Muv-Luv Alternative ~take back the sky~   作:◯岳◯

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ツイッターに上げてたのをまとめました、その2。





おまけアフター ~クラッカー中隊編~

 

 

『ラーマ・クリシュナ』

 

リヨン攻略から一年後、ボパール・ハイヴ攻略戦に参加。衛士として戦場に出て、故郷であるインドを取り戻す。

 

その時に大怪我を負い、軍を引退。以後は故郷のインドの復興に参加しながら、BETAに生態が荒らされた動物達の研究に生涯を捧げた。

 

ターラーとはボパール攻略の半年後に結婚、二児の父になる。

 

結婚式には欧州からアジア各地まで散らばっていた中隊員が全員参加。内乱が始まる前の、各国の衛士達が揃っている平和な一時の象徴として記録が残っている。

 

衛士の腕は準一流程度だが、かつての中隊員は口を揃えて後輩に語ったという。あの人が居たから、俺達は人間を嫌いにならず最後まで戦えたのだと。

 

 

 

『ターラー・ホワイト』

 

ラーマと結婚後、大東亜連合の教導官を務める。かつての過ちを生涯忘れることはなかったが、その経験を活かし、教え子達を真っ当な衛士に育てた。

 

教官に専念して現役から退きつつあったが、人類内乱が激化するにつれて復帰、英雄中隊でトップクラスだった腕を振るい、市民、教え子を守った。

 

人類内乱末期、βブリッドと人工ESP発現体によるシンガポール急襲を阻止。

 

戦闘をしながらも彼らを説得し、市民300万を救うもターラー本人はその時に負った怪我により死亡。

 

だが30年の生涯を戦禍の中で生き抜くも“人”を想い続けた心がESP発現体から伝わった。

 

後の地球の変革会談こと人類統合会談にこぎつけられたことの重要人物かつキーパーソンの1人として、後世まで語り継がれた。

 

 

 

 

 

『リーサ・イアリ・シフ』

 

欧州のBETAが一掃された後、民間人になった。

 

アルフレードと一緒に、比較的被害が少なかった故郷のノルウェーへ戻る。

 

腐れ縁の距離がちょうどいいと、アルフレードとは最後まで結婚することはなかったが、彼との間に一児をもうけた。

 

人類内乱勃発後も、人間どうしの戦争はごめんだと復帰せず。だが、故郷が襲われ子供が怪我を負った事が原因で復帰した。

 

復帰後は現役時ほどの腕は取り戻せなかったが、持ち前の勘で敵の戦術を尽く潰した。

 

特に有名なのがイギリスとドイツが緊張状態にある中、人工ESP発現体が両国でテロを起こさんとするも、直前で阻止したこと。

 

命令・軍規違反のオンパレードにより、協力した仲間ごと死刑になりそうになったが、アルフレードの根回し、フランツの働きかけと、その時の判断が私欲ではない緊急性が高かったものとが認められ、軍籍剥奪で済んだ。

 

完全に退役後は日本に移住、もう戦いは勘弁だと横浜近くの海沿いの街で漁師兼海女に戻った。

 

アルフレードが営むバーに毎日のように現れる豪快な欧州美人とは、彼女のことであった。

 

 

 

『アルフレード・ヴァレンティーノ』

 

常にリーサの隣に居た。恋愛ではなく好き嫌いでもなくなんだろうな、というのが本人の弁。

 

こういう形があってもいいんじゃないか、と本音を話すことはなかった。唯一知っているのは、息子だけとか。

 

テロ防止時、アルフレードが事前に仕掛けた徹底的な根回し&工作が無ければリーサ諸共確実に死刑になっていた。

 

軍籍を剥奪された後は日本へ、横浜で喫茶店&バーを営む。

 

後年、武の息子の数人に女性の口説き方講座を開こうとするも、世界の危機を察した白銀光&楓のコンビにより阻止。後の首都圏内・恋愛原子核爆発連鎖は阻止された、とか。多分。きっと。

 

喫茶店&バーは、少し黒字になる程度。本人に経営センス、というか儲けようという気が余りなかったせいだろう。

 

だが、それ以外の部分―――内装や料理、雰囲気作りのセンス―――が高かったため、居心地の良い場所として知人一同がたむろする場所になった。

 

彼が寿命を迎えるまで、あの店の明かりが消えることはなかった。

 

 

 

 

 

『紫藤樹』

 

リヨンから帰還後、神宮寺まりもと結婚。三児の父になる。

 

クーデター後、まりもが現役から引退し教官になった後、A-01の隊長になった。

 

第二次クーデター、人類内乱、月面ハイヴ侵攻の全てに参加した衛士として年を取ってから更に有名になった。胃薬用の漢方薬に精通していることでも有名とか。

 

白銀家とは家族ぐるみの付き合いに。武と悠陽・冥夜・真耶・真那との橋渡し役も務めつつ、影行と光の胃痛をよく助けた。理解者として。

 

冥夜は斯衛の内の、樹は斯衛の外の、反・悠陽勢力を引きつける役として裏で活動していた時期もあった。

 

