私は。
どうして。
なにもできないの。
彼は。
どうして。
命を私のために投げ捨てれるの?
イッセーはあの日から三日たったが、未だに目を覚まさない。
冥界の病院での治療をしている。
筋肉が断裂し、手の骨は砕けて。魔力は枯渇寸前。
アーシアの治療とアジュカ・ベルゼブフさまの技術革新による魔力回復促進剤。これらがなければ確実に死んでいた、と医師は言った。
……彼の左腕を見る。見た目こそ神器と同様だが、触れれば少し温もりがあり、硬い鱗で覆われていて、鋭い爪もあるが、しっかりと血管の流れを感じる。
私は――――弱い。
彼がいなければ私達は確実に負け、私はライザーと不本意な結婚をしていた。
未熟で幼稚。我儘で。
……。私は、試合に勝てずに、勝負にも負けた。
……眷属としての勝利は、私にとっての敗北となった。勝てば官軍とはいうものの、私の心には多大な禍根が残る。私は何一つ出来ていない。策略は読まれ、眷属はほぼ全滅。朱乃のように作戦を実行したわけでもなく、小猫や祐斗のように足止めをしていたわけでもない。アーシアが眷属になって日の浅い事を鑑みれば、あの場にいたという時点で大金星だ。
だから、私は今回の勝負を決して忘れない。
この、心に燻る、悔やみの感情を。この悔しさを。決して。
イッセーが言った。私は威風堂々としていなくちゃらしくないんだ、と。即ち、王であれ、と。
私は今より、より
優しさと甘さは同義ではない。分かっていたつもりなのに――――いや、本当につもりだったのだろう。だから。
戦う時くらい、甘さを捨てよう。
でなければ、懸命に頑張った、眷属の皆の顔が立たない。
私はリアス・グレモリー。情愛を司る悪魔にして、滅びの悪魔の血を引く女。誇り高き、
そんな王に、私はなりたい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
俺は意識がゆっくりと戻っていくのが分かる。まだ思考力が復帰していない。
目を開けると、光が眩しく感じる。
まだ視界がぼやけている。
紅い髪……リアスか?
目の前に愛する女性がいる。
「ぁ……リア、ス?」
「っ!? イッセー、目を覚ましたのね!」
リアスが安心したような笑みを浮かべる。ああ、俺はまたこの人を心配させてしまったのか。
俺は手をゆっくり伸ばし、彼女の手を引き寄せる。
「きゃ!?」
「リアス……」
彼女は頬を朱に染める。すると。
「馬鹿ね。私はここにいるわよ」
そういうと、俺の顔に顔を寄せて――――
チュッ。
軽く触れるだけのキス。
「このファーストキスは頑張った、貴方へのご褒美。うふふ、日本人はファーストキスを大切にするのでしょう?」
……っ。リアス……。
俺は彼女の唇を追うようにキスをもう一度する。
「んっ……イ、イッセー?」
「……ぁ」
戸惑いの声を上げるリアス。ここで、頭がようやく覚醒した。
俺は正気に戻った!
って、なにやってんだ俺は……
俺は慌ててリアスから離れる。
ああ、顔が熱い。
ドライグ……は、寝てるか。さっきからいびき聞こえるし。ぐごごごごごん……って。
「イッセーさん、目を覚まされたんですね! よかったぁ……」
声が聞こえるのでみると、林檎をもったアーシア が、安心したような笑みを浮かべた。
「あぁ……体が怠いだけだ。……アーシアが治してくれたんだろう? ありがとな!」
「……はいっ!」
ニコリと照れ笑うアーシア。うむうむ、女の子は笑顔でないとな。
そうだろう?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「今回の婚約は破談、ということですな 」
「まぁ、約束でしたからな」
「……我等は高望みをしすぎたのかもしれん。それは悪魔ゆえの強欲か」
「私はフェニックスが決して無敵ではない、ということが分かっただけでも十分です」
「フェニックス卿……」
「グレモリー卿、今回の話はここで終わりですな。息子も……敗北を知りました。少々塞ぎこんではおりますが、心配はいりますまい。いやはやしかし、いい眷属を捕まえましたなぁ、リアス嬢は」
「うむ……まさか我等の陣営にかの忌まわしき龍が……」
「
「うむ……既に
「赤と白……やはり、惹かれあう運命か」
「……あれますな、これから」
ジョインジョイントキィデデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケンK.O. イノチハナゲステルモノ
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