バカとギンガと召喚獣   作:ザルバ

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試召戦争二日目とダークルギエル

「雄二、代表同士の話し合いで根元君に何か言われなかった?」

 日付が変わって試召戦争二日目。明久は雄二に問うと雄二はこう返した。

「それに関しては心配するな。あいつはあの時戦死した。」

「つまり犬死。」

「ま、そういうことだな。」

「それで?具体的にどういった役割分担なわけ?」

「俺が指揮で翔子が全体の点数のは把握だ。で、作戦だがF暮らせ右派的の攻めての厳しい方に向かってもらいDクラスは男女分けて適当に前戦、後はzンたい的に下がらせて戦場を狭くしたくらいだな。」

 雄二の作戦を聞いた優子が雄二に問う。

「坂本君、それで大丈夫なの?」

「ああ。いまのところはな。」

「・・・・・・・」

 優子が不満そうな顔になる。

「優子さん、たとえ話だけど全く接触もしたことも無い人間といきなり二人三脚出来る?」

「出来ないわね。」

「試召戦争で戦うのも同じだよ。最初は戦力の均等を図るためにやってたけど仲たがいが発生した。これって互いを理解していないからなんだよ。」

「仲間割れをなくすためにああやったってわけね。」

「そういうこと。だよね、雄二?」

「まあ概当たりだな。」

 そんな時美波が気づいた。

「あれ?瑞希の姿が見えないんだけど?」

「そういえば久保君も愛子もいないわ。」

 美波と優子の問いに雄二は答えた。

「あいつらにはFクラスの最後尾についていてもらっている。」

「脱走者を逃がさないためですね。」

「一条寺君、流石にそれは無いのでは・・・・」

「まあそれもある。」

「あるんですか!」

 雄二の言葉に佐藤が驚く。

「こっちのクラスは卑怯戦法極悪下劣蛮族と称されるモンですからこれくらいしないと。」

「そんなことしてたら補充試験のときに待ち伏せ喰らうわよ。」

「大丈夫です。弱みを握ってますから。」

 友也はそう言うと黒い笑みでUSBを見せる。

「友也の情報収集能力は高いね。」

「ホントじゃの。」

「・・・俺よりすごい。」

「皆なんかおかしく無い!」

 優子がツッコミを入れる。

 こうして試召戦争二日目の幕が上がった。

 

「ほ、ホントに押し返してる。」

 旧校舎から優子が目を丸くしていた。

「まあ昨日の戦闘で明久と一条寺が大部分の戦力を減らしてくれたしなにより昨日の信仰者での戦闘がBクラスを大きく削いだ。まあ、それも一つの要因なんだがな。」

「他にもあるの?」

「ああ。追撃が今大きい。近代はともかく昔は追撃による被害の方が多かった。かの徳川家康も武田信玄と戦ったときに追撃を受け多くの兵を失ったと聞くがな。」

「でも最初は私達が押してたでしょ?なんでこっちが押されるようになってたの?」

「押し返せないとなったら戦場を限定して撤退したところだ。正確に言えば点数の高い連中てのは負けなれていない分撤退が下手なんだ。」

「つまり守りながら逃げるのに慣れていないってこと?」

「そういうことだな。一気に追撃を受けて皆が三年生に呑まれた。」

「それでFクラスを前戦投入したのね。」

「ああ。さて、そろそろ明久の回復試験も終わった頃か。」

 携帯電話を取り出し明久に連絡を入れる。

「おい明久、準備はいいか?」

『いつでもOK。』

「じゃあいってこい!」

『わかった!』

 

 明久はDクラス前戦に顔を出した。

「状況は?」

「五分五分って所だね。ところで吉井君ははしご私にあっちこっちで戦うつもりなの?」

 Dクラスの生徒が明久に問う。

「まあね。でも心配無用だから。試獣召喚!」

「二年Fクラス 吉井明久 VS 三年Aクラス生徒×2

 化学     3541点     平均350点 

                三年Bクラス生徒×1 

                 225点

                三年Cクラス生徒×5

                平均204点

                Dクラス生徒×7

                平均182点   」

「敵は15、だったら多目的武器が一番!」

 明久は鞄の中からスパークドールを取り出し召喚獣に渡した。

〈ウルトライブ!インペライザー!〉

 明久の召喚獣はインペライザーにウルトライブする。

「なんだそれ?」

「ボ○ムズ?」

 三年生側もインペライザーを見てボト○ズと思った。明久はそんなことお構い無しに戦場の中央に向かった。

「みんな、ちょっと離れてて!巻き添えを食らわせたくないから!」

「ぬかせ!」

 三年Bクラスの召喚獣がインペライザーに迫ってくる。インペライザーは両肩の訪問から光弾を発射し召喚獣を打ち抜いた。

「にゃろ!」

「調子にのんな!」

 三年Dクラスの召喚獣三体がインペライザーを正面三方向から攻撃してくる。インペライザーは両腕を大型ブレードに変形させ両サイドからの攻撃を受け止め顔の三砲門を回転させ光弾を放った。