後年に戦闘以外で命の危機を感じた回数は2回。1回目はクーデターの関与を疑われた時。2回目は夕呼関連。

 

香月モトコの元にどう見ても夕呼そっくりの娘が居ると判明した時、まりもに浮気を疑われたことが原因。

 

樹の性格を考えると兆が一にもあり得ないが樹は魅力的だから、とまりもがのろけたとか。

 

樹の「100回死んでもない、むしろ千回生まれ変わっても君の方が」と言いかけることで解決。一緒に死ぬまで万回やってろ、とは巻き込まれたA-01の隊員談。

 

夕呼が拉致された時に奔走していた事も背景にあった。その際に霞を一時期預かったのは紫藤家。

 

余談だが、樹・まりもの長男が霞と一緒に紫藤家で暮らしている時、瞬く間に霞に恋に落ちるも、事件が解決して武が帰ってきた時の霞の笑顔を見て失恋。

 

あの種馬野郎いつかヤルと、同志・アカシャと同盟を組んだとか。

 

 

 

 

 

『アーサー・カルヴァート』

 

リヨン後も衛士として活躍するも、リーサのテロ防止大作戦に乗ってそれまでのキャリアを全てフイにする。

 

本人は飽きたのでちょうど良かったと、あっけらかんとしていたが。除隊後は世界有数の平和な国、日本へ

 

小型戦術機で関西の復興を手伝ったり、居を構えていた横浜で少年少女にサッカー教えたり、戦中より本人は充実していた。

 

ただ『小型な戦術機がガッチリ似合いますねえ!』と言われキレ散らかした事も。

 

日本に移住して3年後、九州のある街を故郷に持つ女性と結婚。低身長・年の差カップルだが、周囲から大きく祝福された。

 

 

 

 

 

『フランツ・シャルヴェ』

 

欧州5人組の中で唯一、最後まで欧州に残った。

 

リーサ提案のテロ潰し事件により降格、出世の道を完全に閉ざされるも、衛士兼、軍内部の干渉役として奔走。

 

欧州内で暴走しつつあった対非人類(融合種、人工種への蔑称)を押さえるべく、水面下でツェルベルスと組んでいた。

 

本人は引退するまで仕事に追われていた。ベルナデットの悩み相談(例のアイツ)とか、増長した衛士への恨まれ役とか、クラッカー中隊を持ち上げようとする非貴族派の派閥への牽制とか。

 

たまの休暇は日本へ、元クラッカー中隊の面々にひと晩中愚痴った後に欧州に帰るのがルーチンワークとなっていた。

 

適度に恨まれつつ居なくてはやべー奴なポジションを意識的に保っていたが、伯爵家次男の衛士が死亡したターラーを中傷した事で大爆発。

 

溜まりに溜まっていた不満も連鎖爆発し、『徹底的にやってやろうか』とテロ落ちしそうになった夜、ラーマからかかってきた電話により沈静。

 

翌日、伯爵家のアイツは事故死。不自然極まる死と当時のツェルベルス部隊長、引退していた黒狼夫妻も家に訪問し、気を落ち着かせる結果に。

 

あの電話が無かったら、とはクラッカーの仲間たちだけに打ち明けた弱音だった。

 

IFの話だが、欧州から枝分かれ裏を知り尽くしていたフランツがなりふり構わず動いたら、人類統合会談は開かれなかっただろう、と言われている。

 

 

 

 

『マハディオ・バドル』

 

幼馴染のガネーシャと結婚、最終的には7児の父となる。

 

大東亜連合の中ではあの白銀武の僚機として大陸から日本まで戦い抜いたとして、尊敬を集めた。

 

力量はターラーには劣るものの十分に一流で、努力家だったこともあり、任官後の教育係として重宝され続けた。

 

 

人類内乱の切っ掛けとなった欧州での軍事演習に参加、戦闘に巻き込まれ片腕を失う重傷を負い、引退。

 

この一件は派遣を決定したターラーの心に最後まで残ることとなった。

 

なお下手人であり、内乱を扇動した絶滅主義者の首領ことテロリスト衛士は人類内乱末期に、武の手によって8分割にされた。

 

退役後、座学での教導官をしつつ孤児院の援助に奔走する。

 

時にはタリサの恋の悩み(言うまでもなくアイツ)を聞きつつ、グルカの後継を見出したりと、最後まで隠居することはなかった。

 

後年、義勇軍での活動について物語調で執筆し、プチヒットする。原因は一部の熱狂的白銀武ファンのお陰だったとか。

 

 

 

 

 

葉玉玲(イェ・ユーリン)

 

リヨン攻略後、人類内乱でカシュガルの利権など、台湾や周辺諸国と泥沼な内輪揉めを始めた統一中華戦線を仲間(亦菲とか)と一緒に見限って日本へ亡命した。

 

A-01の衛士として武不在時の穴を埋めるなど、無くてはならない存在となった。

 

才能兼努力の人かつ偏見が少ないため、教導官として優秀だった。

 

最終的に三児の母となる。父親は噂のあいつ。

 

サーシャ亡き後、アーシャとアカシャの面倒も見ていたため、両者からは武にとってのターラーのような感じで慕われていた。

 

