「はぁ……」
エロDVD鑑賞会という謎の集まりに参加させられた俺。……リアスやアーシア達とどうしても比較してしまう。彼女たちはそこらのAV女優とかよりもよっぽどエロいし美しいし可愛いし……。更に処女である。こんなステータス持ってるのは、多くはいない筈だ。
「リアス……」
「ふわ、こんなところでこんな存在に会えるなんて……稀有ね」
ふと見上げると、黒髪ショートの少女が俺を見下ろしていた。黒いコートを着ていて、殺気が駄々漏れである。
「ふふ……どの悪魔か名乗らない……しかも、眷属の証も見当たらないし……はぐれね」
うふふ、ほんとめずらしー、とくるくると笑う少女。彼女は背中から黒い翼を生やし、笑みを浮かべた。
「この私、ドーナシークが殺してあげる☆」
そしてこの堕天使、とんでもないことを言い放ちやがった。
ドライグ起きろ! 神器使うぞ!
『イッセー、だいすk……ハッ!? ゆ、夢か。って、堕天使か』
ああ! ……まぁ、下級堕天使、なんですけど。
取り合えず逃げるぜ。こんな狭い所で戦える技量はない! 木場やギャー助とかなら兎も角、パワータイプの俺にここで戦うのは無理無理無理無理。
「こういう時は……逃げるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「逃がさないゾ☆」
いのちがけの鬼ごっこも、公園にたどり着くことで終わる。ドーナシークが緩やかに翼をはためかせながら俺の前に現れる。
はたして、どこまで通じるか。
……さて、力試しだ!
いくぞドライグゥ!
『応よ!』
俺は赤い籠手を左腕に展開する。
『Boost!』
それをみたドーナシークは楽しそうに笑う。
「ひゃはは、神器もちかぁ。でーもー、それだけー。
「確かに俺の才能は皆無だ。でもよ……俺みたいな落ちこぼれても、努力次第ではエリートを超えることもあるかもよ」
「寝言は寝て言えよー」
一々喧しい鴉だこと。ぴーちくぱーちく吠えやがってさ。
「っるせーな、黙ってろよ」
『Boost!』
二回目の倍加だ。……まぁ、こいつ相手ならこんなもんだろ。
『Explosion!』
通常の四倍、ってね。力が溢れてくる。
「えー!? 二度倍加とかせこいよー」
「知るかよ」
俺が倍加したのは魔力。さて、上手くいくかな?
俺は左掌に米粒二つ分の魔力を出す。
「んー、残念すぎる魔力だねー」
「うっせーバカ」
俺はそいつに倍加したエネルギーを流し込む。
行けるか?
「ドラゴンレーザー!」
「えっ、ちょま」
俺が横凪ぎに倍加された魔力の塊から、細いレーザーのようなものを出し、横一閃。
綺麗に真っ二つになった堕天使ドーナシーク。ここまで来てふと思い出す。あれ、ドーナシークって男じゃなかったか?
真っ二つになったドーナシークは、微かに笑い、その後灰になった。
なんで笑って……!?
「ガアッ!?」
俺の腹に焼けるような痛み。いてええええええ!
腹を見ると、既に光の槍はなく、意識は朦朧としてきた。くそ、油断した。
ぱあっ、とぼやけた視界に赤い何かが写る。
「堕天使を倒すなんて……って、酷い傷ね。……自分の住所分かる? もしくはーーーーーーーー」
痛みで相手が誰かすら分からねぇ。
そして俺は、意識を手放した。
俺の受け入れない性癖はBL、ババァだけ。
それ以外ならいけるという変態っプリ。だめだこの作者。