「そんな手に乗るか!」

 三年Dクラスの召喚獣はかわした。しかし光弾はゆっくりと弧を描き三年Dクラスの召喚獣の背中から迫り直撃する。インペライザーは大型ブレードを振るい三年Dクラスの召喚獣を真っ二つに切る。

「囲い込め!」

 三年生現存する勢力でインペライザーを囲む。

「吉井!」

「来ないで!コレを使うから皆に離れてもらったんだ!」

 明久はそう言うとインペライザーの重心を安定させ、上半身をきりもみ回転させる。

「な、なにを・・・・・」

「まさか!」

 三年生のある生徒が気付いたが時既に遅くインペライザーはきりもみ回転をしながら連続して光弾を乱れ打ちする。何処に発射されるか分からない攻撃に避ける暇も無く三年生現存勢力は全て消滅した。

「じゃあ次の戦場行くから!」

 明久はインペライザーを回収しFクラスの方へと向かった。

「ありがとな吉井!」

「頑張って!」

 Dクラスからの声援を受けながら明久は向かった。

 

「工藤さん、状況は?」

「こっちに三年Aクラスの戦力が集中してる。三年CクラスもあるけどD、E、Fはいないみたい。」

「ありがと。」

 明久は前戦に出てみると久保が戦っていた。

「久保君!援護するよ。試獣召喚!」」

「吉井君!助かるよ!」

「二年Fクラス 吉井明久 VS 三年Aクラス生徒×8

 国語     4004点     平均434点

 二年Aクラス 久保利光    三年Cクラス生徒×9

        632点      平均367点    」

「うわ!多い!」

「流石に僕も最初は985点あったんだけど削るのが精一杯だったよ。」

「それでもすごいよ。じゃあ僕も負けないようにっと。」

 明久は鞄の中からスパークドールを取り出し召喚獣に渡す。

〈ウルトライブ!キーラ!〉

 明久の召喚獣はキーラにウルトライブする。

「それで吉井君、その召喚獣の武器は?」

「久保君、目を閉じて。」

「?まあいいけど・・・・・」

 久保は明久に言われた通りに目を閉じる。

「なんだか知らないが吉井を潰せ!」

「絶対何かしてくるぞ!」

 一斉に三年生の召喚獣が二人の召喚獣目掛け一直線に来る。キーラは目から強い閃光を放ち三年生の視力を奪う。

『目がぁ~~~~~~~~~~~!』

「久保君いいよ!」

「ん?これは一体どういう状況なんだい?」

「フラッシュで目を奪った。」

「成程。さっき吉井君が目を瞑って言った理由がわかったよ。この機会を利用させてもらうよ。」

 久保の召喚獣を操作し両手の鎌で三年生の召喚獣を倒していく。目を奪われている三年生は操作することが出来ずにあっけなく倒されていく。

「ちくしょう!まんまと敵の罠にかかった!」

「敵ながら天晴れ!」

「関してる場合か!」

 三年生は各々の反応を示した。

「先に進もう吉井君!」

「うん!皆行くよ!」

『よっっしゃ~~~~~~~~~~~!』

 

