バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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六兄弟の力と決着

「シュオラァ!」

 ギンガはダークルギエルに向かい走る。

「グゥアアア!」

 ダークルギエルも雄叫びを上げながらギンガに向かい走る。

 ギンガは右、ダークルギエルは左の拳を付突き出す。

「グゥ!」

「グァ!」

 ギンガは右頬にわずかにダメージを喰らうがダークルギエルは大きく喰らった。ダークルギエルが体勢を崩すと左アッパーをかます。

「ゴア!」

 ダークルギエルは打ち上げられるとギンガはダークルギエルの下まで飛び踵落としを喰らわそうとするがダークルギエルはそれを掴み地面に投げ飛ばす。

「ディア!」

 ダークルギエルはそのまま流星の如きキックを喰らわそうとするがギンガは手を使いその場から逃げる。

「吉井明久君、何故あのときより強くなっている?あのときからほんの数時間しか経っていないのに何故!」

「あの時瑞希ちゃんが―――」

 ギンガはギンガセーバーをダークルギエルに振りかざす。ダークルギエルは左腕で受け止める。

「―――僕を生かすために犠牲になってくれたから今こうして強くなれたんだ!」

 ダークルギエルはギンガセーバーを振り払うがギンガはダークルギエルの腹部にギンガセイバーを突いた。

「ぐぅ!」

 ダークルギエルは腹を抱えながら後退する。

「ふっ!」

 ギンガはギンガセイバーを解き右手を胸の前にかざすとギンガスパークランスを呼び出し手に取る。ダークルギエルもダークスパークランスを取り出した。

「ショウラァ!」

「ハァ!」

 二人は同時に飛び鍔迫り合いをしながら学園中を飛ぶ。

「うおおおおおおお!」

「かあああああああ!」

 

 三年生校舎非常階段でムッツリーニと工藤は小暮と三人の女子と交戦していた

「二年Fクラス 土屋康太 VS 三年Aクラス 小暮葵

保健体育    1542点     547点

 二年Aクラス 工藤愛子   三年生Aクラス生徒×3

        854点         平均344点 」

 小暮は前かがみに胸を強調してムッツリーニに話し掛ける。

「さあ土屋康太君、かかってらっしゃい。」

(この人は僕よりいい物をたくさん持ってる。どうしたら・・・・・)

「・・・・・バレル。」

「・・・・・やっと出番か。」

 バレルは試召戦争フィールドに出る。

「・・・・小暮先輩、いやエロ女。お前に一言言っておく。」

 ムッツリーニは小暮を指差し宣言する。

「・・・・確かにお前のその身体は魅力的だろう。だが、俺が本心から好きになる女ではない。」

「・・・・さっさと言えばいいだろう。シザーブレード!」

 バレルはシザーブレードを小暮の召喚獣に振り下ろす。小暮の召喚獣は武器で受け止める。

「・・・・・そうだな。」

 ムッツリーニは工藤の方を向きと近づいて顎を片手で掴んだ。

「む、ムッツリーニ君?」

「・・・・本心からの奴にしかこれはやらない。」

 ムッツリーニは鼻血を出しながら工藤にキスをした。

「ムグッ!」

「なっ!」

「「「きゃあああああああ/////」」」

 ムッツリーニの大胆な行動に小暮は驚き三年生の女子達は奇声を上げる。ムッツリーニは糸を引きながら工藤の唇から自身の唇を離す。

「む、むむむむむむムッツリーニ君!人前でキスした挙句に舌入れてくるって卑怯じゃないかな!?」

「・・・・別にどうってことはない。したいからした。それだけだ。」

「・・・・ふっ、面白い奴だな。」

 バレルはサイクロンソーサー、トルネードチャクラム、サンダーブーメランを展開し技を放った。

「トリプルサイクロンストーム!スライサー!」

 三つの武器が四人の召喚獣を斬り裂き、消滅させた。

 その側をギンガとダークルギエルが通り過ぎた。

 