一度だけ本気でキレたことがあった。夕呼と武を拉致し、加齢遅延処置を施した時である。早期の引退も許されなくなった武のことを想い武をして見たことがないほどに、件の組織に激昂する――放って置いたら皆殺しにしかねないぐらいに―――も、武に笑顔で「ごめんな」と言われ、前後不覚になるまで号泣する。

 

以降は武と子供たちのことをフォロー。反抗期になった子供たちの間に入り、やんわりと武に対する文句などを聞いてあげたという。

 

 

 

 

黄胤凰(ホアン・インファン)

 

ターラー達と同時期にグエンと結婚した。

 

大東亜連合のCP将校かつ内部監査員として、アルシンハ政権を長く支えた。

 

2児の母となる。引退後はグエンの姉の孤児院を継ぎ、BETA大戦や人類内乱で急増した(特に中華系の)孤児達を迎え入れた。

 

卒業した者たちは皆、厳しくも優しいまな板先生として彼女を慕った。

 

孤児院を長く存続できたのは、経営は彼女の商才による賜物。

 

純粋な教育環境の調整を元にした人材派遣で、内乱などで疲弊したインド~東南アジア方面の復興に尽力した。

 

一部、アルシンハの実家である商家の支援もあった模様。

 

孤児院を引き継いだこと、正規の教育を受けさせた理由は『何の憂いもなくお互いを心から信じることができるように』、という理念の元。

 

外見詐欺で老けない容貌が有名で、後年はグエンと並ぶと、グエンが別の意味で犯罪者扱いされたとか。

 

サーシャの息子・アカシャの家出に一枚噛んだというエピソードも。

 

 

 

『グエン・ヴァン・カーン』

 

生涯を通して胤凰の隣に在った。いついかなる時でも、時にはその怖い容貌を利用してでも、彼女の味方であり仲間であり夫として戦い続けた。

 

ターラーの死後、暴走しかけていた軍部を一喝。無駄な争いが起こらないように尽力し、大東亜連合を裏から支えた。

 

彼をあえて言葉で語る者は多くない。なぜなら、彼が誠実であり偉大であり強く優しい男であることを大東亜連合の兵士は知っているからだ。

 

だが、「俺に似なくて良かった」と息子と娘に告げるも大泣きされて怒られた時の様子は、どこにでも居そうな温和な父親そのものだったとか。

 

 

 

 

『クリスティーネ・フォルトナー』

 

欧州で戦術機開発に勤しむも、反クラッカー中隊派閥が上司のため思うように成果を認められないばかりか、アイデア盗用までされた。

 

リーサのテロ阻止の提案に参加した(祖国の危機かつ血の絆である仲間の誘いとして全てを度外視)後に所詮は負け犬の、と亡き父を含めて糾弾されプッツンした。

 

それまでの盗用をした上司を糾弾する証拠を徹底的に提出。

 

フランツ、アルフレードも協力し、欧州の戦術機開発(一部だが)の面子を潰し、日本へ亡命。

 

盗用、それでも人類の役に立っているからと思いこもうとしていた部分が悪い方向に爆発し、自殺寸前の状態にまで追い込まれる。そこに手を伸ばしたのは師であり想い人でもある白銀影行だった。

 

欧州から亡命した仲間たち、影行、光、楓、武&サーシャ、その子供たちの助けもあり元の状態に戻る。

 

その後は日本で開発に勤しみ、表向きには残されていないが、ゴールデンチーム(祐唯、ハイネマンを筆頭としたドリームチーム)の助けになり、次世代の理論を提唱した開発者の一員として動き回った。

 

火星ハイヴ攻略の決め手となる次世代の戦術機構想をミラと一緒に組み立てた。

 

その後は日本の大学の講師として、戦術機開発に携わる者たちを鍛え上げた。

 

後に養子を取り、自分の技術の全てを叩き込んだ。影行との間が噂されたことがあったが、あくまで憧れであったと取材をしてきた記者には語った。

 

 

 

 

『アルシンハ・シェーカル』

 

大東亜連合発足から20年間、トップとして君臨し続けた後に引退。

 

彼の逸話は数多いが、有名なのは3つ。

 

1、ラーマ&ターラー夫妻の結婚式には祝辞だけで出席しなかったこと。同日はどこにも姿がなく、翌日には邪神のような顔色で二日酔いに苦しんでいたとか。

 

2、彼には読心能力があると噂された。反・アルシンハの勢力がことごとく決め手に至る直前に潰されていたため。一説には、日本の優秀な諜報機関の弱みを握り、協力させたとか。

 

3、人類内乱でターラーが死亡後、復帰に至る経緯まで。あまりの事に語りたがる者がいない、ということで伝説にもなった。

 

何を思い何を求めて動いたのかは分からない。確実なのはその前後にラーマと死ぬ寸前まで殴り合いをしたという事件があるだけ。

 

復帰後は、融合種と人工種の立場向上に尽くす。その姿勢に尊敬を抱いた著名人は数知れない。彼の死後、私を殺し公に尽くした政人であったのは真実であると、白銀武は語った。

 

 


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