 明久と久保とFクラスが廊下を進んでいると常夏コンビがそこにいた。

「よう吉井、ピンピンしてんじゃねぇか。」

「そっちは久保って言ったか?随分調子に乗ってんじゃねぇか。」

「出た、常夏変態コンビ。」

「「変態言うな!」」

 常夏コンビが明久にツッコミを入れる。

「吉井君、ボクの記憶違いでなければ肝試しで気持ち悪いゴスロリ服を着た先輩と気持ち悪い木下君へのポエムをよんだ先輩だったよね。感染ってないかい?」

「大丈夫。あれ以上に普通じゃない店でバイトしてたから。」

「どんな店?」

「えーと、黒魔術の店や動物の肝臓を専門に売る店、ホラーグッズばっかり売る店、銃の弾頭を売る店なんかが多かったよ。短期だけど結構いい収入が入るからね。」

「それは何処の求人誌に乗っているのかな?」

「路地裏に乗っています。勇気を上げたい方はこちらの番号へ。」

「遠慮させてもらうよ、吉井君。」

 明久と久保の漫才が繰り広げられていると常夏コンビが痺れを切らした。

「おいお前ら!なに二人で漫才してんだ!」

「てかどんなバイトだ!後番号教えろ!」

「すんなそんなバイト!」

 夏川が常村にドロップキックをしてツッコミを入れる。

「ああ、もう!変な空気になったがやるぞ!」

「おう!」

「久保君!」

「わかった!」

『試獣召喚!』

「二年Fクラス 吉井明久 VS 三年Aクラス 常村勇作

 国語     4004点            423点

 二年Aクラス 久保利光           夏川俊平

        632点            407点  」

 明久は召喚獣にスパークドールを渡し召喚獣にライブサインを読み込ませる。

〈ウルトライブ!ザムシャー!〉

 明久の召喚獣はザムシャーにウルトライブする。

「喰らえ!吉井!」

 夏川の召喚獣が槍でザムシャーを突いてくる。ザムシャーは身体を斜めにしながらきりもみ回転し回避しながら抜刀して夏川の召喚獣を斬る。

「なにやってんだ夏川!」

 常村の召喚獣がザムシャーを剣で突いてくるがザムシャーは地面に背を預け後ろに転がると足を蹴り上げ常村の召喚獣を蹴る。

「そこだ!」

 久保の召喚獣が両手の鎌を夏川の召喚獣に振り下ろした。

「させっか!」

 常村の召喚獣が久保の召喚獣に槍を突く。やりは久保の召喚獣に頭部に当たり点数を大きく削る。

「久保君!」

「大丈夫・・・・・・・・と言いたいけど大きく削られたね。」

 そんな時美波と秀吉が助けに入る

「二年Fクラス 島田美波 & 木下秀吉

 国語      196点   244点  」

 美波と秀吉の召喚獣が夏川の召喚獣を剣で刺す。夏川の点数が大きく削られる。

「夏川!撤退すっぞ!」

「でもよ常村!」

「聞け!」

「っ!」

「吉井の野郎に一泡吹かせたかったらここは撤退して補充するんだよ!」

「・・・・・・・・・わかったよ。」

 常夏コンビはその場を後ろにいた三年Aクラスの生徒に任せ撤退した。

『邪魔!』

 明久たちの域のあった攻撃によって三年Aクラスの生徒を倒した。

「こうも連戦だとこっちの方が倒されるね。」

「む?どうしてなのじゃ?」

 明久の言葉に秀吉が疑問を抱く。

「簡単に言えばこっちは経験慣れをしていない。Fクラス以外操作能力が長けていない。けどその反面Fクラス点数がひどい。三年生のFクラスの点数は明らかに向こうの方が上だよ。手っ取り早く倒す方法としては頭を潰すこと。でも・・・・・」

「アキが考えている頭ってのは高城先輩よね?」

 美波の言葉に明久は頷いた。

「この状況でしゃしゃり出てくるとは思えない。どっかに潜むとしたら・・・・・」

 明久が考え込んでいると雄二から電話が入って来た。

「もしもし?」

『おお明久か。ちょっとこっちに来てくれ。』

「本部に?ここで話せないの?」

『盗聴もしく盗み聞きされる可能性があるからな。』

「はぁ・・・・・・まあ分かったよ。」

 明久は電話を切った。

「ちょっと本部に戻るね。」

 そう言うと明久は雄二たちのいる二年生本部に行った。

 