 三年生校舎一階廊下で美波と優子、一条寺と佐藤は常夏コンビと戦っていた。

「木下・・・・・・・・て残念な方か。」

「随分失礼な事言いますね、モヒカン先輩。」

 常村の言葉に優子は青筋を浮かべた。

「それにペッタンコンビとまできたらガッカリだぜ。」

「「ペッタンコンビ!?」」

 その言葉を聞いた瞬間二人の堪忍袋の緒が切れた。

「言いたいこと言ってくれるじゃないの!」

「ぶっ潰すわよ!?」

「いきましょか、佐藤さん。」

「はい!」

『試獣召喚!』

「二年Fクラス 島田美波 VS 三年Aクラス 常村勇作

 外国語    897点            387点  

        一条寺友也          夏川俊平

        3785点            361点  

 二年Aクラス 木下優子

        403点

        佐藤美穂

        377点                  」

「ふふふ、今ならウルトライブ出来る気がするわ!」

「アタシも!」

 美波と優子の闘志(?)が燃え召喚獣の手にはギンガライトスパークが握られていた。

「なんか呼ばれた気がしたから来てみた。」

「私もです。」

 グレンファイヤーとミラーナイトが美波と優子の元に近づくと美波はグレンファイヤーを、優子はミラーナイトを掴む。

「のわっ!?」

「な、なにを!?」

「ウルトライブ!」

「されなさい!」

「「うわぁ!」」

 二人は思いっきり投げられ召喚獣の手に収まる。

〈ウルトライブ!グレンファイヤー!〉

〈ウルトライブ!ミラーナイト!〉

 美波の召喚獣はグレンファイヤー、優子の召喚獣はミラーナイトにウルトライブする。

「僕らも行きますか。」

「Come on! Jean Nine! 」

 ガンパッドから出てくる電子音と共にジャンナインが友也の懐から出てくる。

「今私は貴女の隣に立てる人間になりたい。だから私も!」

 佐藤の召喚獣の手にはギンガライトスパークが握られていた。

「ジャンボット、佐藤さんの方へ。」

「了解した。」

 ジャンボットは佐藤の召喚獣の下まで飛ぶ。

「いくぞ!」

「はい!」

〈ウルトライブ!ジャンボット!〉

 佐藤の召喚獣はジャンボットンにウルトライブする。

「行くわよグレン!」

「女性に対する言葉について教えてあげなさい!ミラーナイト!」

「なんだか知らねえがやってやるぜ!」

「大方馬鹿なこと言ったんでしょうけど女性のためとあらば。」

 グレンはファイヤースティックで夏川の召喚獣を斬るとミラーナイトのシルバークロスが炸裂した。

「ちょっ!お前らなんでそんなになれんだよ!大体なんであんな奴に加担すんだよ!」

『なんな奴!?』

 夏川の言葉に四人が反応した。

「アキのことを言ってんの!」

「バカにしないで!」

「明久君は自分より他者のためにがんばる人です!」

「知らないのに勝手なこと言わないで!」

 グレンはファイヤーナックルを夏川の召喚獣にかまし、ミラーナイトは鏡の剣を手にし夏川の召喚獣の首をはねた。

「佐藤さん、同時攻撃です。」

「はい!」

「「ジャンナックル!」」

「Jaen knuckle !」

 ジャンボットとジャンナインのダブルジャンナックルが常村の召喚獣を殴るとジャンボットはジャンアックスを構えブースターで急接近し横一線に常村の召喚獣を斬るとジャンナインがガンパッドを構え、狙いを常村の召喚獣に定める。

「ジャンスターダスト!」

「JEAN STARDUST!」

 ジャンナインのジャンスターダストが常村の召喚獣を消滅させた。

「言っとくけどウチ等はね。」

「明久君が好きだからここまでやってんだから!」

「友達のためだからこそ頑張れるものがあるのです。」

「例外もいますけどね。」

 四人が言い終わったすぐ後でギンガとダークルギエルが通り過ぎた。

 

 ギンガとダークルギエルが螺旋の起動を描きながら鍔迫り合いをし、再び中庭に戻りきりもみ回転をしながら地面を滑っていた。しばらく滑り互いに離れた途端にギンガスパークランスとダークスパークランスが地面に交差するように刺さった。

「何故だ!何故彼女にふさわしくないと分かっていながらそんなに抗う!」

「決まっているじゃないか!僕は・・・・・・・・・瑞希ちゃんのことが好きだからだ!」

「吉井・・・・・・明久!?」

 高城はさっきまでの声の感じが違った。

「どんな絶望的状況でも僕は諦めない!それが僕の意思であり、ウルトラ魂だ!」

 その時明久の戦いを見ていたウルトラマン、セブン、ジャック、A、タロウ、ゾフィーのウルトラロク兄弟の身体が輝き始めた。

「この輝きは・・・・・・兄さん達!」

「ああ。」

「今こそ我らウルトラ強大の力を明久に貸すときだ。」

「彼には返しきれない恩がある。」

「今がその時だ。」

「我々も共に戦うぞ!」

 タロウの言葉にウルトラマン、セブン、ジャック、A、ゾフィーの順に答える。五人はタロウと一つになり、タロウは光の弾となりギンガの下へと飛ぶ。

「明久~~~~~~~~!」

「タロウ!」

 ギンガに左腕にタロウが飛び込む。するとギンガの左腕にはタロウのレリーフがあるブレス、ストリウムブレスが装備されていた。

(明久!)

