寄くさいな。
「ま、誰にでも失敗はあるさ。ゼノヴィア、後悔しなくていいから反省はしろよ」
「ああ」
ゼノヴィアは短く返事をすると、俺の方を向いてこう言った。
「すまないが泳ぎを教えてくれないか?」
「お前もか!」
思わず突っ込んだ俺は悪くない筈だ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……堕天使の総督が善良な一市民になんのようだ」
「善良な一市民なら俺の事を知らん筈だが?」
「比喩表現だ」
「かーっ、日本語は難しいねぇ。で。俺がお前の前にいる理由、分かるか?」
「……さぁな」
「そうか。なら教えてやるさ。『娘』……いや、『息子』か? まぁ、我が子を迎えに来たという奴だ」
「……私は霧咲常夜。堕天使とはなんの繋がりもない筈だが――」
「
「ッ!?」
「調べさせてもらったよ。日本屈指の龍殺し……『龍裂き』の末裔。先祖帰り、神器、そして……いや、いいか。しかしよくもまぁこんな偶然が重なったものだな、人間代表」
「……はっ、
「そうだな。お前はある意味では神かもしれん」
「……はぁ?」
「なんで男と女に別れたか知ってるか? 人間が知恵の実を喰らったからさ……」
原作とかけ離れてきた? 大丈夫だ、これくらいは予想の範疇だ(キリッ