「雄二、どうしたの?」

 本部に戻った明久は雄二に話しかけていた。雄二は腕を組み、背もたれをしながら話す。

「おう。まあお前も分かっているだろうが今この状況だと負ける可能性のほうが高い。」

「まあね。でも何か策があるの?」

「ああ、ある。それは勝負事態を無かった事にするって事だ。」

「つまり?」

「学園長の部屋に忍び込んでコンピューターを壊す。」

「タロウ。」

「ウルトラ念力。」

「ぎゃああああああああ!」

 雄二はタロウのウルトラ念力を喰らう。

「全く坂本!君はなって馬鹿な作戦を考えているのだ!」

 タロウが雄二を怒る。

「まあ待て!ちゃんとコレには理由がある。」

「「理由?」」

「高城の野郎を誘い出す作戦だ。あの先輩の事だからアレのこの作戦も予想しているだろう。だがアイツの言葉を真に受ける人間は中々いない。」

「一人で乗り込むと?」

 明久の言葉に雄二は「そうだ。」と答える。

「そこでお前と俺が行って高城の野郎を倒すって作戦だ。何か問題あるか?」

「・・・・・・・・・・一つだけ。高城先輩は僕を「ウルトラマンギンガ」って呼んだ。」

「試召戦争で何度もライブしているからおかしくないだろ。」

「でも僕はギンガ以外のスパークドールを何度もライブしている。なのに高城先輩はまるで僕自身がウルトラマンギンガでもかというような口調だった。」

「・・・・・・・・そう言われるとコッチノ作戦も不安になってくるな。下りるか?」

「・・・・・・いや、乗るよ。僕も少し確かめたいことがあるから。」

「よっしゃ!じゃあ行くか。」

「うん!」

 そう言うと明久は窓の方へと歩き出す。

「待て明久、どうやって行くつもりだ?」

「壁を伝って行こうかと。」

「出来るか!」

「大丈夫だって。」

 明久はそう言うとポケットの中を探り二組のカエルの手のような手袋を取り出し一組を雄二に渡した。

「なんだこれ?」

「カエルハンド。コレを使えばどんな場所にでも張り付いて行ける。でもバッテリーの限界時間があるからチャージ量に注意しないといけない。」

「ちなみにこれは何処で?」

「スパイ御用達の店でアルバイトしてたら第一世代型を給料と一緒に貰ったんだ。」

「ホントロクなバイトしないなお前は!」

 

