地蔵菩薩さんには申し訳ないのですが、チョイ役程度で終わってしまう可能性があります。
どこぞのおっさんにはいいとこどりさせるので登場は大分あとになりますが……
あと、次章タイトルがネタバレしてしまうぜ……
次章に登場するキャラのヒント
松田瞬
まあ、そんなことよりヴァーリたんヴァイスリッター化計画を練らねば(ぉぃ
ちなみにイッセーくんからは例の四角クレイモアはオミットされていますので、あしからず。
あと、グレイフィアさんが時を止めれそうと思った人はお友だちになりましょう(笑)
(じつはD×Dに惹かれたのが小猫ちゃんのCVだなんて口が裂けても言えんぞ……)
「私も悪魔になったぞ」
ふむんっ! と威張って胸を張るゼノヴィア。
だが悲しいかな、俺はそれを知っていたのだった。
遡ること一日前のあの日。
ヴァーリは帰っていった。きちんとリアスに分かるように説明してから。
「はじめまして、リアス・グレモリー嬢と眷属の皆さん。イッセーくんの嫁候補のヴァーリです!」
とんでもない爆弾を落として。
「嫁ッ!?」
「イッセーは私のよ!?」
顔を真っ赤にするアーシアと俺を抱き寄せるリアス。おっぱい、おっぱいが後頭部にあたって……うおおおっ!?
「ほら、悪魔には『一夫多嫁』っていう素敵な制度があるのよ? 取り合いなんて持ったないじゃない。あ、そろそろ帰らないと。じゃあねイッセーくん、また会いましょ? 私を迎えるときは側室でいいから、きちんと、その……ぁぅ、かっ、可愛がってね?」
どこまでもハーレムに寛容的なヴァーリは、真っ赤になり、お尻をふりふりして照れながらそう言った。
そんなヴァーリのクリティカル過ぎる言動に、尻のよさを理解した気がした。
暫くの間、おかずはお尻だった。
時を戻して部室。
「なんでだ?」
俺は一応ゼノヴィアに理由を聞いてみる。
「教会から異端認定を受けてデュランダル共々追放されてな。行く当てもなかったのでな。神もいないし、いい機会だと思ってな!」
「どんな機会だよっ!? つか、神を信じてたわりにあっさり悪魔になったな!」
「居ぬものを信ずるのは偶像崇拝だから――というのが建前だな。信仰を捨てた訳じゃないさ」
「で、本音は?」
俺がそう聞くと、ゼノヴィアは少し顔を赤らめた。
「イッセー。君達と過ごしていたいから……これでは、不足かな?」
「いや。それでいいんじゃねぇか?」
「そうか。これから宜しくね、イッセーくん♪」
「真顔に戻って可愛い声を出すな。不気味だぞ」
「むぅ、イリナの真似をしてみたがうまくいかないな」
アーシアの方へ向くと、ゼノヴィアはアーシアと話し出した。
「そういえば、イッセーは知り合いと打ち上げにいくのよね。誰が来るのかしら?」
と、リアスが聞く。えーっと……
「アーシアと小猫ちゃんと木場。あとは……松田と元浜と桐生と、
霧咲常夜。クラスメートなんだけど……あんまり誰かと話したところはみたことない。
たしか、最初の自己紹介の時に少し高めな声で聞いた。
この前、俺らが打ち上げの話し合いをしている時に、彼女も「いってもいいか」と聞くのでオーケーをだしたんだ。松田と元浜が。美少女が多いに越したことはない、ってさ。いやまぁ、たしかにな。
「……霧咲。あの娘ね」
「部長は知っているのですか?」
「ええ、一応は」
珍しく歯切れの悪いリアス。
「さぁ、皆。今日は小さいけどパーティにしましょう」
リアスが誤魔化すようにパンパン、と柏手をとる。
そして、テーブルにはケーキが現れた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「もう一度会いたいよ……声を聞かせてよ……」
歌うのは霧咲さん。いま歌ってるのはラブソングか?
「うぅっ、いい曲です」
「いい声ねー……羨ましい」
アーシアは感動し、桐生は
ソプラノボイスが凄い美しいんだ。すげぇ。
それに、低いバスも力強く歌えてさ……すげぇや。
俺? 古い曲ばっかさ……。ドラグソボールとか、サッンボッツ3とか。
アーシアは「聖歌なら!」とか言うかと思ったが……なんと、英語圏の歌を歌ってくれた。
まぁ、Amazing Graceなんですが。凄い綺麗に歌ってくれました。
でも、ちょっぴり頭が痛かった。神への讃美歌だけど、悪魔に対する効果が薄くてよかった。
「ふぅ……」
俺はトイレの前で一息ついている。
色々、考えたいこともあったしな。こういう一人の時間があってもいいさ。
「……こんなところにいたのか」
「……霧咲さん?」
ため息をつく霧咲さん。
「……どうした、歌わないのか?」
「ちょっと喉がな」
「……そう」
そして、黙ってしまう。
不思議な空気が俺達の間に流れる。
「……なぁ、兵藤」
「イッセーでいいってば」
「……私が名前で呼ぶのは親愛なる者だけだ。お前はまだ友人程度だからな。お前は木場も苗字で呼ぶだろう?」
「ありゃ癖だよ。どうも男子相手や知り合いじゃないと苗字呼びになっちまうのさ」
そうか。と短く彼女は返事をして、続ける。
「……例えば、だ。例えば、知り合いの男がある日突然女や雌雄同体になってたら。そして自身に並々ならぬ好意を向けてきたら、どうする?」
……ヴァーリの事か? いや、ヴァーリ自身も彼女もそれは知らないはずだ。でも、俺はこの質問に答えることができる筈だ。
「そうだな……多分、受け入れるさ。過去は過去だ。仮に、
彼女の表情は表面は変わらない。まるで、鉄仮面でも被っているのではないのかというほどに。
しかし、目は口以上にものを語ってくれた。
「そう、か……まぁ、例え話だ、きにするな」
「……おう」
「イッセーくん……あれ? すごく、出辛いんだけど」
このあと、木場とのデュエット写メが
勘弁してくれ!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……以上で定時報告を終了します」
『ふん、異形にしてはそこそこの報告文だな』
「……」
『貴様のような気味の悪い存在を生かしておいているのだ、感謝ぐらいしたらどうか?』
「……」
感謝なんてしてやらない。
『ふん、この異形め』
「……」
『反応も見せんとは……つまらんな。
「……」
『ふん。切るぞ』
「……私は……俺は……僕は……ううっ……」
少女にしか見えぬ彼女もしくは彼。
その背中には、二対の黒い羽根が生えていた。
それは、常闇のように暗い――黒い羽根。
勝ったッ! 第三章完っっ!!
これで書ける!!!!
四章が書ける!! ひゃっほーい!!
からだが軽い……こんな幸せな気持ちで小説を書くのは久しぶり――
も う 何 も 怖 く な い !