(タロウ!タロウなの!)

(ああ!今こそ私達の力で奴を倒すのだ!)

(わかった!)

 ギンガはギンガスパークランスの下まで飛びギンガスパークに戻すと太郎のレリーフを回転させる。

「今こそ、一つになる時!」

 ギンガはストリウムブレスをギンガスパークに読み込ませる。

〈ウルトラマンタロウ!〉

「ギンガに力を!ギンガストリウ~ム!」

 ギンガとタロウが一つとなった新たな姿、ウルトラマンギンガストリウムへと変身した。

「ショウラァ!」

 ギンガストリウムはダークルギエルにまで接近すると連続してパンチを繰り出した後で前宙からの踵落としを喰らわせた。

「グァ!」

 ギンガストリウムはストリウムブレスのダイヤルを回すと横のボタンを押した。

「ウルトラマンの力よ!スペシウム光線!」

《シュァ!》

 ギンガストリウムはダークルギエルにスペシウム光線を放つ。

「グゥウウウウウウ!」

 ダークルギエルは腕を従事に組み耐えるが耐え切れず倒れる。ギンガストリウムはストリウムブレスのダイヤルを回しボタンを押すとダークルギエルに向かい飛行する。

「ウルトラセブンの力よ!ワイドショット!」

《ジュア!》

 ギンガストリウムはワイドショットを放つ。

「グゥゥ・・・・・・・ハァアアアア!」

 ダークルギエルは立ち上がると両手から光線を出しワイドショットを相殺するがギンガストリウムは空中で前転してダークルギエルの後ろに着地するとストリウムブレスのダイヤルを回し横のボタンを押す。

「ウルトラマンセブンの力よ!エタリウム光線!」

《ジュア!》

 ギンガは振り向き様にエタリウム光線をダークルギエルに放った。その攻撃はダークルギエルの首筋に命中する。ギンガストリウムはダイヤルを回し横のボタンを押す。

「ウルトラマンジャックの力よ!ウルトラショット!」

《シュア!》

 ギンガはウルトラショットをダークルギエルに放った。ダークルギエルは振り向き様に喰らい後ろに後退する。ダークルギエルはギンガストリウムに光線を放った。

「喰らえ!」

 ギンガストリウムはストリウムブレスのダイヤルを回し横のボタンを押す。

「ウルトラマンジャックの力よ!ウルトラバーリア!」

《シュア!》

 ギンガはウルトラバーリアを張り攻撃を防ぐとストリウムブレスのダイヤルを回しながら右に走り出す。

「ゾフィーの力よ!M87光線!」

《シュワァッ!》

 ギンガストリウムはM87光線を放った。ダークルギエルは左肩に喰らい左腕が上がらなくなった。銀河ストリウムはダイヤルを回し横のボタンを押すと両足を踏ん張り、砂埃を上げながら技を放った。

「ウルトラマンAの力よ!エメリウム光線!」

《シュワァ!》

 ギンガストリウムはエメリウム光線を放ちダークルギエルを倒した。

「ガァ!」

 ギンガストリウムはストリウムブレスのダイヤルを回し横のボタンを押す。

「ウルトラマンタロウの力よ!ストリウム光線!」

《タァ!》

 ギンガストリウムはストリウム光線を放つ。ダークルギエルは起き上がりながら右腕だけで光線を話すと徐々に押され吹っ飛ばされる。

「明久!今こそウルトラロク強大の力を使うときだ!」

「わかった!高城先輩!コレで最後だ!」

 ギンガはギンガストリウムのダイヤルを回し横のボタンを押す。

「ウルトラ六兄弟の力を今一つに!コスモミラクル光線!」

《シュァ!ジュワ!シュア!シュワァ!シュワッ!タァ!》

「おおおおおおおおおおおお!」

 ギンガストリウムはコスモミラクル光線を放った。

「グゥゥ・・・・・・・・・グアアアアアアアアアア!」

 ダークルギエルは耐えようとしたが耐え切れず攻撃を受け、爆発した。それと同時にダークスパークが破裂した。

『三年生代表が試召戦争にて死亡したことにより勝者、文月学園二学年生。』

 アナウンスと共に学園中が歓声によって揺れた。

 


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