 学校の壁を伝い何とか学園長室の前まで来た明久と雄二はゆっくりと廊下をあるいていた。

「しっかし本当にいるのかな?」

「今さらだろ。てかこの作戦もしあのやろうがいなかったら俺は自分で行ったことをやり遂げるぜ。」

「その時はタロウにウルトラテレポートしてもらうよ。」

「その必用はありませんよ。」

「「っ!?」」

 明久たちの前から高城の声が聞こえてきた。

「吉井明久君、君を待ってました。正直君の実力と点数は厄介ですからね。ここで倒させてもらいますよ。」

「僕はそう簡単に負けるつもり張りませんよ、高城先輩。」

「いくらギンガスパークがあるからと言っても無敵ではないでしょう。」

「「「っ!?」」」

 明久と雄二とタロウはギンガスパークのことまで知っている高城に明久と雄二は驚きを隠せなかった。

「もしかして高城先輩・・・・・・・」

「ええ、おそらくあなた方が思っている通り――――」

 高城は懐からダークスパークを取り出した。

「――――私が闇の者です。試獣召喚。」

「三年Aクラス代表 高城雅春

 地理       3559点 」

 高城の召喚獣は手にダークスパークを持っていた。そして高城の召喚獣は自分自身意ダークスパークを挿す。

〈ダークライブ!ダークルギエル!〉

 高城の召喚獣がダークルギエルにダークライブした。

「くっ!試獣召喚!」

「二年Fクラス 吉井明久

 地理     3074点 」

 明久の召喚獣はギンガスパークのクローを開く。ギンガスパークからウルトラマンギンガのスパークドールが出てくると明久の召喚獣はライブサインを読み込ませる。

〈ウルトラーイブ!ウルトラマンギンガ!〉

 明久の召喚獣が銀河に包まれウルトラマンギンガにウルトライブする、

「ここで君に提案があります。」

「提案?」

「もし私と君のどちらかがこの試召戦争で戦死したら今後一切姫路瑞希嬢には関わらないという提案です。」

「寝言は寝ていってください!」

 ギンガはダークルギエルに向かい飛び蹴りを喰らわそうとするがダークルギエルはただ左腕を振るいギンガを弾いた。

「ぐぅ!」

 明久苦しむ。

「物理干渉が仇となりましたね。」

「くっ!ギンガスラッシュ!」

 ギンガはダークルギエルにギンガスラッシュを放つがダークルギエルは左手を前にチキだしギンガスラッシュを受け止めた。

「甘いですね。この程度では私は倒せませんよ。」

 ダークルギエルはギンガスラッシュを握りつぶす。

「はぁあああ!」

 ギンガはダークルギエルに接近し殴ろうとするがダークルギエルの右脚の蹴りが入りギンガは体勢を崩した。ギンガが倒れる取る技エルはギンガの頭を掴む。

「ぐぅう・・・・・・・ギンガサンシャイン!」

 ギンガはダークルギエルに至近距離でギンガサンシャインを放つが全く効いていなかった。

「甘く見られましたね。その程度では私は倒せませんよ。」

 ダークルギエルはギンガを投げ飛ばした。ギンガは頭から滑る。

「がぁあああああ!」

 明久は悲鳴を上げる。

「まだ・・・・まだ・・・・・」

 ギンガは体勢を立て直し飛翔すと空中で静止する。

「ギンガファイヤーボール!」

 ギンガはダークルギエルにギンガファイヤーボールを食らわせようとする。

「小賢しいですね。」

 ダークルギエルは左手を突き出すと闇の波動を放ちギンガファイヤーボールをかっ消した。

「そんな・・・・・」

「喰らいなさい。」

 ダークルギエルの左手から闇の光弾が放たれギンガに直撃、ギンガは真っ逆さまに落ちた。

「ぐぅぁ!」

「降参してはどうですか?」

「そんなことは・・・・・・・しない!」

 ギンガは立ち上がる。

「ギンガサンダーボルト!」

 ギンガはダークルギエルにギンガサンダーボルトを放つがダークルギエルはその場から一瞬で姿を消し回避する。ダークルギエルがギンガの後ろに立ちギンガを背中から蹴った。

「ごふぁ!」

 明久の背中に激痛が走った。明久は片膝を付く。

「しぶといですね。ですがコレで終わりです。」

「まだだ!ギンガクロスシュート!」

 ギンガはダークルギエルの方を剥きギンガクロススーとを放った。ダークルギエルは手を十字に組み光線を放つ。互いの光線技がぶつかり合うがギンガが一方的に押され、ギンガは攻撃をモロに受けた。

「ぐああああああああああ!」

「コレでわかったでしょう?あなたと私では力の差がありすぎるのです。」

「まだ・・・・・・点数は0になってない!」

 ギンガはヨロヨロになりながらも立ち上がり構える。

「今僕に出来る最大級の技をアナタにぶつける!」

 ギンガは腕を胸の前で十字に組むと右手で円を描くように回し自身の前に七色の銀河を形成し両手に拳を付くってカラータイマーの前で構える。

「ギンガエスペシャリー!」

 ギンガは両腕を広げ全身から光線を放つ。

「ならばこちらはダークエスペシャリーといきましょう。」

 ダークルギエルもギンガ同様の技を放つ。互いの光線技がぶつかり合う。

「ぐおおおおおおおおおおおお!」

「はああ!」

 互角に渡り合っているかと思われたが徐々に徐々にギンガの方が押されていた。やがて目と鼻の先にまでダークルギエルの光線技が近づき、そしてギンガを攻撃した。

「ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」

 明久の体全体に激痛が走り、明久は両膝を付いて倒れた。明久の体は汗でびしょぬれとなり、肩で息をしていた。

「二年Fクラス 吉井明久

 地理      42点 」

 風前の灯火と言っても過言ではないほどの点数。正に絶望的であった。

「ま、待ってください!」

 そんな状況を打破するかのように姫路が息を荒くして駆けつけてきた。

「み・・・・・・・ずき・・・・・・・ちゃん・・・・・・」

「・・・坂本君、私が闘いますからその好きに明久君をお願いします。」

「・・・・・わかった。」

「試獣召喚」

「二年Fクラス 姫路瑞希

 地理       12点」

 これまで試召戦争をしてきたため点数は限りなく少なかった。

「姫路瑞希嬢、クラスメイトを見捨てないという貴女のその優しさは美徳ではありますがその点数で私と戦うのはいささか無謀かと。」

「わかっています。私じゃ高城先輩には勝てないという事を。」

「そうですか・・・・・・・・ならここで言っても構いませんね。吉井明久君、君は知っていますか?姫路瑞希嬢に姉妹校留学の話があるという事を?彼女に対しアナタたちはあんな待遇をした。私はあなた方に試召戦争を申し込んだ際に言いましたよね?釣り合っていないと。彼女にとって今の待遇は貴女のせいでつりあっていないのです。お分かりですか?」

「・・・・・知ってた・・・・・・よ。瑞希ちゃんが・・・・・・・それで悩んでいることを。なんでなんか・・・・・・・僕にはよく分からなかったけど・・・・・・・だからって・・・・・・僕らがどうこう言う筋合いなんて・・・・・・無いん・・・・・だ。瑞希ちゃんの・・・・・・人生は瑞希ちゃんが・・・・決める・・・・・・」

「明久君・・・・・・・私は、明久君のそんなやさしいところが好きです。」

「っ!?」

「だから・・・・・・この試召戦争で生き残ってください。」

「タロウ・・・・・・頼む。」

「・・・・・・わかった。」

 タロウは雄二と明久をウルトラテレポートで二年Aクラスの教室に戻った。戻った明久には自分の無力さが悔しかった。

 


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