「今日からイッセーにも契約をしてもらうわ」
「はいっ!」
あの地獄のビラくばりも終わり、やっと契約を取るところまで来た。なんか最近一日一日が充実してる。リアスのお陰に違いない。朱乃さんが眷属の証の紋章を描いてくれている。ちょっぴりくすぐったいが大人しくしておこう。リアスは転移用魔方陣を書いている。
「あの……」
「動かないで。朱乃が今眷属の証を刻んでいるわ。これがあれば転移魔方陣等の色々な恩恵を受けることができるわ」
「……はい、大丈夫ですわ」
あーくすぐったかたった。しかし……うう。いくら二度目のはじめてとはいえ、緊張するなぁ。なぁドライグ、俺の魔力とか大丈夫なの?
『……』
……ドライグ?
『……ぐごごごごごごん……』
また寝てたよ……ドライグさん。居眠りドラゴンめ、肝心なときに寝てばかりいやがって。
「じゃあ、今回は小猫の代行と言うことでお願いね」
「はい!」
「……よろしくお願いします、先輩」
ペコリ、とお辞儀をする小猫ちゃん。うーん、小猫ちゃんの言葉使いがちよっと違和感感じるなぁ。語尾ににゃとかがつかないからさ。
……なんか、距離を感じるなぁ……。いかんいかん、暗くなってたら。こんな暗い感情はフリードにでも食わせておけ、っと。
「じゃあ飛ばすわよ」
カッ、と魔方陣が輝く。だが……俺は浮遊感を感じていない。
何故なら、俺は悪魔の子供より魔力が少ないからだ。
「……あれ?」
やはりというべきか、なんというか……泣けてきた。取り合えず疑問の声をあげる。
「……あらあら」
「……無様」
小猫ちゃんは毒を吐き朱乃さんはあらあら、と困った顔。リアスもだ。あっ、木場テメー、失笑してんじゃねーよ。
「落ち着いて聞いてねイッセー。どうやらあなたには絶望的なほど魔力の才能がないみたいなの」
……まてよ? これなら上手くいくかもしれない。
「まって下さい部長、ちょっと試したいことがあります」
俺は神器を展開する。
「あら、神器……竜の手ね」
「……神器!?」
部員達は神器を見て驚いた。……見てろ!
『Boost!』
倍加するのは……俺の魔力そのもの!
『Explosion!』
よし、これなら!
「部長! 今なら飛べるはずです」
「え、ええ。分かったわ」
そして、魔方陣が輝き、浮遊感を感じる。……ああ、なんか懐かしい。
「……」
そして目の前にあの男性、森沢さんだ。
「えーと、ロリっ娘を頼んだんだけど……」
さーて、悪魔の契約、やってみますかね!
「あー、スミマセン! 彼女は人気なので……今回、契約が重なってしまったそうで。あぁ、申し遅れました、新米悪魔の一誠です」
「くぅ……これを来てお姫様だっこをしてもらおうと思ったのに……」
と、手には短門のコスプレ服。
「すいません……何か、別の契約ならば!」
「はは、そうか……じゃあ、お金持ちは? 山程の札束に埋もれてみたい!」
実際にそれをやると破れたりするから勿体無いと思うけど……
俺は携帯機器のようなものを操作する。今時のタッチパネル式だ。
「あーっと、その場合、対価は貴方の命ですね。死にます」
「えーと、どの時点で?」
「天からお金が降ってきた時点で押し潰されて死にますね。これはひどい」
「うぅ……君を札束で叩くことすら出来ないのか!」
「『人の価値は平等ではない』が、悪魔の格言ですので」
しょぼくれる森沢さん。
「じ、じゃあ、ハーレムはどうだい?」
「ハーレムですね……あー、こっちもダメですね、死にます」
「えっ!?」
「しかも美女・美少女が視界に入った瞬間に死にます。うわ、町ですれ違う方がまだましですね。えーと、もっと簡単なものにしてみません? 例えば、女性と会う機会を増やすとか」
「ぜ、是非それにしてくれ!」
えーと、対価は……おっ!
「対価は『寿命2ヶ月毎に10%増加』ですね。追加で一ヶ月プラスするたびに恋に繋がる可能性が10%増えるそうです」
「確実なのは30ヶ月か……二年半の寿命か。……じゃあ、6ヶ月に6ヶ月プラスで、合計一年の契約、でどうかね?」
携帯機器に契約内容を入力。契約相手の代価確認、よし!
「はい、契約成功です」
「ありがとう悪魔君。ところで、その左腕のはなんだい?」
ああ、そういえば出しっぱなしだったな。
「えーと、追加料金となりますが……悪魔には秘密が沢山あります。知識も契約対象となりますので」
「うーん、じゃあやめておくよ」
そう森沢さんが言うと、ピリリリリと電話の鳴る音が。
「もしもし? 森沢だけど……えっ!? 本当かい!? 空いてるよ。来週の午後五時だね。うん、わかった。じゃあ切ります」
森沢さんはこちらを向いてこう言った。
「ありがとう悪魔君! 君のお陰で合コンに誘われたよ! 普段、滅多に誘ってくれないのに……本当、ありがとう!」
こうして、俺の再びの初契約は成功に終わったのだった。
リアスが褒めてくれて、頭を撫でてくれた。よし、これであと3ヶ月は戦える。
咲( ・ω・)<またサボってるわね
咲( ・ω・)シビュッ三三+=>
中(+=_・)ザクッ
中(+=_;)<痛いです咲夜さん
とか考えてた。